ゲスト
(ka0000)
【東幕】退けぬ戦い
マスター:電気石八生

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- ユニット参加人数
- 現在7 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/11/10 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/11/24 19:00
オープニング
●侵攻
エトフィリカ連邦南部に位置する千代国。
その肥沃な大地の中心部に据えられたものこそが、国の要であり、民の象徴でもある恵土城だ。
一度は歪虚の手に落ちたものの、見事奪還した現在は幕府より命を受けた古豪、大平正頼が仮の主としてこの城を預かり、民と共に復興へかかっていたのだが……
そのためにはまず、城にほど近い長江の平定が必須であり、それがままならぬ現状、度重なる歪虚の侵攻をなんとか食い止めて押し戻し、領土を保つが精いっぱいな有様であった。
「土が肥えてるってこた、つまるとこ田畑ばっかの平地だぁね。当然建ってる城も平城さぁ」
放棄され、草木が生い茂るばかりとなった荒れ地のただ中、憤怒は異相をぎちりと笑ませた。
特徴をひとつ挙げるならば猿となるだろう。ただし、その下腹部からは無数の細長い足が伸び出しており、足の数と種別さえ問わなければ蜘蛛さながらである。
主からはただ「クモザル」と呼ばれるばかりの彼は目玉を形成する複眼をすがめ、総堀(城を囲むもっとも外側の堀)の一点を見やる。
「雑兵ども、よっく見とけよぉ。あそこがてめぇらの死に場所だぁ」
クモザルが指したのは馬出(うまだし)――城の出入り口である虎口の外に半円を描いて土嚢を積み上げ、さらには総堀を水源とした堀でくるんだ防御陣地だ。後方には総堀に添って複数の出入り口が設けられており、正面を守りつつも騎馬やCAMで打って出ることができる。
「俺っちゃ東から攻める。別働組ぁ西からだぁ。南の大門は……ま、大将にお任せだぁね」
クモザルの指示を受けた憤怒と雑魔が移動を開始した。
「ああ、あんまこぼすなよぉ。もったいねぇからなぁ」
雑魔の半数にあたる魔獣はその体を泥で形作られている。叩けば爆ぜ、斬れば飛び散る弱き体。しかし、だからこそ連れてきたのだ。
「ったく、めんどくせぇ話だよぉ」
主はこの戦いを復讐と言う。一度手にしたものを力尽くで奪い返されたことへの復讐。以後もしぶとく侵攻の邪魔となり、こちらの手数を減らし続けていることへの復讐。つまらぬ地に縛りつけられ、奪回を強いられている現状への復讐。
「ようはメンツ潰された落とし前つけるって話よなぁ」
クモザルは苦笑する。
そいつぁ俺っちもいっしょだぜぇ。いっこやられたらじゅっこやり返す。そうでなくっちゃ憤怒じゃねぇだろ。
「さって、ほんとは俺っちの得意じゃねぇんだが、今日はハデに殴り合おうぜぇ?」
●ご城主(仮)
「ご城主(仮)殿、一大事にござりまする! 東西より歪虚群到来! ゆるゆると展開する陣容を見るに、城を挟み討つ腹づもりであろうかと!!」
本丸の御殿にて庶務をこなしていた正頼が、礼も忘れて駆け込んできた武士に目をやった。
「ふがふがふがふがぁ!?」
それを補佐役が通訳し。
「ご城主(仮)殿はこう申されておる。『歪虚の数はいかほどかぁ!?』と」
「ははっ。東西共、攻城兵器と長槍とを備えた妖魔足軽、土塊と思しき魔獣が五百ずつ、さらにそれを率いる憤怒がありまする!」
「ふがふが、ふがふが……」
「ご城主(仮)殿は『なんと、それほどの数が……』と嘆息されておる……」
補佐役が肩を落とし、情感たっぷりに通訳し。
「ふがふが、ふがふがふが。ふがふがふがふがふがふ!」
「『しかし、見過ごせようはずもあるまい。援軍を頼んで城を守り抜こうぞ!』とご城主(仮)殿は意気巻いておる!」
今度は拳を握り締め、熱く通訳を決めた。
「ふが、ふがふがふがふが。ふがふがふがふがふがふがふがふがふがふが――」
「かしこまった! 疾く、はんたぁずそさえてぃに早馬を走らせまする!」
正頼の『しかし、幕府に助けは求められまい。万一民草を壁とし死守せよとの命が下らぬとも限らぬ――』との言葉へうなずいた武士が、急ぎ駆けだしていった。
「ぬぅ、それがしの役どころはどこへ……?」
思わず膝から崩れ落ちた補佐役に、正頼は「ふがふがふがふがぁ」。
「ご城主(仮)殿は『人生そういうこともあるあるぅ』と、それがしをお慰めになられておる」
●意気
「かような次第にて、貴殿らにご助力を願った」
説明を終えた武士がハンターたちに頭を下げた。
「事情はいいんだけどぉ、むしろアンタたちの翻訳力を問い詰めてぇとこだわぁ……」
ハンター側を代表し、引率役のゲモ・ママ(kz0256)が顔をしかめるが――武士は「慣れでござるよ」と涼しい顔である。
「敵は東西より迫り来てござる。貴殿らには西か東かを担っていただきたい。我らはその逆に主軍を配し、遊軍を貴殿らにつけもうす」
数では大きく歪虚群に劣る守備軍だが、硬く高い城壁と深い堀の守りがある以上、平城とてそう容易く明け渡しはしない。
「我らが魂をもって守り抜くぞ! 皆の者、意気を揚げよ!!」
ふがっふがっふー!!
