ゲスト
(ka0000)
首の無い馬
マスター:三田村 薫

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/10/06 12:00
- リプレイ完成予定
- 2018/10/15 12:00
オープニング
●でこぼこトリオの珍道中
その日、一人のエルフと二人のドワーフという、風変わりな組み合わせの男性三人が、夕刻の街道を馬車で移動していた。
「助かった」
そう言ったのは、馬を御している精悍な顔つきのドワーフで、本人の得物の槍はすぐ手の届くところに置いてある。
「それなら良かった! ドワーフの武器や防具は人気だって言うけど、ほんと、あっという間にはけちゃったね。すごいや」
と、荷台で喜んでいるのは顎の高さで金髪を切ったエルフの青年だ。彼は矢筒と弓を背負っている。
「お前の軟弱な弓も変えてやろうか?」
嫌みまじりに言うのは、同じく荷台に乗っているドワーフだ。小柄で、斧をいじくりながらぶつくさ言っている。
「これ軽くて使いやすいんだよ。でも、あんたたちの作る弓って一回使ってみたい」
「矢の試作品ならある」
槍のドワーフが言った。
「今度使ってみるか? 鏑矢だ」
「ワオ! 試作品使わせてもらえるなんて、こんなに光栄なことはないね!」
「脳天気な野郎だ……」
斧のドワーフがやれやれとため息を吐いた。
この三人は、つい最近親しくなった。エルフの青年が二人のドワーフにたいそう懐いたのを、槍のドワーフは快く受け入れ、斧のドワーフも、見た目は渋々と言ったていで受け入れている。ツンデレである。
何か手伝えることがあったら言ってよ! と、エルフの青年が言うので、槍のドワーフは防具の商いの手伝いを頼んだ、と言うわけだった。
そしてその帰り道。夏も終わり、日はどんどん短くなっていく。西では太陽が徐々に沈んで行く。
「灯りがいるな。おい、ランプに火を頼む」
槍のドワーフはそう言って馬車を止めた。エルフの青年が元気よく返事をする。
「はぁい!」
「……気をつけて行けよ、お前それでなくても軟弱なんだからよ……」
「大丈夫だって。あ、良いよ、あんたは疲れてるだろうから、休んでて」
「……おう」
「いい加減素直になれ」
槍のドワーフが含み笑いを漏らしながら、友人に言う。
「俺はいつでも素直だよ!」
「ねぇ! ちょっと、後ろから何か来るみたいなんだけど!」
ランプを付けて戻ってきたエルフの青年が慌てた様子で言った。
「何かって……俺たちみたいに帰り道なんじゃねぇのか?」
「なんか、変だよ! 馬に首がないみたいなんだ!」
「はぁ? 何馬鹿なこと言ってんだお前……うおっ!?」
馭者台から槍のドワーフが降りてきた。彼は荷台から外を見ると、斧のドワーフに向かって言った。
「馬を代われ」
「へ? か、構わねぇが」
「坊主の言うとおりだ。ろくなもんじゃねぇ。逃げるぞ」
「やっぱり!」
「は、はあああああああ? また歪虚かよ!? 冗談じゃねぇ!」
「俺、迎撃するよ!」
「頼む。近すぎるなら俺もやる」
「お、落ちるんじゃねぇぞ!」
「落ちないって! あんたこそ気をつけて!」
斧のドワーフが馭者台に就いた。すぐに馬は走り出す。
「あれは……馬の首を騎手がつけてるのか」
槍のドワーフは目を細めて言った。
追っ手をどう形容したものだろうか。その馬の首から上は、騎手の頭についている。だからといって、馬に騎手の頭がついている、と言うものでもないらしい。そんなものが、三組。
「首無し騎士の話はたまに聞くがな、首無し馬とはな」
「な、なあ、やり過ごしたりできねぇか? 俺たちが目的とは……」
「駄目だ。完全に乗り手の視線がこっちを向いてる。狙いは俺たちだ。おい、坊主」
「何?」
「さっき言ってた試作品の鏑矢を飛ばせ。誰かが気付けば儲けものだ。性能も試せる」
「積んでるの!?」
「そこにある」
槍のドワーフが指したところに、簡素な矢筒が転がっていた。エルフの青年はそれに飛びつくと、一本引き抜いて、自分の弓を取った。
「音の狼煙か。良いね」
「連中に当てるなよ。鏑矢の意味がない」
「任せて!」
エルフの青年は張り切って矢をつがえた。そして引き絞る。追っ手の頭上、少し上を狙って、右手を離した。軽快な弦の音がして、弓が手の中で一回転する。
人の悲鳴のような、甲高い音を立てて、鏑矢はオレンジがわずかに滲む、夜の空を飛んでいった。
「これで駄目なら、集落まで逃げて総出で迎撃だ。坊主、その時はハンターオフィスに連絡をしてくれ」
●ハンドアウト
あなたたちは、何らかの理由で夜の街道を行くハンターです。
街道を行くあなたたちの内、幾人かは、暮れなずむ夕陽の中に、不穏な影を見ます。
頭が馬の騎手が、首の無い馬に乗っている。そんなものが三体、街道を進んでいる。
