●収穫
　グラズヘイム王国のある地域の村のある家で、収穫作業が行われていた。
「今日はここの畑でトウモロコシ取り」
　農家のファーマ家、じいさま筆頭に一家全員で畑に向かった。トウモロコシの出来を考えると楽しみで仕方がない。
　収穫できるものをせっせととる。身がしまってなかなか良い出来だ。
　隣の区画には南瓜が植わっている。こちらの手入れもしていかないとならない。
　突然、大きなアリに襲われが現れた。ファーマ家のとうさんが逃げようとしたが、足元に何かが絡まって転んでしまった。今度は畑から大きな南瓜のような物が出てきた。足に絡まっているのはその蔦だと分かった。
　そもそも、アリはここまで大きくないし、南瓜は動かない。
「うわあああ」
「おとうさん」
　子どもたちは頑張って石を投げつける。かあさんは持っている鍬で南瓜を殴りつけた。
　とうさんの足に絡まっていた南瓜の蔓がほどけたので、全員一目散に逃げた。
「どうしよう」
「ああ、畑に巣を作ろうとしているみたいだよ！」
　アリの雑魔は地面を掘っている。南瓜はふらふら浮かびながら、トウモロコシ畑のどこかに消えた。
　一家はおろおろするばかりだった。
　通りかかった近所の人が声をかけた。かくかくしかじかと事情を話す。
「それは……どう考えてもそのままじゃいけないだろう？」
「そうだよな」
「退治しないと、雑魔は怖い。人的被害もだが、トウモロコシも南瓜も全滅するんじゃないか？」
　その指摘にファーマ家ははっとした。
　そして、ハンターに依頼を出すべく、とうさんが出かけた。

●依頼
　ハンターオフィスの依頼として、雑魔退治が掲示される。
「現れたのは二体だと思われるよ。アリと南瓜……南瓜の方はいわゆるジャック・オ・ランタンだよ」
　職員は依頼を見ているハンターに告げる。
「二体ということはあくまで依頼人の推測で、実際はわからないから、注意はしてよね」
　砕けた口調で淡々としゃべっていく。
「なんでトウモロコシ畑に南瓜？　まあ、隣が南瓜畑だからたまたまかな。ともかく、種類が違うのが出ているから、戦いには気を付けてね。普段から気を付けていると思うけれどね」
　職員は微笑んだ。

　雑魔を討伐してほしい。
　できれば畑の農作物は保ってほしい。

●雑魔、サイズ１
　・アリだったモノ×２　黒より赤めの体をしている。固そうで動きが速い。噛みつき、尻尾の針での攻撃をしてくる。なお、針で刺されると麻痺する。畑あちこち移動する。
　※依頼では１体で、PL情報として２体です。そのため、調査や用心の仕方によっては不意打ちを食らう可能性がありますのでご注意ください。

　・南瓜だったモノ（ジャック・オ・ランタン）　動きは鈍い、浮かんでいる、固い。付属している蔦で攻撃をする、マジックアローのような魔法を使う。なお、トウモロコシ畑にいる。蔦は最大で３メートル、複数本ある。

●地理
　農道部分は道は畑より高いところにあり、その傾斜部分も道幅に含んでの４メートル。
　畑は一枚10×10スクエア。
　畑は四枚あります。配置は「田」です。

●ファーマさんち
　じいさま、ばあさま、ちち、はは、こどもたちという家族構成で７人家族。あとは犬と猫と家畜たち。

　こんにちは、狐野径です。
　店で南瓜見て、家の中に入ってきたアリを見ながら、このシナリオにつながりました。後者、非常に困ります。
　さて、ジャック・オ・ランタンは浮かんでいるとありますが、普通に攻撃は当たります。例えば地震に対して揺れで直接影響は出ません、というくらいです。
　よろしくお願いします。