「あの。えいえいおー、とかじゃねぇの?」
おそるおそる尋ねたママにうなずいてみせた武士は、天守を返り見て。
「ご城主(仮)殿と意気を合わせるにはこれよりござらんので」
天守の窓際には正頼がおり、兵らと合わせて拳を振り上げていたりした。
「ふがーふが! ふがふがふがふっ、ふがふがーふがふがぁ!!」
「ねぇアレっ! ほんっとに慣れとかでわかんのぉ!?」
ママの問いを完全無視。武士は愛馬へと跨がり、軍配を取った。
「ささ、敵が迫ってござる! 疾く、支度をお頼みもうす!」
エトフィリカ連邦南部に位置する千代国。
その肥沃な大地の中心部に据えられたものこそが、国の要であり、民の象徴でもある恵土城だ。
一度は歪虚の手に落ちたものの、見事奪還した現在は幕府より命を受けた古豪、大平正頼が仮の主としてこの城を預かり、民と共に復興へかかっていたのだが……
そのためにはまず、城にほど近い長江の平定が必須であり、それがままならぬ現状、度重なる歪虚の侵攻をなんとか食い止めて押し戻し、領土を保つが精いっぱいな有様であった。
「土が肥えてるってこた、つまるとこ田畑ばっかの平地だぁね。当然建ってる城も平城さぁ」
放棄され、草木が生い茂るばかりとなった荒れ地のただ中、憤怒は異相をぎちりと笑ませた。
特徴をひとつ挙げるならば猿となるだろう。ただし、その下腹部からは無数の細長い足が伸び出しており、足の数と種別さえ問わなければ蜘蛛さながらである。
主からはただ「クモザル」と呼ばれるばかりの彼は目玉を形成する複眼をすがめ、総堀(城を囲むもっとも外側の堀)の一点を見やる。
「雑兵ども、よっく見とけよぉ。あそこがてめぇらの死に場所だぁ」
クモザルが指したのは馬出(うまだし)――城の出入り口である虎口の外に半円を描いて土嚢を積み上げ、さらには総堀を水源とした堀でくるんだ防御陣地だ。後方には総堀に添って複数の出入り口が設けられており、正面を守りつつも騎馬やCAMで打って出ることができる。
「俺っちゃ東から攻める。別働組ぁ西からだぁ。南の大門は……ま、大将にお任せだぁね」
クモザルの指示を受けた憤怒と雑魔が移動を開始した。
「ああ、あんまこぼすなよぉ。もったいねぇからなぁ」
雑魔の半数にあたる魔獣はその体を泥で形作られている。叩けば爆ぜ、斬れば飛び散る弱き体。しかし、だからこそ連れてきたのだ。
「ったく、めんどくせぇ話だよぉ」
主はこの戦いを復讐と言う。一度手にしたものを力尽くで奪い返されたことへの復讐。以後もしぶとく侵攻の邪魔となり、こちらの手数を減らし続けていることへの復讐。つまらぬ地に縛りつけられ、奪回を強いられている現状への復讐。
「ようはメンツ潰された落とし前つけるって話よなぁ」
クモザルは苦笑する。
そいつぁ俺っちもいっしょだぜぇ。いっこやられたらじゅっこやり返す。そうでなくっちゃ憤怒じゃねぇだろ。
「さって、ほんとは俺っちの得意じゃねぇんだが、今日はハデに殴り合おうぜぇ?」
●ご城主(仮)
「ご城主(仮)殿、一大事にござりまする! 東西より歪虚群到来! ゆるゆると展開する陣容を見るに、城を挟み討つ腹づもりであろうかと!!」
本丸の御殿にて庶務をこなしていた正頼が、礼も忘れて駆け込んできた武士に目をやった。
「ふがふがふがふがぁ!?」
それを補佐役が通訳し。
「ご城主(仮)殿はこう申されておる。『歪虚の数はいかほどかぁ!?』と」
「ははっ。東西共、攻城兵器と長槍とを備えた妖魔足軽、土塊と思しき魔獣が五百ずつ、さらにそれを率いる憤怒がありまする!」
「ふがふが、ふがふが……」
「ご城主(仮)殿は『なんと、それほどの数が……』と嘆息されておる……」
