ゲスト
(ka0000)
湖の主
マスター:きりん

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/09/12 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/09/21 15:00
オープニング
●水中を泳ぐ巨大魚
昔から、その湖には主がいるという噂があった。
実際に主と呼ばれる生物の姿を見た者がいるわけではないが、夜中に巨大な鰭のようなものが湖の水面に突き出ているのを見た者はならばいたのだ。
「今日こそ主を釣り上げてみせるぞ!」
釣り人姿の老人たちが、釣り船に乗り込んで湖に出て行く。
「あー、またやってるよあの爺さんたち」
「何度も空振りに終わってるのに、懲りないねぇ」
老人たちの挑戦はもはや毎度のことだったので、目撃した通行人たちも呆れた表情で見るだけだった。
湖に出た老人たちが持ち出したのは、巨大な特製の釣竿だった。通常の釣竿の十倍くらいはありそうな大きさだ。
それを老人たちは全員で抱えて持ち、一人が釣竿の先の針に魚の切り身を引っ掛けて餌とし、竿を持った全員が協力して竿を振り、糸を湖面に垂らす。
後は餌に獲物が食いつくまで適当に動き回りながらひたすら待つだけだ。
「昨日も一昨日も釣れなかった。今日こそは釣れるといいが……」
「竿が小さいんじゃないか? もっと大きくするべきだろう」
「だが、これ以上大きくしたら船自体が沈みかねんぞ」
待っている間、老人たちは雑談に興じる。
しかしその間も、老人たちの目線はチラチラと湖面と釣竿に向けられており、本来の目的を見失っていないことが窺える。
しかしそのまま音沙汰なく太陽は天頂に達し、老人たちは船の上で昼食を取った。
「午前中は空振りか……」
「何、まだ午後がある!」
「午後もダメだったらどうするんだ?」
「午後がダメでも明日があるだろう」
「そうだな! 明日がダメでも明後日があるしな!」
「最悪俺たちが寿命で死ぬ前に釣れれば問題ない!」
老人たちは昼食を取りながら盛り上がっていた。
寿命で死ぬまでにとは気の長い話である。
そんな中、突然船に固定していた竿が激しく引っ張られた。
「おおおおお、掛かったか!?」
「あ、いや、ちがうぞ。湖の底に引っかかっただけみたいだ」
「ああ、そういえばこの辺りは急に浅くなるんだったな」
「もっと深いところに移動するぞ」
老人たちは船を動かし、釣り場所を変えていく。
そして再び竿が引っ張られた。
今度は湖の底に針が着くような深さでもない。
「掛かったぞおおおおおおお!」
「引けえええええええええ!」
「うぉっしゃああああああ!」
「力の限りいくぞおおおおおおおお!」
「凄い引きだぞこれはああああああああ!」
竿に飛びついた老人たちは、力を合わせて竿を引く。
その瞬間、抵抗が消えた。
糸が切れたかと落胆した老人たちの真上を影が覆う。
思わず空を見上げた老人たちの頭上を、きらきらと七色に光る鱗が通過していく。
「で……」
誰かが息を飲む。
いや、誰もが、かもしれない。
「でけえええええええええええ!」
悲鳴と共に、巨大魚が着水した衝撃で、船が転覆した。
なお、奇跡的に死傷者が出なかったことをここに特筆しておく。
●ハンターズソサエティ
その日も受付嬢ジェーン・ドゥは承認された依頼を掲示していた。
依頼を吟味していたハンターたちに掲示したばかりの依頼について説明を求められたジェーンは、うさんくさいことで定評のある営業スマイルを浮かべ、すらすらと淀みなく依頼を売り込む営業トークを始める。
「この依頼は、とある街の老人会が出した、自分たちに代わって湖の主を釣り上げて欲しいという依頼ですね。どうやら一度自分たちで挑戦して失敗し、ハンターの力を頼ることにしたようです。釣り上げるという名目になっておりますが、依頼人である老人会の方々にとっては、捕まえることができるなら釣りに拘る必要はなく、その方法は問わないそうです。依頼に当たっては、老人会から釣り船と釣り道具一式が貸し出されます。この釣り道具は特製で、湖の主たる巨大魚を釣れるように相応に巨大になっております。……ですが、釣れはするものの船自体は普通の船なので、釣った際に乱れる湖面や巨大魚の自重に耐え切れず転覆してしまうようです。何かしらの対処が必要でしょう。水中戦になることも予想されます。湖に落ちた老人会の方々が全員生きて生還できたことから、巨大魚の気性は大人しいことが予想されますが、念のため受ける場合は注意をしておいてください。興味がお有りならば、如何ですか?」
そのハンターにとって、ジェーンのうさんくさい微笑みが悪魔の手招きに見えたかどうかは定かではない。
「……ちなみに、その主を食すことは?」
「ダメに決まっています。キャッチアンドリリースです」
「ですよねー」
ハンターは落胆した。
食べてもいいのなら、ちょっとはやってみようかなという気分にもなるのだが。
