ゲスト
(ka0000)
ディストルツィオーネの夢
マスター:瑞木雫

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在10人 / 3~10人
- サポート
- 現在1人 / 0~5人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/07/18 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/08/01 19:00
オープニング
“それでも、オレは人間を見る度に思っちまうんだよ。もしかしたら友達になれる日は、“今日”なんじゃねぇかって”
( ――バカバカしい )
“信じてるんだ。人と龍は、共に歩んでいけるって”
( 歩めねぇさ……夢ばかり見やがって!! )
ディストルツィオーネはアヴィドの様な、優しさも、慈悲も、もう持ち合わせていない――しかし、記憶だけは忘れる事無く、有していた――だからこそ。
( なのに、なんで………… )
アヴィドの願った『人と龍が共に歩む道』の実現が、耐えがたい苦しみであった。
ディストルツィオーネの頭の中で過去の記憶が駆け巡り、アヴィドを思い出しては、苛立ちを覚える。
そしてアヴィドが固執したその願いは、ディストルツィオーネにとっても無視する事の出来ないものだったのだ。
それは気が狂ってしまいそうになる程。
自身の精神を蝕み、自暴自棄になってしまいそうな程に。
端からすれば、この竜の苦しみは滑稽のように映るかもしれない。
しかし、偶像の王・スフィーダ(kz0183) は竜を滑稽だとは思わなかった。
「よせ。自暴自棄となって龍園を攻めても、今のお前じゃ返り討ちに遭うぞ。ディストルツィオーネ」
スフィーダが諭すと、ディストルツィオーネは唸り声を響かせながら、鋭い眼光を彼に向けた。
スフィーダの言葉の意味を、心のどこかで分かっている。
青龍に対抗できる力――龍園を壊滅させる程の力を持っていたなら、既にそうしていた事だろう。
けれど、居ても立っても居られなかった。
そうしなければ、心の安寧は得られぬと思っていたのだ。
だが、偶像の王の言葉に、竜は歯向かわず、聴き続けた。
「……しかしお前なら、きっと、龍園をも滅ぼせる。信じている。だからこそ今は、力を蓄えるのだ。――その時が来るまで」
スフィーダはいつも、竜を味方し、信じ続けてくれた。
……かつての、親友のように。
そしてディストルツィオーネは先程迄荒れていた心が凪いでいくのを感じつつ、静かに従って、眠りへ落ちた。
様々な想いを秘め、
世界への復讐を心に誓いながら……。
●
皆で想いを繋いで実現した、人と龍が共に歩む道――。
斯くして、人と龍の交流が深くなって以来、ディストルツィオーネに動きはなく、不気味な沈黙を続けていた。
しかし竜は再び、立ちはだかる筈だ。
――人類の敵として。
故に、ジャンルカ・アルベローニ(kz0164)は、過去の世界を観測する為に、ここへ来た。
どうして人が大好きだったアヴィドは、歪虚となってしまったのだろう。
最愛の親友が、愛するヒト・世界によって殺されてしまった事を受け容れられず、二度と戻れない所まで堕ちてしまったというが――何があったのだろう。
それを知る事は、ディストルツィオーネを倒す為に必要な情報だった訳ではなかったが、それでもジャンルカは知っておきたかった。
心の中でどうしても、信じられなかったのだ。
アヴィドがディストルツィオーネになるという事を。
何かの間違いだったのではないだろうか、と――。
想いを巡らせながら、ジャンルカは瞑っていた目を開く。
その日。
大型の歪虚が、龍園から遠く離れた村を襲っていた。
増援を呼ぶ為に戻って来た傷だらけの飛龍は、龍園の者達に、苦戦中の戦況を報せる。
そしてそれは、アヴィドにも伝わった。
『まさか……。アイツは? オレの親友は――…?』
『…』
飛龍は、分からないというように首を振った。
アヴィドの親友である赤い龍は、既に大型歪虚の討伐に向かっていた。
“大丈夫。怪我で行けぬお前の分まで、必ず救ってみせるから”
――と。
連日の歪虚討伐で負傷し、疲れていたアヴィドを残して。
「アヴィド、どうするんだ?」
『決まってるだろ、助けに行く!!』
ジャンルカの問いに躊躇いなく答えたアヴィドは、すぐに飛び立とうとしていた。
