ゲスト
(ka0000)
旧水道跡ゴミ拾い作戦
マスター:佐倉眸

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(新規)
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/08/08 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/08/22 19:00
オープニング
●
嘗て、この地域に未だマテリアルを用いた水道の技術がもたらされていなかった頃のこと、川から町に畑に、水を引くための樋が巡らされていた。
その殆どが新しい技術の水道に置き換わり、廃れていったが、未だ僅かにその形を残す物が有る。
長い時の流れの中、苔生してひび割れて、土の中に半ば埋もれた樋を揺り籠のように眠る精霊がいた。
樋に使われるよりも前に石の中に生まれて、加工され、廃れて、尚昏々と眠り続けていたらしい。
最近、その眠りを妨げられたと言って、精霊はからりころりとオフィスを訪ねてきた。
「目を覚ましたばかりでここらのことはよく知らぬ。かか様の声を遠く遠くに聞いておったが……」
清廉な紫の光りを纏う、大層賢いお方だというかか様は、恐らくアメンスィのことだろう。
かの精霊は、先頃までこちらと不仲だったと聞くが、眼前の精霊もこちらを覗うように、目を眇めている。
「なに、唯、是れの寝床を掃除してくれたら、かか様へご挨拶に参じる手土産として、ご助力頂きました、と、申して遣っても良いと云っている」
●『旧水道跡ゴミ拾い作戦』
仮称をラヴェルと名乗った精霊の依頼を受けて集められたハンターへ、軍手と長靴、トングとゴミ袋が支給された。
白と灰の斑のヴェールを被った小柄な精霊。顔は見えないが時折覗かせる手には深い皺が多く、節が目立つ。
しゃがれた声は老婆のそれ、歩く度にからんころんと転がる様な音が鳴る。
よろしく頼むぞ。と、細い肩を聳やかして居丈高に言ってみせるが、その両手にもトングが確り握られている。
旧水道は、川の近くは埋められたが、残りは現在の水道管に併走するように所々石樋の縁を覗かせている。
全体が露出している部分を見れば、深さは膝上程度まで、幅は大人の肩幅を超えない程度。
小柄な精霊が横になると、丁度すっぽりと収まるようだ。
回りは木や草が茂って陰り、石の表面はひんやりとして心地良い。
ハンター達は休憩を取りながら、伸びすぎた草を刈ったり、枯れ葉を拾ったりしながら歩いて行く。
「是れは、この辺りで眠っておった。ここまで上から進んできたが、是れを起こした無粋ものはおらなんだな」
下流にいるのかと、水道跡の脇に支給品のシートを敷いて茶を飲みながら眺めるが、ここからは更に町へ近付いていく。
町の賑やかさで起こされたのだろうかと首を捻り、もっといやな物だったと首を振る。
カップを片付け、シートを畳みハンター達は再び歩き出す。
枯れ葉に紛れる人工物のゴミも増えてきた頃に、ハンター達もその無粋ものの気配を、負のマテリアルのそれを感じ取った。
※
※
※
●所謂、前日譚(「或る少女と歯車の思い出―訪問―」より一部を抜粋)
少女の人形は通りを隔てた屋根の上に腰掛けて、或る家を眺め、その家族の物語を聞いていた。
「――――とても残念です、こちらに越してきた時の荷物に紛れて捨ててしまったかも知れません。どこかに有ると思いたいのですが、実物は……私もこの子も見たことがない」
「祖父ちゃんの人形さん?」
「うん、祖父ちゃんと友達の特別な人形さんだよ」
男は小さな息子の頭を撫でながら、彼の父親が語った昔話を思い出す。
若い頃に友人達と作っていた特別な人形。
歯車の仕掛けで歩き、剣を立てて掲げ、跪いてから立ち上がって引き返す。
人形にしては複雑な動きをするその計画は、まだほんの数歩を歩いたところで、計画を凍結させていた。
絵を得意としていた祖父が友人達に披露した、その人形をイメージして描いた柔らかな金髪と緑の目の少年が、大層好評だったと晩年まで自慢していた。
仕事や、色色な都合で別れることになった祖父を含む6人の友人達は、人形を頭と胴、左右の手足を分け合って、将来それを完成させるべく再会することを誓ったという。
祖父はその右腕を持っていた。