「ああ、でも、普通の魚が釣れた場合は、食べるのも持ち帰るのも常識の範囲内で自由にして構わない許可が出ています。フナ、コイ、アユ、ニジマスなど、色々釣れるみたいですよ。稀にですが、二メートル近いオオナマズが釣れることもあるそうです。まあ、巨大魚の大きさが八メートルほどらしいので、それには霞みますけれど。もし受ける意思がお有りなら、湖は巨大で広いので、遭難しないよう注意してくださいね」
立て板に水を流すかのように淀みなくトークを終えたジェーンは、一礼すると通常業務に戻っていった。
昔から、その湖には主がいるという噂があった。
実際に主と呼ばれる生物の姿を見た者がいるわけではないが、夜中に巨大な鰭のようなものが湖の水面に突き出ているのを見た者はならばいたのだ。
「今日こそ主を釣り上げてみせるぞ!」
釣り人姿の老人たちが、釣り船に乗り込んで湖に出て行く。
「あー、またやってるよあの爺さんたち」
「何度も空振りに終わってるのに、懲りないねぇ」
老人たちの挑戦はもはや毎度のことだったので、目撃した通行人たちも呆れた表情で見るだけだった。
湖に出た老人たちが持ち出したのは、巨大な特製の釣竿だった。通常の釣竿の十倍くらいはありそうな大きさだ。
それを老人たちは全員で抱えて持ち、一人が釣竿の先の針に魚の切り身を引っ掛けて餌とし、竿を持った全員が協力して竿を振り、糸を湖面に垂らす。
後は餌に獲物が食いつくまで適当に動き回りながらひたすら待つだけだ。
「昨日も一昨日も釣れなかった。今日こそは釣れるといいが……」
「竿が小さいんじゃないか? もっと大きくするべきだろう」
「だが、これ以上大きくしたら船自体が沈みかねんぞ」
待っている間、老人たちは雑談に興じる。
しかしその間も、老人たちの目線はチラチラと湖面と釣竿に向けられており、本来の目的を見失っていないことが窺える。
しかしそのまま音沙汰なく太陽は天頂に達し、老人たちは船の上で昼食を取った。
「午前中は空振りか……」
「何、まだ午後がある!」
「午後もダメだったらどうするんだ?」
「午後がダメでも明日があるだろう」
「そうだな! 明日がダメでも明後日があるしな!」
「最悪俺たちが寿命で死ぬ前に釣れれば問題ない!」
老人たちは昼食を取りながら盛り上がっていた。
寿命で死ぬまでにとは気の長い話である。
そんな中、突然船に固定していた竿が激しく引っ張られた。
「おおおおお、掛かったか!?」
「あ、いや、ちがうぞ。湖の底に引っかかっただけみたいだ」
「ああ、そういえばこの辺りは急に浅くなるんだったな」
「もっと深いところに移動するぞ」
老人たちは船を動かし、釣り場所を変えていく。
そして再び竿が引っ張られた。
今度は湖の底に針が着くような深さでもない。
「掛かったぞおおおおおおお!」
「引けえええええええええ!」
「うぉっしゃああああああ!」
「力の限りいくぞおおおおおおおお!」
「凄い引きだぞこれはああああああああ!」
竿に飛びついた老人たちは、力を合わせて竿を引く。
その瞬間、抵抗が消えた。
糸が切れたかと落胆した老人たちの真上を影が覆う。
思わず空を見上げた老人たちの頭上を、きらきらと七色に光る鱗が通過していく。
「で……」
誰かが息を飲む。
いや、誰もが、かもしれない。
「でけえええええええええええ!」
悲鳴と共に、巨大魚が着水した衝撃で、船が転覆した。
なお、奇跡的に死傷者が出なかったことをここに特筆しておく。
●ハンターズソサエティ
その日も受付嬢ジェーン・ドゥは承認された依頼を掲示していた。
依頼を吟味していたハンターたちに掲示したばかりの依頼について説明を求められたジェーンは、うさんくさいことで定評のある営業スマイルを浮かべ、すらすらと淀みなく依頼を売り込む営業トークを始める。
「この依頼は、とある街の老人会が出した、自分たちに代わって湖の主を釣り上げて欲しいという依頼ですね。どうやら一度自分たちで挑戦して失敗し、ハンターの力を頼ることにしたようです。釣り上げるという名目になっておりますが、依頼人である老人会の方々にとっては、捕まえることができるなら釣りに拘る必要はなく、その方法は問わないそうです。依頼に当たっては、老人会から釣り船と釣り道具一式が貸し出されます。この釣り道具は特製で、湖の主たる巨大魚を釣れるように相応に巨大になっております。……ですが、釣れはするものの船自体は普通の船なので、釣った際に乱れる湖面や巨大魚の自重に耐え切れず転覆してしまうようです。何かしらの対処が必要でしょう。水中戦になることも予想されます。湖に落ちた老人会の方々が全員生きて生還できたことから、巨大魚の気性は大人しいことが予想されますが、念のため受ける場合は注意をしておいてください。興味がお有りならば、如何ですか?」
そのハンターにとって、ジェーンのうさんくさい微笑みが悪魔の手招きに見えたかどうかは定かではない。
「……ちなみに、その主を食すことは?」
