ゲスト
(ka0000)
心、響かせて 3
マスター:ゆくなが

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/07/25 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/08/08 15:00
オープニング
「いい風ですわね……」
グリューエリン・ヴァルファー(kz0050)が炎色の髪を抑えて言う。
青い海を心地の良い風が吹き渡る。
そう、今ハンター一行は船上にいた。
●船上までの経緯
浜辺でのゾンビ退治の後、その様子を見ていた商人から声を掛けられた。彼は近くの港の商人であった。なんでも、最近商船の失踪が相次いでいるので、調査してほしいと言うのだ。
失踪した船はある島の近くを通る予定だったものばかりだと言う。
ハンターオフィスへの報告もそこそこに、早速ハンターたちはその島へと赴くことになったのだ。
●さて、再び船上
「一体、その島では何が待ち受けていると言うのでしょうね? 妾が目立てる舞台なら良いのですけど」
そう言うのは、風に金色の髪をなびかせた、アラベラ・クララ(kz0250)であった。
●アラベラの経緯
アラベラは軍属になることは出来なかった。それは精霊を軍事力として扱うことであり、国際世論的に問題がある。
しかし、アラベラは安全な精霊であり、本人の希望もあったことから、帝国軍に協力しても良いという許可が出たのだ。
そこで、さっそく何やら不穏な案件を抱えているグリューエリンと共に活動することにしたのである。
●そして、船上
グリューエリンがアラベラをそっと見る。
グリューエリンはまだアラベラを完全に受け入れることは出来なかった。それはいつでも自由に生きているアラベラに対する羨望にも似た疎ましさに起因していることは自分でもわかっていた。
──私は、どうしたいのだろう。
グリューエリンは思う。
──私は、歌を……。
──歌いたいと思っているのでしょうか……。
そんな考えに沈んでいる時である。共に乗船している船員から声が上がった。
前方に3隻の船が見えてきたのだ。それはなんと、失踪している船たちだと言うではないか。
それらは、みるみる、グリューエリンたちの船へ近づいて来た……。
「あれは一体、なんです……!?」
望遠鏡でグリューエリンが向かってくる船を覗くと、信じられないものが見えた。
大量のゾンビが船に乗っており、生きた人間はどこにもいない。
彼らは、この船に狙いをつけたように、どんどん近づいてくる。
そして──ついに、ゾンビを満載にした船に、ハンターたちの船は接舷されてしまった。
●船上は戦場へ、そして揺さぶられる心
「グリューエリン、会いたかったよ!」
そんな言葉とともに、ゾンビの船からひとりの少年がハンターたちの船に飛び乗った。
彼は、無数のコウモリを従えた、10代前半といえる体格の少年だった。
そして、その声は、確かに浜辺にいたコウモリから聞こえて来たそれと同じものであった。
「貴方は、一体何者ですか!?」
グリューエリンが剣を抜き放って、鋭く問う。
「ああ、そうか。君は僕を知らないんだよね」
少年は微笑した。
「僕はヨル。君に憧れた人間だよ……今はもう歪虚だけどね」
肩をすくめて、少年──ヨルは言う。
「僕は君に訊きたいことがあるんだ……グリューエリン、どうして歌わなくなってしまったんだい?」
「どうして、貴方がそれを……?」
「僕の島はよく船が立ち寄るから、割と帝国本土の情報が手に入るんだ。だから、僕は君がもう歌わなくなってしまったことを知っている……ねえ、どうしてなんだい?」
本当に悲痛そうな顔をして、ヨルは問いかける。
「貴方には関係ありません……!」
「いや、あるね。僕は君に憧れて、歌を頑張ったんだ。君みたいになりたいと思った。だから、君が歌わなくなって本当に悲しいんだ。ねえ、グリューエリン」
彼はそこで一度言葉を区切った。
「もう一度歌ってよ」
それは、心からの訴えのように聞こえた。
グリューエリンはこたえない。ただ言葉に射抜かれたように立ち尽くしていた。
「……もしかして、よっぽどのことがあって歌えなくなっちゃった?」
「っ……!」
「わかるよ、その気持ち。僕も歌えなくなってしまったんだ。忌々しい変声期のおかげでね。でも、この歪虚の体になってからはすっかり元通りだ」
ヨルは細く白い喉をさすりながら言う。
