ゲスト
(ka0000)
【落葉】精霊達の導き手を求めて
マスター:ことね桃

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/11/05 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/11/19 19:00
オープニング
●姐御の帰還
曙光の精霊ローザリンデ(kz0269)が帝都近郊に聳えるコロッセオ・シングスピラに到着したのはとある日の昼下がりだった。
ローザは数百年もズビルナムの森に封印されていた影響かかなり衰弱しており、現在は雑魔を一対一であれば辛うじて倒せる程度の力しかない。
そのため彼女を救出した多忙なハンター達と交代する形で只埜 良人(kz0235)らが護衛依頼を受け――無事彼女を精霊たちの避難所たる自然公園へと届けたのだが。
『あ、姐さん……ローザ姐さんじゃないですかっ!』
『よくぞご無事でっ!』
『300年前の帝国軍との抗争の折にはお世話になりやしたっ! あれ以来姐さんに恩を報いることもできず……ううっ』
『おお、こいつは祝杯の準備が必要だな。お前ら、極上のマテリアルを用意して来い!』
『へえ、光のモンに声をかけときまさァ!』
自然公園で先ほどまでのんびりと過ごしていた精霊達がローザの姿を見るなり突如、リアルブルーでかつて流行していた任侠映画のごとき緊迫感をもってずらりと並び、一様に頭を下げた。
普段より明らかに口調が危うげなのは姐御気質のローザを前にしているからだろうか?
元警察官の良人は「うーん……」と眉を顰めてしまったが、もっともここにいる精霊達はいずれも温厚な者達だ。きっと悪ノリに近いものもあるのだろうと判断する。
それを証明するようにローザは困ったような笑顔を浮かべた。
『お前たち、やめとくれよ。今はそういう時代じゃないんだろう? それよりもあの毒ばかりの森で命をかけてアタシを助け、ここまで送り届けてくれたハンターの皆さんに礼を忘れるんじゃないよ。それが仁義ってもんだ』
口調こそ厳しいが精霊達の顔ひとつひとつをじっと見つめ、その無事を確認するごとに表情が柔らかくなっていくローザ。精霊達はそのたびに『マジかよ』『でもこれで俺たちも……』と期待の籠った囁きを交わしあう。
そこに手のひらサイズの淡い光が木陰から猛スピードで飛び出してきた。ラズビルナムの森出身の木漏れ日の精霊リンだ。
『母様っ! おかえりなさいっ』
『おや、リンじゃないかい! あの頃より随分と小さくなっちまったけど……お前たちに会えたことが何より嬉しいよ』
リンが鈴のように笑いながらローザの手のひらの上でコロコロと転がる。その様はまるで本当の親子のようで、護衛役を全うしたハンター達は思わず微笑みあった。
「それじゃあ、俺たちはこれで。くれぐれも養生なさってくださいね」
「ラズビルナムの浄化が進みましたらその都度ご連絡します。その際は皆さんのお力を借りる機会もあるかもしれません、なにとぞよろしくお願いします」
ここから感動の再会を邪魔する理由もないだろう、と会釈するハンター達。すると精霊達は次々と感謝の声を上げ、ローザもリンも大きく頷く。
これはハンターと精霊の距離がまたひとつ近くなった、そんな瞬間だった――。
●精霊達の先導者とは
これはそれから数日後のこと。
公園でリンと光のマテリアルを集めるべく、日向で散歩をしていたローザのもとに何か決意したような表情の精霊達がずらりと並ぶと、手を後ろに組み『姐さん、ひとつ俺たちの話を聞いてくれませんかね』と硬い声を発した。
『只事じゃないようだね……リン、その辺でちょっと遊んでな』
『う、うん……』
不安そうな声で木々の間に戻り、ふわふわと落ち葉の間を舞うリン。それを見届けたローザは精霊達に向き直った。
『で、アタシに話っていうのはどういうことだい?』
『へえ。実は現在帝国で民主主義……つまりは皇族や軍人が臣民を一方的に指導するのではなく、民が施政者にふさわしい人物を選んで話し合いで政を決めていくという流れが起きていましてね』
