ゲスト
(ka0000)
【空蒼】レフト・ワァーシン
マスター:三田村 薫

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/10/25 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/11/03 09:00
オープニング
●月面行き打ち上げシャトル
アメリカ合衆国。シャトル打ち上げ地。
「よーし、野球は好きじゃねぇが今だけピッチャーやってやらぁ」
大学生くらいの少年が、避難した誰かの落とし物であろう、未開封のツナ缶を拾い上げた。にやにやしている。
「エド……当てられるのかい?」
と、尋ねたのは線の細い気弱そうな少年。
「何だよハンク。弱気だな。的がデカけりゃ当たるだろう、よっ!」
エドと呼ばれた少年は、そう言ってピッチングフォームを真似て缶を投げつけた。その先にいるのは、クラゲと大きな眼球を持った虫が融合したような姿のVOIDである。ツナ缶は命中した。VOIDは中空で揺らぐ。
このエドとハンクは、数週間前にイクシード・アプリをインストールしている。故に、一介の大学生で文化系のエドが投げたツナ缶も、それなりの速度と威力を持っているのだ。人間の頭に当たれば即死は間違いない。
「よっし。メジャーは無理でも大学の野球部に頼まれたら、助っ人くらいは行ってやる」
「大学ももうそれどころじゃないけどね」
ハンクは力なく言った。
この二人が遠くで背中にしているのは、月面基地行きのシャトルだ。二人もあれに乗りたいと思っている。現在、最終点検中で、避難民たちは待機所に詰め込まれていた。
しかし、そこにこのVOIDの登場である。
良くない。非常に良くない。聞いた話によれば、あのVOID、目からビームを出すと言うではないか。離陸してから爆破されては目も当てられない。避難所やシャトルを守るために、クリムゾンウェストからハンターたちが向かっていると聞いて、時間稼ぎくらいなら、と二人は出てきた。
一番悪いのはあれがシャトルにくっついて来ることだ。月の方が戦力は多いと言うが、もっとも近距離にいるのは避難民である。VOIDはここに置いて行かなくてはならない。
もっとも、たくさんあるシャトルや避難所の中で、自分たちのところに確実にハンターが来てくれるとは限らない。
そもそも、月に行くと言うのがあまり現実的な選択肢ではない。邪神が出てきたから地球の時間を止めます、なんて、信じる人間はそこまで多くない。
でも、彼らはそれを信じても良いと思った。アプリを持っていても太刀打ちできないような、使徒なんて連中を叩きのめして自分たちを助け出したハンター達の顔が思い起こされたからだ。あの人たちがいる世界だったら、まあそんなに悪くないんじゃないの。得体のしれない化け物がいるのも本当だし。そう思って月行きを選んだ。
「それにしても、ジョンの奴遅いな」
二人にはもう一人友人がいる。ジョンと言う、同じく大学生で、彼だけはアプリを使っていない。
「僕はお前らと違ってVOIDなんかに太刀打ちできないからな! ハンターさんたちが来てないか探してくる! 死ぬなよ!」
そう言って、ハンターを探しに行ってから大分経つがまだ戻って来ない。
「逃げたのかね」
「その方が良いよ。ジョンは関係ない」
「ま、そりゃそーなんですけどぉ」
エドがむくれて、誰かが落としたらしい携帯端末を拾い上げたその時だった。
「おーい!」
ジョンの声が聞こえた。二人が振り返ると、複数人を連れたジョンが走って来るのが見える。
「ハンター連れてきたぞ!」
●ハンドアウト
あなたたちは、地上の打ち上げシャトル警護を依頼されたハンターです。
アメリカ合衆国に派遣されたあなたたちは、シャトル打ち上げ地の方に向かいます。しかし、
「ハンターさんはいらっしゃいませんか!」
自分たちを探している声がします。あなたたちはそちらに向かいました。
声の主は、大学生くらいの少年です。あなたたちが名乗ると、彼はほっとしたように、自分がジョンと言う大学生であること、近くにVOIDがいること、イクシード・アプリをインストールしている友人二人がシャトルに行かせないように頑張っていることを伝えます。
あなたたちが、ジョンと名乗った少年について行くと、二人の少年が、小型狂気に向かって石ころやら落とし物やらを投げつけているのが見えました。
「ハンター連れてきたぞ!」
