ゲスト
(ka0000)
王国最強CAM――新技術導入編
マスター:馬車猪

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~8人
- ユニット参加人数
- 現在5 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/11/02 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/11/11 09:00
オープニング
秘儀とされていた知識や技術が惜しげも無く公開されている。
リアルブルーの合理主義に感化された研究者達が議論を交わす。
強力な歪虚が王国に宣戦し、リアルブルーが危地に陥った今だからこそ、気力と体力を燃やし尽くすようにして国産CAM開発が進んでいた。
「操縦系の改善は頭打ちです」
「ハンター抜きの実験ではではだろう」
「実験が短時間で済むよう予め私達が実験方針を決めておくべきです」
「全ての組み合わせを試すのにどれだけかかると思っている。一線で活躍できるハンターを半年以上拘束する気かっ!?」
普段より熱が入っている。
必要以上に熱くならないよう宥めてくれるはずの研究所所長が、先程から全く動いていないからだ。
「邪神は無理でも王都を恐喝した歪虚を倒せる機体を造るしかないんです」
「その間の被害をどう考えて」
「話が本題から逸れているぞ。所長、やはりここは……所長?」
異常に気づく者がようやく現れた。
技術後進国である王国に乗り込み、研究所1つを我が物としたリチャード博士が目を開いたまま動かない。
「ん……ああ、すまない。話はどこまで進んで」
一度小さく震えてから博士が動き出す。
全く異常がないように見えるのが逆に怖くて、部下達はどうすべきか判断できずに戸惑う。
深刻な雰囲気に気付いたのだろう。
本来の知性を取り戻した老博士が静かに問いかける。
「私は何秒惚けていた? ……何分、か?」
「は、いいえ、おそらく十数分です」
博士の瞳が大きく見開かれ、重々しいため息が1つ漏れる。
「副所長に全権限を渡す。ハンターにはよろしく伝えてくれ」
引き継ぎを終えた直後に倒れ、病院へ運ばれた。
●病状
「過労ですな」
「過労」
「ボケの兆候はないですね」
「ボケではない! よし!」
「いやそんなに喜ばれても。もう72なんですから無理すりゃ一気にきかねないですからね。というか何やってたんですかあんた」
「仮眠はとったのだがなぁ。……今更守秘義務もないか。地球からの技術と人材疎開のサポートだ」
競争で蹴り落とし蹴り落とされるのは無数に経験してきたが、ああいう形で切り捨てる対象を選ぶのは二度と経験したくない。
「また派手な冗談を」
医者が笑う。
博士のことを都落ちしてきた都落ちしてきた退職者と思っているのだ。
「まあそんなものだ」
連合宇宙軍の1部門を束ねる彼は曖昧に答える。
他人にどう思われようが目的が達成できるなら気にもしないしその余裕もなくなった。
「しかし参った。注意力が落ちすぎていて重要な連絡や報告を見落としているぞこれは」
「まず休むことですよ。焦っても悪化するだけです。医者ではなく個人的な意見ですけどね」
お大事にと言い残し、リゼリオから単身赴任中の医者が次の病室へ向かった。
●スポンサー
「奴は王国を舐めている!」
目を血走らせて官僚が叫んでも、賛同する者の割合は1割にも満たなかった。
王国国産CAMのパイロット候補者に至っては0割だ。
「私はCAMに乗るより生身の方が戦えます。パイロットがハンター限定でも……」
「君が操縦下手なだけだろう!」
金髪女騎士を怒鳴りつける官僚に、王国騎士と聖堂戦士から非友好的な目が向けられた。
「反論できません」
己の不器用に自覚があるので素直に肯定する。
もうちょっと反論しろよという目が、隊長格と司教以上の聖職者から向けられた。
「私が知っているハンターと私では操縦技術に大きな差があります」
彼女は多くの面で足りていないが、誠意と忠誠心は騎士に相応しいものを持っている。
なので普通の神経をしていたら口に出せない事実も話してしまった。
「私も訓練は重ねていますがハンターは訓練と実戦をこなしています。差は広がる一方です」
「だからと言って!」
さらに反論しようとする官僚を、その上司が宥めて座らせた。
「君個人の感想で構わない。このCAMは使えるCAMになると思うか?」
