ゲスト
(ka0000)
珈琲サロンとぱぁずの寒い日
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/08 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/01/17 07:30
オープニング
●
珈琲サロンとぱぁずの東向きの窓は1枚だけ淡い桃色をしている。
「私が、子どもの頃だったかしら……今日みたいに風の強い日があって、飛んできた工具がぶつかって、割れちゃったのよね」
新しい窓ガラスを、当時は店長として店を切り盛りしていた祖父と、当時から珈琲を煎れていたローレンツと3人で探しに行って、ピンクが良いと駄々をこねて困らせたのよ。そう、店長代理のユリアが笑う。
年が変わったある日のこと、工場都市フマーレの商業区に店を構えるとぱぁずは、凍える風の中働く職人や商人達のためにいつも通りの時間に店を開けていた。
それでもこの天気では客足も望めないだろうと、日が落ちればいつもより早く閉める予定だった。
「やあ、開いてて良かったよ!」
ひゅうと吹き抜けていった突風に煽られ、帽子を目深に押さえ、外套の前を掻き合わせ。扉を体で押し開けながら常連の男が入ってきた。
「外はすっごい寒くてさ、帰るに帰れなくなっちまってね。帰ったところで1人なもんだから、ちょっと温まってこうってね――や、ユリアちゃん。お祖父ちゃんは元気かい?」
「いらっしゃい、元気です。ぴんぴんしてます……足を挫いて隠居したのに、この前なんか……ええと、リアルブルーの方に教わったゲーム、何だったかしら?」
ボールを打って、転がして、とメレンゲを作る手が止まる。
忘れちゃったわ、と、かしゃかしゃ再びユリアの手が動き出し、ローレンツが熱いコーヒーを差し出した。
そこへ新たな客が訪れる。
「こんにちは、いや、こんばんは、かな。店の中は温かいね、外は凍えるかと思ったよ……」
常連の男と同じように上着を押さえながら、突風に消された煙草を噛んで入ってきたのは、とぱぁずと同じ商業区で宝石店の店長を務める、まだ若い男だった。
「こんばんは、明かりが見えたから……あれ、満席かな?」
続いて現れたのは、一昨年移住してきた夫婦。編み針と丸めた毛糸を抱えた妻と、ワインのボトルを提げた夫。
近所の住人や常連たち、暖を求めた一見の客で、結局いつもの時間まで店は賑わっていた。
●
外が真っ暗になった頃、がたがたと煩く窓が鳴った。
「嫌な音。外、すごく寒そう……ロロさん、やっぱり今日はもう暫くいてくれる? お客さん追い出して閉めちゃうのも悪いし。お給金弾むから」
オーブンから甘い香りが漂ってくる。
覗けばふっくらとシフォンケーキが焼けていた。
ローレンツがいつもの仏頂面で店内を眺めながら、構わないと答えた。
家族連れの眠ってしまった幼い子どもから、不安げに外を眺める老人まで。確かに追い出しては可哀想だと。
「ユリアちゃん、コーヒーのお代わり貰える?」
「はぁい、すぐに。ロロさんコーヒー1つ」
「――こっちも、良いかしら?」
「――ケーキ焼けたのかい? 1切れ頼めるかな」
「はーい、コーヒーと、ケーキですね……少々お待ち下さい」
広くない店内の、満員の客席の間をくるくると歩き回って、コーヒーを、ケーキを給仕していく。
不意に、がん、がん、と不吉な音が鳴り響いた。
身を竦めて振り返るとピンクの窓にどこからか飛んできたらしいレンチが叩き付けられ、跳ね返っては風に吹き上げられて何度もぶつかっている。
「やだ、割れそう……っ。――ロロさん、ちょっと、頼むわね」
ユリアは寝起きしている2階へ道具箱を取りに走り、託されたローレンツが、ぶっきらぼうにコーヒーを差し出していく。
片腕にラグを抱え、反対の手に金鎚と釘の入った道具箱を提げて、ユリアは階段を駆け下りる。
窓には既にひびが入っていた。
「これで足りるかしら?」
窓に駆け寄り広げたラグを宛がうと、
「――ごめんなさい、ここ押さえていて下さらない?」