ジョンが叫びます。二人の少年はくるりと振り返りました。積極的に投げていた方の少年は嬉しそうに笑うと、もう一人を促してこちらに向かって来ます。
「じゃ、あとはよろしく! 俺たちシャトル乗るからさ! 恩に着るぜ!」
「ありがとうございます! ジョン! 君も来るんだ」
「お前ら、そんないい加減なお礼で……! あああ申し訳ない! 今度会えたらこのお礼は必ず!」
ジョンは二人に引きずられてハンターたちを拝みます。その姿はどんどん小さくなって、シャトルの方に消えていきました。
あなたたちはVOIDに向き直ります。
最初は一体だったそれは、いつの間にか十にまで増えていました。
●恥ずかしいんですけど
「あれっ」
エドは未だ待機所に避難民が全員揃っているのを見て目を瞬かせた。
「まだ点検終わってないんすか!?」
「終わってないのよぉ」
一人の女性が眉をハの字にしてぼやく。
「やっべー、俺たちハンターに後よろしく! ってドヤ顔して来ちゃったんすけど。うっわ恥ずかしい」
「ハンターが来てるのか? だったらもうヤケだ。観戦としゃれこもうや」
「おっ、良いねぇ。どうせシャトル乗ったら楽しみもなさそうだもんな」
避難民たちはぞろぞろと待機場所を出た。
遠くでは、クラゲじみたVOIDと交戦するハンターたちの姿が見えている。
アメリカ合衆国。シャトル打ち上げ地。
「よーし、野球は好きじゃねぇが今だけピッチャーやってやらぁ」
大学生くらいの少年が、避難した誰かの落とし物であろう、未開封のツナ缶を拾い上げた。にやにやしている。
「エド……当てられるのかい?」
と、尋ねたのは線の細い気弱そうな少年。
「何だよハンク。弱気だな。的がデカけりゃ当たるだろう、よっ!」
エドと呼ばれた少年は、そう言ってピッチングフォームを真似て缶を投げつけた。その先にいるのは、クラゲと大きな眼球を持った虫が融合したような姿のVOIDである。ツナ缶は命中した。VOIDは中空で揺らぐ。
このエドとハンクは、数週間前にイクシード・アプリをインストールしている。故に、一介の大学生で文化系のエドが投げたツナ缶も、それなりの速度と威力を持っているのだ。人間の頭に当たれば即死は間違いない。
「よっし。メジャーは無理でも大学の野球部に頼まれたら、助っ人くらいは行ってやる」
「大学ももうそれどころじゃないけどね」
ハンクは力なく言った。
この二人が遠くで背中にしているのは、月面基地行きのシャトルだ。二人もあれに乗りたいと思っている。現在、最終点検中で、避難民たちは待機所に詰め込まれていた。
しかし、そこにこのVOIDの登場である。
良くない。非常に良くない。聞いた話によれば、あのVOID、目からビームを出すと言うではないか。離陸してから爆破されては目も当てられない。避難所やシャトルを守るために、クリムゾンウェストからハンターたちが向かっていると聞いて、時間稼ぎくらいなら、と二人は出てきた。
一番悪いのはあれがシャトルにくっついて来ることだ。月の方が戦力は多いと言うが、もっとも近距離にいるのは避難民である。VOIDはここに置いて行かなくてはならない。
もっとも、たくさんあるシャトルや避難所の中で、自分たちのところに確実にハンターが来てくれるとは限らない。
そもそも、月に行くと言うのがあまり現実的な選択肢ではない。邪神が出てきたから地球の時間を止めます、なんて、信じる人間はそこまで多くない。
でも、彼らはそれを信じても良いと思った。アプリを持っていても太刀打ちできないような、使徒なんて連中を叩きのめして自分たちを助け出したハンター達の顔が思い起こされたからだ。あの人たちがいる世界だったら、まあそんなに悪くないんじゃないの。得体のしれない化け物がいるのも本当だし。そう思って月行きを選んだ。
「それにしても、ジョンの奴遅いな」
二人にはもう一人友人がいる。ジョンと言う、同じく大学生で、彼だけはアプリを使っていない。
「僕はお前らと違ってVOIDなんかに太刀打ちできないからな! ハンターさんたちが来てないか探してくる! 死ぬなよ!」
そう言って、ハンターを探しに行ってから大分経つがまだ戻って来ない。
「逃げたのかね」
「その方が良いよ。ジョンは関係ない」
「ま、そりゃそーなんですけどぉ」
エドがむくれて、誰かが落としたらしい携帯端末を拾い上げたその時だった。
「おーい!」
ジョンの声が聞こえた。二人が振り返ると、複数人を連れたジョンが走って来るのが見える。
「ハンター連れてきたぞ!」
●ハンドアウト