そんな、怪談話の様な光景を見てしまったあなたたちは、それが歪虚であることに気付いて追い掛けます。そしてあなたたちは、その歪虚が荷馬車を追い掛けているのを発見しました。荷台には弓使いが乗っているようで、その人は鏑矢を放ちました。
甲高い音が夜の空を引き裂くように飛んでいくのを、あなたたちは聞きました。
あなたたちの内、幾人かは、不穏な影も見ずに街道を進んでいます。
しかし、どこからか、悲鳴のような音が聞こえました。あなたたちは、音が聞こえた方向に向かって進んでいきます。
そこであなたたちは、首の無い馬に乗った、馬の首をした歪虚が、荷馬車を追い掛けているところに出くわすのでした。
その日、一人のエルフと二人のドワーフという、風変わりな組み合わせの男性三人が、夕刻の街道を馬車で移動していた。
「助かった」
そう言ったのは、馬を御している精悍な顔つきのドワーフで、本人の得物の槍はすぐ手の届くところに置いてある。
「それなら良かった! ドワーフの武器や防具は人気だって言うけど、ほんと、あっという間にはけちゃったね。すごいや」
と、荷台で喜んでいるのは顎の高さで金髪を切ったエルフの青年だ。彼は矢筒と弓を背負っている。
「お前の軟弱な弓も変えてやろうか?」
嫌みまじりに言うのは、同じく荷台に乗っているドワーフだ。小柄で、斧をいじくりながらぶつくさ言っている。
「これ軽くて使いやすいんだよ。でも、あんたたちの作る弓って一回使ってみたい」
「矢の試作品ならある」
槍のドワーフが言った。
「今度使ってみるか? 鏑矢だ」
「ワオ! 試作品使わせてもらえるなんて、こんなに光栄なことはないね!」
「脳天気な野郎だ……」
斧のドワーフがやれやれとため息を吐いた。
この三人は、つい最近親しくなった。エルフの青年が二人のドワーフにたいそう懐いたのを、槍のドワーフは快く受け入れ、斧のドワーフも、見た目は渋々と言ったていで受け入れている。ツンデレである。
何か手伝えることがあったら言ってよ! と、エルフの青年が言うので、槍のドワーフは防具の商いの手伝いを頼んだ、と言うわけだった。
そしてその帰り道。夏も終わり、日はどんどん短くなっていく。西では太陽が徐々に沈んで行く。
「灯りがいるな。おい、ランプに火を頼む」
槍のドワーフはそう言って馬車を止めた。エルフの青年が元気よく返事をする。
「はぁい!」
「……気をつけて行けよ、お前それでなくても軟弱なんだからよ……」
「大丈夫だって。あ、良いよ、あんたは疲れてるだろうから、休んでて」
「……おう」
「いい加減素直になれ」
槍のドワーフが含み笑いを漏らしながら、友人に言う。
「俺はいつでも素直だよ!」
「ねぇ! ちょっと、後ろから何か来るみたいなんだけど!」
ランプを付けて戻ってきたエルフの青年が慌てた様子で言った。
「何かって……俺たちみたいに帰り道なんじゃねぇのか?」
「なんか、変だよ! 馬に首がないみたいなんだ!」
「はぁ? 何馬鹿なこと言ってんだお前……うおっ!?」
馭者台から槍のドワーフが降りてきた。彼は荷台から外を見ると、斧のドワーフに向かって言った。
「馬を代われ」
「へ? か、構わねぇが」
「坊主の言うとおりだ。ろくなもんじゃねぇ。逃げるぞ」
「やっぱり!」
「は、はあああああああ? また歪虚かよ!? 冗談じゃねぇ!」
「俺、迎撃するよ!」
「頼む。近すぎるなら俺もやる」
「お、落ちるんじゃねぇぞ!」
「落ちないって! あんたこそ気をつけて!」
斧のドワーフが馭者台に就いた。すぐに馬は走り出す。
「あれは……馬の首を騎手がつけてるのか」
槍のドワーフは目を細めて言った。
追っ手をどう形容したものだろうか。その馬の首から上は、騎手の頭についている。だからといって、馬に騎手の頭がついている、と言うものでもないらしい。そんなものが、三組。
「首無し騎士の話はたまに聞くがな、首無し馬とはな」
「な、なあ、やり過ごしたりできねぇか? 俺たちが目的とは……」
「駄目だ。完全に乗り手の視線がこっちを向いてる。狙いは俺たちだ。おい、坊主」
「何?」
「さっき言ってた試作品の鏑矢を飛ばせ。誰かが気付けば儲けものだ。性能も試せる」
「積んでるの!?」
「そこにある」
槍のドワーフが指したところに、簡素な矢筒が転がっていた。エルフの青年はそれに飛びつくと、一本引き抜いて、自分の弓を取った。
「音の狼煙か。良いね」
「連中に当てるなよ。鏑矢の意味がない」
「任せて!」
エルフの青年は張り切って矢をつがえた。そして引き絞る。追っ手の頭上、少し上を狙って、右手を離した。軽快な弦の音がして、弓が手の中で一回転する。
人の悲鳴のような、甲高い音を立てて、鏑矢はオレンジがわずかに滲む、夜の空を飛んでいった。
「これで駄目なら、集落まで逃げて総出で迎撃だ。坊主、その時はハンターオフィスに連絡をしてくれ」