「はい。……今読んでも?」
許可を得て機密文書に目を通す。
試作品の性能は魔導型デュミナス以下だが、形にすらできなかった以前の計画とは雲泥の差だ。
今後目指すのは、活動中のハンターに行き渡る程度には量産可能な高コスト機。
マテリアルに反応する特殊金属を最大限に活かし、基本性能の高さと可能であれば本人スキルの高レベルな反映を目指す。
飛行機能や自爆機能の搭載は検討中。
「読みました」
「うむ」
「すごいなぁ、と」
文章も平易で、直感的な理解を助ける図もついていたので分かり易かった。
「そうではなくでだな、これが造られたとして扱える人間はどの程度いる? 機体はどの程度使える?」
「はい、私では無理です。他の騎士については分かりません。機体自体については……」
これまでの操縦経験と見聞きしたハンターの機体と操縦を思い出す。
「今のCAMよりは強くなります」
「どの程度強くなるかは分からないと」
「はい」
「ありがとう。よく分かった」
古参官僚が決断を下す。
「私は成功の見込みがあると判断した。乗り手のハンターの中に王国出身者がいれば辻褄をあわせるのも容易だ。予算の倍増を念頭に動いて欲しい」
これまで反対はしていなかった者達も騒ぎ出す。
現時点でもかなりの額が使われているのだ。
これ以上となるとどこかを削るしかなくなる。
「問題があるのは分かっている。だが時間がないのだ」
王国を挑発する、イヴの配下と名乗る高位歪虚を倒すどころか見つけることもできていない。
王国とは価値観が異なるとはいえ、巨大な人口と力を持つリアルブルーからの助けも期待できなくなった。
「現実に役に立つ力が必要だ。できるだけ早くな」
多くの者がしわ寄せで苦しむのは分かっている。
それでも、これよりマシな手段を見つけられなかった。
●
「……そうか」
アポイントメントを取ろうとして門前払いされたことを知らされ、アダム・マンスフィールドは静かにうなずいた。
予算が削られようが邪険に扱われようが、研究を辞めることなどあり得ない。
ただ、足踏みが続く現状が歯痒かった。
リアルブルーの合理主義に感化された研究者達が議論を交わす。
強力な歪虚が王国に宣戦し、リアルブルーが危地に陥った今だからこそ、気力と体力を燃やし尽くすようにして国産CAM開発が進んでいた。
「操縦系の改善は頭打ちです」
「ハンター抜きの実験ではではだろう」
「実験が短時間で済むよう予め私達が実験方針を決めておくべきです」
「全ての組み合わせを試すのにどれだけかかると思っている。一線で活躍できるハンターを半年以上拘束する気かっ!?」
普段より熱が入っている。
必要以上に熱くならないよう宥めてくれるはずの研究所所長が、先程から全く動いていないからだ。
「邪神は無理でも王都を恐喝した歪虚を倒せる機体を造るしかないんです」
「その間の被害をどう考えて」
「話が本題から逸れているぞ。所長、やはりここは……所長?」
異常に気づく者がようやく現れた。
技術後進国である王国に乗り込み、研究所1つを我が物としたリチャード博士が目を開いたまま動かない。
「ん……ああ、すまない。話はどこまで進んで」
一度小さく震えてから博士が動き出す。
全く異常がないように見えるのが逆に怖くて、部下達はどうすべきか判断できずに戸惑う。
深刻な雰囲気に気付いたのだろう。
本来の知性を取り戻した老博士が静かに問いかける。
「私は何秒惚けていた? ……何分、か?」
「は、いいえ、おそらく十数分です」
博士の瞳が大きく見開かれ、重々しいため息が1つ漏れる。
「副所長に全権限を渡す。ハンターにはよろしく伝えてくれ」
引き継ぎを終えた直後に倒れ、病院へ運ばれた。
●病状
「過労ですな」
「過労」
「ボケの兆候はないですね」
「ボケではない! よし!」
「いやそんなに喜ばれても。もう72なんですから無理すりゃ一気にきかねないですからね。というか何やってたんですかあんた」
「仮眠はとったのだがなぁ。……今更守秘義務もないか。地球からの技術と人材疎開のサポートだ」
競争で蹴り落とし蹴り落とされるのは無数に経験してきたが、ああいう形で切り捨てる対象を選ぶのは二度と経験したくない。
「また派手な冗談を」
医者が笑う。
博士のことを都落ちしてきた都落ちしてきた退職者と思っているのだ。
「まあそんなものだ」
連合宇宙軍の1部門を束ねる彼は曖昧に答える。
