ゲスト
(ka0000)
【虚動】歪虚化亜人とぜんまい仕掛けの武器
マスター:えーてる

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在12人 / 4~12人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/25 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/01/06 19:00
オープニング
●
リアルブルー産の対歪虚用戦闘装甲機、通称「CAM」。それがマギア砦の南方に集められ、今まさに稼動実験を始まる。
帝国が辺境に土地を借り、王国と同盟の協力を得て行われる一大プロジェクトだ。ある者はCAMの有効性を願い、ある者は眼前の利益のために動く。多くの人が関われば、思惑が交錯するのは当然だ。
何もなかったこの地も、次第に人で賑わい始める。今ではちょっとした町に見えなくもない。同盟軍によって運ばれたCAMも勢揃いし、静かに実験の時を待った。
そんな最中、見張り役の男が叫ぶ。
「北東から雑魔の群れが出現! その数100を越えます!」
それを聞いた首脳陣の顔色が変わった。
「バタルトゥ殿、この数の襲撃は自然な数と言えますかな?」
「……群れを成して行動するのは見かけるが……、この数は……異様だ」
予想された答えとはいえ、こうもハッキリ言われると辛い。
しかし、二の句は早かった。
「CAMは……投入できないのか……?」
敵の襲来で張り詰めた空気が、期待と不安の入り混じったものに変化した。
「今回の肝は改修したエンジンの稼動実験だ。実戦でデータを取る予定はない」
「とはいえ、いずれは敵を相手にするのだ。道理を語っている場合ではないぞ」
雑魔退治にCAM投入を希望するのは推進派の面々だが、彼らは慎重派を押し切るだけの決定的な材料を持っていた。
実はCAMのデモンストレーション用として、これまでの作戦に投入された際の挙動を披露するべく、貴重な特殊燃料をサルヴァトーレ・ロッソから少量ながら預かっていた。短時間の運用であれば、雑魔退治に差し向けても問題ないというのが彼らの主張である。
「だが、できればCAMに負担を与えたくないし、雑魔も近づけたくはないというのも本音だ」
「ならば……ハンターの手を借りるしかない、だろうな……」
結局、ハンターとCAMの共同作戦として、雑魔の群れを撃破することになった。
●
「はぁ……全く。私がせっかく作った玩具をよこせだなんて」
遠く山のとある木の頂上に立ち、それらを見下ろしてモナ・アラーネアは呟いた。
進軍する異形の兵士。亜人を捕らえて「良い物」を据え付けたそれは、見た目は兎も角お気に入りではあった。
つるりとした肌が陽の光を艷やかに照り返し、銀髪とドレスが木の葉に合わせて温い風に揺れる。それだけならば絵にもなるだろうが、生憎その肌の艶は陶器のそれであり、揺れる銀髪はそのまま銀糸だ。人に似せた姿ではいるが、その本質は無機物である。
「姿を見られたのはやはり問題でしたわ。でも罰と言うのならば甘んじて受けねばなりませんし……でもでも、だからって手出し無用はあんまり、そう、あんまりにもあんまりですわ!」
などと言いつつ、彼女はニヤニヤ笑いながらその光景を眺めていた。
「あぁ、でも……アレはとても良い物ですわね」
人ならざるものの視力は、ゆっくりと起動するCAMを捉えている。それが強力な兵器であることは一目で分かるし、脅威になることもすぐに分かる。
ただ、彼女の意見は少々異常だった。
「きっと粉砕されてしまいますわ。たかだか百の軍勢など。あの大きな武器で無残に焼かれ、裂かれ、撃ち抜かれてしまいますわ。握り潰され、踏み潰されてしまいますわ」
彼女はうずうずと体をくねらせていた。
「私が手塩にかけて作り上げた玩具が、肉の華になって散っていく様……嗚呼、嗚呼、それは……それはきっと――」
その倒錯的な笑みは、明らかに自軍の敗北を予期して、歓喜している顔だった。
「きっと、素晴らしい光景ですわ」
彼女の悦びは破壊にある。
物が壊れる様こそが――それが異常であるほどに――彼女を昂ぶらせるのだ。
