ゲスト
(ka0000)
王国最強ロボ――素材編
マスター:馬車猪

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- ユニット参加人数
- 現在2 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- プレイング締切
- 2018/09/10 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/09/19 22:00
オープニング
「全ては私の最強ロボのために」
某博士の部門長就任演説より
読み難いにもほどがある。
悪筆は序の口、題名や本文の並び方は神経を逆撫でするほどで、内容も分かり易く説明するという意識が欠落している。
「これをもとに予算を増やすのは無理ですよ」
「無理でもやるんだ」
上司は酷い顔色で腹を押さえている。
「後援者にこんな報告書上げてくるような連中なんて使えませんって」
数ヶ月前、高位歪虚ベリアルがハンターによって討たれた。
その際に未知の金属が手に入り、その地の支配者である王国が手に入れ研究することになった。
が、研究はほぼ全く進んでいない。
「上の上からの命令だ。他国に対する交渉材料になる水準の技術か知識をものにせよ、とな」
若手官僚の顔色も酷くなる。
グラズヘイム王国は良くも悪くも保守的だ。
研究分野ではリアルブルーはもとより他国にも後れをとっている。
奮闘している研究者もいはするが少数で、この報告書を送り付けてきた連中は最悪の意味で保守的な者達だ。
「上に現状の報告を……」
上司は胃薬を噛み砕きながら、沈痛な表情で首を左右に振った。
失敗の責任を押しつけられてクビかぁ、と己の前途に絶望する直前、見慣れた顔の騎士が羊皮紙の束を運んで来る。
王国騎士を配達員に使うほど機密性の高い書類だ。
上司が受け取り、差出人を見てその場に崩れ落ちた。
「あ、はい、受け取りの署名ですね。はい、すみません、聖堂教会の医務室に運んで頂けると……どうも、助かります」
上司に代わって受け取りを終え、運ばれていく上司を見送る。
「いったい何……が」
ひ、と悲鳴がもれる。
何も食べていないのに胃袋が動いている。
例の報告書の、続編だった。
「目を通さない訳にも……エクラ様」
祈りは聞き届けられた。
恐る恐る表紙をめくると、色鮮やかなグラフと短い文章が目に飛び込んで情報として脳へ届く。
「えっ?」
理解できる。
それは本来当然なのだけど、一瞬で理解できるなんて予想外だ。
「正負かかわらずマテリアルに反応する?」
この報告書をざっと通読するだけで、これまで意味不明だった前回までの報告書もある程度理解できるようになる。
「具体的な利用方法として医療と軍事の……」
夢想ではなく現実的な目標が列記されている。
予算を倍に増やしても、4分の3を失敗したとしても十分元が取れる。
「待て、待つんだ俺」
冷え切った紅茶を飲み干し深呼吸。
「明らかに怪しいだろこれは」
研究者が心を入れ替え技術を高めたとしてもこんな報告書は不可能だ。
「誰が書いたんだ、いや、誰があの金属に関わった?」
他国のスパイなら最悪ではない。
最悪の場合、高い知性を持つ歪虚が関わっている。
「クソ、だが」
これは止められない。
最後に書かれた、国産CAMという単語が魅力的すぎる。
現代の英雄であるハンターの軍馬であり鎧でもある大型兵器。
ゾンネンシュトラール帝国は魔導アーマーという形で国産化しているのに、王国には開発構想すらない。いや刻令術によるゴーレムという兵器も確かにあるが、やはり搭乗型にはある種の憧れのようなものがある。
「可能な限り手続きを遅らせても内偵する時間が足りない。……やむを得ないか」
ハンターズソサエティーに対し、ある研究所の調査依頼が行われた。
護衛の名目で入り込み、場合によっては武力行使も許されるという、きな臭すぎる依頼であった。
●黒幕捕獲
かつては雑然と並んでいた資料が整然かつ厳重に保管され、緊張感に欠けていた助手達はきびきびとした動きで実験を続ける。
旧態依然とした幹部の実験室とは全く異なる光景だ。
その全てを演出したのは、パートタイム事務員のはずの老人だった。
「ようやくだ」
研究者としてトマーゾ・アルキミアに負けた。
CAM開発でアワフォード社に負けた。
それは飲み込める。
正々堂々戦って自分が負けたからだ。
二足歩行兵器の第一人者の座は諦められる。