(この時点では、いつものアヴィドのように思える……。でもディストルツィオーネになった日は、今日の筈だ。この日、その村と…その近隣の村を襲撃したのは――)
ジャンルカは事前調査による情報収集で知っていた。
アヴィドは村を助ける為に龍園から飛び立った後――二度と、龍園には戻らなかった。
アヴィドはディストルツィオーネとなったからだ。
「待て、俺も行く!」
ジャンルカはアヴィドから片時も離れないでいようとした。
そうして共について行ったからこそ、目の当たりにする。
ジャンルカが目にした光景は――まさに、この世の地獄だった。
燃え盛る炎。
焦げた匂い。
横たわる人の死体。
救済を求める悲鳴。
そして、
リザードマンやワイバーンの群れと、
大型の……。
●
『あれは……!』
アヴィドには、竜の姿に見覚えがあった。
姿形は典型的なドラゴンであるものの、その顔面は明らかに人の顔。
しかし以前倒した強欲竜とは、どうやら別の個体のようであった。
それどころか、ただならぬ威圧感を感じた。
以前出会った竜とは比べ物にならない程の。
すると大型の強欲竜はアヴィドの姿を捉え――不気味な笑みを浮かばせた。
「なんだ、お前。人を助けに来たのか? 随分遅かったな。この村はもう終しまいだ」
この時、一瞬で悟った。
自分の力では到底敵う相手ではない、と。
『――…ッ!』
アヴィドは悔しそうに歯を食いしばった。
しかしそれでも諦めずに立ち向かい、懸命に戦うことを選択する。
元々怪我を負っていたアヴィドは本調子ではなく、傷も痛むが――
この村にはまだ、生存者がいた。
彼らの命だけでも救う為に。
血だらけになっても尚、ずっと。
「今日は妙な龍にばかり会うな。さっきの赤い龍もお前のように、救うためだと抗ってきやがったから、随分変わったヤツだと思ったが。お前も相当だよ」
『…! そいつは…ッ そいつをどうした!!』
「焦るなよ。今からそいつの元へ送ってやるからよ――」
するとアヴィドの視界が一瞬ぐらついた。
そして抉るような痛みを腹部に感じた時にはもう遅く、宙に浮いたアヴィドの首を強欲竜は掴んだ。
「あばよ……。赤い龍に宜しくな」
そうして散々痛めつけられたアヴィドは、崖の下へと突き落される。
(『くそ……こんなところで、終われる筈、ねぇのに』)
――想い描いていた夢。
――友達になった人間たち。
――なってくれなかった人間たち。
――親友と、そして皆で繋いだ想い。
全てが走馬燈のように巡り、
全てを愛しく思い、
全てを手放したくないと、そう強く、想いながら。
水晶の森へと、落ちていく。
解説
【目的】
アヴィドがディストルツィオーネとなった理由を知る
【必読】
●舞台設定
あなたは、仲間と共に神霊樹にアクセスし、『観測者』として過去<アヴィドがディストルツィオーネに変貌した日>へとやって来ました。
その場所は、歪虚によって壊滅状態となっている人が棲んでいた村で、アヴィドは村を助けようとしましたが、重傷を負って、崖から落ちてしまったようです。
今も尚、村は歪虚による攻撃を受けておりますが、すぐにアヴィドの元へ向かえば、歪虚となった経緯を目撃する事ができるでしょう。
アヴィドは、すぐには襲い掛かってきませんが、あるタイミングからあなた達に襲い掛かってきます。
此処での負傷や死亡は現実には引き継がれない為、当シナリオにて死亡・重傷を付与する事はありません。
また、これは<神の見た夢>であり、歴史を変える事は出来ません。
●「描写量について」と「サポート参加について」
当シナリオでは、サポート枠を含めて15人での観測となります。
一人当たりの描写量にも限りがあり、特にサポート参加の方は申し訳御座いませんが、描写できるのは僅かになるかと思われます。
やりたいことを最小限にぎゅっとプレイングに詰め込んで下さる方が、濃厚で丁寧な描写になりやすいです。
サポート参加の方は特に、1つに絞ることを推奨します(強制ではありません)
【プレイングについて】
●
リプレイではおそらく、
アヴィドが崖から落ちた後から、アヴィドがディストルツィオーネになる辺り迄を書く予定です。
●
リプレイの描写は心情を中心に進行します。なのでプレイングは、展開を予測するよりも、「ディストルツィオーネへの想い」「アヴィドへの想い」「アヴィドの親友への想い」等――心情に関するプレイングが重視であると、リプレイで明かされる物語に絡みやすくなると思います。
