ゲスト
(ka0000)
【幻痛】ここでお前かよ!?
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/09/27 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/10/06 15:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
──冗談じゃない。
脳裏に過ったのはそんな一言だった。
実際のところ今の状況は、何一つとして冗談と片付けられる事態などでは無かった。
時は作戦「ベアーレアクト」の決戦とも言える戦いが始まる直前。
場所は要塞ノアーラ・クンタウ、そこから帝国へと下る道をしばらく進んだ位置に広がる森林地帯である。
決戦へ向け、要塞の住人たちを予め避難させようというその時、まさにその避難経路に立ち塞がろうというように移動をする敵集団が発見された。
要塞に近付けることは勿論、避難が遅れることを考えると時間をかけることも許されない。
そして……これだけの集団が纏まって一つの方向を目指している以上、統率している何らかの存在は居るだろう。所詮雑魔の群れと侮ってはならない。オフィスに出された増援依頼には、その事がしっかりと記されていた。
予測の通り──それ、は、居た。
この軍団を率いる強力な歪虚兵。機敏な動作で巨大昆虫の影を縫うように姿を見せたそいつ。
──冗談じゃない。
過ったのがその一言だったのは、つまりどこか冗談めいていると迂闊にも思ってしまったからだろう。
「おや君は。いつぞやの青年」
そいつのことを。
伊佐美 透(kz0243)は知っていた。最初の一声を聞いただけで思い出して、はたして忘れてたまるかと忘れていたかったとどっちの想いが上だっただろう。生かしてはおけない、だがどこかで死んでてくれたならそのまま忘れ去りたかったかもしれない、そんな相手。
──流れのブッ殺セラピスト。
それが、かつてその歪虚が名乗った名である。
「──聞こえるのだ」
虫たちの間から、今やはっきりとその存在感を露にして、そいつは朗々と述べる。
「生きるのに悩める人々。怯える人々。いくつもの嘆きの声が。私はそれを救いに行かねばならない」
「今現在の話でいうならその嘆きの声は明らかにあんたらが襲いに来たのが原因だと思うけどなー……」
つい突っ込み返して。注意がこちらを向いたことに透は心底「しまった」と思った。後の祭りである。
「むう。そう言えば君は」
「間に合ってます」
「……どうやらそのようだ。ふむ。では邪魔しないでくれればそれでいいのだが」
今の透を、虫の背から見下ろして。存外物分かりの良さそうな口調でそいつは言った。……だからと言って、こちらが相手の言い分を通せる筈もないが。
「……あんたみたいなの、避難民の人たちのところに放り込めるわけないだろ」
ともすれば萎えそうになる決意を固めるために、言い返す。
「で、あるならば君は今は、救済の為に排除すべき障害ということになるのだな。残念だ」
告げると共に。そいつが、距離を詰めてくる。
向かい来るそいつの構えが見える。いつか見た手刀……ではなく、固めた拳。
「……!?」
やっぱり、忘れているべきではなかったのだろう。猛烈に走る嫌な予感と記憶が結び付いて咄嗟に反応する。刀から片手を放し、強く握りこむと共に籠手の最も頑丈な部分を意識して、弾く。それでも、受けた部分から来た衝撃は腕から脳天を貫いていって、そのまま意識まで飛ばされそうになるのを──今回はどうにか耐えた。次は分からない。
以前見た技だ。その時は自分ではなく、別のハンターへと向けられた。
(……そう言えば)
ふと今更のように気が付く。なんでこれ、前回自分には向けられなかったのか。あの時、自分が孤立していた段階からこれを使われていたら、もっと呆気なく殺されていた結果もあったかもしれないというのに。
考えて──理解できた、気がした。
流れのブッ殺セラピスト。そいつの主張はこうだった……『人間、死にかければ大体の悩みはどうでもよくなる』。つまり、悩める者を死の淵に立たせ、それを意識させることが肝要なのだろう。……で、先ほどの技は失神させてしまうので、それでは彼の目的として具合が悪い、と。
