ゲスト
(ka0000)
スケアリー・スパイダー・ハロウィン
マスター:三田村 薫

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在19人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/10/17 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/10/26 15:00
オープニング
●魔女になった歪虚
クリムゾンウェストと呼ばれている世界の、自由都市同盟という地域に、アウグスタと言う女の子がおりました。アウグスタはただの人間ではありません。歪虚と呼ばれる、この世界を滅ぼそうとする悪い一味の一人です。茶色くて長い髪の毛に金色の瞳、白くて(陶器的な意味で)つやつやなお肌、薄い唇、八歳くらいの見た目の女の子でした。
ハロウィンシーズンのある日、アウグスタは思いつきました。
「ハロウィンの時期ね! 私も仮装して、町に行きましょう! 町の人は、どれくらいで私が歪虚って気付くかしら! 気付かれたら町中に蜘蛛を放ってやりましょう! 面白いハロウィンになるわ!」
そしてウキウキとご機嫌に、魔女の仮装と、お供にブリキの蜘蛛をぬいぐるみの様に抱えて、ハロウィンのお祭りに興じている町の一つに行きます。
アウグスタは、見た目だけならどちらかと言うと可愛らしい女の子でしたので、町の人たちは誰も気付きませんでした。この手口でこの前も二箇所くらいで孤児院の子どもをたらし込みましたが、気に入らないことを言われてうっかり本性を見せてしまいました。それはまた別の話。
さて、そんなアウグスタを狙う一つの影がありました。
小さい女の子を狙い撃ちにする誘拐犯です。でれでれと鼻の下を伸ばしながら、彼はアウグスタに声を掛けました。
「おおおおお、お嬢ちゃん、か、かわうぃーね……」
「あら、ありがとうおじ様」
「蜘蛛使いの……へへへ、魔女さんなのかな?」
「そんなところよ」
「そそそ、そしたら、もっと魔女らしくなれるものがあるんだけど見るかい?」
「ま! 素敵! 是非とも見てみたいわ!」
誘拐犯はアウグスタを物陰に連れて行きました。そして……。
●運の尽き
ブリキの蜘蛛から滅多刺しにされた男はひゅー、ひゅー、と細い息を吐きながらアウグスタを見上げた。その金色の瞳は憤怒に燃えている。
「最低! あなた、私がただの子どもだと思って手を出したでしょう! 子どもに手を出す大人なんて最低よ!」
「ひ、た、たすけ……」
アウグスタが連れていた蜘蛛は、八本の脚全てを男の血で真っ赤に染めている。それはまだ男の腹の上に乗っていて、主の命があれば男にとどめを刺す算段だ。
「誰が助けるものですか!」
彼女は叫ぶ。
「やっちゃって!」
断末魔が響き渡った。しかしながら、今日はハロウィン。悲鳴の一つでは誰も注意を引かれない。
●万霊節で遭いましょう
アウグスタは、ぐすぐすと鼻をすすり上げながら雑踏を歩いていた。せっかくのハロウィンなのに、変態のせいで台無しだ。
「大丈夫?」
その時、同じような魔女の格好をした少女がアウグスタに声を掛けた。年齢はアウグスタの見た目より少し上くらい。十二歳くらいだろうか。
「変な男の人に連れて行かれそうになったの」
「ええっ!? 大丈夫!? 親は?」
「いないわ」
アウグスタはそう言って俯いた。
「いないの。来てくれなくって」
「ええ……よくわかんないけど、学校に行こうか? ハロウィンのお菓子配りで、先生が誰かいると思うから。あたしリンダ。あんたは?」
「アウグスタよ」
「よくできてる蜘蛛だね。血の感じとか」
「でしょう! とっても気に入っているの」
アウグスタとリンダは、仲良く話をしながら学校を目指した。学校もまた、仮装した子どもたちで賑わっている。リンダはまっすぐに職員室を目指した。
「先生ー」
リンダは職員室をノックしてから、からからと引き戸を横に開けた。
「女の子が変な人に連れて行かれそうになったって泣いてたから連れてきたんだけど」
「ああ、ありがとう、リンダさん……」
「あら」
アウグスタはその教師に見覚えがあった。この前山にいたら、後からやって来た上に一発で自分を歪虚と看破したから、からかって遊んだ男だ。
「あなた、ここの先生だったのね」
その教師は……ジェレミアは絶句した。彼はリンダをアウグスタから引き離して抱き上げると、引き戸を閉めた。施錠も行なう。
「先生!?」
「歪虚だ!」
「えっ」