祖父が友人達の再会に間に合わなかったことと、右腕の遺失を伝えた、その晩。
両親の亡骸が転がっている。
全身から夥しい血を流し、恐怖に引き攣った顔、裏返った目玉、逃げろと叫んだ口。
2人を殺した少女、壮絶に美しく、夜の暗がりにも映える白磁の肌。艶やかに微笑んだ唇に、薔薇色の頬。
こんな状況であってさえ見とれてしまうほどの麗しい人形。
幼い一人息子は、悲鳴も上げられずに膝から崩れて意識を無くした。
「見付けたわ」
人形の手には人形の手、家中をひっくり返すように荒らして、漁って。少女の人形は彼女の手よりも一回り大きな手をして、歯車に飾られた人形の右腕を掲げた。
人形の右腕は見る間に黒く侵蝕された。
(「或る少女と歯車の思い出―贈物―」に続く)
嘗て、この地域に未だマテリアルを用いた水道の技術がもたらされていなかった頃のこと、川から町に畑に、水を引くための樋が巡らされていた。
その殆どが新しい技術の水道に置き換わり、廃れていったが、未だ僅かにその形を残す物が有る。
長い時の流れの中、苔生してひび割れて、土の中に半ば埋もれた樋を揺り籠のように眠る精霊がいた。
樋に使われるよりも前に石の中に生まれて、加工され、廃れて、尚昏々と眠り続けていたらしい。
最近、その眠りを妨げられたと言って、精霊はからりころりとオフィスを訪ねてきた。
「目を覚ましたばかりでここらのことはよく知らぬ。かか様の声を遠く遠くに聞いておったが……」
清廉な紫の光りを纏う、大層賢いお方だというかか様は、恐らくアメンスィのことだろう。
かの精霊は、先頃までこちらと不仲だったと聞くが、眼前の精霊もこちらを覗うように、目を眇めている。
「なに、唯、是れの寝床を掃除してくれたら、かか様へご挨拶に参じる手土産として、ご助力頂きました、と、申して遣っても良いと云っている」
●『旧水道跡ゴミ拾い作戦』
仮称をラヴェルと名乗った精霊の依頼を受けて集められたハンターへ、軍手と長靴、トングとゴミ袋が支給された。
白と灰の斑のヴェールを被った小柄な精霊。顔は見えないが時折覗かせる手には深い皺が多く、節が目立つ。
しゃがれた声は老婆のそれ、歩く度にからんころんと転がる様な音が鳴る。
よろしく頼むぞ。と、細い肩を聳やかして居丈高に言ってみせるが、その両手にもトングが確り握られている。
旧水道は、川の近くは埋められたが、残りは現在の水道管に併走するように所々石樋の縁を覗かせている。
全体が露出している部分を見れば、深さは膝上程度まで、幅は大人の肩幅を超えない程度。
小柄な精霊が横になると、丁度すっぽりと収まるようだ。
回りは木や草が茂って陰り、石の表面はひんやりとして心地良い。
ハンター達は休憩を取りながら、伸びすぎた草を刈ったり、枯れ葉を拾ったりしながら歩いて行く。
「是れは、この辺りで眠っておった。ここまで上から進んできたが、是れを起こした無粋ものはおらなんだな」
下流にいるのかと、水道跡の脇に支給品のシートを敷いて茶を飲みながら眺めるが、ここからは更に町へ近付いていく。
町の賑やかさで起こされたのだろうかと首を捻り、もっといやな物だったと首を振る。
カップを片付け、シートを畳みハンター達は再び歩き出す。
枯れ葉に紛れる人工物のゴミも増えてきた頃に、ハンター達もその無粋ものの気配を、負のマテリアルのそれを感じ取った。
※
※
※
●所謂、前日譚(「或る少女と歯車の思い出―訪問―」より一部を抜粋)
少女の人形は通りを隔てた屋根の上に腰掛けて、或る家を眺め、その家族の物語を聞いていた。
「――――とても残念です、こちらに越してきた時の荷物に紛れて捨ててしまったかも知れません。どこかに有ると思いたいのですが、実物は……私もこの子も見たことがない」
「祖父ちゃんの人形さん?」
「うん、祖父ちゃんと友達の特別な人形さんだよ」
男は小さな息子の頭を撫でながら、彼の父親が語った昔話を思い出す。
若い頃に友人達と作っていた特別な人形。
歯車の仕掛けで歩き、剣を立てて掲げ、跪いてから立ち上がって引き返す。
人形にしては複雑な動きをするその計画は、まだほんの数歩を歩いたところで、計画を凍結させていた。
絵を得意としていた祖父が友人達に披露した、その人形をイメージして描いた柔らかな金髪と緑の目の少年が、大層好評だったと晩年まで自慢していた。