多分そういうことなのだと思う……が、それでも。
「そ・れ・で冷静に状況判断してるつもりじゃないだろうな!? だから歪虚の力で朱雀連武なんて食らったら普通は死ぬからな!? しかも威力上乗せして来やがって!」
突っ込まずにいられずに透は叫んでいた。
雑だ。信念は通ってるようなのに手段が全くの雑。そんな相手。これが怠惰になると言うことなのか。生前が分からない以上なんとも言えないが。
冗談じゃない。思い浮かんだその想いは全くの文字通りだった。ふざけてるような相手なのに。
(もしかして、俺にとっては前会った時より致死性高いのか。こいつの相手は)
──驚異度は、本気で洒落にならない相手である。
すぐ傍で気配が生まれる。居合わせた別のハンターの横やりに、そいつは飛びのいてまた、虫たちの影へと紛れていく。
思わず息を吐いた。調子の狂う相手だが、一度、下手すれば殺されていたかもしれない感触は記憶から消えてくれたわけじゃない。だからと言って見過ごすのは論外だった。こんなものが、避難民たちの元へ向かっていいわけがない。
勿論この虫たちもだ。安全のためには一匹残らず殲滅しなくてはならない。
改めて。
状況は、まったく、何一つ、冗談などではなかった。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
──冗談じゃない。
脳裏に過ったのはそんな一言だった。
実際のところ今の状況は、何一つとして冗談と片付けられる事態などでは無かった。
時は作戦「ベアーレアクト」の決戦とも言える戦いが始まる直前。
場所は要塞ノアーラ・クンタウ、そこから帝国へと下る道をしばらく進んだ位置に広がる森林地帯である。
決戦へ向け、要塞の住人たちを予め避難させようというその時、まさにその避難経路に立ち塞がろうというように移動をする敵集団が発見された。
要塞に近付けることは勿論、避難が遅れることを考えると時間をかけることも許されない。
そして……これだけの集団が纏まって一つの方向を目指している以上、統率している何らかの存在は居るだろう。所詮雑魔の群れと侮ってはならない。オフィスに出された増援依頼には、その事がしっかりと記されていた。
予測の通り──それ、は、居た。
この軍団を率いる強力な歪虚兵。機敏な動作で巨大昆虫の影を縫うように姿を見せたそいつ。
──冗談じゃない。
過ったのがその一言だったのは、つまりどこか冗談めいていると迂闊にも思ってしまったからだろう。
「おや君は。いつぞやの青年」
そいつのことを。
伊佐美 透(kz0243)は知っていた。最初の一声を聞いただけで思い出して、はたして忘れてたまるかと忘れていたかったとどっちの想いが上だっただろう。生かしてはおけない、だがどこかで死んでてくれたならそのまま忘れ去りたかったかもしれない、そんな相手。
──流れのブッ殺セラピスト。
それが、かつてその歪虚が名乗った名である。
「──聞こえるのだ」
虫たちの間から、今やはっきりとその存在感を露にして、そいつは朗々と述べる。
「生きるのに悩める人々。怯える人々。いくつもの嘆きの声が。私はそれを救いに行かねばならない」
「今現在の話でいうならその嘆きの声は明らかにあんたらが襲いに来たのが原因だと思うけどなー……」
つい突っ込み返して。注意がこちらを向いたことに透は心底「しまった」と思った。後の祭りである。
「むう。そう言えば君は」
「間に合ってます」
「……どうやらそのようだ。ふむ。では邪魔しないでくれればそれでいいのだが」
今の透を、虫の背から見下ろして。存外物分かりの良さそうな口調でそいつは言った。……だからと言って、こちらが相手の言い分を通せる筈もないが。
「……あんたみたいなの、避難民の人たちのところに放り込めるわけないだろ」
ともすれば萎えそうになる決意を固めるために、言い返す。
「で、あるならば君は今は、救済の為に排除すべき障害ということになるのだな。残念だ」
告げると共に。そいつが、距離を詰めてくる。
向かい来るそいつの構えが見える。いつか見た手刀……ではなく、固めた拳。
「……!?」
