• 調査

寄生虫の恐怖

マスター:きりん

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在4人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2018/09/10 12:00
リプレイ完成予定
2018/09/19 12:00

オープニング

●動物の肉
 クリムゾンウエストでは、リアルブルーでは一般的な牛、豚、鳥の肉以外にも、様々な動物の肉が食肉として親しまれている。
 中には肉食動物の肉もあり、臭みがあったり筋張っていたりするものの、処理の仕方でどうにかなる問題だった。
 とある街でのこと。
「串焼き、串焼きはいかがかねー」
 屋台で串焼きを焼く男が、肉と葱を串に刺して焼いたものを売っていた。
 味付けは塩、あるいはタレだ。
 使っている肉は牛でも豚でも鳥でもない。
 街の外でハンターに退治された肉食動物の肉だ。
 その肉食動物は街の外に出た人間を襲って喰い殺したことで有名になり、ただの動物でありながらハンターに討伐依頼が入った経緯がある。
 だが、どうしてその喰われた人間が外に出たのか、運悪く肉食動物に発見されてしまったのか、その理由が詮索されることはなく、偶然の一言で片付けられた。
 故に、知る者は少ない。
 一連の事件の裏で、糸を引いていたものの存在を。

●寄生虫雑魔
 それは元を正せばただの寄生虫だった。
 虫を宿主とし、その虫を操ってわざと捕食動物の目の前に姿を晒して捕食させ、捕食動物に寄生して産卵し、卵をフンと一緒に排泄させ、そのフンを食べる虫に再び寄生するというサイクルを繰り返す。
 そんな人間とは全く関係ない寄生虫だったのだが、それが何らかの要因で雑魔となった時、全てが変わった。
 宿主に寄生するという習性はそのままに、その宿主に人間を選ぶようになったのだ。
「串焼きを……これで一本売ってくれ」
「まいどー」
 ホームレスが、串焼きを売る男から一本串焼きを購入する。
 その串焼きに使われた肉に寄生しているモノの存在に気付くこともなく、食べてしまったのだった。

●寄生された人間は……
 次の日。
 あの串焼きを食べたホームレスが、ふらふらとおぼつかない足取りで通りを歩いていた。
 ぎょろぎょろと目を左右別々に動かしている姿はとても奇妙だったが、彼に注意を向ける者はいなかった。
 まるでホームレスの存在になど、誰も気付いていないかのように。
 ごく少数、気付いて声をかける者もいたが、ホームレスは彼らに向かって猛然と走り出し、噛み付く。
 その際噛まれた傷口から小さな何かが彼らの体内に入り込んだが、驚いた彼らはそれに気付かず噛み付かれた箇所を押さえ逃げていった。
 ホームレスは彼らがいなくなると再び街の外を目指す。
 ボロボロの服を着た姿のまま、武器さえ身に帯びずに、肉食動物や時には雑魔さえ出ることもある、街の外へと出てしまった。
 街の外に出たホームレスは、どこかに隠れるでもなく、街道を堂々と歩き、やがて森の中に入った。
 準備もせずに街道を離れるのは自殺行為だ。
 それに、街道から離れてしまえば肉食動物に捕捉される確率は高くなる。
 案の定、ホームレスは肉食動物に見つかってしまった。
 しかし、逃げるどころかホームレスは肉食動物に向かって歩き出し、地面に倒れた。
 肉食動物はホームレスに近付き、やがてホームレスの肉を喰らい始めた。
 喰い殺されるまでの間、ホームレスはぎょろぎょろと左右の目をばらばらに動かし続けていた。