それは決して敵の死だけを望むものではない。歪で派手な死を迎えるならばそれは歪虚でも構わないし、壮大に壊滅するならば無機物だろうと構わない。――あるいは自分の身でさえも。
だからこそ、彼女にとって手出し無用というのは重い処罰であった。
だが、そう、これ以上はゲームの参加資格を失うに違いないから、彼女は飛び出して行きそうな半身をどうにか押しとどめていた。
遥か下方、森の狭間から、何かが鋼糸を伸ばして彼女の足を絡めとっていた。
今にも飛び出して行きそうな己をその場に縛り付けてまで、彼女は遥か遠くから号令を発する。
「さぁお行きなさい、我が下僕たちよ」
ギチギチと機械仕掛けの武器が動き出す。正気を失ったゴブリンたちが、その肉に埋め込まれた機械の武器を唸らせて、進撃を開始する。
ギロリ、と森の暗闇で何かの目が光った。
「派手に争い、派手に壊れて、私を楽しませなさい――おーっほっほっほっほっ!!」
彼女の高笑いと共に、それらは一斉に武器を振り上げた。
●
CAMの燃料は貴重品。
有事に備えて起動するCAMの横に、ハンターたちが布陣する。
「CAMの支援が必要なら合図してくれ」
パイロットがハンターたちにそう言って、コクピットの中へ消えた。
やがて彼らの眼前へと、雑魔が迫る。
「……なんだ、あれは」
ゴブリンが歪虚化したものだというのは、見れば分かる。装備は粗末で、武器を持っているだけだ。
いや、持っているというのは正確ではなかった。
「機械が埋め込まれて……?」
腕や肩に鉄の塊が埋め込まれている。肉を裂き、骨を引き抜いて、それは腕の中に無理矢理収められていた。
何らかの機械のようだった。ただ、それは無秩序に取り付けられ、恐らく意味のないであろう歯車やぜんまいがくるくると空転している。
零れそうになった機械を、負のマテリアルで出来た糸が縛り付けて強引に肉の内側に固定していた。それだけでなく、糸はゴブリンの四肢にまで伸び、まるで操り人形のようにそれらを動かしているようだった。
その糸に縛られた雑魔は、報告にあった嫉妬の歪虚モナ・アラーネアの配下に酷似していた。
「待て、あれは……銃じゃないか?」
収めきれずに肉を裂いて露出した一部分は、確かに銃であった。他にも、玩具の剣であったり、チェーンソーであったり、或いは鉄の塊など、様々な金属が体に縫い付けられていた。
ゴブリンたちは動くたびに機械の装備に肉を削り取られていた。だが彼らは痛みを感じている様子はなく、機械の律動に恍惚とさえしていた。
埋め込まれた機械に身を削がれながら、ふらふらとした出来の悪い人形のような足取りでCAMへと迫る、歪虚化したゴブリンたち。
醜悪な姿に眉をひそめる一同。そこへ目掛けて、それらは異形の腕を……銃を構えた。
「っ、来るぞ!」
否応はなく、くぐもった銃声と共に戦端は開かれた。
リアルブルー産の対歪虚用戦闘装甲機、通称「CAM」。それがマギア砦の南方に集められ、今まさに稼動実験を始まる。
帝国が辺境に土地を借り、王国と同盟の協力を得て行われる一大プロジェクトだ。ある者はCAMの有効性を願い、ある者は眼前の利益のために動く。多くの人が関われば、思惑が交錯するのは当然だ。
何もなかったこの地も、次第に人で賑わい始める。今ではちょっとした町に見えなくもない。同盟軍によって運ばれたCAMも勢揃いし、静かに実験の時を待った。
そんな最中、見張り役の男が叫ぶ。
「北東から雑魔の群れが出現! その数100を越えます!」
それを聞いた首脳陣の顔色が変わった。
「バタルトゥ殿、この数の襲撃は自然な数と言えますかな?」
「……群れを成して行動するのは見かけるが……、この数は……異様だ」
予想された答えとはいえ、こうもハッキリ言われると辛い。
しかし、二の句は早かった。
「CAMは……投入できないのか……?」
敵の襲来で張り詰めた空気が、期待と不安の入り混じったものに変化した。
「今回の肝は改修したエンジンの稼動実験だ。実戦でデータを取る予定はない」
「とはいえ、いずれは敵を相手にするのだ。道理を語っている場合ではないぞ」
雑魔退治にCAM投入を希望するのは推進派の面々だが、彼らは慎重派を押し切るだけの決定的な材料を持っていた。