「でも、僕がもう一度歌えたんだから、君だって歌えるはずだ。……そうだね、質問を変えよう。君は……何があったらもう一度歌ってくれるのかな?」
「どういうこと、です?」
「例えばさ、殺されかけたら、もう一度歌うって約束してくれるのかなってことさ」
その時だった。船のひとつからゾンビが跳んで来て、グリューエリンへ手に持った棍棒を思いっきり振り下ろした。
それを弾き返したのはアラベラの盾だった。
「そこの少年。グリューエリンにばかり構ってないで妾の方を見たらどうです?」
「君、誰? 僕、グリューエリンにしか用はないんだけど。ま、いっか」
そう言うと、ヨルは従えている船に目配せした。
「そうだね、例えば、君たちが乗っている船が沈みそうになったら、また歌ってくれるって約束してくれるのかな?」
ヨルは一度、ゾンビたちに呼びかけるように歌を歌った。
すると、接舷した船や、隣り合わせになった船から梯子やロープ、あるいは脚力でゾンビたちは、次々ハンターたちの船へ乗り移ってくるではないか。
「さらに例えばだけど、ゾンビたちに船員が殺されそうになったら、また歌ってくれるのかな!? グリューエリン!」
「私は……私は…………」
「何をしているのです、グリューエリン! しっかりしなさい!」
アラベラが言うも、グリューエリンは少年の言葉の毒にやられているようだ。
その間にも、ゾンビたちは迫ってくる。
「私は……!」
グリューエリンの言葉が、儚く風にかき消された。
グリューエリン・ヴァルファー(kz0050)が炎色の髪を抑えて言う。
青い海を心地の良い風が吹き渡る。
そう、今ハンター一行は船上にいた。
●船上までの経緯
浜辺でのゾンビ退治の後、その様子を見ていた商人から声を掛けられた。彼は近くの港の商人であった。なんでも、最近商船の失踪が相次いでいるので、調査してほしいと言うのだ。
失踪した船はある島の近くを通る予定だったものばかりだと言う。
ハンターオフィスへの報告もそこそこに、早速ハンターたちはその島へと赴くことになったのだ。
●さて、再び船上
「一体、その島では何が待ち受けていると言うのでしょうね? 妾が目立てる舞台なら良いのですけど」
そう言うのは、風に金色の髪をなびかせた、アラベラ・クララ(kz0250)であった。
●アラベラの経緯
アラベラは軍属になることは出来なかった。それは精霊を軍事力として扱うことであり、国際世論的に問題がある。
しかし、アラベラは安全な精霊であり、本人の希望もあったことから、帝国軍に協力しても良いという許可が出たのだ。
そこで、さっそく何やら不穏な案件を抱えているグリューエリンと共に活動することにしたのである。
●そして、船上
グリューエリンがアラベラをそっと見る。
グリューエリンはまだアラベラを完全に受け入れることは出来なかった。それはいつでも自由に生きているアラベラに対する羨望にも似た疎ましさに起因していることは自分でもわかっていた。
──私は、どうしたいのだろう。
グリューエリンは思う。
──私は、歌を……。
──歌いたいと思っているのでしょうか……。
そんな考えに沈んでいる時である。共に乗船している船員から声が上がった。
前方に3隻の船が見えてきたのだ。それはなんと、失踪している船たちだと言うではないか。
それらは、みるみる、グリューエリンたちの船へ近づいて来た……。
「あれは一体、なんです……!?」
望遠鏡でグリューエリンが向かってくる船を覗くと、信じられないものが見えた。
大量のゾンビが船に乗っており、生きた人間はどこにもいない。
彼らは、この船に狙いをつけたように、どんどん近づいてくる。
そして──ついに、ゾンビを満載にした船に、ハンターたちの船は接舷されてしまった。
●船上は戦場へ、そして揺さぶられる心
「グリューエリン、会いたかったよ!」
そんな言葉とともに、ゾンビの船からひとりの少年がハンターたちの船に飛び乗った。
彼は、無数のコウモリを従えた、10代前半といえる体格の少年だった。
そして、その声は、確かに浜辺にいたコウモリから聞こえて来たそれと同じものであった。
「貴方は、一体何者ですか!?」
グリューエリンが剣を抜き放って、鋭く問う。
「ああ、そうか。君は僕を知らないんだよね」
少年は微笑した。
「僕はヨル。君に憧れた人間だよ……今はもう歪虚だけどね」
肩をすくめて、少年──ヨルは言う。
「僕は君に訊きたいことがあるんだ……グリューエリン、どうして歌わなくなってしまったんだい?」