『ふ……ん、いいことじゃないか。無能な権力者よりも有能な働き者の方が国に利するだろうからね。それがどうしたんだい?』
『どうもその施政者は全くの庶民や亜人であろうとも立候補し、民の心を掴むことができれば政に携われると話しているんです。そこで俺たち精霊も立ち上がろうと思いまして』
『ああ、それはいいことだね。選ばれるかどうかはともかくとして、精霊も国を良くする意志があると伝える良い機会になるだろう。……それで、立ち上がるっていうなら代表者が必要なんだろ? 誰が行くんだい』
ローザのその言葉に精霊達が顔をこわばらせた。言っていいものなのかどうなのか――そういった、苦悩が滲み出る。
その中で特に果敢な気質の獣の精霊がずいと前に歩み出ると、ローザの前で片膝をついた。
『姐さん……病み上がりかつ帝国軍との因縁を抱えているということは重々承知の上で申し上げやす。どうか俺達のために立ち上がっていただけやせんか』
『何だって?』
ローザが声を震わせた。しかし精霊達は次々と膝をつき彼女に嘆願する。
『土地の絡みの強い精霊はそもそも帝都まで足を運ぶことができやせん。それに力の強い精霊は縄張り意識も強く……その多くが故郷に帰っちまいました。ここに残っているのは俺達、故郷に縛られない反面……力の弱い精霊ばかりです』
『グランの兄貴にも声をかけたんすけど、どうもあっちも雑魔の連中の巣を潰すのに躍起みたいで……しばらくは無理だと言われちまいました。今頼りになるのは光のある場所ならどこにも現れ、浄化の力を扱う姐御だけなんです!』
『俺、コロッセオの歴史書で姐御の記述を読みました。かつて帝国軍と反目しながらもマテリアル汚染から多くの民を救った勇敢な女傑だと。この伝承からもきっと、多くの民の心を惹きつけられるはずです!』
どうかどうか、と頭を下げる精霊達。ローザは震える肩を抑えるように両手を当てると、やっとの思いで呟いた。
『やめとくれよ……アタシはあんた達を守りたいとは思ってる。この命を使ってでもね。でも精霊達のカシラになんてなれる器じゃないんだよ。あの日……どれだけの仲間を失ったのか、アタシは忘れられないんだ』
過去の戦を思い出したのだろう、深紫の瞳から涙が零れだす。しかし精霊達も必死だ。
『今、俺たちは保護されているだけの身です。これからは人間と対等の立場となり、互いに助け合える社会を作りたいんです!』
『この保護区も人間たちの厚意により与えられたもの……これからは自分の力で生き抜いていけるってとこ、人間たちに見せたいんすよぉっ』
悲痛な声にローザはいやいやするように肩を揺らした。
もう話は堂々めぐりだ――。その時、精霊達の対話を木陰からそっと見守っている者がいた。花の精霊フィー・フローレ(kz0255)である。
「ムー……アレネ、第三者ノ意見ガ必要ナ場面ナノネ! オ話ノ内容ハヨクワカンナイケド、皆ガ泣クノハ良クナイノ!」
てててっとフィーの肉球が落ち葉を蹴散らしていく。その先にあるものはハンターオフィスだった。
曙光の精霊ローザリンデ(kz0269)が帝都近郊に聳えるコロッセオ・シングスピラに到着したのはとある日の昼下がりだった。
ローザは数百年もズビルナムの森に封印されていた影響かかなり衰弱しており、現在は雑魔を一対一であれば辛うじて倒せる程度の力しかない。
そのため彼女を救出した多忙なハンター達と交代する形で只埜 良人(kz0235)らが護衛依頼を受け――無事彼女を精霊たちの避難所たる自然公園へと届けたのだが。
『あ、姐さん……ローザ姐さんじゃないですかっ!』
『よくぞご無事でっ!』
『300年前の帝国軍との抗争の折にはお世話になりやしたっ! あれ以来姐さんに恩を報いることもできず……ううっ』
『おお、こいつは祝杯の準備が必要だな。お前ら、極上のマテリアルを用意して来い!』
『へえ、光のモンに声をかけときまさァ!』
自然公園で先ほどまでのんびりと過ごしていた精霊達がローザの姿を見るなり突如、リアルブルーでかつて流行していた任侠映画のごとき緊迫感をもってずらりと並び、一様に頭を下げた。
普段より明らかに口調が危うげなのは姐御気質のローザを前にしているからだろうか?