「ダメに決まっています。キャッチアンドリリースです」
「ですよねー」
ハンターは落胆した。
食べてもいいのなら、ちょっとはやってみようかなという気分にもなるのだが。
「ああ、でも、普通の魚が釣れた場合は、食べるのも持ち帰るのも常識の範囲内で自由にして構わない許可が出ています。フナ、コイ、アユ、ニジマスなど、色々釣れるみたいですよ。稀にですが、二メートル近いオオナマズが釣れることもあるそうです。まあ、巨大魚の大きさが八メートルほどらしいので、それには霞みますけれど。もし受ける意思がお有りなら、湖は巨大で広いので、遭難しないよう注意してくださいね」
立て板に水を流すかのように淀みなくトークを終えたジェーンは、一礼すると通常業務に戻っていった。
解説
●概要
コメディシナリオです。
湖の主とされている巨大魚を捕獲してください。
特製の巨大釣り道具一式と釣り船を使用できますので、上手く利用して巨大魚捕獲に取り組んでください。
巨大魚の他にも色々な魚が連れます。
浅瀬と深い場所でも釣れる魚が違うので、色々試してみるのもいいでしょう。
巨大魚のみキャッチ&リリース。
他の魚は調理、持ち帰りなど自由です。
水中戦になるかもしれません。念のため準備をしておいた方がいいでしょう。
●達成条件
・巨大魚を捕獲する
●湖について
八メートル級の巨大魚が生息できるだけの広さと深さを誇る湖です。
湖面は澄んでいますが、底まで見通すことは難しいです。
湖岸から反対側の湖岸を常人が確認することはできないでしょう。
ハンターで視力を水増しすることができるのなら、場合によっては見えるかもしれません。
所々浅瀬があり、そこなら湖の底まで見通すことができます。ただし、浅瀬でも基本的に二メートル程度の深さがあると思ってください。クリムゾンウエスト人の一般的な身長では足が届かない深さです。
例外として、船を係留している場所を除き、湖岸に近い場所に限り足がつく二メートル未満の深さになっています。
●敵
★湖の主……一体
八メートル。巨大な淡水魚です。性質は大人しく、人を襲う可能性は極めて少ないですが、巨大なのでうっかり下敷きになってダメージを負う、なんてことにならないように注意しましょう。また、殺してはいけません。
コメディシナリオです。
湖の主とされている巨大魚を捕獲してください。
特製の巨大釣り道具一式と釣り船を使用できますので、上手く利用して巨大魚捕獲に取り組んでください。
巨大魚の他にも色々な魚が連れます。
浅瀬と深い場所でも釣れる魚が違うので、色々試してみるのもいいでしょう。
巨大魚のみキャッチ&リリース。
他の魚は調理、持ち帰りなど自由です。
水中戦になるかもしれません。念のため準備をしておいた方がいいでしょう。
●達成条件
・巨大魚を捕獲する
●湖について
八メートル級の巨大魚が生息できるだけの広さと深さを誇る湖です。
湖面は澄んでいますが、底まで見通すことは難しいです。
湖岸から反対側の湖岸を常人が確認することはできないでしょう。
ハンターで視力を水増しすることができるのなら、場合によっては見えるかもしれません。
所々浅瀬があり、そこなら湖の底まで見通すことができます。ただし、浅瀬でも基本的に二メートル程度の深さがあると思ってください。クリムゾンウエスト人の一般的な身長では足が届かない深さです。
例外として、船を係留している場所を除き、湖岸に近い場所に限り足がつく二メートル未満の深さになっています。
●敵
★湖の主……一体
八メートル。巨大な淡水魚です。性質は大人しく、人を襲う可能性は極めて少ないですが、巨大なのでうっかり下敷きになってダメージを負う、なんてことにならないように注意しましょう。また、殺してはいけません。
マスターより
初めまして、こんにちは。
マスターのきりんです。
今回のシナリオは巨大魚を捕獲することが目的ですが、横道に逸れて魚釣りを楽しむこともできます。
釣り果を調理することも自由ですので、ちょっとした息抜き気分でどうぞ。
それでは楽しんでくださいね。
マスターのきりんです。
今回のシナリオは巨大魚を捕獲することが目的ですが、横道に逸れて魚釣りを楽しむこともできます。
釣り果を調理することも自由ですので、ちょっとした息抜き気分でどうぞ。
それでは楽しんでくださいね。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/09/13 14:16
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
釣りハンター日誌(相談卓) 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/09/11 23:43:45 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/09/11 22:35:31 |