「ようやく、俺のロボを」
だがこれを諦めるのは不可能だ。
何度失敗しても胸の中の炎は強くなるばかり。
かつて夢見、今も夢見る理想のロボを現実のものにする。
そのためだけにキャリアを積み重ね技術を磨き、貴重な金属を無駄にしている組織に潜り込んだ。
「ファンタジーロボットを!」
前世紀のロボアニメの脳内再生余裕である。
駄目研究者である以前に駄目人間の集団だった研究所の乗っ取りも完了した。
後は目当ての機体を開発するだけだ。
開発できれば後は捕まってもいいし出来た機体は王国に引き渡す。
受け取り拒否ならコネを使って連合宇宙軍に持ち込めばいい。
内心高笑いをする老人の肩に、ハンターの手が静かに置かれた。
●悪魔の誘い
「取引をしよう」
不敵に笑う老人の顔に、見覚えのあるハンターが何人もいる。
確か、連合宇宙軍所属の研究者というか一部門のトップだ。
超人じみたハンター用機体の扱いに長けているので、整備や修理でお世話になったこともあるかもしれない。
「ロボットだよロボット。君らもそのために来たのだろう?」
情報漏洩やスパイ容疑で捕まるかもしれないのに全く悪びれていない。
「私のことを見なかったことにする。儂の私財の機材を君らが使う。WINWINだ。……いや通報は待って。せめて開発完了まで見物できるよう口添えして!」
軽く脅すと素直になってくれた。
「真面目に話すとだな、このままだとこれが無駄になるぞ」
奇妙な金属を指差す。
老人が触っても何の反応もしないのに、ハンターが意識を向けただけで生身の肉っぽく反応する。
「制御系に組み込んで高位覚醒者用機体の開発とかも可能なはずなんだが」
王国の研究者の能力が不足している。
より正確に表現すると、必要な分野がいくつか育っていない。
「帝国やロッソに持ち込めばいいと考えたな? 実はそれも危険なんだ」
高位歪虚が乗り移り己の体として利用した金属だ。
実験の過程で一部が雑魔化することもあった。その度に聖堂戦士団が滅多打ちにして浄化してようやく安定してきた。
万一のことを考えると王国の外へ動かしたくない。
「戦闘中に機体を高位歪虚に操られたり、人機一体でこの金属に食われるのは君らも嫌だろう?」
合金にするなら配合を考えての試験が必要。
金属をそのまま使う運用でも、実際に組み込んで試験が必要だ。
「試験にはコレを使うといい。最近の基準では高位に分類されないかもしれないが強力な歪虚の力が付与されている。コレに反応しなければ問題ない……はずだ」
分厚い金庫が開けられると、鱗じみた形に変わった装甲の断片が外気に晒された。
某博士の部門長就任演説より
読み難いにもほどがある。
悪筆は序の口、題名や本文の並び方は神経を逆撫でするほどで、内容も分かり易く説明するという意識が欠落している。
「これをもとに予算を増やすのは無理ですよ」
「無理でもやるんだ」
上司は酷い顔色で腹を押さえている。
「後援者にこんな報告書上げてくるような連中なんて使えませんって」
数ヶ月前、高位歪虚ベリアルがハンターによって討たれた。
その際に未知の金属が手に入り、その地の支配者である王国が手に入れ研究することになった。
が、研究はほぼ全く進んでいない。
「上の上からの命令だ。他国に対する交渉材料になる水準の技術か知識をものにせよ、とな」
若手官僚の顔色も酷くなる。
グラズヘイム王国は良くも悪くも保守的だ。
研究分野ではリアルブルーはもとより他国にも後れをとっている。
奮闘している研究者もいはするが少数で、この報告書を送り付けてきた連中は最悪の意味で保守的な者達だ。
「上に現状の報告を……」
上司は胃薬を噛み砕きながら、沈痛な表情で首を左右に振った。
失敗の責任を押しつけられてクビかぁ、と己の前途に絶望する直前、見慣れた顔の騎士が羊皮紙の束を運んで来る。
王国騎士を配達員に使うほど機密性の高い書類だ。
上司が受け取り、差出人を見てその場に崩れ落ちた。
「あ、はい、受け取りの署名ですね。はい、すみません、聖堂教会の医務室に運んで頂けると……どうも、助かります」
上司に代わって受け取りを終え、運ばれていく上司を見送る。
「いったい何……が」
ひ、と悲鳴がもれる。
何も食べていないのに胃袋が動いている。
例の報告書の、続編だった。
「目を通さない訳にも……エクラ様」
祈りは聞き届けられた。
恐る恐る表紙をめくると、色鮮やかなグラフと短い文章が目に飛び込んで情報として脳へ届く。
「えっ?」
理解できる。