「どうして、貴方がそれを……?」
「僕の島はよく船が立ち寄るから、割と帝国本土の情報が手に入るんだ。だから、僕は君がもう歌わなくなってしまったことを知っている……ねえ、どうしてなんだい?」
本当に悲痛そうな顔をして、ヨルは問いかける。
「貴方には関係ありません……!」
「いや、あるね。僕は君に憧れて、歌を頑張ったんだ。君みたいになりたいと思った。だから、君が歌わなくなって本当に悲しいんだ。ねえ、グリューエリン」
彼はそこで一度言葉を区切った。
「もう一度歌ってよ」
それは、心からの訴えのように聞こえた。
グリューエリンはこたえない。ただ言葉に射抜かれたように立ち尽くしていた。
「……もしかして、よっぽどのことがあって歌えなくなっちゃった?」
「っ……!」
「わかるよ、その気持ち。僕も歌えなくなってしまったんだ。忌々しい変声期のおかげでね。でも、この歪虚の体になってからはすっかり元通りだ」
ヨルは細く白い喉をさすりながら言う。
「でも、僕がもう一度歌えたんだから、君だって歌えるはずだ。……そうだね、質問を変えよう。君は……何があったらもう一度歌ってくれるのかな?」
「どういうこと、です?」
「例えばさ、殺されかけたら、もう一度歌うって約束してくれるのかなってことさ」
その時だった。船のひとつからゾンビが跳んで来て、グリューエリンへ手に持った棍棒を思いっきり振り下ろした。
それを弾き返したのはアラベラの盾だった。
「そこの少年。グリューエリンにばかり構ってないで妾の方を見たらどうです?」
「君、誰? 僕、グリューエリンにしか用はないんだけど。ま、いっか」
そう言うと、ヨルは従えている船に目配せした。
「そうだね、例えば、君たちが乗っている船が沈みそうになったら、また歌ってくれるって約束してくれるのかな?」
ヨルは一度、ゾンビたちに呼びかけるように歌を歌った。
すると、接舷した船や、隣り合わせになった船から梯子やロープ、あるいは脚力でゾンビたちは、次々ハンターたちの船へ乗り移ってくるではないか。
「さらに例えばだけど、ゾンビたちに船員が殺されそうになったら、また歌ってくれるのかな!? グリューエリン!」
「私は……私は…………」
「何をしているのです、グリューエリン! しっかりしなさい!」
アラベラが言うも、グリューエリンは少年の言葉の毒にやられているようだ。
その間にも、ゾンビたちは迫ってくる。
「私は……!」
グリューエリンの言葉が、儚く風にかき消された。
解説
●目的
船員およびグリューエリンを守り、無事港まで帰還すること
●敵戦力について
ゾンビ。数は不明。
棍棒、剣など様々な武器を持っています。
雑魚ですが、数は多いので侮れません。
主に、船員とグリューエリンを襲うように行動します。
●ヨルについて
堕落者の少年。もう一度、グリューエリンに歌を歌わせようとしています。
周囲に前回の依頼で見たのと同じコウモリの使い魔を6体従えています。
詳しい能力は不明。
PL情報
ヨルは基本ゾンビに襲わせるばかりで、自分では何もしません。
攻撃を受ければ、最低限の防衛はしますがそれだけです。
グリューエリンが「もう一度歌う」と言うまで攻撃を止めるつもりはないようです。
●船について
大きさは船長30m、船幅6mの帆船。
ハンターたちの船も敵の船も同じ大きさで、どちらも大砲などの武装はありません。
ハンターたちの船は敵の3隻の船に囲まれています。
敵船との位置関係は、
1隻は右舷に接舷状態(これがヨルの乗っていた船)。
1隻は左舷から5mの位置。
1隻は前方60m先の位置。
また、1隻につき1体のコウモリが船に乗っている。(つまり少年の側に居るのも含めてコウモリは合計9体)
●船員について
ハンターたちの船には非覚醒者の船員が20人乗っています。
彼らはある程度混乱しており、船の後方にある船長室に逃げようとしています。
船長室まで行けば船員は安全だと考えて構いません。
●グリューエリンについて
ヨルの言葉で混乱しており、まともに戦える状態にありません。
●アラベラについて
ソウルトーチのようなスキルや、敵と味方の数に応じて攻撃力を増すスキルなどを持ち、対軍能力に優れている。強い。武器は槍と盾。
グリューエリンを守るように立ち回っており、特に指示がない場合もこのように行動する。
●質問について