ジェレミアは校庭に向かって叫んだ。
「歪虚だ! 学校の中に歪虚がいる! ハンターオフィスに通報してくれ!」
廊下から笑い声がする。アウグスタが笑っている。嫉妬の少女が笑っているのだ。
「あなたがいたのが誤算と言うやつよ、先生! 良いの。今日は帰るわ。もともとそう言う遊びだったし」
指笛が聞こえる。
「じゃあ、さよなら。どうぞお元気で、先生」
●かぼちゃではなく蜘蛛
アウグスタが指笛を吹いたタイミングで、どう聞きつけたものか、町外れに置いてあった、高さ三メートルほどの大きな蜘蛛のオブジェが動いた。このオブジェは、アウグスタが来たくらいのタイミングで置かれていたものだが、誰も気にしなかった。余興で使うのだろう、くらいの感覚でいた。
それは歪虚の蜘蛛だったのだ。けたたましい金属音を立てて、学校を目指す。町の人たちは悲鳴を上げて逃げ惑った。学校の校庭で止まると、アウグスタが校舎から蜘蛛めがけて走ってくる。
「ばっちり! 言うことを聞いてえらいわ」
彼女はその頭と腹の間の細い部分に飛び乗ると、つけてあった手綱を引いた。大蜘蛛はまた走り出す。
「さ、行きましょ。あなたたち、後はお願いね!」
町中に広がった、大量の小型蜘蛛にそれだけ声を掛けると、アウグスタと大蜘蛛は町を去って行った。
●ハンターオフィスにて
「町が蜘蛛で覆い尽くされている……」
オフィス青年職員は蒼白な顔で説明した。
「この前の山とは比じゃない。町の有志が一応頑張ってるみたい。蜘蛛の援軍はないみたいだけど、町の人じゃ限界がある。怪我人も出てるんだ。早く行ってあげて。治療については別で募集をかけてるから心配しなくていい。そっちがどうにかする。ただ、蜘蛛の殲滅と、取り残された人の誘導。それと治療担当が集まるまでの救護所運営の手伝い、避難所の護衛をして。頼むよ」
そして彼は町の方角を見た。
「アウグスタは何しに来たんだ?」
クリムゾンウェストと呼ばれている世界の、自由都市同盟という地域に、アウグスタと言う女の子がおりました。アウグスタはただの人間ではありません。歪虚と呼ばれる、この世界を滅ぼそうとする悪い一味の一人です。茶色くて長い髪の毛に金色の瞳、白くて(陶器的な意味で)つやつやなお肌、薄い唇、八歳くらいの見た目の女の子でした。
ハロウィンシーズンのある日、アウグスタは思いつきました。
「ハロウィンの時期ね! 私も仮装して、町に行きましょう! 町の人は、どれくらいで私が歪虚って気付くかしら! 気付かれたら町中に蜘蛛を放ってやりましょう! 面白いハロウィンになるわ!」
そしてウキウキとご機嫌に、魔女の仮装と、お供にブリキの蜘蛛をぬいぐるみの様に抱えて、ハロウィンのお祭りに興じている町の一つに行きます。
アウグスタは、見た目だけならどちらかと言うと可愛らしい女の子でしたので、町の人たちは誰も気付きませんでした。この手口でこの前も二箇所くらいで孤児院の子どもをたらし込みましたが、気に入らないことを言われてうっかり本性を見せてしまいました。それはまた別の話。
さて、そんなアウグスタを狙う一つの影がありました。
小さい女の子を狙い撃ちにする誘拐犯です。でれでれと鼻の下を伸ばしながら、彼はアウグスタに声を掛けました。
「おおおおお、お嬢ちゃん、か、かわうぃーね……」
「あら、ありがとうおじ様」
「蜘蛛使いの……へへへ、魔女さんなのかな?」
「そんなところよ」
「そそそ、そしたら、もっと魔女らしくなれるものがあるんだけど見るかい?」
「ま! 素敵! 是非とも見てみたいわ!」
誘拐犯はアウグスタを物陰に連れて行きました。そして……。
●運の尽き
ブリキの蜘蛛から滅多刺しにされた男はひゅー、ひゅー、と細い息を吐きながらアウグスタを見上げた。その金色の瞳は憤怒に燃えている。
「最低! あなた、私がただの子どもだと思って手を出したでしょう! 子どもに手を出す大人なんて最低よ!」
「ひ、た、たすけ……」
アウグスタが連れていた蜘蛛は、八本の脚全てを男の血で真っ赤に染めている。それはまだ男の腹の上に乗っていて、主の命があれば男にとどめを刺す算段だ。
「誰が助けるものですか!」
彼女は叫ぶ。
「やっちゃって!」
断末魔が響き渡った。しかしながら、今日はハロウィン。悲鳴の一つでは誰も注意を引かれない。
●万霊節で遭いましょう
アウグスタは、ぐすぐすと鼻をすすり上げながら雑踏を歩いていた。せっかくのハロウィンなのに、変態のせいで台無しだ。
「大丈夫?」