それは本来当然なのだけど、一瞬で理解できるなんて予想外だ。
「正負かかわらずマテリアルに反応する?」
この報告書をざっと通読するだけで、これまで意味不明だった前回までの報告書もある程度理解できるようになる。
「具体的な利用方法として医療と軍事の……」
夢想ではなく現実的な目標が列記されている。
予算を倍に増やしても、4分の3を失敗したとしても十分元が取れる。
「待て、待つんだ俺」
冷え切った紅茶を飲み干し深呼吸。
「明らかに怪しいだろこれは」
研究者が心を入れ替え技術を高めたとしてもこんな報告書は不可能だ。
「誰が書いたんだ、いや、誰があの金属に関わった?」
他国のスパイなら最悪ではない。
最悪の場合、高い知性を持つ歪虚が関わっている。
「クソ、だが」
これは止められない。
最後に書かれた、国産CAMという単語が魅力的すぎる。
現代の英雄であるハンターの軍馬であり鎧でもある大型兵器。
ゾンネンシュトラール帝国は魔導アーマーという形で国産化しているのに、王国には開発構想すらない。いや刻令術によるゴーレムという兵器も確かにあるが、やはり搭乗型にはある種の憧れのようなものがある。
「可能な限り手続きを遅らせても内偵する時間が足りない。……やむを得ないか」
ハンターズソサエティーに対し、ある研究所の調査依頼が行われた。
護衛の名目で入り込み、場合によっては武力行使も許されるという、きな臭すぎる依頼であった。
●黒幕捕獲
かつては雑然と並んでいた資料が整然かつ厳重に保管され、緊張感に欠けていた助手達はきびきびとした動きで実験を続ける。
旧態依然とした幹部の実験室とは全く異なる光景だ。
その全てを演出したのは、パートタイム事務員のはずの老人だった。
「ようやくだ」
研究者としてトマーゾ・アルキミアに負けた。
CAM開発でアワフォード社に負けた。
それは飲み込める。
正々堂々戦って自分が負けたからだ。
二足歩行兵器の第一人者の座は諦められる。
「ようやく、俺のロボを」
だがこれを諦めるのは不可能だ。
何度失敗しても胸の中の炎は強くなるばかり。
かつて夢見、今も夢見る理想のロボを現実のものにする。
そのためだけにキャリアを積み重ね技術を磨き、貴重な金属を無駄にしている組織に潜り込んだ。
「ファンタジーロボットを!」
前世紀のロボアニメの脳内再生余裕である。
駄目研究者である以前に駄目人間の集団だった研究所の乗っ取りも完了した。
後は目当ての機体を開発するだけだ。
開発できれば後は捕まってもいいし出来た機体は王国に引き渡す。
受け取り拒否ならコネを使って連合宇宙軍に持ち込めばいい。
内心高笑いをする老人の肩に、ハンターの手が静かに置かれた。
●悪魔の誘い
「取引をしよう」
不敵に笑う老人の顔に、見覚えのあるハンターが何人もいる。
確か、連合宇宙軍所属の研究者というか一部門のトップだ。
超人じみたハンター用機体の扱いに長けているので、整備や修理でお世話になったこともあるかもしれない。
「ロボットだよロボット。君らもそのために来たのだろう?」
情報漏洩やスパイ容疑で捕まるかもしれないのに全く悪びれていない。
「私のことを見なかったことにする。儂の私財の機材を君らが使う。WINWINだ。……いや通報は待って。せめて開発完了まで見物できるよう口添えして!」
軽く脅すと素直になってくれた。
「真面目に話すとだな、このままだとこれが無駄になるぞ」
奇妙な金属を指差す。
老人が触っても何の反応もしないのに、ハンターが意識を向けただけで生身の肉っぽく反応する。
「制御系に組み込んで高位覚醒者用機体の開発とかも可能なはずなんだが」
王国の研究者の能力が不足している。
より正確に表現すると、必要な分野がいくつか育っていない。
「帝国やロッソに持ち込めばいいと考えたな? 実はそれも危険なんだ」
高位歪虚が乗り移り己の体として利用した金属だ。
実験の過程で一部が雑魔化することもあった。その度に聖堂戦士団が滅多打ちにして浄化してようやく安定してきた。
万一のことを考えると王国の外へ動かしたくない。
「戦闘中に機体を高位歪虚に操られたり、人機一体でこの金属に食われるのは君らも嫌だろう?」
合金にするなら配合を考えての試験が必要。
金属をそのまま使う運用でも、実際に組み込んで試験が必要だ。
「試験にはコレを使うといい。最近の基準では高位に分類されないかもしれないが強力な歪虚の力が付与されている。コレに反応しなければ問題ない……はずだ」