補佐役が肩を落とし、情感たっぷりに通訳し。
「ふがふが、ふがふがふが。ふがふがふがふがふがふ!」
「『しかし、見過ごせようはずもあるまい。援軍を頼んで城を守り抜こうぞ!』とご城主(仮)殿は意気巻いておる!」
今度は拳を握り締め、熱く通訳を決めた。
「ふが、ふがふがふがふが。ふがふがふがふがふがふがふがふがふがふが――」
「かしこまった! 疾く、はんたぁずそさえてぃに早馬を走らせまする!」
正頼の『しかし、幕府に助けは求められまい。万一民草を壁とし死守せよとの命が下らぬとも限らぬ――』との言葉へうなずいた武士が、急ぎ駆けだしていった。
「ぬぅ、それがしの役どころはどこへ……?」
思わず膝から崩れ落ちた補佐役に、正頼は「ふがふがふがふがぁ」。
「ご城主(仮)殿は『人生そういうこともあるあるぅ』と、それがしをお慰めになられておる」
●意気
「かような次第にて、貴殿らにご助力を願った」
説明を終えた武士がハンターたちに頭を下げた。
「事情はいいんだけどぉ、むしろアンタたちの翻訳力を問い詰めてぇとこだわぁ……」
ハンター側を代表し、引率役のゲモ・ママ(kz0256)が顔をしかめるが――武士は「慣れでござるよ」と涼しい顔である。
「敵は東西より迫り来てござる。貴殿らには西か東かを担っていただきたい。我らはその逆に主軍を配し、遊軍を貴殿らにつけもうす」
数では大きく歪虚群に劣る守備軍だが、硬く高い城壁と深い堀の守りがある以上、平城とてそう容易く明け渡しはしない。
「我らが魂をもって守り抜くぞ! 皆の者、意気を揚げよ!!」
ふがっふがっふー!!
「あの。えいえいおー、とかじゃねぇの?」
おそるおそる尋ねたママにうなずいてみせた武士は、天守を返り見て。
「ご城主(仮)殿と意気を合わせるにはこれよりござらんので」
天守の窓際には正頼がおり、兵らと合わせて拳を振り上げていたりした。
「ふがーふが! ふがふがふがふっ、ふがふがーふがふがぁ!!」
「ねぇアレっ! ほんっとに慣れとかでわかんのぉ!?」
ママの問いを完全無視。武士は愛馬へと跨がり、軍配を取った。
「ささ、敵が迫ってござる! 疾く、支度をお頼みもうす!」
解説
●依頼
東か西、どちらかの馬出の防衛。
●勝利条件(いずれか果たされれば勝利)
・敵の“目的”を阻みつつ30ラウンド耐え抜く。
・指揮官の憤怒を撃破。
●歪虚群の目的
・恵土城への突入口を開くこと(戦闘に勝利することではない)。
●状況
・群の構成は東西とも以下の内容。
・敵は鋒矢陣(前進力特化の楔型陣)を組んでいます。
・前面は長槍と短刀装備の妖魔群(340体)、その後ろに魔獣群(400体)、弓装備の妖魔群(100体)、破城鎚と焙烙玉(手投げ爆弾)装備の妖魔群(60体)、最奥に大将である憤怒がいます。
・残る100の魔獣は遊群として左翼を進んでいます。
・歪虚群の基本戦術は数を利しての前進。遊群は回り込んで突貫。
●馬出とまわりの地形
・詳細はオープニング参照。
・ハンターチーム側には恵土城から弓隊100人、長槍隊50人が送られています。彼らは馬出の守備にあたります。
・周囲50スクエアは、戦で打ち壊された町や蔵の残骸が散乱する荒れ地です。
●妖魔
・数は多いですが、能力値は軒並み低い。
・(基本の動き)槍隊は前進して攻撃。弓隊はそのカバー。破城鎚隊は後方で待機。
●魔獣
・泥製の体は非常にもろいですが、それなりの健脚を備えます。
・斃れた仲間の泥を自らに盛り、巨大化するものがいます(能力値自体は上がりません)。
●憤怒(西群指揮官)
・無数の顔を持つなめくじのような憤怒。
・能力は高くありませんが、敵を足止めたり視界を奪う、支援魔法をいくつか使います。
