ゲスト
(ka0000)
偽虧兎狩り
マスター:鷹羽柊架

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/11/12 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/11/21 22:00
オープニング
先日、フォニケが助けた帝国兵士が彼女にお礼を言いたいという依頼をハンターが遂行した日、工房管理官のアルフェッカと金属加工担当部署クレムトの職人であるシェダルはある部屋に呼ばれていた。
昼間だというのに薄暗いその部屋には蝋燭で灯りがあり、彼ら以外の影がある。
「盗賊の仕事だけではないのか」
シェダルとアルフェッカが見ているのはトライバル模様の書付。
「盗品の仕入れや売買もやっているようですにゃ」
三人目の人物は壁の方に立っており、蝋燭の明かりで辺境部族の衣装だろう一部が見えるくらいだ。
「仕入れ……人も物も関係なく……か」
ふむ、とアルフェッカが書付を懐に仕舞いこむ。
「以前にウチのメンバーがその盗賊のメンバーではにゃいのかと疑われたことがありますのにゃ」
「ルックスか……理由は聞いたのか?」
思い出すのはまだあどけない様子の少年だ。
時折、ドワーフ工房に顔を出しており、アルフェッカ達も既知である。
アルフェッカが追う盗賊はルックスの故郷……エーノス賊を滅ぼし、女達を奪っていった賊。
その族はドワーフ工房と提携している採掘場に姿を現していたことから始まる。
ドワーフ工房への被害は未遂とはいえ、また何かあれば被害が出るかもしれないと思い、独自で調査していた。
「そのハンターは東方の依頼で赤い羽根の首飾りの男を探しておりましたのにゃ」
「東方? そりゃまた遠いところまで」
目を剥くアルフェッカ同様にシェダルも驚いている。
「こちらが追っている盗賊団へは盗品を買い付けていると情報を得ましたにゃ」
情報提供者は更に情報を得てきたのだろう。
「怠惰王の侵攻もあったのによくやるな」
「少人数とはいえ、これくらいは大丈夫ですにゃ」
しれっと告げる影にアルフェッカはそれもそうかと納得する。
「長くやっていることから、頭目は数代変わっているってことか」
「売買に関しては必ず他の者を代理人としているようですにゃ。にゃけど、東方は自ら出向いているようですにゃ」
「西側より、足が付きにくいと思ったんだろうな」
呆れたシェダルはちゃちゃを入れるだけで巻き煙草を吸いだした。
「また、連中が動き出したのですにゃ。目的は盗品の競売」
提供者の言葉に二人は神妙な表情となる。
開催は近日ということであった。
「また報告に来ますにゃ」
そう言った情報提供者は身を屈めると、蝋燭の明かりで顔が照らされる。
金の瞳の月猫……部族なき部族のリーダーであるテトは消えていった。
「随分とご執心だな」
男二人になった時、シェダルが口を開く。
「工房に関わることだ。当然だろ」
あきれた様子のシェダルだが、アルフェッカの表情は動かない。
「この件、フォニケにバレるなよ。関わらせたくない」
「問題ない。今頃の彼女なら最悪、ハンターと追いかけっこだろ」
「どういうことだ?」
顔をしかめるシェダルにアルフェッカはクヤムという若い兵士がフォニケに助けてもらって、お礼が言いたいがどこの誰なのかわからずに困っているので、ハンターに依頼するように仕向けたと言った。
「その合間を狙って呼びつけたのか……で、そいつは気があるのか?」
「さぁ? 女性には慣れてないって話だし、ドワーフ工房の所属と言えば大抵興味をなくすだろ。そうでなければ見どころはある」
しれっと言うアルフェッカにシェダルは引いた表情を見せる。
「ふるいにかけたのかよ」
「フォニケちゃんは前の時代から大暴れしてくれたからな。悪い虫が近寄らなくてすむ」
「ありゃ、気を引くためだ」
「おお? 保護者なのに放置かよ」
「女いたのは知ってたからな」
部屋を出た二人は軽口を叩きながらドワーフ工房へと向かう。
「フォニケ?」
「あ、二人ともどこにいたの?」
廊下を歩いていたフォニケをシェダルが見つける。朝は髪を束ねていたのに、今は結い上げている。
「俺の仕事手伝わせていた」
アルフェッカが言うと、彼女は「そう」と納得しつつ、リストバンドの位置を直した。
「今日はご機嫌だね、フォニケちゃん」
「若い子から贈り物をもらったのよ」
ふふ、とご機嫌に笑うフォニケは助けたお礼に貰った髪留めを二人に見せる。
「ハンターから?」
「いいえ、クヤムっていう治安部隊の新人くんよ」
「へー、素直に受け取るなんて珍しい」
「失礼ね、人が心を込めて選んで贈ったものなのよ、嬉しいに決まってるじゃない」
フォニケとアルフェッカが軽口を叩きながら先を歩く。
紙巻き煙草を指先で弄んでいたシェダルの視線はフォニケのリストバンドへ向けられていた。
アルフェッカ達の密会をした数日後、部族なき部族のリーダーであるテトが要塞管理補佐官としてのアルフェッカの執務室に現れた。
「どうしたんだ?」
呼ばれたアルフェッカがテトに問う。
「しくじりましたにゃ……仲間が今追われてますにゃ」
テトの報告は急を要するものだった。
