ゲスト
(ka0000)
【虚動】過去との遭遇
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
ガーディナ- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/05 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/01/14 22:00
オープニング
荒野に降り立つ歪虚の群れ。
それは最近、CAM実験場に暴悪な牙を剥いた雑魔とは違い、明確な意思を持って動く虚無の使者。人類と相対する宿敵であった。
その先頭に、派手な服を着飾った嫉妬の歪虚、クラーレ・クラーラが立っている。彼は四本の腕を器用に使い、眼前に佇むCAMをハンドル付き双眼鏡で見やった。
「へぇ、結構たくさん用意したんだね。思ったより人も多いし、とても盛り上がりそうだ」
とはいえ、これもすべて彼が仕組んだことだ。ここまではすべて計画通り。
しかも今回、人類から『災厄の十三魔』と呼ばれる歪虚たちの協力を得ている。自分が考えた楽しいゲームを始める前に計画が頓挫するなんて、考えたくもない。いや、そんなことは絶対に起こり得ない。
「じゃあ、みんなよろしくね。ボクは、ゲームの駒を貰いに行く」
クラーレは手下を率い、CAM実験場の中央へと足を向けた。それに呼応するかのように、他の歪虚たちも持ち場へと散っていく。
彼らの狙いは、もはや明白であった。
●
――辺境某所。
「……だから、何故儂がやらねばならんのだ」
「別部隊からの救援要請があったのだ。やらねばなるまい……我々は英雄なのだから」
会話する二人の男。
騎馬民族風の衣装に身を包み、地面へ体を横たえている。
もう一方はリアルブルーの軍人風の出で立ちだ。
「英雄? 儂はそんなもんになりとうない。面倒くさい」
「これは英雄たるものの義務だ。やらねばならんのだ!
既に我が配下の者を現地へ派遣している。お前は、その弓で部隊を援護すればいい」
「ならば貴様が現地で指揮すれば良いだろう」
「英雄には数々の試練が立ちはだかっているのだ。私には別の試練がある」
力説する軍人に対して騎馬民族の男はやる気の欠片もなかった。
力説し続ける事数分、ついに騎馬民族の男が限界に到達する。
「ええい、分かった。……やれば良いのだろう、やれば!」
渋々立ち上がる騎馬民族の男。
軍人――災厄の十三魔の一人、ガエル・ソトは射貫くような視線を投げかけていた。
●
ザイダス峡谷はマギア砦の北に位置する地域だ。
かつてここには大きな川の支流が流れていたのだが、今は水も涸れて干上がっている。
周囲は岩や枯れ木に囲まれた寂しい光景だが――ここは既に歪虚のテリトリー。
いつ敵が現れるかも分からない。
「…………」
オイマト族の族長、バタルトゥ・オイマト(kz0023)は配下を連れてこの地を訪れていた。
CAM稼働実験場から奪われたCAMの一部が北を目指していた事に気付き、この地で部下と共に捜索を行っていたのだ。雪が吹雪く中の捜索は、さすがのオイマト族の戦士達も手間取っているようだ。
「族長、居ませんね」
「うむ」
「この地はオイマト族にとって忌むべき地。早々に離れましょう」
「…………」
オイマト族の戦士に対して族長は沈黙を守った。
ザイダス峡谷は辺境のベスタハ地方に属する地域だ。
族長の脳裏には『ベスタハの悲劇』と呼ばれる事件を思い浮かべていた。
当時のオイマト族族長が辺境部族を呼びかけて歪虚に対する反抗作戦を決行したのが、この地域だ。そして、その反抗作戦もオイマト族から裏切り者が原因で失敗。多くの戦士が歪虚に呑まれたと聞いてる。
それ以来、オイマト族はこの事件を禁忌として扱われ、一時期は他の部族から距離を置いていた。戦士としての誇りを奪われた感覚を、オイマト族の戦士は誰もが感じて――。
「ぎゃあ!!」
突然、オイマト族の戦士から悲鳴が上がる。
族長は、反射的に振り返る。
そこには背に乗せていたはずの主が消え失せた馬が一頭いるだけだった。
周囲を見回す族長。
「族長、あれ!」
オイマト族戦士が指差した先には地面に転がる男の姿があった。
胸から伸びた長い矢は男を貫通。
そして、角度から考えて矢は崖上から放たれたのは間違いない。
「…………!」
族長は、崖上に視線を送る。
そこには通常では考えられない異常に大きな馬型の雑魔に騎乗する一人の男がいた。
距離から考えて4メートル以上はある体躯。その手にはあまりにも大きすぎる鉄弓が握られていた。
「面倒くさい。何故、儂がこんな事をせねばならんのだ」
「敵か」
族長と戦士達は弓を手にする。
だが、距離的に考えてこちらの弓は崖上まで届かない。
おまけにこの吹雪。敵を弓で捉えるのは至難の業だ。
族長は戦士達と共に撤退の隙を窺うが、ここで敵から思わぬ一言が発せられる。
「儂はハイルタイ。頼まれたので少しだけ遊んでやるわい」
