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【空蒼】いつか儚く消えてしまうのならば

マスター:凪池シリル

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
参加費
1,000
参加人数
現在4人 / 3~4人
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
5日
プレイング締切
2018/07/20 19:00
リプレイ完成予定
2018/07/29 19:00

オープニング

 二人、並んで座って、夜空を見上げていた。
 瞬く星が、まるで闇に飲み込まれようとしてるみたいだと思いながら。
 少年と少女。話がしたいと、呼び出したのは少女の方。
 不思議には思わなかった。普段とは違う空気の中、ゆっくりと話したい、吐き出したい事なら──沢山、ある。
 世界が、揺らぎ続けている。
 信じたい未来と、目を背けてはいけない事実。交じり合う、二つの可能性の中で、彼女は何を思ったんだろう。
 少年は、少女の言葉をじっと待つ。
 そうして。
「ねえ……訓練所に居たときからね。君のことが好きだったよって、今言ったら、困る?」
 膝を抱えて泣きそうな顔で、少女は、少年に告げた。

「……僕たち、デートがしたいんです」
 リアルブルーのハンターオフィスで、依頼主として紹介された少年少女。その片方である少年は、依頼内容をそう告げた。
 それのどこに問題が? と、ハンターは視線で先を促す。
「ハンターの皆さんに、見守ってほしいんです。……僕たち、強化人間だから」
 それに……ハンターたちは、どんな顔をしただろう。驚きか。警戒か。呆れか。それとも……ただただ微笑んだだろうか。
「状況は、分かってるんです。でも信じたい気持ちもあって……。それでも……だから。僕たちのどちらかが『そうなって』しまったら、やっぱりきっと後悔する。そう思って、彼女が告白してくれて。僕もそれに……応えたくて」
 この想いが、いつか。
 壊れて、狂って、消えてしまうのならば、そうなる前に。
「あの……それで」
 申し訳なさそうに、少年は口を重くする。それに。
「あのっ、出来たら、遊園地行きたいなって! あの、私が、私が言いだしたんですっ」
 そうして、そこで少女が、精一杯の明るい声で、そう言った。
「小さいところで良いんですっ! 平日なら空いてるかなって! ……それでも、いきなり貸し切りとは、行かないでしょうけど……」
 もう、依頼の意図は説明する必要は無いだろう。
 彼らは怯えている。人の多いところに行って、そうしてもし、自分たちが『暴走』してしまったら、と。
 だから、ハンターたちに見守ってほしい。……もし、暴走したら、自分たちが一般人に手をかける前に……と。
「あ、の、駄目だと思うなら、良いんです! でも、そしたらどうするのがいいかなって。その……。せめてやっぱり、彼と思い出は、残したくて……だって」
 ──だって、初めて好きになった人が、僕もだよって、言ってくれたんですよ?
「恋人が出来たら、やっぱり遊園地デート、って、憧れだったんですけど。で、でもありますよね、静かなところで思い出に残るデートプランも! わ、私根が単純だからそういうの思いつかないんですけど!」
 少女はずっと、元気な声でハンターたちに訴えていた。笑顔で。今にも泣きそうな……笑顔で。
 傷ついた、揺れる願いと、想いを抱えて。
 終わるかもしれない世界を、最後まで、懸命に生きようと。
「あ、そうだ、ハンターさんたちは恋人いますか? そうしたらお話も聞きたいです! そうしたら、」

 もし、独り残されることになっても、私たちにどんな未来があったのかなって、想像することは出来るのかなあ。

解説

●目的
強化人間の少年少女の「デートプラン」の、相談に乗ること。
少女は遊園地を希望していますが、危険と思うのならば、別の提案も出来ます。
また、デート中「見守ってほしい」との要請があります。デートという事を鑑みると、どれくらいの距離で、どう備えながら見守るのか。これも、心境と安全性を踏まえて、どうするべきか、それぞれの考えがあるでしょう。
あとは、「恋人がいるなら貴方たちの話を聞きたい」、その問いにどうするか、ですね。

現時点ではPL情報ですが。デートを見守るなら、あなたはこんな少女の慟哭を目の当たりにすることになります。
「……嫌だよ。壊れたくない。殺されたくないよぉ! デート楽しかった、また行きたい、君が好きだよ、ずっと一緒に居たいよ! なんで!? どうして!? 世界を守りたいと思っちゃ、いけなかった? ハンターの皆さんに憧れたら、いけなかったの……!?」

まあそんな感じの心情依頼です。

マスターより

凪池です。
いやなんか先立っての依頼の予約数にびびって。あ、もしかして心情依頼もう一本くらいいる? とか。
それはそれとしてお砂糖依頼出したいなーとかふと思ったらこう……ハイブリットしてこんなものが。思いついてしまって。
うん、なんか混ぜちゃいけないものを混ぜたような気もしますが、強化人間に対して、殺す殺さないばっかりじゃなくてこんな話もあっていいかな、って。
逆にえぐいわって? 私もそんな気がしてる。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/07/25 19:04

参加者一覧

  • 献身的な旦那さま
    テオバルト・グリム(ka1824
    人間(紅)|20才|男性|疾影士
  • 大悪党
    神楽(ka2032
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • エクラの御使い
    アティ(ka2729
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
Gacrux(ka2726
人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/07/19 16:26:09
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/07/15 22:02:44