実はCAMのデモンストレーション用として、これまでの作戦に投入された際の挙動を披露するべく、貴重な特殊燃料をサルヴァトーレ・ロッソから少量ながら預かっていた。短時間の運用であれば、雑魔退治に差し向けても問題ないというのが彼らの主張である。
「だが、できればCAMに負担を与えたくないし、雑魔も近づけたくはないというのも本音だ」
「ならば……ハンターの手を借りるしかない、だろうな……」
結局、ハンターとCAMの共同作戦として、雑魔の群れを撃破することになった。
●
「はぁ……全く。私がせっかく作った玩具をよこせだなんて」
遠く山のとある木の頂上に立ち、それらを見下ろしてモナ・アラーネアは呟いた。
進軍する異形の兵士。亜人を捕らえて「良い物」を据え付けたそれは、見た目は兎も角お気に入りではあった。
つるりとした肌が陽の光を艷やかに照り返し、銀髪とドレスが木の葉に合わせて温い風に揺れる。それだけならば絵にもなるだろうが、生憎その肌の艶は陶器のそれであり、揺れる銀髪はそのまま銀糸だ。人に似せた姿ではいるが、その本質は無機物である。
「姿を見られたのはやはり問題でしたわ。でも罰と言うのならば甘んじて受けねばなりませんし……でもでも、だからって手出し無用はあんまり、そう、あんまりにもあんまりですわ!」
などと言いつつ、彼女はニヤニヤ笑いながらその光景を眺めていた。
「あぁ、でも……アレはとても良い物ですわね」
人ならざるものの視力は、ゆっくりと起動するCAMを捉えている。それが強力な兵器であることは一目で分かるし、脅威になることもすぐに分かる。
ただ、彼女の意見は少々異常だった。
「きっと粉砕されてしまいますわ。たかだか百の軍勢など。あの大きな武器で無残に焼かれ、裂かれ、撃ち抜かれてしまいますわ。握り潰され、踏み潰されてしまいますわ」
彼女はうずうずと体をくねらせていた。
「私が手塩にかけて作り上げた玩具が、肉の華になって散っていく様……嗚呼、嗚呼、それは……それはきっと――」
その倒錯的な笑みは、明らかに自軍の敗北を予期して、歓喜している顔だった。
「きっと、素晴らしい光景ですわ」
彼女の悦びは破壊にある。
物が壊れる様こそが――それが異常であるほどに――彼女を昂ぶらせるのだ。
それは決して敵の死だけを望むものではない。歪で派手な死を迎えるならばそれは歪虚でも構わないし、壮大に壊滅するならば無機物だろうと構わない。――あるいは自分の身でさえも。
だからこそ、彼女にとって手出し無用というのは重い処罰であった。
だが、そう、これ以上はゲームの参加資格を失うに違いないから、彼女は飛び出して行きそうな半身をどうにか押しとどめていた。
遥か下方、森の狭間から、何かが鋼糸を伸ばして彼女の足を絡めとっていた。
今にも飛び出して行きそうな己をその場に縛り付けてまで、彼女は遥か遠くから号令を発する。
「さぁお行きなさい、我が下僕たちよ」
ギチギチと機械仕掛けの武器が動き出す。正気を失ったゴブリンたちが、その肉に埋め込まれた機械の武器を唸らせて、進撃を開始する。
ギロリ、と森の暗闇で何かの目が光った。
「派手に争い、派手に壊れて、私を楽しませなさい――おーっほっほっほっほっ!!」
彼女の高笑いと共に、それらは一斉に武器を振り上げた。
●
CAMの燃料は貴重品。
有事に備えて起動するCAMの横に、ハンターたちが布陣する。
「CAMの支援が必要なら合図してくれ」
パイロットがハンターたちにそう言って、コクピットの中へ消えた。
やがて彼らの眼前へと、雑魔が迫る。
「……なんだ、あれは」
ゴブリンが歪虚化したものだというのは、見れば分かる。装備は粗末で、武器を持っているだけだ。
いや、持っているというのは正確ではなかった。
「機械が埋め込まれて……?」
腕や肩に鉄の塊が埋め込まれている。肉を裂き、骨を引き抜いて、それは腕の中に無理矢理収められていた。
何らかの機械のようだった。ただ、それは無秩序に取り付けられ、恐らく意味のないであろう歯車やぜんまいがくるくると空転している。
零れそうになった機械を、負のマテリアルで出来た糸が縛り付けて強引に肉の内側に固定していた。それだけでなく、糸はゴブリンの四肢にまで伸び、まるで操り人形のようにそれらを動かしているようだった。