・指揮は堅実。作戦の形を崩さないことを心がけます。
●クモザル(東群指揮官)
・詳細はオープニング参照。
・現状では能力不明ですが、強力です。
・部下の憤怒よりも指揮能力が高いので、東群のほうがトリッキーな展開を見せます。
●備考
・指揮官である憤怒は破城鎚部隊を守ります。
・目的を達成した時点で歪虚群は撤収します。
・敵の目的と群の構成からその作戦を予想し、防いでください。
東か西、どちらかの馬出の防衛。
●勝利条件(いずれか果たされれば勝利)
・敵の“目的”を阻みつつ30ラウンド耐え抜く。
・指揮官の憤怒を撃破。
●歪虚群の目的
・恵土城への突入口を開くこと(戦闘に勝利することではない)。
●状況
・群の構成は東西とも以下の内容。
・敵は鋒矢陣(前進力特化の楔型陣)を組んでいます。
・前面は長槍と短刀装備の妖魔群(340体)、その後ろに魔獣群(400体)、弓装備の妖魔群(100体)、破城鎚と焙烙玉(手投げ爆弾)装備の妖魔群(60体)、最奥に大将である憤怒がいます。
・残る100の魔獣は遊群として左翼を進んでいます。
・歪虚群の基本戦術は数を利しての前進。遊群は回り込んで突貫。
●馬出とまわりの地形
・詳細はオープニング参照。
・ハンターチーム側には恵土城から弓隊100人、長槍隊50人が送られています。彼らは馬出の守備にあたります。
・周囲50スクエアは、戦で打ち壊された町や蔵の残骸が散乱する荒れ地です。
●妖魔
・数は多いですが、能力値は軒並み低い。
・(基本の動き)槍隊は前進して攻撃。弓隊はそのカバー。破城鎚隊は後方で待機。
●魔獣
・泥製の体は非常にもろいですが、それなりの健脚を備えます。
・斃れた仲間の泥を自らに盛り、巨大化するものがいます(能力値自体は上がりません)。
●憤怒(西群指揮官)
・無数の顔を持つなめくじのような憤怒。
・能力は高くありませんが、敵を足止めたり視界を奪う、支援魔法をいくつか使います。
・指揮は堅実。作戦の形を崩さないことを心がけます。
●クモザル(東群指揮官)
・詳細はオープニング参照。
・現状では能力不明ですが、強力です。
・部下の憤怒よりも指揮能力が高いので、東群のほうがトリッキーな展開を見せます。
●備考
・指揮官である憤怒は破城鎚部隊を守ります。
・目的を達成した時点で歪虚群は撤収します。
・敵の目的と群の構成からその作戦を予想し、防いでください。
マスターより
みなさまお疲れさまです。電気石八生と申します。
ご縁をいただきまして、【東幕】にお邪魔することと相成りました。
よろしければご城主(仮)殿ががんばってお守りくださっておりますお城を、憤怒の侵攻から守ってあげてくださいませ。
よろしくお願いいたします。
ご縁をいただきまして、【東幕】にお邪魔することと相成りました。
よろしければご城主(仮)殿ががんばってお守りくださっておりますお城を、憤怒の侵攻から守ってあげてくださいませ。
よろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/11/13 19:39
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 イヴ(ka6763) エルフ|21才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2018/11/10 18:01:35 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/08 14:29:03 |