仕事や、色色な都合で別れることになった祖父を含む6人の友人達は、人形を頭と胴、左右の手足を分け合って、将来それを完成させるべく再会することを誓ったという。
祖父はその右腕を持っていた。
祖父が友人達の再会に間に合わなかったことと、右腕の遺失を伝えた、その晩。
両親の亡骸が転がっている。
全身から夥しい血を流し、恐怖に引き攣った顔、裏返った目玉、逃げろと叫んだ口。
2人を殺した少女、壮絶に美しく、夜の暗がりにも映える白磁の肌。艶やかに微笑んだ唇に、薔薇色の頬。
こんな状況であってさえ見とれてしまうほどの麗しい人形。
幼い一人息子は、悲鳴も上げられずに膝から崩れて意識を無くした。
「見付けたわ」
人形の手には人形の手、家中をひっくり返すように荒らして、漁って。少女の人形は彼女の手よりも一回り大きな手をして、歯車に飾られた人形の右腕を掲げた。
人形の右腕は見る間に黒く侵蝕された。
(「或る少女と歯車の思い出―贈物―」に続く)
解説
目的 ゴミ拾いを行い、精霊の眠りを妨げた物の正体を明らかにする。
●場所
旧水道跡
魔導技術を用いたマテリアルに依る浄水水道が整備される以前に川から町へ水を引いていた石樋
小柄な精霊が収まる程度の溝に、枯れ葉や泥が溜まったり、草が生えたりしている
半ばを過ぎると、町を縁取るように続くが、その辺りからは人工物のゴミが見付かる
●精霊
旧水道に用いられた石にいた。ラヴェルと名乗っているが、本名ではない
斑のヴェールを被っているが、老婆のような様相が覗える
強い力のある精霊ではないため、条件によって離脱する可能性がある
●ゴミ
菓子の袋や壊れたステーショナリー、割れた食器や何かの部品など様々
全員がゴミ袋を一杯にする程度
ゴミ拾いに必要な道具は一式支給されている
※PL情報として
●場所
下流に進み暫く歩くと白骨が2人分見付かる
その周囲の草は枯死している
●白骨
前日譚で殺された両親のものだが、シナリオ中では明らかにされない
負のマテリアルに侵蝕された痕跡があるが、その原因も不明
遺留品から男女、死亡時期は春先と推測が可能
精霊が白骨に遭遇した場合、この白骨が原因だと断言して離脱する
●場所
旧水道跡
魔導技術を用いたマテリアルに依る浄水水道が整備される以前に川から町へ水を引いていた石樋
小柄な精霊が収まる程度の溝に、枯れ葉や泥が溜まったり、草が生えたりしている
半ばを過ぎると、町を縁取るように続くが、その辺りからは人工物のゴミが見付かる
●精霊
旧水道に用いられた石にいた。ラヴェルと名乗っているが、本名ではない
斑のヴェールを被っているが、老婆のような様相が覗える
強い力のある精霊ではないため、条件によって離脱する可能性がある
●ゴミ
菓子の袋や壊れたステーショナリー、割れた食器や何かの部品など様々
全員がゴミ袋を一杯にする程度
ゴミ拾いに必要な道具は一式支給されている
※PL情報として
●場所
下流に進み暫く歩くと白骨が2人分見付かる
その周囲の草は枯死している
●白骨
前日譚で殺された両親のものだが、シナリオ中では明らかにされない
負のマテリアルに侵蝕された痕跡があるが、その原因も不明
遺留品から男女、死亡時期は春先と推測が可能
精霊が白骨に遭遇した場合、この白骨が原因だと断言して離脱する
マスターより
よろしくお願いします。
私情によりとってものんびりなペースで進みますが、シリーズ第1話です。
次話から人形歪虚を追って頂きますが、ラヴェルを懐柔しておくと協力が得られます。
私情によりとってものんびりなペースで進みますが、シリーズ第1話です。
次話から人形歪虚を追って頂きますが、ラヴェルを懐柔しておくと協力が得られます。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/08/21 03:02
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 Gacrux(ka2726) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/08/07 20:24:52 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/08/07 20:15:18 |