窓の近くに座っていたハンター達へ声を掛けた。
珈琲サロンとぱぁずの東向きの窓は1枚だけ淡い桃色をしている。
「私が、子どもの頃だったかしら……今日みたいに風の強い日があって、飛んできた工具がぶつかって、割れちゃったのよね」
新しい窓ガラスを、当時は店長として店を切り盛りしていた祖父と、当時から珈琲を煎れていたローレンツと3人で探しに行って、ピンクが良いと駄々をこねて困らせたのよ。そう、店長代理のユリアが笑う。
年が変わったある日のこと、工場都市フマーレの商業区に店を構えるとぱぁずは、凍える風の中働く職人や商人達のためにいつも通りの時間に店を開けていた。
それでもこの天気では客足も望めないだろうと、日が落ちればいつもより早く閉める予定だった。
「やあ、開いてて良かったよ!」
ひゅうと吹き抜けていった突風に煽られ、帽子を目深に押さえ、外套の前を掻き合わせ。扉を体で押し開けながら常連の男が入ってきた。
「外はすっごい寒くてさ、帰るに帰れなくなっちまってね。帰ったところで1人なもんだから、ちょっと温まってこうってね――や、ユリアちゃん。お祖父ちゃんは元気かい?」
「いらっしゃい、元気です。ぴんぴんしてます……足を挫いて隠居したのに、この前なんか……ええと、リアルブルーの方に教わったゲーム、何だったかしら?」
ボールを打って、転がして、とメレンゲを作る手が止まる。
忘れちゃったわ、と、かしゃかしゃ再びユリアの手が動き出し、ローレンツが熱いコーヒーを差し出した。
そこへ新たな客が訪れる。
「こんにちは、いや、こんばんは、かな。店の中は温かいね、外は凍えるかと思ったよ……」
常連の男と同じように上着を押さえながら、突風に消された煙草を噛んで入ってきたのは、とぱぁずと同じ商業区で宝石店の店長を務める、まだ若い男だった。
「こんばんは、明かりが見えたから……あれ、満席かな?」
続いて現れたのは、一昨年移住してきた夫婦。編み針と丸めた毛糸を抱えた妻と、ワインのボトルを提げた夫。
近所の住人や常連たち、暖を求めた一見の客で、結局いつもの時間まで店は賑わっていた。
●
外が真っ暗になった頃、がたがたと煩く窓が鳴った。
「嫌な音。外、すごく寒そう……ロロさん、やっぱり今日はもう暫くいてくれる? お客さん追い出して閉めちゃうのも悪いし。お給金弾むから」
オーブンから甘い香りが漂ってくる。
覗けばふっくらとシフォンケーキが焼けていた。
ローレンツがいつもの仏頂面で店内を眺めながら、構わないと答えた。
家族連れの眠ってしまった幼い子どもから、不安げに外を眺める老人まで。確かに追い出しては可哀想だと。
「ユリアちゃん、コーヒーのお代わり貰える?」
「はぁい、すぐに。ロロさんコーヒー1つ」
「――こっちも、良いかしら?」
「――ケーキ焼けたのかい? 1切れ頼めるかな」
「はーい、コーヒーと、ケーキですね……少々お待ち下さい」
広くない店内の、満員の客席の間をくるくると歩き回って、コーヒーを、ケーキを給仕していく。
不意に、がん、がん、と不吉な音が鳴り響いた。
身を竦めて振り返るとピンクの窓にどこからか飛んできたらしいレンチが叩き付けられ、跳ね返っては風に吹き上げられて何度もぶつかっている。
「やだ、割れそう……っ。――ロロさん、ちょっと、頼むわね」
ユリアは寝起きしている2階へ道具箱を取りに走り、託されたローレンツが、ぶっきらぼうにコーヒーを差し出していく。
片腕にラグを抱え、反対の手に金鎚と釘の入った道具箱を提げて、ユリアは階段を駆け下りる。
窓には既にひびが入っていた。
「これで足りるかしら?」
窓に駆け寄り広げたラグを宛がうと、
「――ごめんなさい、ここ押さえていて下さらない?」
窓の近くに座っていたハンター達へ声を掛けた。
解説
解説
目的 窓にラグを張る
●
ラグは1メートル四方、窓をすっぽり覆うことができます。
1センチ程度の厚みがあるため、釘を数カ所打って塞いでしまえば、