他人にどう思われようが目的が達成できるなら気にもしないしその余裕もなくなった。
「しかし参った。注意力が落ちすぎていて重要な連絡や報告を見落としているぞこれは」
「まず休むことですよ。焦っても悪化するだけです。医者ではなく個人的な意見ですけどね」
お大事にと言い残し、リゼリオから単身赴任中の医者が次の病室へ向かった。
●スポンサー
「奴は王国を舐めている!」
目を血走らせて官僚が叫んでも、賛同する者の割合は1割にも満たなかった。
王国国産CAMのパイロット候補者に至っては0割だ。
「私はCAMに乗るより生身の方が戦えます。パイロットがハンター限定でも……」
「君が操縦下手なだけだろう!」
金髪女騎士を怒鳴りつける官僚に、王国騎士と聖堂戦士から非友好的な目が向けられた。
「反論できません」
己の不器用に自覚があるので素直に肯定する。
もうちょっと反論しろよという目が、隊長格と司教以上の聖職者から向けられた。
「私が知っているハンターと私では操縦技術に大きな差があります」
彼女は多くの面で足りていないが、誠意と忠誠心は騎士に相応しいものを持っている。
なので普通の神経をしていたら口に出せない事実も話してしまった。
「私も訓練は重ねていますがハンターは訓練と実戦をこなしています。差は広がる一方です」
「だからと言って!」
さらに反論しようとする官僚を、その上司が宥めて座らせた。
「君個人の感想で構わない。このCAMは使えるCAMになると思うか?」
「はい。……今読んでも?」
許可を得て機密文書に目を通す。
試作品の性能は魔導型デュミナス以下だが、形にすらできなかった以前の計画とは雲泥の差だ。
今後目指すのは、活動中のハンターに行き渡る程度には量産可能な高コスト機。
マテリアルに反応する特殊金属を最大限に活かし、基本性能の高さと可能であれば本人スキルの高レベルな反映を目指す。
飛行機能や自爆機能の搭載は検討中。
「読みました」
「うむ」
「すごいなぁ、と」
文章も平易で、直感的な理解を助ける図もついていたので分かり易かった。
「そうではなくでだな、これが造られたとして扱える人間はどの程度いる? 機体はどの程度使える?」
「はい、私では無理です。他の騎士については分かりません。機体自体については……」
これまでの操縦経験と見聞きしたハンターの機体と操縦を思い出す。
「今のCAMよりは強くなります」
「どの程度強くなるかは分からないと」
「はい」
「ありがとう。よく分かった」
古参官僚が決断を下す。
「私は成功の見込みがあると判断した。乗り手のハンターの中に王国出身者がいれば辻褄をあわせるのも容易だ。予算の倍増を念頭に動いて欲しい」
これまで反対はしていなかった者達も騒ぎ出す。
現時点でもかなりの額が使われているのだ。
これ以上となるとどこかを削るしかなくなる。
「問題があるのは分かっている。だが時間がないのだ」
王国を挑発する、イヴの配下と名乗る高位歪虚を倒すどころか見つけることもできていない。
王国とは価値観が異なるとはいえ、巨大な人口と力を持つリアルブルーからの助けも期待できなくなった。
「現実に役に立つ力が必要だ。できるだけ早くな」
多くの者がしわ寄せで苦しむのは分かっている。
それでも、これよりマシな手段を見つけられなかった。
●
「……そうか」
アポイントメントを取ろうとして門前払いされたことを知らされ、アダム・マンスフィールドは静かにうなずいた。
予算が削られようが邪険に扱われようが、研究を辞めることなどあり得ない。
ただ、足踏みが続く現状が歯痒かった。
解説
新規ユニット開発依頼です
・謎金属
正負問わずマテリアルに反応します
高位歪虚ベリアルが最後の体として使った金属でもあり、扱いを間違えると金属が歪虚化したりパイロットが食われます
既存成果
・浄化済金属
謎金属に浄化の術を施した、または組み込まれた金属です。安全
複数系統の浄化術の併用は失敗
1系統のみの浄化術を使った場合でも、必要な手間と人材が高レベルなためコストは膨大です
感知に優れ回避能力向上に繋がると期待されています
・複合素材
チタンとセラミックス複合材に、謎金属を重ねた素材です
イニシャライズフィールド由来の技術を組み込んでいるため、浄化済み金属に迫る安定性で常識的な範囲の高コストです
浄化済み金属より、コスト以外の性能は控えめです
・合金
正負問わずマテリアルに反応する金属に、それを妨げる金属を混ぜた合金です