その糸に縛られた雑魔は、報告にあった嫉妬の歪虚モナ・アラーネアの配下に酷似していた。
「待て、あれは……銃じゃないか?」
収めきれずに肉を裂いて露出した一部分は、確かに銃であった。他にも、玩具の剣であったり、チェーンソーであったり、或いは鉄の塊など、様々な金属が体に縫い付けられていた。
ゴブリンたちは動くたびに機械の装備に肉を削り取られていた。だが彼らは痛みを感じている様子はなく、機械の律動に恍惚とさえしていた。
埋め込まれた機械に身を削がれながら、ふらふらとした出来の悪い人形のような足取りでCAMへと迫る、歪虚化したゴブリンたち。
醜悪な姿に眉をひそめる一同。そこへ目掛けて、それらは異形の腕を……銃を構えた。
「っ、来るぞ!」
否応はなく、くぐもった銃声と共に戦端は開かれた。
解説
●目標
CAMの消耗の回避、敵の全滅
●戦力
・歪虚化機械ゴブリン
嫉妬の歪虚モナ・アラーネアの手によって機械を埋め込まれた雑魔ゴブリンです。数は10体、サイズは1です。
無理矢理縛り付けて装備させているため、通常の雑魔よりも耐久性に劣る他、行動ごとに自傷ダメージを受けます。
とはいえ通所のゴブリンよりは耐久性は高いでしょう。
主に銃器による攻撃を行います。強化されたアサルトライフルに相当、つまり威力は固定値で高くなっています。
近距離では剣による通常攻撃と、チェーンソーによる高威力低命中の攻撃をランダムに繰り出します。
・モナ・アラーネア
戦闘には参加しません。
基本的には戦闘終了を見届けた後満足して撤退します。
●CAM
ドミニオンMk.IVです。操縦は連合宙軍のパイロットが行います。
サイズは3です。装備は以下の通りです。
・105mmスナイパーライフル
射程と威力に優れたCAM用カノン砲。
・30mmアサルトライフル
取り回しのよいCAM用ライフル。
・1300mmコンバットナイフ
CAM用の近接戦闘武器。格闘動作はCAMの火器管制システムにプリインストールされており、レバー操作やコマンド入力で繰り出すことができる。長さはグリップを含む。
何をさせても雑魔程度は一撃必殺と言っていいでしょう。
一方燃料に余剰がなく、必要に迫られない限り移動はしません。攻撃も、ハンターの要請を受けるか自衛でのみ行います。
銃撃で損傷する可能性もあります。敵に攻撃されることは可能な限り防いでください。
勿論雑魔10体程度はCAM一機で殲滅出来ますが、その場合依頼は失敗となります。
●戦場
平地です。障害物は特にありません。
マスターより
えーてるです。燃料不足でひもじいCAMを守ってください。
異世界で近未来兵器が無双とかありがちですが、現実はこんなもんです。ロボも腹が減っては戦は出来ぬのです。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
異世界で近未来兵器が無双とかありがちですが、現実はこんなもんです。ロボも腹が減っては戦は出来ぬのです。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/07 01:40
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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質問掲示板 イルムトラウト・イトゥリツァガ(kz0067) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/12/23 23:17:03 |
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相談卓 マコト・タツナミ(ka1030) 人間(リアルブルー)|21才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/12/25 09:52:23 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/24 18:30:51 |