やっぱり、忘れているべきではなかったのだろう。猛烈に走る嫌な予感と記憶が結び付いて咄嗟に反応する。刀から片手を放し、強く握りこむと共に籠手の最も頑丈な部分を意識して、弾く。それでも、受けた部分から来た衝撃は腕から脳天を貫いていって、そのまま意識まで飛ばされそうになるのを──今回はどうにか耐えた。次は分からない。
以前見た技だ。その時は自分ではなく、別のハンターへと向けられた。
(……そう言えば)
ふと今更のように気が付く。なんでこれ、前回自分には向けられなかったのか。あの時、自分が孤立していた段階からこれを使われていたら、もっと呆気なく殺されていた結果もあったかもしれないというのに。
考えて──理解できた、気がした。
流れのブッ殺セラピスト。そいつの主張はこうだった……『人間、死にかければ大体の悩みはどうでもよくなる』。つまり、悩める者を死の淵に立たせ、それを意識させることが肝要なのだろう。……で、先ほどの技は失神させてしまうので、それでは彼の目的として具合が悪い、と。
多分そういうことなのだと思う……が、それでも。
「そ・れ・で冷静に状況判断してるつもりじゃないだろうな!? だから歪虚の力で朱雀連武なんて食らったら普通は死ぬからな!? しかも威力上乗せして来やがって!」
突っ込まずにいられずに透は叫んでいた。
雑だ。信念は通ってるようなのに手段が全くの雑。そんな相手。これが怠惰になると言うことなのか。生前が分からない以上なんとも言えないが。
冗談じゃない。思い浮かんだその想いは全くの文字通りだった。ふざけてるような相手なのに。
(もしかして、俺にとっては前会った時より致死性高いのか。こいつの相手は)
──驚異度は、本気で洒落にならない相手である。
すぐ傍で気配が生まれる。居合わせた別のハンターの横やりに、そいつは飛びのいてまた、虫たちの影へと紛れていく。
思わず息を吐いた。調子の狂う相手だが、一度、下手すれば殺されていたかもしれない感触は記憶から消えてくれたわけじゃない。だからと言って見過ごすのは論外だった。こんなものが、避難民たちの元へ向かっていいわけがない。
勿論この虫たちもだ。安全のためには一匹残らず殲滅しなくてはならない。
改めて。
状況は、まったく、何一つ、冗談などではなかった。
解説
●目的
歪虚兵「流れのブッ殺セラピスト」及び、巨大甲虫×9の殲滅。
●敵情報
・歪虚兵「流れのブッ殺セラピスト」
人型の歪虚。格闘士を思わせる動きをすると報告されており、歪虚化していることも有りその身体能力はかなり高く冗談抜きでわりと危険な存在。
これまでの遭遇報告により、下記の能力が確認されている。
『朱雀連武』相当の連撃技
『白虎神拳』相当の高威力攻撃及び「BS:行動不能」の付与
『チャクラ・ヒール』相当の回復技
『金剛不壊』相当のダメージ転化技
・巨大甲虫
全長2m程の丸いフォルムの甲虫。羽根はあるが硬化した結果飛行能力は失っている。
硬い以外は雑魔でありそこまで能力値が高いわけでは無いが、以下の能力を持つ。
『防御態勢』
地に伏せ羽を広げ防御姿勢をとる。一匹でもこの状態の甲虫が居るスクエアは「スクエアの占有」と同等の射線、視線の妨害効果を持つ。但しすり抜け移動は可能。
『連携突撃』
三匹以上の甲虫が隣接している状態で、ファーストアクションで宣言される。三匹が時間差の、2スクエア前方まで移動し体当たり攻撃を行う。三匹が一回ずつ攻撃する形だが、複数回攻撃と見做し攻撃の対象となったものには回避の低下が発生する。(同一の対象に2回攻撃した場合、対象の回避は1/2として判定する)
なお、三匹の紙一重の動きが必要なため、ファーストアクションから最初の甲虫の攻撃まで、一匹でも『移動が不可能な状態』となった場合、三匹ともこのターンの攻撃は失敗する。
●地形
森林地帯。但し少し移動すれば物資の搬入にも使われる整備された街道が存在する。
●備考
味方戦力として、闘狩人のハンター、伊佐美 透とチィ=ズヴォーの二名が参加
特に気にしない場合、結果の被害に合わせて前衛相応に彼らも被害を受ける
逆に言えば今回は特段彼らが狙われる事情もないため、全体の成功度を上げればそれで良いとも言える
勿論何らかの連携を申し出ることは可能