または「知りたいこと」「気になること」を書くと、気付けたり、深く知る事が出来るかもしれません。
アヴィドがディストルツィオーネとなった理由を知る
【必読】
●舞台設定
あなたは、仲間と共に神霊樹にアクセスし、『観測者』として過去<アヴィドがディストルツィオーネに変貌した日>へとやって来ました。
その場所は、歪虚によって壊滅状態となっている人が棲んでいた村で、アヴィドは村を助けようとしましたが、重傷を負って、崖から落ちてしまったようです。
今も尚、村は歪虚による攻撃を受けておりますが、すぐにアヴィドの元へ向かえば、歪虚となった経緯を目撃する事ができるでしょう。
アヴィドは、すぐには襲い掛かってきませんが、あるタイミングからあなた達に襲い掛かってきます。
此処での負傷や死亡は現実には引き継がれない為、当シナリオにて死亡・重傷を付与する事はありません。
また、これは<神の見た夢>であり、歴史を変える事は出来ません。
●「描写量について」と「サポート参加について」
当シナリオでは、サポート枠を含めて15人での観測となります。
一人当たりの描写量にも限りがあり、特にサポート参加の方は申し訳御座いませんが、描写できるのは僅かになるかと思われます。
やりたいことを最小限にぎゅっとプレイングに詰め込んで下さる方が、濃厚で丁寧な描写になりやすいです。
サポート参加の方は特に、1つに絞ることを推奨します(強制ではありません)
【プレイングについて】
●
リプレイではおそらく、
アヴィドが崖から落ちた後から、アヴィドがディストルツィオーネになる辺り迄を書く予定です。
●
リプレイの描写は心情を中心に進行します。なのでプレイングは、展開を予測するよりも、「ディストルツィオーネへの想い」「アヴィドへの想い」「アヴィドの親友への想い」等――心情に関するプレイングが重視であると、リプレイで明かされる物語に絡みやすくなると思います。
または「知りたいこと」「気になること」を書くと、気付けたり、深く知る事が出来るかもしれません。
マスターより
こんにちは。瑞木雫です。
竜が眠りから醒める日は、刻々と迫っています。
そうして最終章が始まる――その前に。
ディストルツィオーネやアヴィドに関わった事のある方向けに、『アヴィドがディストルツィオーネとなった理由を観測するシナリオ』をリリースしたいと思います。
破壊を繰り返し数多の命を奪っていくディストルツィオーネが、どんな龍だったかを知りたい方が、決意を改められるように。
アヴィドを知って心の整理がつかなかった方が、ディストルツィオーネと向き合えるように。
心情面や精神面に重きを置く、優しく、切ない内容のシナリオになるといいな、と思っております。
宜しくお願い致します。
竜が眠りから醒める日は、刻々と迫っています。
そうして最終章が始まる――その前に。
ディストルツィオーネやアヴィドに関わった事のある方向けに、『アヴィドがディストルツィオーネとなった理由を観測するシナリオ』をリリースしたいと思います。
破壊を繰り返し数多の命を奪っていくディストルツィオーネが、どんな龍だったかを知りたい方が、決意を改められるように。
アヴィドを知って心の整理がつかなかった方が、ディストルツィオーネと向き合えるように。
心情面や精神面に重きを置く、優しく、切ない内容のシナリオになるといいな、と思っております。
宜しくお願い致します。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/11/09 11:19
参加者一覧
サポート一覧
- リラ(ka5679)
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
【相談卓】痛みと絶望の夢 蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009) エルフ|22才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/07/18 08:48:37 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/07/16 03:00:52 |