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イスルダ島駐留傭兵 待ち撃ちのCAM

マスター:柏木雄馬

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在10人 / 6~10人
ユニット参加人数
現在10 / 0~10
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2018/11/05 07:30
リプレイ完成予定
2018/11/14 07:30

オープニング

 グラズヘイム王国西方沖に浮かぶイスルダ島── 長い間、歪虚の根拠地であったこの死の島は、解放から一年近くが経とうとしている今もなお、負のマテリアル汚染が各所に色濃く残っていた。
 負のマテリアルの強い場所には雑魔が多く出る。聖堂教会の聖人たちは人が安全に住める土地を広げるべく浄化を進めているが、それも度々雑魔に襲われながらとなれば遅々として進まない。
 故に、この島には王国軍が駐留している。その戦力はハルトフォート砦より分派された歩兵たちとVolcaniusの砲兵隊、そして、『傭兵』として雇い入れたハンターたちのCAMたちだ。
 彼らの役割は、巡回により開拓村の安全を守る事。……そして、聖人たちが無事に『仕事』をこなせるよう、浄化予定区域に徘徊する雑魔どもを駆逐し、再侵入を防ぐ事だ。


●『イスルダ島駐留傭兵 待ち撃ちのCAM──対歪虚待ち伏せ猟』

「島の内陸部に向け、土地の浄化は着実に進捗しております」
 島で唯一の大規模港──その『港湾都市』(という程の規模はまだないが)の丘上に立つ真新しい『庁舎』の開放感溢れる一室で。真っ白な円卓を囲んだ複数の男女が辛気臭い顔を突き合わせていた。
「『着実』……『着実』ね…… それはつまり『順調』と捉えてよいのかね? 予定よりも随分と遅れているが」
 役人たちの報告に、貴族と思しき中年男が卓に居並ぶ面々をジロリと見渡した。その場には役人以外に聖衣と軍服を着た者たちがいた。浄化を担当している教会関係者と、雑魔掃討を担う軍人たち──この議題の当事者たちだ。
「悪逆なる歪虚どもの穢れから神の土地を取り戻すべく、聖人たちは日々懸命に浄化を続けております。……しかし、それも軍の方々に雑魔を排除して頂けなければ」
 聖衣を纏った壮年の男が挙手をし、宣った。聖職者らしい滑らかな耳心地の良い声であったが、言葉の内容は多分に政治的なものだった。
「……もしよろしければ、聖堂戦士団をこの島に呼び寄せ、雑魔討伐の一翼を担いますが」
「いえ、それには及びません。……大変にありがたいお話ですが」
 聖衣の男の提案を、軍服姿の青年が即座に謝絶した。皆の視線が集中し、青年は内心で大きくたじろいだ。
(ホント、勘弁してくれよ……)
 青年は確かにこの会議における軍の代表者だった。しかし、彼はイスルダ島駐留部隊のお偉いさんというわけではなかった。タイムテーブルの遅れを叩かれるだけの会議に出席するという面倒事を押し付けられただけの、この島に着任したばかりの一部隊長に過ぎなかった。
 彼はかつてハルトフォートの兵站幕僚だった。そこで砲兵ゴーレムの開発に関わった彼は、将来、発足するVolcanius部隊を率いる人材を教育する為、王立学園へ出向した。その任期を終えて帰って来るや、今度は実戦部隊の隊長としてこのイスルダ島へ派遣された。Volcanius部隊の隊長として着任した彼は、だが、経歴を聞いた駐留部隊のお歴々に兵站業務の一部も丸投げされた。ついでにこの会議に出ることも。
(えぇい、なんだっていうんだ、あのテキトーを絵にかいた様なお偉いさんたちは! 一砲兵隊長に過ぎない僕がなんで教会と軍の縄張り争いにまで気を掛けなきゃならないんだ!)
 内心に嵐──それも後ろ向きな──を巻き起こしていると、貴族の中年男がずずいと身を乗り出して来た。
「説明したまえ。なぜ雑魔掃討が遅れているのか」
 圧が凄い。内心で冷や汗をかきながら、青年は眼鏡を指で押し上げた。
「はい。ご説明いたします。島内陸部における雑魔の掃討作戦が遅延している原因は、駐留部隊の戦力が二分されているからです」
 青年は立ち上がると、ボードに大きな地図を張り出した。そこには軍の部隊とハンターたちのユニット戦力の展開図が記されており……その内の少なくない数が、浄化がすんだはずの地域に未だ張り付いたままになっていることを示していた。
「ここ一、二か月の間、浄化が済んだはずの沿岸部に雑魔が度々発生しているのです。その対処の為、部隊を二つに分けざるをえない状況となっています」
 青年はそう言って二つの大きな事件を例に挙げた。一つは開拓村の港代わりに使われていた砂浜に居座っていた蛸の大群。もう一つは海岸近くの橋を渡る輸送体を襲ったトビウオたちのケースについて……
「雑魔は海からやって来ています。恐らく、遠浅の海か海岸のどこかに負のマテリアル溜まりみたいなものが残っているのでしょう。……流石に舟が必要な場所の浄化までは済んでいませんからね。『負のマテリアルの強い場所には雑魔が数多く出る』。これを何とかしない限り、我々は戦力を集中できません」