●ハンターズソサエティ
 受付嬢の一人であるジェーン・ドゥが、依頼を一つ選んで席を立ち、ハンターたちの下へやってきた。
 依頼の斡旋である。
「事件です」
 若干青い顔色で、ジェーンが依頼の説明を始める。
「最近、元が寄生虫と思われる雑魔による被害が多発しています。この雑魔は寄生された動物の肉や宿主との直接接触を介して人間に寄生すると脳にまで達し、意識を乗っ取って外に出て、肉食動物に食べさせて再び動物に寄生するという行動を繰り返しています」
 誰かがごくりと唾を飲み込む音が聞こえる。
「どうやら寄生虫だった頃の行動を繰り返しているようです。寄生されて喰われた人間の身体を解剖したところ、身体の中はスカスカになっていて、特に頭蓋骨の中身が丸ごと寄生虫雑魔に入れ替わっていることが判明しました」
 ジェーンは淡々と説明を続けた。
「肉体的にはまだ生きていても寄生された時点で人としては死亡しています。また、街の外に出るのを止めようとした人間に対し宿主を襲い掛からせ、自分の身体の一部を切り離して寄生させることも確認されています。これ以上の被害を出すわけにはいきません。街の人間に注意を呼び掛けるとともに、不自然に街の外に出ようとする人間を捕まえ、寄生された人間でないか確かめてください。寄生されている人間は目が寄生虫のものに入れ替わって蠢いているので分かるそうです。寄生されていた場合は、真に痛ましいことですが、これ以上の感染を防ぐためにも処理が必要でしょう。感染源である動物や、元となった寄生虫への対応については、また別のハンターたちを向かわせるそうですので、街でこれ以上感染が広がらないよう寄生された人間への対応を最優先にお願いいたします」
 最後にジェーンは深く頭を下げ、話を締め括った。

解説

●概要
 調査シナリオです。
 街の外と街中の二手に分かれ、寄生虫雑魔に乗っ取られた人間がいないか見て回ってください。
 寄生虫に寄生されると目が寄生虫雑魔のものに入れ替わり、左右別々に蠢くようになるのですぐに分かります。
 また、彼らは街の外に出て肉食動物に食べられようとしますので、街の外で張っていれば見逃す可能性は低いでしょう。

●達成条件
・寄生虫雑魔の駆除

●駆除について
 特効薬などは発見されていません。
 雑魔なので既存の虫下しの薬なども効果がありません。
 寄生された人間はまだ動いていても脳が雑魔に成り代わられているため、生きていますが人としては死亡しています。
 リザレクションも効果がありません。

●敵(数はPL情報)
☆寄生虫雑魔……八匹
 元は一センチ未満だが、宿主の中で脳を喰らいほぼ同じ大きさまで膨れ上がる。脳を喰われた人間は積極的に外に出て肉食動物に喰われようとする。宿主となった者は身体は生きていても既に死んだも同然で、仮に雑魔だけを駆除することが出来たとしても死ぬだけである。身体の一部を切り離して分裂することもできる。覚醒者には寄生しない。また、宿主への注意を逸らす魔法を使う。
☆宿主……八体
 二メートル未満。寄生虫雑魔に寄生され、脳を喰い尽くされて身体を乗っ取られた人間。寄生された肉を食べて感染する他、宿主に襲われて直接感染する可能性もある。一般人だが寄生の影響か一般人らしからぬ身体能力を発揮する。どんな怪我を負ってもゾンビのように平然と動き続けるが、本体の雑魔が死ぬと活動を停止する。寄生されてから脳を喰い尽くされて目が雑魔のものに変わるまでは速やかに行われるため、健常者の中にまだ潜伏中である者が混じっている可能性を考える必要はない。

マスターより

初めまして、こんにちは。
マスターのきりんです。
今回のシナリオは寄生虫のお話となっています。
グロイ、怖い、キモイの三拍子揃った問題作ですので、ご注意を。
寄生された人間は全部で八人いて、全員街の外を目指しています。
街の中で捕まえるか街の外で捕まえるかのどちらでも構いませんので、一人も逃がさないでください。
逃がすと動物に感染して、その肉をまた人間が食べてと感染がループする可能性があります。
それでは楽しんでくださいね。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/09/12 10:26

参加者一覧

  • 支援巧者
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • 夢路に誘う青き魔女
    夢路 まよい(ka1328
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師

  • ズィルバーン・アンネ・早咲(ka3361
    人間(蒼)|15才|女性|機導師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
依頼相談掲示板
アイコン 寄生虫
レイア・アローネ(ka4082
人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/09/10 09:52:57
アイコン 質問卓
レイア・アローネ(ka4082
人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/09/08 08:53:54
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/09/10 04:41:38