ゲスト
(ka0000)
緊急の依頼です!
マスター:びなっす

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/08/13 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/08/22 19:00
オープニング
日も沈んだ、真っ暗がりの森の中。
不気味な静けさが支配するその暗闇を歩く、二人の兄妹。
彼らの動かす足はおぼつかず、一目で迷っているであろう事が見て取れた。
「おにいちゃん……怖いよ……」
「大丈夫だ、少し我慢しろ。家で母さんが待ってるんだから」
幼い妹の手を引く少年は、心の底から這い出てくる不安を呑み込み、ひたすらに足を動かした。
枝を踏む音だけで妹の小さな手がびくりと震える。
妹は恐怖に怯えるも、手にした花だけは手放さずしっかりと掴んでいた。
その花は、少し前に森の奥で見つけたものだ。
二人は母親の誕生日プレゼントのために、この森にしか咲かない貴重な花を取りに来たのだ。
普段からここへ遊びに来ていて、森に慣れていた二人だったが。
この花を取りに行くため、いつもより深くへと踏み入ってしまい、それに暗がりの視界の悪さが加わり、道を間違え迷ってしまった。
辺りは木々が密集していて、真っ直ぐに進むにも木を避けながら歩かなくてはならない。
そこに目印らしい目印も無い。ただ、同じような場所を延々と進んでいるだけの状態。
こんなはずじゃ無かったのに……と、少年の苛立ちと不安の混じった感情が、歩を早める。
それについて行けず、手を引っ張る妹が煩わしく思えてしまう。
「……ねぇ、おにいちゃん……まだ帰れないの?」
「黙ってろって……もう少しで、いつもの道に出られるはずなんだ」
妹の消え入りそうな問い掛けに、ぶっきらぼうに言い返す少年。
その言葉は、少年自身にも言い聞かせているような希望じみたものだった。
しかしそんな言葉も、目の前に広がる暗闇に呑み込まれ、少年の足取りが徐々に重くなる。
それでも震えている妹を見るたび、俺がなんとかしなきゃと、妹の手を引きながら足を懸命に動かす。
そんな少年の足が、突然ぴたりと止まった。
こちらへ近付いてくる何かの足音が聞こえる。
獣の発するそれじゃなく、人の足音のようだった。
もしかして、迷っている自分達を助けてくれるかも……そんな少年の思いは、暗闇から現れた姿を前に霧散する。
「……っな」
「ひぃっ!」
目の前に現れた巨大な人型の影。
暗いため、その姿ははっきりとは見えなかったが、全身に濃く生えている体毛や獣のような頭部から、目の前にいるそれが獣人だと理解できた。
そして、二人を震え上がらせたのは、真っ赤に光る獰猛な瞳だ。
それが前に立つ少年に向けられ、あまりの恐怖に少年は動けないまま歯をガチガチと鳴らす。
途端、少年の繋がっている手に強い力がこもり、そして大きな震えを感じ、同様に動けずにいる妹の存在に気付いた。
どうすればいいのか分からない少年は、勇気を振り絞り震える身体を動かす。
そして、今もなお少年の手を強く掴んでいる妹に対し声を掛けた。
「……メヌ、ここから逃げろ」
「……で……でも」
突然の事態に困惑している妹。
そんな妹に対し、少年は覚悟を決め、妹の手を振り払い声を荒げた。
「いいから、早く行けよっ!」
大声に反応して、走り出す妹。
獣人は、突然走り出した妹の方に反応し、逃がすものかと追い掛ける。
それを見た少年は、咄嗟に足下にあった大きな石をつかんで、獣人へ向かって勢いよく投げつけた。
それは偶然にも目に命中し、勢いのあった大柄な身体が小さくよろめいた。
「おい、こっちだ化け物っ!」
少年は、ただ妹から獣人を引き離す事で頭がいっぱいだった。
瞬間、膨れ上がる殺気を前に、少年は怯みながらもどうにか足を動かし一目散に走り出す。
辺り一帯に轟くほどの咆哮をあげながら、片目を押さえ鬼の如く追う獣人。
こうして、少年と獣人の命懸けの鬼ごっこが始まった。
●同刻。
ハンターオフィスにて、女性職員の声がフロアに響いた。
「緊急の依頼です!」
普段はおっとりと温和そうな職員は、珍しく顔を強張らせながら、辺りにいるハンター達へ向けて言葉を放つ。
「今日の昼頃に森へと向かった兄妹二人が、夜になっても戻ってこないと母親から地元警察に通報がありました。加えて先程、兄妹が向かったと思われる森で雑魔の目撃情報があったそうです。この雑魔が兄妹二人に関係しているかどうかは現時点では不明ですが……このままでは危険だと判断しました。ゆっくりと募集を掛けている時間はありません。今この場にいる方で、すぐに向かえる方がいましたらご協力をお願いします」