あなたたちは、地上の打ち上げシャトル警護を依頼されたハンターです。
アメリカ合衆国に派遣されたあなたたちは、シャトル打ち上げ地の方に向かいます。しかし、
「ハンターさんはいらっしゃいませんか!」
自分たちを探している声がします。あなたたちはそちらに向かいました。
声の主は、大学生くらいの少年です。あなたたちが名乗ると、彼はほっとしたように、自分がジョンと言う大学生であること、近くにVOIDがいること、イクシード・アプリをインストールしている友人二人がシャトルに行かせないように頑張っていることを伝えます。
あなたたちが、ジョンと名乗った少年について行くと、二人の少年が、小型狂気に向かって石ころやら落とし物やらを投げつけているのが見えました。
「ハンター連れてきたぞ!」
ジョンが叫びます。二人の少年はくるりと振り返りました。積極的に投げていた方の少年は嬉しそうに笑うと、もう一人を促してこちらに向かって来ます。
「じゃ、あとはよろしく! 俺たちシャトル乗るからさ! 恩に着るぜ!」
「ありがとうございます! ジョン! 君も来るんだ」
「お前ら、そんないい加減なお礼で……! あああ申し訳ない! 今度会えたらこのお礼は必ず!」
ジョンは二人に引きずられてハンターたちを拝みます。その姿はどんどん小さくなって、シャトルの方に消えていきました。
あなたたちはVOIDに向き直ります。
最初は一体だったそれは、いつの間にか十にまで増えていました。
●恥ずかしいんですけど
「あれっ」
エドは未だ待機所に避難民が全員揃っているのを見て目を瞬かせた。
「まだ点検終わってないんすか!?」
「終わってないのよぉ」
一人の女性が眉をハの字にしてぼやく。
「やっべー、俺たちハンターに後よろしく! ってドヤ顔して来ちゃったんすけど。うっわ恥ずかしい」
「ハンターが来てるのか? だったらもうヤケだ。観戦としゃれこもうや」
「おっ、良いねぇ。どうせシャトル乗ったら楽しみもなさそうだもんな」
避難民たちはぞろぞろと待機場所を出た。
遠くでは、クラゲじみたVOIDと交戦するハンターたちの姿が見えている。
解説
●目的
狂気VOIDの殲滅
●敵情報
狂気小型×10
クラゲと大きな眼球の昆虫が融合したような姿。小型とは言っていますが2メートル弱あります。
触手で殴ったり目からビームを出したりします。
防御力高め。
●場所
シャトル打ち上げ場に続く道中です。遮蔽物などは特にありません。避難者の落とし物が落ちていたりします。
●シャトルと待機場所について
開始時の場所から動かなければ、狂気のビームの射程から外れています。開始時の戦場から50メートル先。
逆に言えば戦線が下がると当たる可能性があります。
●避難民たち
安全圏から野球観戦のごとく野次馬しています。
引っ込め! とか言っておけば大人しくなります。ファインプレーがあれば盛り上がるかも。
狂気VOIDの殲滅
●敵情報
狂気小型×10
クラゲと大きな眼球の昆虫が融合したような姿。小型とは言っていますが2メートル弱あります。
触手で殴ったり目からビームを出したりします。
防御力高め。
●場所
シャトル打ち上げ場に続く道中です。遮蔽物などは特にありません。避難者の落とし物が落ちていたりします。
●シャトルと待機場所について
開始時の場所から動かなければ、狂気のビームの射程から外れています。開始時の戦場から50メートル先。
逆に言えば戦線が下がると当たる可能性があります。
●避難民たち
安全圏から野球観戦のごとく野次馬しています。
引っ込め! とか言っておけば大人しくなります。ファインプレーがあれば盛り上がるかも。
マスターより
こんにちは三田村です。
今回は裏表なしのシンプルな戦闘シナリオを。
ちょっと希望が見えてる感じの人たちのお話。彼らの明日を繋いでください。
ご参加お待ちしています。
今回は裏表なしのシンプルな戦闘シナリオを。
ちょっと希望が見えてる感じの人たちのお話。彼らの明日を繋いでください。
ご参加お待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/10/31 01:46
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/10/23 22:13:32 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/10/21 22:11:42 |