「……で、我々はこんな所で、雑魔に待ちぼうけを喰らわされているわけね」
 イスルダ島浄化地区。歪虚出現エリアのとある海岸── 巧みにカモフラージュを施し、林に隠れたドミニオンの操縦席で、駐留部隊に属するハンター『三人娘』隊のリーダー、リーナ・アンベールが半眼で呟いた。
 寄せては返す波の音。抜ける様に高い秋の空の下、深く広がる白いビーチの真ん中には……多数の木箱が一つ箇所に積み上げられている。
 それらの中には、それぞれ食糧やマテリアル鉱石等の物資が詰め込まれていた。いや、それだけではなく、中には馬を繋げたままの馬車や、魔導エンジンを掛けたままの魔導トラックなども含まれている。
「……アレを囮にして、海から歪虚を誘き寄せる、ですかぁ…… 上手くいきますかねぇ?」
「知るかよ。何かの会議に出ていたバカがでっち上げた作戦だろ? んなもんに付き合わされる俺らの身にも……」
 同じく『三人娘』隊、別々の場所に隠れたパウリーネとヴィルマの無線機越しの会話を、リーナは「シッ!」と遮った。
 海の中から、何かがヌッと顔を出した。
 それはとてもとても巨大な『顔』だった。縦長の巨大な顔に、窪んだ虚無の目鼻口── その巨大な人型のそれはのっそりきょろきょろと顔を振ると、這いつくばったような姿勢のまま、やたらと細くて長い手足を地面に突き立てる様にしながら、酷く緩慢な動きでゆっくりと砂浜へと上陸してきた。
「うわ、本当に来た……」
 更に、上陸してくる別の巨人──それら2体をリーナは『海坊主』と呼称することにした。
 その2体の『海坊主』の後に、『人の脚(しかも野郎)の生えたザリガニ』とでも言うしかない外観(しかも足が生えているのは胸部ではなく尾部なので上半身を二つ折りにしたような形態になる……)をした雑魔が多数、後続し、上陸して来る……
 リーナは機を待機状態にしたまま、操縦桿を握り締めて、待った。
 攻撃開始の合図を。

解説

1.状況と目的
(マスターよりへ)

2.戦場
 東に海岸、そこから西方に掛けて、幅は狭く深い砂浜。
 海から100sqの所に『囮』の物資。そこから北側と南側と西側の三方は50sqの距離に伏兵可能な林に囲まれ。
 初期配置、攻撃タイミング自由。


3.敵戦力(全てユニット扱い。外見以外の内容は全てPL情報となります)

3a.大型雑魔『海坊主』×2
 詳細は本文参照。サイズ3。
 『魔眼』:視線の先に闇の蟠りを生じさせてダメージを与える『海坊主』の基本攻撃。射程と使用回数に優れる。
 『闇色の防御障壁』:3Rの間、顔の正面に幅5sq高さ4sqの闇色の防御障壁を出して敵の射線を妨害する。
 『暗黒咆哮砲』:射程100を超える大威力の空間振動砲。幅3sq。貫通攻撃ではなく減衰型の複数体攻撃。防御障壁使用時は使えない。

3b.中型雑魔『有足ザリガニ』×20
 外見は本文参照。サイズ2。戦闘時は上半身を90度こちらに持ち上げ、裸足でぴょんぴょん跳ねる様にしながら移動。
 攻撃方法は鋏による近接攻撃と、両腕の鋏から発射される闇色光弾。
 闇色光弾の射程は長くないが速射性(1ラウンドに2回以上)に優れる。阻害能力を持つが、ダメージは急所に入ってくれることを祈るのみ。

3c.中型歪虚『オレンジスライム』×2
 物資未到達時:海坊主の身体を薄く覆う形で運ばれている。その存在自体がPL情報。一定ダメージで海坊主より剥離。存在発覚。
 物資到達時:海坊主の身体からデロリと物資に垂れ落ちることで存在が発覚。

 自然種でも魔法生物でもない雑魔のスライム。耐○○性に優れる。
 ○○に○み○むことが可能。より強い○の○○○○○を求めて○○する。
 酸は分泌しないが触れることで正のマテリアルを吸収することが可能。それにより様々な効果を発揮する。
 ○○○○○で撃たれてもプルプル震えるだけで平気。


4.味方
(マスターよりへ)

マスターより

(解説より)
1.状況と目的
 状況はOPの通り。PCは駐留部隊にCAM等のユニット使いとして雇われたハンターの一人となります。
 海から出没する雑魔を少しでも減らす為、囮を使って陸地へ誘引する作戦が立てられました。
 上陸した敵をなるべく多く撃破してください。柏木分類『戦闘系』。敵の撃破自体が目的となります。

 なお、今シナリオはユニットから非ユニットへの攻撃に有利な修正が加わります。

4.味方
4a.『3人娘』隊
 3機のドミニオン。林の中三方に隠れている。
 運がいいのか撃破されても死なない(貧乏にはなる)

4b.Volcanius×4
 青年(誰とは言わない)率いる砲兵隊。配置・弾種・攻撃タイミング自由。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/11/13 22:41

参加者一覧

  • 双璧の盾
    近衛 惣助(ka0510
    人間(蒼)|28才|男性|猟撃士
  • 支援巧者
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • 伝説の砲撃機乗り
    ミグ・ロマイヤー(ka0665
    ドワーフ|13才|女性|機導師
  • 流浪の剛力修道女
    シレークス(ka0752
    ドワーフ|20才|女性|闘狩人
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 青竜紅刃流師範
    ウーナ(ka1439
    人間(蒼)|16才|女性|猟撃士
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 変わらぬ変わり者
    ハンス・ラインフェルト(ka6750
    人間(蒼)|21才|男性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
シレークス(ka0752
ドワーフ|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/11/05 00:21:04
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/11/04 14:28:16