ゲスト
(ka0000)
【幻痛】向かう先は冒険都市
マスター:四月朔日さくら

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
ガーディナ- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/09/27 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/10/11 15:00
オープニング
●
秋は、どこにおいても実りの季節である。
それは、実りの薄い辺境とても同じ。
とはいえ、昨今のビックマーとの戦いなどで、今年は状況が少し異なっているような気はするが。
……いや、少しどころではなく異なっているか。
●
――ビックマー・ザ・ヘカトンケイルとハンターたちとの戦闘は、もちろん軍医でもあるゲルタ・シュヴァイツァーの耳に届いていた。いつどこが戦場になってもおかしくない、とも。
「なんてこと……もしここに来たら……ここには多くの負傷した兵もハンターもいるのよ!?」
……彼女は何よりも前に医師である。
傷ついた人を助けるのがその役目だ。
そんな医療施設をも攻撃されれば、いったいどうなるか。……想像に易い。
ゲルタはそれでも、必死になって怪我人の治療を続けた。何より要塞都市という場には医療従事者の手がいくつあっても足りない。とくにこんなことになろうものなら、それはなおさらである。
それでも、時は無情に過ぎていく。
●
そしてノアーラ・クンタウが危ない、ということが机上の空論でなくなってきたころ、ゲルタの元に軍部からの連絡が届いた。
それはこの場所での医療行為を終えて逃げることを促すものだった。
確かにそれも一つの選択だろう。けれど、ゲルタはそれを単純にはよしとして受け入れられない。彼女は医者だ。傷つく者を救うのが医者だ。
それに、彼女の医療所にいるのは兵士やハンターだけではない。
行き場を失った辺境の民も、彼女は受け入れていた。身体の傷だけでなく、心の傷も癒やす――それが、ゲルタの為したいことだからだ。
誰も取りこぼさずに、助けたい。それは理想論だが、彼女のあこがれだ。
(……このままでは、被害は拡大するばかりじゃない)
ゲルタは胸の奥でそう思う。
「ゲルタ先生……歪虚がどんどん、ノアーラ・クンタウに近づいているって聞いていますけれど、私たち、大丈夫ですかねえ」
不安そうに尋ねてくるのは看護師の手伝いをしている辺境の女性だ。元は避難民だったが、医療の心得があると言うことで手伝ってもらっている。今や猫の手も借りたいゲルタにとってありがたい人材の一人だった。
「……まだわからないけれど、危険が迫っているのは確かね」
「ああ、せっかくここまで来たのに……」
女性はうつむいて顔を手で覆った。
以前は辺境の民がこの要塞都市に望んで来ることはそうなかった。帝国との関係が今ほど良好でなかったことが何より大きいが、それもずいぶん変わったと、ゲルタ自身しみじみと思って――ふと、あることをひらめいた。
(あの人なら、もしかして……そうよ、そうすれば、あるいは)
ゲルタは引き出しから便せんを取り出すと、なにやら書き始めた。
●
「みんな、大変だとは思うけど、これから本格的な戦闘に備えて退避することにします」
その朝、ゲルタはそう切り出した。傷病者はもちろん、スタッフも驚いたような顔を見せている。彼女は最後まで逃げる人ではない、誰もがそう思っていたからだ。
「もちろんここに残っていたいのは山々だけど、何よりも人命を第一に考えての決断です。……避難先はリゼリオになります。陸路を使うので大変かもしれないけど、ここにいて恐怖におびえるよりはずっと安心できるはずよ。それは保証します、安心して」
けれど、ここには一人で歩くのもままならぬ者もいる。あるいは退避の途中に何かあったら大変だ。すると、ゲルタはにこりとほほえんだ。
「もちろん不測の事態が起きないに越したことはないけれど、今回は急ぎでハンターに助力を頼んだわ。もうすぐこちらに到着するはず」
そして、と極めつけに、胸ポケットから封筒を取り出す。
「これは辺境ユニオンのリーダー、リムネラさんからの紹介状。今回の行為は大切な救命行為であることへの保証や、なにか困ったことが起きたときに名前を出してもいいとも書いてあるから」
そしてゲルタはいちど言葉を切り、大きく言った。
「ここから無事に逃げて、リムネラさんにお礼を言わなきゃね。そのためにも、みんな、頑張りましょう!」