元警察官の良人は「うーん……」と眉を顰めてしまったが、もっともここにいる精霊達はいずれも温厚な者達だ。きっと悪ノリに近いものもあるのだろうと判断する。
それを証明するようにローザは困ったような笑顔を浮かべた。
『お前たち、やめとくれよ。今はそういう時代じゃないんだろう? それよりもあの毒ばかりの森で命をかけてアタシを助け、ここまで送り届けてくれたハンターの皆さんに礼を忘れるんじゃないよ。それが仁義ってもんだ』
口調こそ厳しいが精霊達の顔ひとつひとつをじっと見つめ、その無事を確認するごとに表情が柔らかくなっていくローザ。精霊達はそのたびに『マジかよ』『でもこれで俺たちも……』と期待の籠った囁きを交わしあう。
そこに手のひらサイズの淡い光が木陰から猛スピードで飛び出してきた。ラズビルナムの森出身の木漏れ日の精霊リンだ。
『母様っ! おかえりなさいっ』
『おや、リンじゃないかい! あの頃より随分と小さくなっちまったけど……お前たちに会えたことが何より嬉しいよ』
リンが鈴のように笑いながらローザの手のひらの上でコロコロと転がる。その様はまるで本当の親子のようで、護衛役を全うしたハンター達は思わず微笑みあった。
「それじゃあ、俺たちはこれで。くれぐれも養生なさってくださいね」
「ラズビルナムの浄化が進みましたらその都度ご連絡します。その際は皆さんのお力を借りる機会もあるかもしれません、なにとぞよろしくお願いします」
ここから感動の再会を邪魔する理由もないだろう、と会釈するハンター達。すると精霊達は次々と感謝の声を上げ、ローザもリンも大きく頷く。
これはハンターと精霊の距離がまたひとつ近くなった、そんな瞬間だった――。
●精霊達の先導者とは
これはそれから数日後のこと。
公園でリンと光のマテリアルを集めるべく、日向で散歩をしていたローザのもとに何か決意したような表情の精霊達がずらりと並ぶと、手を後ろに組み『姐さん、ひとつ俺たちの話を聞いてくれませんかね』と硬い声を発した。
『只事じゃないようだね……リン、その辺でちょっと遊んでな』
『う、うん……』
不安そうな声で木々の間に戻り、ふわふわと落ち葉の間を舞うリン。それを見届けたローザは精霊達に向き直った。
『で、アタシに話っていうのはどういうことだい?』
『へえ。実は現在帝国で民主主義……つまりは皇族や軍人が臣民を一方的に指導するのではなく、民が施政者にふさわしい人物を選んで話し合いで政を決めていくという流れが起きていましてね』
『ふ……ん、いいことじゃないか。無能な権力者よりも有能な働き者の方が国に利するだろうからね。それがどうしたんだい?』
『どうもその施政者は全くの庶民や亜人であろうとも立候補し、民の心を掴むことができれば政に携われると話しているんです。そこで俺たち精霊も立ち上がろうと思いまして』
『ああ、それはいいことだね。選ばれるかどうかはともかくとして、精霊も国を良くする意志があると伝える良い機会になるだろう。……それで、立ち上がるっていうなら代表者が必要なんだろ? 誰が行くんだい』
ローザのその言葉に精霊達が顔をこわばらせた。言っていいものなのかどうなのか――そういった、苦悩が滲み出る。
その中で特に果敢な気質の獣の精霊がずいと前に歩み出ると、ローザの前で片膝をついた。
『姐さん……病み上がりかつ帝国軍との因縁を抱えているということは重々承知の上で申し上げやす。どうか俺達のために立ち上がっていただけやせんか』
『何だって?』
ローザが声を震わせた。しかし精霊達は次々と膝をつき彼女に嘆願する。
『土地の絡みの強い精霊はそもそも帝都まで足を運ぶことができやせん。それに力の強い精霊は縄張り意識も強く……その多くが故郷に帰っちまいました。ここに残っているのは俺達、故郷に縛られない反面……力の弱い精霊ばかりです』
『グランの兄貴にも声をかけたんすけど、どうもあっちも雑魔の連中の巣を潰すのに躍起みたいで……しばらくは無理だと言われちまいました。今頼りになるのは光のある場所ならどこにも現れ、浄化の力を扱う姐御だけなんです!』
『俺、コロッセオの歴史書で姐御の記述を読みました。かつて帝国軍と反目しながらもマテリアル汚染から多くの民を救った勇敢な女傑だと。この伝承からもきっと、多くの民の心を惹きつけられるはずです!』
どうかどうか、と頭を下げる精霊達。ローザは震える肩を抑えるように両手を当てると、やっとの思いで呟いた。
『やめとくれよ……アタシはあんた達を守りたいとは思ってる。この命を使ってでもね。でも精霊達のカシラになんてなれる器じゃないんだよ。あの日……どれだけの仲間を失ったのか、アタシは忘れられないんだ』