歪虚兵「流れのブッ殺セラピスト」及び、巨大甲虫×9の殲滅。
●敵情報
・歪虚兵「流れのブッ殺セラピスト」
人型の歪虚。格闘士を思わせる動きをすると報告されており、歪虚化していることも有りその身体能力はかなり高く冗談抜きでわりと危険な存在。
これまでの遭遇報告により、下記の能力が確認されている。
『朱雀連武』相当の連撃技
『白虎神拳』相当の高威力攻撃及び「BS:行動不能」の付与
『チャクラ・ヒール』相当の回復技
『金剛不壊』相当のダメージ転化技
・巨大甲虫
全長2m程の丸いフォルムの甲虫。羽根はあるが硬化した結果飛行能力は失っている。
硬い以外は雑魔でありそこまで能力値が高いわけでは無いが、以下の能力を持つ。
『防御態勢』
地に伏せ羽を広げ防御姿勢をとる。一匹でもこの状態の甲虫が居るスクエアは「スクエアの占有」と同等の射線、視線の妨害効果を持つ。但しすり抜け移動は可能。
『連携突撃』
三匹以上の甲虫が隣接している状態で、ファーストアクションで宣言される。三匹が時間差の、2スクエア前方まで移動し体当たり攻撃を行う。三匹が一回ずつ攻撃する形だが、複数回攻撃と見做し攻撃の対象となったものには回避の低下が発生する。(同一の対象に2回攻撃した場合、対象の回避は1/2として判定する)
なお、三匹の紙一重の動きが必要なため、ファーストアクションから最初の甲虫の攻撃まで、一匹でも『移動が不可能な状態』となった場合、三匹ともこのターンの攻撃は失敗する。
●地形
森林地帯。但し少し移動すれば物資の搬入にも使われる整備された街道が存在する。
●備考
味方戦力として、闘狩人のハンター、伊佐美 透とチィ=ズヴォーの二名が参加
特に気にしない場合、結果の被害に合わせて前衛相応に彼らも被害を受ける
逆に言えば今回は特段彼らが狙われる事情もないため、全体の成功度を上げればそれで良いとも言える
勿論何らかの連携を申し出ることは可能
マスターより
凪池です。
まあ、その、なんだ。手の内の割れた敵を前回より簡潔な状況で出すのも何だし。
幻痛連動が冗談みたいだけど洒落になってない状況と言える、ならば増援込みで出すなら今が絶好のタイミングなのでは? などと思い。
かといってグラシナ第四選択肢にするのも違うなーと思った結果こうなりました。
あれだよ。本来凪池のNPCは只のOPの賑やかし要因だったわけで。本人に悩みが有ろうが吹っ切ろうが何かしら苦労する定めからは逃れられないわけですね。
その命運を思うとその内いっそ殺せというのも確かに救済だななどと目覚めかねないかと心配になりましたが。まあきっとPCの皆さんが何とかしてくれる(投げ)。
よろしくお願いします。
まあ、その、なんだ。手の内の割れた敵を前回より簡潔な状況で出すのも何だし。
幻痛連動が冗談みたいだけど洒落になってない状況と言える、ならば増援込みで出すなら今が絶好のタイミングなのでは? などと思い。
かといってグラシナ第四選択肢にするのも違うなーと思った結果こうなりました。
あれだよ。本来凪池のNPCは只のOPの賑やかし要因だったわけで。本人に悩みが有ろうが吹っ切ろうが何かしら苦労する定めからは逃れられないわけですね。
その命運を思うとその内いっそ殺せというのも確かに救済だななどと目覚めかねないかと心配になりましたが。まあきっとPCの皆さんが何とかしてくれる(投げ)。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/09/29 18:58
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
質問卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/09/23 07:53:59 |
|
![]() |
相談卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/09/25 23:03:47 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/09/23 11:00:44 |