窓が割れても店内に破片が散らばったり、
外から何かが飛び込んできたり、
外気で冷えたりすることは無くなるでしょう。
●
窓を塞いだ後の行動は自由です。
店を手伝ったり、客の相手になったりできます。
●
外へ出ようとすると、店長代理より、
「寒いから、ドア開けないでね」
と、やんわり断られます。
●店員紹介
ユリア・エーレンフリート 女性
店長の孫娘、未亡人。実家に帰っていたところ、怪我で隠居した祖父に店を押し付けられた模様。
幼い頃は店の看板娘として当時の常連客達に可愛がられていた。
コーヒーを煎れるのは苦手。
ローレンツ・ロンベルグ 男性
通称ロロさん、ユリアが幼い頃に付けられた愛称が広く浸透している模様。
眉間の皺は消えないが不機嫌では無い。
コーヒーは美味しい。
●客紹介
常連
ユリアを幼い頃から知っているいい年した男性。
若い男
ヴァリオスの宝石店のフマーレ支店の雇われ店長。
若い夫婦
1年前から近所に住んでいる夫婦。子どもはいたが夭逝している。
家族
何度か来店したことがある。父親が工業区の職人。
老人
若い頃から通っている。工業区の職人。
その他
登場していない客が沢山います。
●
お客さんからささやかな贈り物が有るかも知れませんが、
何も持っていない人もいます。
登場していないお客さんもいますので、
若い子探して口説く! コトも可能です。
目的 窓にラグを張る
●
ラグは1メートル四方、窓をすっぽり覆うことができます。
1センチ程度の厚みがあるため、釘を数カ所打って塞いでしまえば、
窓が割れても店内に破片が散らばったり、
外から何かが飛び込んできたり、
外気で冷えたりすることは無くなるでしょう。
●
窓を塞いだ後の行動は自由です。
店を手伝ったり、客の相手になったりできます。
●
外へ出ようとすると、店長代理より、
「寒いから、ドア開けないでね」
と、やんわり断られます。
●店員紹介
ユリア・エーレンフリート 女性
店長の孫娘、未亡人。実家に帰っていたところ、怪我で隠居した祖父に店を押し付けられた模様。
幼い頃は店の看板娘として当時の常連客達に可愛がられていた。
コーヒーを煎れるのは苦手。
ローレンツ・ロンベルグ 男性
通称ロロさん、ユリアが幼い頃に付けられた愛称が広く浸透している模様。
眉間の皺は消えないが不機嫌では無い。
コーヒーは美味しい。
●客紹介
常連
ユリアを幼い頃から知っているいい年した男性。
若い男
ヴァリオスの宝石店のフマーレ支店の雇われ店長。
若い夫婦
1年前から近所に住んでいる夫婦。子どもはいたが夭逝している。
家族
何度か来店したことがある。父親が工業区の職人。
老人
若い頃から通っている。工業区の職人。
その他
登場していない客が沢山います。
●
お客さんからささやかな贈り物が有るかも知れませんが、
何も持っていない人もいます。
登場していないお客さんもいますので、
若い子探して口説く! コトも可能です。
マスターより
明けましておめでとうございます。
皆様にとって良い年となりますように。
とぱぁずもほのぼのすることがあるようです。
外はとても寒いので、ゆっくり寛いでいって下さい。
皆様にとって良い年となりますように。
とぱぁずもほのぼのすることがあるようです。
外はとても寒いので、ゆっくり寛いでいって下さい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/17 01:37
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/04 21:20:58 |
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ラグ張りとその後のことについて サントール・アスカ(ka2820) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/01/06 13:39:14 |