過去の戦を思い出したのだろう、深紫の瞳から涙が零れだす。しかし精霊達も必死だ。
『今、俺たちは保護されているだけの身です。これからは人間と対等の立場となり、互いに助け合える社会を作りたいんです!』
『この保護区も人間たちの厚意により与えられたもの……これからは自分の力で生き抜いていけるってとこ、人間たちに見せたいんすよぉっ』
悲痛な声にローザはいやいやするように肩を揺らした。
もう話は堂々めぐりだ――。その時、精霊達の対話を木陰からそっと見守っている者がいた。花の精霊フィー・フローレ(kz0255)である。
「ムー……アレネ、第三者ノ意見ガ必要ナ場面ナノネ! オ話ノ内容ハヨクワカンナイケド、皆ガ泣クノハ良クナイノ!」
てててっとフィーの肉球が落ち葉を蹴散らしていく。その先にあるものはハンターオフィスだった。
解説
●目的
ローザリンデが精霊達の代表者となることを受け入れさせるか、前向きに考えさせるようにする
●状況
フィーがお茶会の形式で皆さまと精霊をおもてなしする中、精霊達と対話します。
大型の丸テーブルでベリーとクリームのたっぷり乗ったケーキやサンドイッチを分け合い、
ふくよかな香りのお茶を楽しみながら秋の公園を堪能しましょう。
(リンやローザはモノを食べられない体のため、香りや色を楽しむだけで十分とのことです)
フィーが一生懸命手入れしたコスモス園や鮮やかな紅葉を一望できます。
ローザリンデは一応冷静な体を装っていますが、過去のトラウマからは解き放たれていません。
リンはそんな彼女の手元で心配そうに見守っていますが、幼いため話し合いには積極的には参加できません。
精霊達の熱意とローザの心痛、そのバランスをうまくとりながら幸福な結果に導かれることを願います。
ローザリンデが精霊達の代表者となることを受け入れさせるか、前向きに考えさせるようにする
●状況
フィーがお茶会の形式で皆さまと精霊をおもてなしする中、精霊達と対話します。
大型の丸テーブルでベリーとクリームのたっぷり乗ったケーキやサンドイッチを分け合い、
ふくよかな香りのお茶を楽しみながら秋の公園を堪能しましょう。
(リンやローザはモノを食べられない体のため、香りや色を楽しむだけで十分とのことです)
フィーが一生懸命手入れしたコスモス園や鮮やかな紅葉を一望できます。
ローザリンデは一応冷静な体を装っていますが、過去のトラウマからは解き放たれていません。
リンはそんな彼女の手元で心配そうに見守っていますが、幼いため話し合いには積極的には参加できません。
精霊達の熱意とローザの心痛、そのバランスをうまくとりながら幸福な結果に導かれることを願います。
マスターより
こんにちは、ことねです。
今回は基本的に戦闘なしの交渉シナリオをお届けします。
(もしローザや精霊に喝を入れたいという場合は戦うことも可能ですが……
状況によっては極端な結果を招く可能性もあることをご了承ください)
確認したいことがございましたら質問卓を立て、出発日前日の正午までにお声掛けください。
フィーができる範囲でお答えします。
それでは、帝国の精霊と臣民の未来のためにお力添えをよろしくお願いします!
今回は基本的に戦闘なしの交渉シナリオをお届けします。
(もしローザや精霊に喝を入れたいという場合は戦うことも可能ですが……
状況によっては極端な結果を招く可能性もあることをご了承ください)
確認したいことがございましたら質問卓を立て、出発日前日の正午までにお声掛けください。
フィーができる範囲でお答えします。
それでは、帝国の精霊と臣民の未来のためにお力添えをよろしくお願いします!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/11/09 16:46
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/02 21:24:38 |
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【相談卓】お茶会のその前に 白樺(ka4596) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/11/02 21:34:58 |
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質問卓 澪(ka6002) 鬼|12才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2018/11/04 13:40:57 |