●ハンドアウト
あなたたちは、何らかの理由で夜の街道を行くハンターです。
街道を行くあなたたちの内、幾人かは、暮れなずむ夕陽の中に、不穏な影を見ます。
頭が馬の騎手が、首の無い馬に乗っている。そんなものが三体、街道を進んでいる。
そんな、怪談話の様な光景を見てしまったあなたたちは、それが歪虚であることに気付いて追い掛けます。そしてあなたたちは、その歪虚が荷馬車を追い掛けているのを発見しました。荷台には弓使いが乗っているようで、その人は鏑矢を放ちました。
甲高い音が夜の空を引き裂くように飛んでいくのを、あなたたちは聞きました。
あなたたちの内、幾人かは、不穏な影も見ずに街道を進んでいます。
しかし、どこからか、悲鳴のような音が聞こえました。あなたたちは、音が聞こえた方向に向かって進んでいきます。
そこであなたたちは、首の無い馬に乗った、馬の首をした歪虚が、荷馬車を追い掛けているところに出くわすのでした。
解説
●目的
騎手歪虚の討伐
●敵情報
騎手歪虚×3
首の無い馬に乗り、首から上が馬、首から下が人間、いわば逆ケンタウルスのような見た目をしています。
便宜上「騎手」と表現していますが文字通り人馬一体の歪虚となります。
覚醒者のクラスで例えるなら闘狩人的な戦闘スタイルです。
三体とも剣を持っています。
攻撃力はそこそこですが防御力と移動力が高いです。
●現場について
何もない街道です。整備されているのは幅6スクエアですが、その外も平地なので街道から外に出たところで移動にペナルティはつきません。
●追われている荷馬車
弓使いと槍使いが荷台に乗っているので、極端に歪虚に接近された場合は多少の防戦は可能です。どちらも一般人。
ハンターサイドが馬車を囮にする、とかがなければ戦闘開始と同時に離脱できます。
●その他
OP本文「●ハンドアウト」では、参加のきっかけが歪虚目撃と鏑矢の音のどちらかを選ぶような書き方をしていますが、全員が片方を選んでも構いません。
あなたのPCさんの個性が光る参戦理由をお待ちしています。
また騎乗前提のようにも見えますが徒歩でも問題ありません。移動力にもよりますがその場合反対からやって来た扱いになります。
騎手歪虚の討伐
●敵情報
騎手歪虚×3
首の無い馬に乗り、首から上が馬、首から下が人間、いわば逆ケンタウルスのような見た目をしています。
便宜上「騎手」と表現していますが文字通り人馬一体の歪虚となります。
覚醒者のクラスで例えるなら闘狩人的な戦闘スタイルです。
三体とも剣を持っています。
攻撃力はそこそこですが防御力と移動力が高いです。
●現場について
何もない街道です。整備されているのは幅6スクエアですが、その外も平地なので街道から外に出たところで移動にペナルティはつきません。
●追われている荷馬車
弓使いと槍使いが荷台に乗っているので、極端に歪虚に接近された場合は多少の防戦は可能です。どちらも一般人。
ハンターサイドが馬車を囮にする、とかがなければ戦闘開始と同時に離脱できます。
●その他
OP本文「●ハンドアウト」では、参加のきっかけが歪虚目撃と鏑矢の音のどちらかを選ぶような書き方をしていますが、全員が片方を選んでも構いません。
あなたのPCさんの個性が光る参戦理由をお待ちしています。
また騎乗前提のようにも見えますが徒歩でも問題ありません。移動力にもよりますがその場合反対からやって来た扱いになります。
マスターより
こんにちは三田村です。
秋の夜長にホラーな依頼、いかがですか?
とか言っておきながら始まるとアクションなんですけどね。
首無し馬に逆ケンタウルスが乗ってら怖いかも! ってウキウキしてたんですけどバラエティグッズでそういうのありましたね。何も怖くなかった。
ご参加お待ちしています。
秋の夜長にホラーな依頼、いかがですか?
とか言っておきながら始まるとアクションなんですけどね。
首無し馬に逆ケンタウルスが乗ってら怖いかも! ってウキウキしてたんですけどバラエティグッズでそういうのありましたね。何も怖くなかった。
ご参加お待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/10/12 01:09
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/10/04 00:50:44 |
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相談卓 葛音 ステラ(ka5122) 人間(リアルブルー)|19才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2018/10/04 02:45:09 |