――ハイルタイ。
族長はその名前に聞き覚えがあった。否、忘れたくても忘れられない名だ。
ベスタハの悲劇を引き起こした裏切り者の名がハイルタイという名前だったのだから。
崖上にいるあの男が、部族を裏切り部族の誇りを失墜させた。
それが敵となって再び部族の前に姿を見せた。
その事実がいつもは寡黙で冷静な族長を激昂させる。
「貴様が! ……貴様が我が部族を!」
「何を興奮しておる。
それより良いのか? お主等の遊び相手は他にもおるぞ」
ハイルタイに注意を向けている間に、オイマト族の戦士達は複数の狼型雑魔に囲まれていた。
無数の狼が唸り声を上げる中、族長はハイルタイを睨み続ける。
それは最近、CAM実験場に暴悪な牙を剥いた雑魔とは違い、明確な意思を持って動く虚無の使者。人類と相対する宿敵であった。
その先頭に、派手な服を着飾った嫉妬の歪虚、クラーレ・クラーラが立っている。彼は四本の腕を器用に使い、眼前に佇むCAMをハンドル付き双眼鏡で見やった。
「へぇ、結構たくさん用意したんだね。思ったより人も多いし、とても盛り上がりそうだ」
とはいえ、これもすべて彼が仕組んだことだ。ここまではすべて計画通り。
しかも今回、人類から『災厄の十三魔』と呼ばれる歪虚たちの協力を得ている。自分が考えた楽しいゲームを始める前に計画が頓挫するなんて、考えたくもない。いや、そんなことは絶対に起こり得ない。
「じゃあ、みんなよろしくね。ボクは、ゲームの駒を貰いに行く」
クラーレは手下を率い、CAM実験場の中央へと足を向けた。それに呼応するかのように、他の歪虚たちも持ち場へと散っていく。
彼らの狙いは、もはや明白であった。
●
――辺境某所。
「……だから、何故儂がやらねばならんのだ」
「別部隊からの救援要請があったのだ。やらねばなるまい……我々は英雄なのだから」
会話する二人の男。
騎馬民族風の衣装に身を包み、地面へ体を横たえている。
もう一方はリアルブルーの軍人風の出で立ちだ。
「英雄? 儂はそんなもんになりとうない。面倒くさい」
「これは英雄たるものの義務だ。やらねばならんのだ!
既に我が配下の者を現地へ派遣している。お前は、その弓で部隊を援護すればいい」
「ならば貴様が現地で指揮すれば良いだろう」
「英雄には数々の試練が立ちはだかっているのだ。私には別の試練がある」
力説する軍人に対して騎馬民族の男はやる気の欠片もなかった。
力説し続ける事数分、ついに騎馬民族の男が限界に到達する。
「ええい、分かった。……やれば良いのだろう、やれば!」
渋々立ち上がる騎馬民族の男。
軍人――災厄の十三魔の一人、ガエル・ソトは射貫くような視線を投げかけていた。
●
ザイダス峡谷はマギア砦の北に位置する地域だ。
かつてここには大きな川の支流が流れていたのだが、今は水も涸れて干上がっている。
周囲は岩や枯れ木に囲まれた寂しい光景だが――ここは既に歪虚のテリトリー。
いつ敵が現れるかも分からない。
「…………」
オイマト族の族長、バタルトゥ・オイマト(kz0023)は配下を連れてこの地を訪れていた。
CAM稼働実験場から奪われたCAMの一部が北を目指していた事に気付き、この地で部下と共に捜索を行っていたのだ。雪が吹雪く中の捜索は、さすがのオイマト族の戦士達も手間取っているようだ。
「族長、居ませんね」
「うむ」
「この地はオイマト族にとって忌むべき地。早々に離れましょう」
「…………」
オイマト族の戦士に対して族長は沈黙を守った。
ザイダス峡谷は辺境のベスタハ地方に属する地域だ。
族長の脳裏には『ベスタハの悲劇』と呼ばれる事件を思い浮かべていた。
当時のオイマト族族長が辺境部族を呼びかけて歪虚に対する反抗作戦を決行したのが、この地域だ。そして、その反抗作戦もオイマト族から裏切り者が原因で失敗。多くの戦士が歪虚に呑まれたと聞いてる。
それ以来、オイマト族はこの事件を禁忌として扱われ、一時期は他の部族から距離を置いていた。戦士としての誇りを奪われた感覚を、オイマト族の戦士は誰もが感じて――。
「ぎゃあ!!」
突然、オイマト族の戦士から悲鳴が上がる。
族長は、反射的に振り返る。
そこには背に乗せていたはずの主が消え失せた馬が一頭いるだけだった。
周囲を見回す族長。
「族長、あれ!」
オイマト族戦士が指差した先には地面に転がる男の姿があった。
胸から伸びた長い矢は男を貫通。
そして、角度から考えて矢は崖上から放たれたのは間違いない。
「…………!」
族長は、崖上に視線を送る。
そこには通常では考えられない異常に大きな馬型の雑魔に騎乗する一人の男がいた。
距離から考えて4メートル以上はある体躯。その手にはあまりにも大きすぎる鉄弓が握られていた。
「面倒くさい。何故、儂がこんな事をせねばならんのだ」
「敵か」
族長と戦士達は弓を手にする。
だが、距離的に考えてこちらの弓は崖上まで届かない。
おまけにこの吹雪。敵を弓で捉えるのは至難の業だ。