何人かのハンター達がすぐさま立ち上がり、女性職員の前に集まった。
「ありがとうございます。依頼の内容は、行方不明の兄妹の捜索および雑魔の退治です。どうかよろしくお願いいたします。ことは急を要しますが……皆さんも、大怪我を負わないように、十分に気をつけて下さい」
不気味な静けさが支配するその暗闇を歩く、二人の兄妹。
彼らの動かす足はおぼつかず、一目で迷っているであろう事が見て取れた。
「おにいちゃん……怖いよ……」
「大丈夫だ、少し我慢しろ。家で母さんが待ってるんだから」
幼い妹の手を引く少年は、心の底から這い出てくる不安を呑み込み、ひたすらに足を動かした。
枝を踏む音だけで妹の小さな手がびくりと震える。
妹は恐怖に怯えるも、手にした花だけは手放さずしっかりと掴んでいた。
その花は、少し前に森の奥で見つけたものだ。
二人は母親の誕生日プレゼントのために、この森にしか咲かない貴重な花を取りに来たのだ。
普段からここへ遊びに来ていて、森に慣れていた二人だったが。
この花を取りに行くため、いつもより深くへと踏み入ってしまい、それに暗がりの視界の悪さが加わり、道を間違え迷ってしまった。
辺りは木々が密集していて、真っ直ぐに進むにも木を避けながら歩かなくてはならない。
そこに目印らしい目印も無い。ただ、同じような場所を延々と進んでいるだけの状態。
こんなはずじゃ無かったのに……と、少年の苛立ちと不安の混じった感情が、歩を早める。
それについて行けず、手を引っ張る妹が煩わしく思えてしまう。
「……ねぇ、おにいちゃん……まだ帰れないの?」
「黙ってろって……もう少しで、いつもの道に出られるはずなんだ」
妹の消え入りそうな問い掛けに、ぶっきらぼうに言い返す少年。
その言葉は、少年自身にも言い聞かせているような希望じみたものだった。
しかしそんな言葉も、目の前に広がる暗闇に呑み込まれ、少年の足取りが徐々に重くなる。
それでも震えている妹を見るたび、俺がなんとかしなきゃと、妹の手を引きながら足を懸命に動かす。
そんな少年の足が、突然ぴたりと止まった。
こちらへ近付いてくる何かの足音が聞こえる。
獣の発するそれじゃなく、人の足音のようだった。
もしかして、迷っている自分達を助けてくれるかも……そんな少年の思いは、暗闇から現れた姿を前に霧散する。
「……っな」
「ひぃっ!」
目の前に現れた巨大な人型の影。
暗いため、その姿ははっきりとは見えなかったが、全身に濃く生えている体毛や獣のような頭部から、目の前にいるそれが獣人だと理解できた。
そして、二人を震え上がらせたのは、真っ赤に光る獰猛な瞳だ。
それが前に立つ少年に向けられ、あまりの恐怖に少年は動けないまま歯をガチガチと鳴らす。
途端、少年の繋がっている手に強い力がこもり、そして大きな震えを感じ、同様に動けずにいる妹の存在に気付いた。
どうすればいいのか分からない少年は、勇気を振り絞り震える身体を動かす。
そして、今もなお少年の手を強く掴んでいる妹に対し声を掛けた。
「……メヌ、ここから逃げろ」
「……で……でも」
突然の事態に困惑している妹。
そんな妹に対し、少年は覚悟を決め、妹の手を振り払い声を荒げた。
「いいから、早く行けよっ!」
大声に反応して、走り出す妹。
獣人は、突然走り出した妹の方に反応し、逃がすものかと追い掛ける。
それを見た少年は、咄嗟に足下にあった大きな石をつかんで、獣人へ向かって勢いよく投げつけた。
それは偶然にも目に命中し、勢いのあった大柄な身体が小さくよろめいた。
「おい、こっちだ化け物っ!」
少年は、ただ妹から獣人を引き離す事で頭がいっぱいだった。
瞬間、膨れ上がる殺気を前に、少年は怯みながらもどうにか足を動かし一目散に走り出す。
辺り一帯に轟くほどの咆哮をあげながら、片目を押さえ鬼の如く追う獣人。
こうして、少年と獣人の命懸けの鬼ごっこが始まった。
●同刻。
ハンターオフィスにて、女性職員の声がフロアに響いた。
「緊急の依頼です!」
普段はおっとりと温和そうな職員は、珍しく顔を強張らせながら、辺りにいるハンター達へ向けて言葉を放つ。
「今日の昼頃に森へと向かった兄妹二人が、夜になっても戻ってこないと母親から地元警察に通報がありました。加えて先程、兄妹が向かったと思われる森で雑魔の目撃情報があったそうです。この雑魔が兄妹二人に関係しているかどうかは現時点では不明ですが……このままでは危険だと判断しました。ゆっくりと募集を掛けている時間はありません。今この場にいる方で、すぐに向かえる方がいましたらご協力をお願いします」