そう――生きるために。
秋は、どこにおいても実りの季節である。
それは、実りの薄い辺境とても同じ。
とはいえ、昨今のビックマーとの戦いなどで、今年は状況が少し異なっているような気はするが。
……いや、少しどころではなく異なっているか。
●
――ビックマー・ザ・ヘカトンケイルとハンターたちとの戦闘は、もちろん軍医でもあるゲルタ・シュヴァイツァーの耳に届いていた。いつどこが戦場になってもおかしくない、とも。
「なんてこと……もしここに来たら……ここには多くの負傷した兵もハンターもいるのよ!?」
……彼女は何よりも前に医師である。
傷ついた人を助けるのがその役目だ。
そんな医療施設をも攻撃されれば、いったいどうなるか。……想像に易い。
ゲルタはそれでも、必死になって怪我人の治療を続けた。何より要塞都市という場には医療従事者の手がいくつあっても足りない。とくにこんなことになろうものなら、それはなおさらである。
それでも、時は無情に過ぎていく。
●
そしてノアーラ・クンタウが危ない、ということが机上の空論でなくなってきたころ、ゲルタの元に軍部からの連絡が届いた。
それはこの場所での医療行為を終えて逃げることを促すものだった。
確かにそれも一つの選択だろう。けれど、ゲルタはそれを単純にはよしとして受け入れられない。彼女は医者だ。傷つく者を救うのが医者だ。
それに、彼女の医療所にいるのは兵士やハンターだけではない。
行き場を失った辺境の民も、彼女は受け入れていた。身体の傷だけでなく、心の傷も癒やす――それが、ゲルタの為したいことだからだ。
誰も取りこぼさずに、助けたい。それは理想論だが、彼女のあこがれだ。
(……このままでは、被害は拡大するばかりじゃない)
ゲルタは胸の奥でそう思う。
「ゲルタ先生……歪虚がどんどん、ノアーラ・クンタウに近づいているって聞いていますけれど、私たち、大丈夫ですかねえ」
不安そうに尋ねてくるのは看護師の手伝いをしている辺境の女性だ。元は避難民だったが、医療の心得があると言うことで手伝ってもらっている。今や猫の手も借りたいゲルタにとってありがたい人材の一人だった。
「……まだわからないけれど、危険が迫っているのは確かね」
「ああ、せっかくここまで来たのに……」
女性はうつむいて顔を手で覆った。
以前は辺境の民がこの要塞都市に望んで来ることはそうなかった。帝国との関係が今ほど良好でなかったことが何より大きいが、それもずいぶん変わったと、ゲルタ自身しみじみと思って――ふと、あることをひらめいた。
(あの人なら、もしかして……そうよ、そうすれば、あるいは)
ゲルタは引き出しから便せんを取り出すと、なにやら書き始めた。
●
「みんな、大変だとは思うけど、これから本格的な戦闘に備えて退避することにします」
その朝、ゲルタはそう切り出した。傷病者はもちろん、スタッフも驚いたような顔を見せている。彼女は最後まで逃げる人ではない、誰もがそう思っていたからだ。
「もちろんここに残っていたいのは山々だけど、何よりも人命を第一に考えての決断です。……避難先はリゼリオになります。陸路を使うので大変かもしれないけど、ここにいて恐怖におびえるよりはずっと安心できるはずよ。それは保証します、安心して」
けれど、ここには一人で歩くのもままならぬ者もいる。あるいは退避の途中に何かあったら大変だ。すると、ゲルタはにこりとほほえんだ。
「もちろん不測の事態が起きないに越したことはないけれど、今回は急ぎでハンターに助力を頼んだわ。もうすぐこちらに到着するはず」
そして、と極めつけに、胸ポケットから封筒を取り出す。
「これは辺境ユニオンのリーダー、リムネラさんからの紹介状。今回の行為は大切な救命行為であることへの保証や、なにか困ったことが起きたときに名前を出してもいいとも書いてあるから」
そしてゲルタはいちど言葉を切り、大きく言った。
「ここから無事に逃げて、リムネラさんにお礼を言わなきゃね。そのためにも、みんな、頑張りましょう!」
そう――生きるために。
解説
こちらのシナリオでは、グラシナの直前、軍医であるゲルタとともに、ノアーラ・クンタウからリゼリオに避難することになった人々を支援・護衛するのが目的となります。
このシナリオでの避難者には、怪我人や病人も含まれています。また、辺境各地からの避難民もいます。
医療の心得のあるハンターは、状況的にも喜ばれるでしょう。
今回は陸路で要塞都市から山沿いに南下し、リゼリオに向かいます。