その時、同じような魔女の格好をした少女がアウグスタに声を掛けた。年齢はアウグスタの見た目より少し上くらい。十二歳くらいだろうか。
「変な男の人に連れて行かれそうになったの」
「ええっ!? 大丈夫!? 親は?」
「いないわ」
アウグスタはそう言って俯いた。
「いないの。来てくれなくって」
「ええ……よくわかんないけど、学校に行こうか? ハロウィンのお菓子配りで、先生が誰かいると思うから。あたしリンダ。あんたは?」
「アウグスタよ」
「よくできてる蜘蛛だね。血の感じとか」
「でしょう! とっても気に入っているの」
アウグスタとリンダは、仲良く話をしながら学校を目指した。学校もまた、仮装した子どもたちで賑わっている。リンダはまっすぐに職員室を目指した。
「先生ー」
リンダは職員室をノックしてから、からからと引き戸を横に開けた。
「女の子が変な人に連れて行かれそうになったって泣いてたから連れてきたんだけど」
「ああ、ありがとう、リンダさん……」
「あら」
アウグスタはその教師に見覚えがあった。この前山にいたら、後からやって来た上に一発で自分を歪虚と看破したから、からかって遊んだ男だ。
「あなた、ここの先生だったのね」
その教師は……ジェレミアは絶句した。彼はリンダをアウグスタから引き離して抱き上げると、引き戸を閉めた。施錠も行なう。
「先生!?」
「歪虚だ!」
「えっ」
ジェレミアは校庭に向かって叫んだ。
「歪虚だ! 学校の中に歪虚がいる! ハンターオフィスに通報してくれ!」
廊下から笑い声がする。アウグスタが笑っている。嫉妬の少女が笑っているのだ。
「あなたがいたのが誤算と言うやつよ、先生! 良いの。今日は帰るわ。もともとそう言う遊びだったし」
指笛が聞こえる。
「じゃあ、さよなら。どうぞお元気で、先生」
●かぼちゃではなく蜘蛛
アウグスタが指笛を吹いたタイミングで、どう聞きつけたものか、町外れに置いてあった、高さ三メートルほどの大きな蜘蛛のオブジェが動いた。このオブジェは、アウグスタが来たくらいのタイミングで置かれていたものだが、誰も気にしなかった。余興で使うのだろう、くらいの感覚でいた。
それは歪虚の蜘蛛だったのだ。けたたましい金属音を立てて、学校を目指す。町の人たちは悲鳴を上げて逃げ惑った。学校の校庭で止まると、アウグスタが校舎から蜘蛛めがけて走ってくる。
「ばっちり! 言うことを聞いてえらいわ」
彼女はその頭と腹の間の細い部分に飛び乗ると、つけてあった手綱を引いた。大蜘蛛はまた走り出す。
「さ、行きましょ。あなたたち、後はお願いね!」
町中に広がった、大量の小型蜘蛛にそれだけ声を掛けると、アウグスタと大蜘蛛は町を去って行った。
●ハンターオフィスにて
「町が蜘蛛で覆い尽くされている……」
オフィス青年職員は蒼白な顔で説明した。
「この前の山とは比じゃない。町の有志が一応頑張ってるみたい。蜘蛛の援軍はないみたいだけど、町の人じゃ限界がある。怪我人も出てるんだ。早く行ってあげて。治療については別で募集をかけてるから心配しなくていい。そっちがどうにかする。ただ、蜘蛛の殲滅と、取り残された人の誘導。それと治療担当が集まるまでの救護所運営の手伝い、避難所の護衛をして。頼むよ」
そして彼は町の方角を見た。
「アウグスタは何しに来たんだ?」
解説
●目的
1.蜘蛛雑魔の殲滅
2.避難誘導
3.避難所の運営補助および護衛
以上3つの目的を分担して行なってください(プレイングには番号記載でもOKです)。兼任不可。
人数が少ない場合の優先順位は番号順です。
●敵情報
蜘蛛雑魔×150
嫉妬雑魔。ブリキで作ったような外見。
町中に散らばっています。小型犬サイズで、スキルなしで叩いても消える程度の雑魚。
噛みつきにより強度1の毒(最大5ラウンド)、糸を吐くことによって強度1の行動阻害(最大5ラウンド)が発生します。
攻撃性は今までのものよりやや低め。
●逃げ遅れについて
具体的な数は不明ですが、避難所に行きたくても家の外に蜘蛛がいる、学校から怖くて出られない、高齢者を置いていけない、動かせない怪我人がいるなど様々な理由で逃げ遅れている人がいるようです。
安全が確保されるのであればそのままとどまっているのも一つの手ではあります。避難誘導担当はこの見極めと周知も仕事の一つになります。
●避難所と救護所
併設されており、町役場、教会、病院が開放されています。
役場職員、司祭、病院職員はいずれも一般人です。
救護所運営補助の方々には手当の手伝いや、怯えている人の傾聴、警戒をしていただきます。
●町について