グリューエリンは答えられる精神状態ではないため、アラベラがお答えします。
原則出発の48時間前まで質問を受け付けます。
船員およびグリューエリンを守り、無事港まで帰還すること
●敵戦力について
ゾンビ。数は不明。
棍棒、剣など様々な武器を持っています。
雑魚ですが、数は多いので侮れません。
主に、船員とグリューエリンを襲うように行動します。
●ヨルについて
堕落者の少年。もう一度、グリューエリンに歌を歌わせようとしています。
周囲に前回の依頼で見たのと同じコウモリの使い魔を6体従えています。
詳しい能力は不明。
PL情報
ヨルは基本ゾンビに襲わせるばかりで、自分では何もしません。
攻撃を受ければ、最低限の防衛はしますがそれだけです。
グリューエリンが「もう一度歌う」と言うまで攻撃を止めるつもりはないようです。
●船について
大きさは船長30m、船幅6mの帆船。
ハンターたちの船も敵の船も同じ大きさで、どちらも大砲などの武装はありません。
ハンターたちの船は敵の3隻の船に囲まれています。
敵船との位置関係は、
1隻は右舷に接舷状態(これがヨルの乗っていた船)。
1隻は左舷から5mの位置。
1隻は前方60m先の位置。
また、1隻につき1体のコウモリが船に乗っている。(つまり少年の側に居るのも含めてコウモリは合計9体)
●船員について
ハンターたちの船には非覚醒者の船員が20人乗っています。
彼らはある程度混乱しており、船の後方にある船長室に逃げようとしています。
船長室まで行けば船員は安全だと考えて構いません。
●グリューエリンについて
ヨルの言葉で混乱しており、まともに戦える状態にありません。
●アラベラについて
ソウルトーチのようなスキルや、敵と味方の数に応じて攻撃力を増すスキルなどを持ち、対軍能力に優れている。強い。武器は槍と盾。
グリューエリンを守るように立ち回っており、特に指示がない場合もこのように行動する。
●質問について
グリューエリンは答えられる精神状態ではないため、アラベラがお答えします。
原則出発の48時間前まで質問を受け付けます。
マスターより
こんにちは、あるいはこんばんは。ゆくながです。
「心、響かせて」第3話をお届けします。
今回は防衛戦、といったところでしょうか。
ついにボスがお目見えです。
さて、今回のシナリオではグリューエリンの扱いがキーになるでしょう。
少年ヨルの言うように、無理やり歌うことを承知させて襲撃を止める方法もあるでしょう。ですが、それはグリューエリンにとって最も良い選択と言えるのでしょうか?
グリューエリンの心が何を望んでいるかを考えることが大事かもしれません。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
「心、響かせて」第3話をお届けします。
今回は防衛戦、といったところでしょうか。
ついにボスがお目見えです。
さて、今回のシナリオではグリューエリンの扱いがキーになるでしょう。
少年ヨルの言うように、無理やり歌うことを承知させて襲撃を止める方法もあるでしょう。ですが、それはグリューエリンにとって最も良い選択と言えるのでしょうか?
グリューエリンの心が何を望んでいるかを考えることが大事かもしれません。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/07/31 13:40
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談用スレッド デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013) 人間(リアルブルー)|34才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/07/24 21:13:24 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/07/21 01:55:11 |
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![]() |
質問用スレッド Uisca=S=Amhran(ka0754) エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/07/23 22:34:03 |