何人かのハンター達がすぐさま立ち上がり、女性職員の前に集まった。
「ありがとうございます。依頼の内容は、行方不明の兄妹の捜索および雑魔の退治です。どうかよろしくお願いいたします。ことは急を要しますが……皆さんも、大怪我を負わないように、十分に気をつけて下さい」
解説
●成功条件
兄『トイズ』と妹『メヌ』の保護、および雑魔の退治。
●敵情報
熊獣人型の雑魔×1体
体長は3mの巨体な熊獣人型の雑魔です。
魔力などは持っていませんが、それを補う程の身体能力を有しています。
目は常に赤く光り、暗い場所でも問題なく行動できます……が、現在右目は、少年の投石により視力が低下している状態です。
雑魔は怒り狂っていて、邪魔な木々を薙ぎ倒しながら少年を徐々に追い詰めていきます。
行動は単純かつ単調ですが、スピードとパワーは凄まじく、まともに戦えば苦戦する相手なので慎重に対処してください。
●場所
雑魔の目撃された場所は、木々が密集している所で直線的な場所はほとんどありません。
辺りは木々に囲まれているので、武器による広範囲の攻撃は失敗するおそれがあります。
加えて、視界の悪い暗闇の中なので、それに対応する必要もあります。
●兄妹情報
妹のメヌは雑魔から無事逃げ延び、運良く森の入り口付近へと真っ直ぐ向かって移動しています。
兄のトイズは今も雑魔に追われ、密集している木々に隠れながら移動をしています。
しかし、その際に足を負傷し、体力も限界に近く、雑魔に捕まるのも時間の問題です。
出来るだけ早く救出へ向かってください。
●支給品
暗闇での戦闘となるので、光源の確保が難しいハンターには
『広範囲を照らすことが出来るが、片手が塞がってしまうランタン型のライト』と
『一方向しか照らすことは出来ないが、邪魔にならないヘッドライト』
のうち、どちらか一つを支給できます。
立ち回りに応じて選んでください。
兄『トイズ』と妹『メヌ』の保護、および雑魔の退治。
●敵情報
熊獣人型の雑魔×1体
体長は3mの巨体な熊獣人型の雑魔です。
魔力などは持っていませんが、それを補う程の身体能力を有しています。
目は常に赤く光り、暗い場所でも問題なく行動できます……が、現在右目は、少年の投石により視力が低下している状態です。
雑魔は怒り狂っていて、邪魔な木々を薙ぎ倒しながら少年を徐々に追い詰めていきます。
行動は単純かつ単調ですが、スピードとパワーは凄まじく、まともに戦えば苦戦する相手なので慎重に対処してください。
●場所
雑魔の目撃された場所は、木々が密集している所で直線的な場所はほとんどありません。
辺りは木々に囲まれているので、武器による広範囲の攻撃は失敗するおそれがあります。
加えて、視界の悪い暗闇の中なので、それに対応する必要もあります。
●兄妹情報
妹のメヌは雑魔から無事逃げ延び、運良く森の入り口付近へと真っ直ぐ向かって移動しています。
兄のトイズは今も雑魔に追われ、密集している木々に隠れながら移動をしています。
しかし、その際に足を負傷し、体力も限界に近く、雑魔に捕まるのも時間の問題です。
出来るだけ早く救出へ向かってください。
●支給品
暗闇での戦闘となるので、光源の確保が難しいハンターには
『広範囲を照らすことが出来るが、片手が塞がってしまうランタン型のライト』と
『一方向しか照らすことは出来ないが、邪魔にならないヘッドライト』
のうち、どちらか一つを支給できます。
立ち回りに応じて選んでください。
マスターより
初めまして。新しくMSを務めさせてもらうことになった、『びなっす』と申します。
MSとしての初めてのシナリオになります。至らない点などあるとは思いますが、面白いシナリオを書けるように頑張ります。
皆さん、よろしくお願いいたします。
MSとしての初めてのシナリオになります。至らない点などあるとは思いますが、面白いシナリオを書けるように頑張ります。
皆さん、よろしくお願いいたします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/08/20 16:45
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/08/12 00:50:14 |
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相談室 レオナ(ka6158) エルフ|20才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2018/08/13 18:33:46 |