普段の所要時間は、馬車で数日ほどです。主要に使われていませんが、リゼリオへの抜け道として知られており、主要道を使うよりも移動時間が短いというメリットがあります。
ただ、道は決して大きくありませんので、ユニットの持ち込みはできません。軍から輸送のための馬車や小型の魔導トラックは支給がありましたので、避難民をそれに乗せて移動することは可能です。
しかし、道は歪虚の襲撃などによって破壊されたりもしており、決して平坦ではありません。そこも踏まえて、慎重に、迅速に移動をお願いします。
本格的な襲撃の前に脱出することになるため、戦闘の発生する可能性は基本ありません。要塞都市からの援護もありますので、ハンターの皆さんは傷病者の避難を優先的に行うことになるでしょう。
傷病者と一言で言っても、様々な人がいます。歩行が困難な人、早期の治療を必要とする人、肉体よりも心のダメージが大きい人、様々です。
彼らを励ましてあげるのも、ハンターの役目になります。
また、ゲルタはリムネラからの紹介状を持っています。いってみればリムネラからのお墨付きのようなもので、彼女の名前を知るものならばある程度便宜のきくこともあるかもしれません。
もちろん何でもかんでもというわけではありませんので、もし何かしらの理由でリムネラの名前を借りたとしても、実現不可能なこともあります。常識の範囲内で考えてください。
それでは皆さんのお力を、お待ちしています。
このシナリオでの避難者には、怪我人や病人も含まれています。また、辺境各地からの避難民もいます。
医療の心得のあるハンターは、状況的にも喜ばれるでしょう。
今回は陸路で要塞都市から山沿いに南下し、リゼリオに向かいます。
普段の所要時間は、馬車で数日ほどです。主要に使われていませんが、リゼリオへの抜け道として知られており、主要道を使うよりも移動時間が短いというメリットがあります。
ただ、道は決して大きくありませんので、ユニットの持ち込みはできません。軍から輸送のための馬車や小型の魔導トラックは支給がありましたので、避難民をそれに乗せて移動することは可能です。
しかし、道は歪虚の襲撃などによって破壊されたりもしており、決して平坦ではありません。そこも踏まえて、慎重に、迅速に移動をお願いします。
本格的な襲撃の前に脱出することになるため、戦闘の発生する可能性は基本ありません。要塞都市からの援護もありますので、ハンターの皆さんは傷病者の避難を優先的に行うことになるでしょう。
傷病者と一言で言っても、様々な人がいます。歩行が困難な人、早期の治療を必要とする人、肉体よりも心のダメージが大きい人、様々です。
彼らを励ましてあげるのも、ハンターの役目になります。
また、ゲルタはリムネラからの紹介状を持っています。いってみればリムネラからのお墨付きのようなもので、彼女の名前を知るものならばある程度便宜のきくこともあるかもしれません。
もちろん何でもかんでもというわけではありませんので、もし何かしらの理由でリムネラの名前を借りたとしても、実現不可能なこともあります。常識の範囲内で考えてください。
それでは皆さんのお力を、お待ちしています。
マスターより
すこしお久しぶりです、四月朔日です。
今回はゲルタとともに傷ついた人や避難民の一部とを、無事にリゼリオに送り届ける大切な役目です。
【幻痛】の連動ではいわゆる幕間的なものになりますが、こういうことも大切なのは皆さんもご承知のはず。
どうか、皆さんの手を貸してください。よろしくお願いいたします。
今回はゲルタとともに傷ついた人や避難民の一部とを、無事にリゼリオに送り届ける大切な役目です。
【幻痛】の連動ではいわゆる幕間的なものになりますが、こういうことも大切なのは皆さんもご承知のはず。
どうか、皆さんの手を貸してください。よろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/10/01 06:35
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/09/27 00:00:44 |
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避難打合せ 玲瓏(ka7114) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/09/27 13:03:34 |