主なランドマークは町役場、教会、病院、学校です。
その他日用品などを販売する店、住宅などがあります。
●怪我人について
噛まれた怪我人よりも圧倒的に足で踏まれたり刺されたりした怪我人の方が多くいるようです。蜘蛛につまづいて転んだ人も多数。
毒を受けた人は数人いるようですが、別で救護の依頼をオフィスから出しており、必ずしも浄化術を持ったPCが救護所に行く必要はありません。
●アウグスタ
嫉妬の割と強いかもしれない少女歪虚。
すでに町を離れており、今回は接触できません。
●その他
参加人数によってはNPCの援軍が行きます。魔術師(LV30相当)と聖導士(LV30相当)です。
1.蜘蛛雑魔の殲滅
2.避難誘導
3.避難所の運営補助および護衛
以上3つの目的を分担して行なってください(プレイングには番号記載でもOKです)。兼任不可。
人数が少ない場合の優先順位は番号順です。
●敵情報
蜘蛛雑魔×150
嫉妬雑魔。ブリキで作ったような外見。
町中に散らばっています。小型犬サイズで、スキルなしで叩いても消える程度の雑魚。
噛みつきにより強度1の毒(最大5ラウンド)、糸を吐くことによって強度1の行動阻害(最大5ラウンド)が発生します。
攻撃性は今までのものよりやや低め。
●逃げ遅れについて
具体的な数は不明ですが、避難所に行きたくても家の外に蜘蛛がいる、学校から怖くて出られない、高齢者を置いていけない、動かせない怪我人がいるなど様々な理由で逃げ遅れている人がいるようです。
安全が確保されるのであればそのままとどまっているのも一つの手ではあります。避難誘導担当はこの見極めと周知も仕事の一つになります。
●避難所と救護所
併設されており、町役場、教会、病院が開放されています。
役場職員、司祭、病院職員はいずれも一般人です。
救護所運営補助の方々には手当の手伝いや、怯えている人の傾聴、警戒をしていただきます。
●町について
主なランドマークは町役場、教会、病院、学校です。
その他日用品などを販売する店、住宅などがあります。
●怪我人について
噛まれた怪我人よりも圧倒的に足で踏まれたり刺されたりした怪我人の方が多くいるようです。蜘蛛につまづいて転んだ人も多数。
毒を受けた人は数人いるようですが、別で救護の依頼をオフィスから出しており、必ずしも浄化術を持ったPCが救護所に行く必要はありません。
●アウグスタ
嫉妬の割と強いかもしれない少女歪虚。
すでに町を離れており、今回は接触できません。
●その他
参加人数によってはNPCの援軍が行きます。魔術師(LV30相当)と聖導士(LV30相当)です。
マスターより
こんにちは三田村です。
知らない人にはついていっちゃいけませんって誰もアウグスタに教えなかったんでしょうか。
アウグスタ関連シナリオは「星見る山で遭いましょう」「蜘蛛の糸を辿って」ですが読まなくても大丈夫です。心情のネタくらいに。
別口で回復特化の依頼を出していることにはなっていますが、シナリオとしてリリースはありません。単にスキルを限定したくなかっただけですので、「回復特化ですBS解除や回復なら任せろー!」と言う方も大歓迎です。PCさんの個性を活かせそうでしたら是非お越し下さい。
少し早いですが、良いハロウィンを。
知らない人にはついていっちゃいけませんって誰もアウグスタに教えなかったんでしょうか。
アウグスタ関連シナリオは「星見る山で遭いましょう」「蜘蛛の糸を辿って」ですが読まなくても大丈夫です。心情のネタくらいに。
別口で回復特化の依頼を出していることにはなっていますが、シナリオとしてリリースはありません。単にスキルを限定したくなかっただけですので、「回復特化ですBS解除や回復なら任せろー!」と言う方も大歓迎です。PCさんの個性を活かせそうでしたら是非お越し下さい。
少し早いですが、良いハロウィンを。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/10/23 03:22
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談卓 ひりょ・ムーンリーフ(ka3744) 人間(リアルブルー)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/10/17 12:56:57 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/10/17 12:54:04 |