族長は戦士達と共に撤退の隙を窺うが、ここで敵から思わぬ一言が発せられる。
「儂はハイルタイ。頼まれたので少しだけ遊んでやるわい」
――ハイルタイ。
族長はその名前に聞き覚えがあった。否、忘れたくても忘れられない名だ。
ベスタハの悲劇を引き起こした裏切り者の名がハイルタイという名前だったのだから。
崖上にいるあの男が、部族を裏切り部族の誇りを失墜させた。
それが敵となって再び部族の前に姿を見せた。
その事実がいつもは寡黙で冷静な族長を激昂させる。
「貴様が! ……貴様が我が部族を!」
「何を興奮しておる。
それより良いのか? お主等の遊び相手は他にもおるぞ」
ハイルタイに注意を向けている間に、オイマト族の戦士達は複数の狼型雑魔に囲まれていた。
無数の狼が唸り声を上げる中、族長はハイルタイを睨み続ける。
解説
目的:敵の包囲網を突破する
場所:ザイダス峡谷内の枯れた川の跡地。大きな崖に挟まれる形でオイマト族は敵に包囲されている状況。天候は吹雪。足下は雪で積もり、視界は不良。
敵:
・ハイルタイ
災厄の十三魔の一人。巨馬に跨がり、巨大な鉄弓で崖上からオイマト族を狙っています。
(PL情報:ハイルタイはかなりの面倒臭がりである為、数発放ったら撤退します)
・狼型雑魔 × 多数
通常よりも大型化した狼型の雑魔です。爪と牙が武器になります。一体ではそれ程苦戦する相手ではありませんが、集団化した際には侮れません。
備考:
・目的はあくまで『包囲網からの脱出』です。敵を倒す事が目的ではありません。
・今回は有坂MSと連動シナリオとなっております。
有坂MSのシナリオ結果がこちらの結果に大きな影響を与えます。
・族長はハイルタイと遭遇して激昂しています。
この為依頼開始段階では冷静な対応ができません。
・ハンターは族長と同行していた形でスタートします。
・オイマト族は騎馬に乗った戦士が5名おります。
・時間が経過すれば族長を救出する為に増援が現れます。
●NPC
バタルトゥ・オイマト
辺境部族オイマト族の若き族長。
先代族長が歪虚に倒されて以来、若くしてオイマト族を牽引している。部族が生き残る術を模索しているが、最近帝国との協調路線に活路を見出している。
場所:ザイダス峡谷内の枯れた川の跡地。大きな崖に挟まれる形でオイマト族は敵に包囲されている状況。天候は吹雪。足下は雪で積もり、視界は不良。
敵:
・ハイルタイ
災厄の十三魔の一人。巨馬に跨がり、巨大な鉄弓で崖上からオイマト族を狙っています。
(PL情報:ハイルタイはかなりの面倒臭がりである為、数発放ったら撤退します)
・狼型雑魔 × 多数
通常よりも大型化した狼型の雑魔です。爪と牙が武器になります。一体ではそれ程苦戦する相手ではありませんが、集団化した際には侮れません。
備考:
・目的はあくまで『包囲網からの脱出』です。敵を倒す事が目的ではありません。
・今回は有坂MSと連動シナリオとなっております。
有坂MSのシナリオ結果がこちらの結果に大きな影響を与えます。
・族長はハイルタイと遭遇して激昂しています。
この為依頼開始段階では冷静な対応ができません。
・ハンターは族長と同行していた形でスタートします。
・オイマト族は騎馬に乗った戦士が5名おります。
・時間が経過すれば族長を救出する為に増援が現れます。
●NPC
バタルトゥ・オイマト
辺境部族オイマト族の若き族長。
先代族長が歪虚に倒されて以来、若くしてオイマト族を牽引している。部族が生き残る術を模索しているが、最近帝国との協調路線に活路を見出している。
マスターより
近藤豊です。
CAM連動も後半戦に突入します。年末年始ですが、今作は熱く燃え上がっているようです。皆様も熱い年末年始をお過ごしください!
それでは、ホッケを肴にお待ちしています。
CAM連動も後半戦に突入します。年末年始ですが、今作は熱く燃え上がっているようです。皆様も熱い年末年始をお過ごしください!
それでは、ホッケを肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/10 10:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 メトロノーム・ソングライト(ka1267) エルフ|14才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/01/02 19:20:35 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/01 14:25:17 |
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相談卓 イブリス・アリア(ka3359) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/01/05 20:55:38 |