分厚い金庫が開けられると、鱗じみた形に変わった装甲の断片が外気に晒された。
解説
王国某所の研究所で好き勝手できる依頼です。
逮捕してもよし、綱紀粛正してもよし、教育してもよし、研究しても開発してもよしです。
合金を作って実験する場合、プレイングで内容を指定すれば、現場到着と同時に合金が届けられます。作成不能な場合は近い感じの合金になります
他の研究を行っても問題ありません
以下の2つの問題が解決が解決すれば、連作依頼でユニット開発シナリオがスタートします。
・安定性
高位歪虚に乗っ取られたり操作されたりしない安定性が必要です
・強度
最低限の強度がないと、装甲にも機体の骨組みにも使えません
●NPC
・老人
有能な研究者である駄目人間
今回はハンターのサポートに徹します
最終的には逮捕推奨
・研究員
お荷物です
・助手
老人が最低限の知識を仕込んだため、研究員よりは使えます
・聖堂戦士団
電波の届く距離にいます
2度までなら浄化や雑魔の排除を行ってくれますが、3度目は謎金属と研究所全体を壊して埋めようとします
・メーガン
王宮から派遣された連絡員
質問卓担当
●利用可能アイテム
・鱗状装甲の欠片
単体では歪虚化しません
聖堂戦士団がこれを見つけると問答無用で破壊しようとします
これを直接接触させても変化がないなら、安定性試験の成功です
反応があった場合は試験対象かこれのどちらかを破壊して下さい
試験対象を壊すと、これは元の状態に戻ります
・中古の魔導デュミナス
老人の私物
各種金属を装甲として組み込み可能。分解・改造OK
ハンターが操縦しない場合はメーガンが操縦します
・研究所
洋館風
実験には向いていません
老人が持ち込んだ機材は、中庭に張った特大天幕内に設置されています
消費可
・機材
だいたいあります
・金庫
歪虚絶許の怨念もとい祈りが籠もった大型金庫
高価なのに使い捨て。残りは1個
逮捕してもよし、綱紀粛正してもよし、教育してもよし、研究しても開発してもよしです。
合金を作って実験する場合、プレイングで内容を指定すれば、現場到着と同時に合金が届けられます。作成不能な場合は近い感じの合金になります
他の研究を行っても問題ありません
以下の2つの問題が解決が解決すれば、連作依頼でユニット開発シナリオがスタートします。
・安定性
高位歪虚に乗っ取られたり操作されたりしない安定性が必要です
・強度
最低限の強度がないと、装甲にも機体の骨組みにも使えません
●NPC
・老人
有能な研究者である駄目人間
今回はハンターのサポートに徹します
最終的には逮捕推奨
・研究員
お荷物です
・助手
老人が最低限の知識を仕込んだため、研究員よりは使えます
・聖堂戦士団
電波の届く距離にいます
2度までなら浄化や雑魔の排除を行ってくれますが、3度目は謎金属と研究所全体を壊して埋めようとします
・メーガン
王宮から派遣された連絡員
質問卓担当
●利用可能アイテム
・鱗状装甲の欠片
単体では歪虚化しません
聖堂戦士団がこれを見つけると問答無用で破壊しようとします
これを直接接触させても変化がないなら、安定性試験の成功です
反応があった場合は試験対象かこれのどちらかを破壊して下さい
試験対象を壊すと、これは元の状態に戻ります
・中古の魔導デュミナス
老人の私物
各種金属を装甲として組み込み可能。分解・改造OK
ハンターが操縦しない場合はメーガンが操縦します
・研究所
洋館風
実験には向いていません
老人が持ち込んだ機材は、中庭に張った特大天幕内に設置されています
消費可
・機材
だいたいあります
・金庫
歪虚絶許の怨念もとい祈りが籠もった大型金庫
高価なのに使い捨て。残りは1個
マスターより
ロボに対する熱意や夢あふれるプレイングをお待ちしています
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/09/13 22:36
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 エルバッハ・リオン(ka2434) エルフ|12才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/09/10 20:50:21 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/09/09 20:11:06 |