余ったので試作機のフレームに流用され、ハンターがその機体を動かせたので有用であることが判明
ポテンシャルを2~3割しか引き出せていないかも
・特殊な操縦系
人機一体に似た要素が少しあり
ポテンシャルはあるものの、洗練させるための手間が膨大と予想されています
「有用な操縦系があるならそっちに乗り換えるがそんな都合の良いものがあるとは思えない」(所長談)
・現試作機
コンフェッサーを不可逆に分解し終え、謎金属製フレームや謎金属装甲に入れ替える途中で所長が倒れてそのままです
上半身と下半身とエンジンに分かれていますが操縦というか操作は可能です
以前の機体は完全に壊れて保管されています
NPC
・所長
連合宇宙軍等から資材や情報を主に自腹で引っ張ってきます
現在静養中。アダムからの手紙に手癖で断りの返事を書き、しかもそのことを覚えていません
・アダム・マンスフィールド
現在干されています
主要な研究成果は「A氏の道程「飛べ! ヨリシロサッカー!」」参照
・謎金属
正負問わずマテリアルに反応します
高位歪虚ベリアルが最後の体として使った金属でもあり、扱いを間違えると金属が歪虚化したりパイロットが食われます
既存成果
・浄化済金属
謎金属に浄化の術を施した、または組み込まれた金属です。安全
複数系統の浄化術の併用は失敗
1系統のみの浄化術を使った場合でも、必要な手間と人材が高レベルなためコストは膨大です
感知に優れ回避能力向上に繋がると期待されています
・複合素材
チタンとセラミックス複合材に、謎金属を重ねた素材です
イニシャライズフィールド由来の技術を組み込んでいるため、浄化済み金属に迫る安定性で常識的な範囲の高コストです
浄化済み金属より、コスト以外の性能は控えめです
・合金
正負問わずマテリアルに反応する金属に、それを妨げる金属を混ぜた合金です
余ったので試作機のフレームに流用され、ハンターがその機体を動かせたので有用であることが判明
ポテンシャルを2~3割しか引き出せていないかも
・特殊な操縦系
人機一体に似た要素が少しあり
ポテンシャルはあるものの、洗練させるための手間が膨大と予想されています
「有用な操縦系があるならそっちに乗り換えるがそんな都合の良いものがあるとは思えない」(所長談)
・現試作機
コンフェッサーを不可逆に分解し終え、謎金属製フレームや謎金属装甲に入れ替える途中で所長が倒れてそのままです
上半身と下半身とエンジンに分かれていますが操縦というか操作は可能です
以前の機体は完全に壊れて保管されています
NPC
・所長
連合宇宙軍等から資材や情報を主に自腹で引っ張ってきます
現在静養中。アダムからの手紙に手癖で断りの返事を書き、しかもそのことを覚えていません
・アダム・マンスフィールド
現在干されています
主要な研究成果は「A氏の道程「飛べ! ヨリシロサッカー!」」参照
マスターより
王国最強ロボ――コンセプト編の続きの、ユニット開発シナリオです
完成まで続きます
メーガンは質問卓担当です
アダム・マンスフィールドさんがリプレイで登場可能になりました
所長とは価値観が大きく異なり、それ以上に扱って来た技術が違い過ぎます
招く場合、ハンターが橋渡し等しないと現場が大混乱不可避です
招く際に必要なもの
所長の説得
アダムさんの説得
王国の担当官僚への説得等
完成まで続きます
メーガンは質問卓担当です
アダム・マンスフィールドさんがリプレイで登場可能になりました
所長とは価値観が大きく異なり、それ以上に扱って来た技術が違い過ぎます
招く場合、ハンターが橋渡し等しないと現場が大混乱不可避です
招く際に必要なもの
所長の説得
アダムさんの説得
王国の担当官僚への説得等
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/11/07 21:37
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ミグ・ロマイヤー(ka0665) ドワーフ|13才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/11/01 17:32:10 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/10/29 21:03:41 |