部族なき部族が偵察部隊に出したのは赤翡翠と飯綱のコードネームを持つ二人組。
目的の賊が競売をする街で飯綱が敵に怪しまれ、逃げ出そうとしたが、賊が街から逃げ出せないように手を打っているという。
「なんでまたそんなドジを踏んだんだ?」
「今回の競売には頭目もいたようですにゃ」
どうやら、規模の大きい競売をしようとしていたようであり、頭目は部下やら情婦やら引き連れて自ら出るほどだった。
「何を焦ったのかはわからないが、人命が第一だ。ハンターオフィスに連絡し、救出させよう。ただし、名目は歪虚の討伐だ」
「にゃ?」
アルフェッカの言葉にテトが驚いた表情となる。
「以前の報告で、あの街には歪虚アクベンスがいたという話があったし、盗賊団との繋がりがある可能性があるだろう。それの捜索をお題目にし、いたら討伐の振りをして陽動をかけ、二人を逃がそう。スコール族長が来たとか吹聴したら出てくるんじゃないのか? それは冗談だとして、手段は任せる」
最後は能天気な口調のアルフェッカにテトは「まさか……」と思ったが、アクベンスなのでわからない。
「……了解しましたにゃ」
こくりと頷いたテトはハンターオフィスへと向かった。
昼間だというのに薄暗いその部屋には蝋燭で灯りがあり、彼ら以外の影がある。
「盗賊の仕事だけではないのか」
シェダルとアルフェッカが見ているのはトライバル模様の書付。
「盗品の仕入れや売買もやっているようですにゃ」
三人目の人物は壁の方に立っており、蝋燭の明かりで辺境部族の衣装だろう一部が見えるくらいだ。
「仕入れ……人も物も関係なく……か」
ふむ、とアルフェッカが書付を懐に仕舞いこむ。
「以前にウチのメンバーがその盗賊のメンバーではにゃいのかと疑われたことがありますのにゃ」
「ルックスか……理由は聞いたのか?」
思い出すのはまだあどけない様子の少年だ。
時折、ドワーフ工房に顔を出しており、アルフェッカ達も既知である。
アルフェッカが追う盗賊はルックスの故郷……エーノス賊を滅ぼし、女達を奪っていった賊。
その族はドワーフ工房と提携している採掘場に姿を現していたことから始まる。
ドワーフ工房への被害は未遂とはいえ、また何かあれば被害が出るかもしれないと思い、独自で調査していた。
「そのハンターは東方の依頼で赤い羽根の首飾りの男を探しておりましたのにゃ」
「東方? そりゃまた遠いところまで」
目を剥くアルフェッカ同様にシェダルも驚いている。
「こちらが追っている盗賊団へは盗品を買い付けていると情報を得ましたにゃ」
情報提供者は更に情報を得てきたのだろう。
「怠惰王の侵攻もあったのによくやるな」
「少人数とはいえ、これくらいは大丈夫ですにゃ」
しれっと告げる影にアルフェッカはそれもそうかと納得する。
「長くやっていることから、頭目は数代変わっているってことか」
「売買に関しては必ず他の者を代理人としているようですにゃ。にゃけど、東方は自ら出向いているようですにゃ」
「西側より、足が付きにくいと思ったんだろうな」
呆れたシェダルはちゃちゃを入れるだけで巻き煙草を吸いだした。
「また、連中が動き出したのですにゃ。目的は盗品の競売」
提供者の言葉に二人は神妙な表情となる。
開催は近日ということであった。
「また報告に来ますにゃ」
そう言った情報提供者は身を屈めると、蝋燭の明かりで顔が照らされる。
金の瞳の月猫……部族なき部族のリーダーであるテトは消えていった。
「随分とご執心だな」
男二人になった時、シェダルが口を開く。
「工房に関わることだ。当然だろ」
あきれた様子のシェダルだが、アルフェッカの表情は動かない。
「この件、フォニケにバレるなよ。関わらせたくない」
「問題ない。今頃の彼女なら最悪、ハンターと追いかけっこだろ」
「どういうことだ?」
顔をしかめるシェダルにアルフェッカはクヤムという若い兵士がフォニケに助けてもらって、お礼が言いたいがどこの誰なのかわからずに困っているので、ハンターに依頼するように仕向けたと言った。
「その合間を狙って呼びつけたのか……で、そいつは気があるのか?」
「さぁ? 女性には慣れてないって話だし、ドワーフ工房の所属と言えば大抵興味をなくすだろ。そうでなければ見どころはある」
しれっと言うアルフェッカにシェダルは引いた表情を見せる。
「ふるいにかけたのかよ」
「フォニケちゃんは前の時代から大暴れしてくれたからな。悪い虫が近寄らなくてすむ」
「ありゃ、気を引くためだ」
「おお? 保護者なのに放置かよ」
「女いたのは知ってたからな」
部屋を出た二人は軽口を叩きながらドワーフ工房へと向かう。
「フォニケ?」
「あ、二人ともどこにいたの?」
廊下を歩いていたフォニケをシェダルが見つける。朝は髪を束ねていたのに、今は結い上げている。
「俺の仕事手伝わせていた」
アルフェッカが言うと、彼女は「そう」と納得しつつ、リストバンドの位置を直した。
「今日はご機嫌だね、フォニケちゃん」
「若い子から贈り物をもらったのよ」
ふふ、とご機嫌に笑うフォニケは助けたお礼に貰った髪留めを二人に見せる。
「ハンターから?」
「いいえ、クヤムっていう治安部隊の新人くんよ」
「へー、素直に受け取るなんて珍しい」
「失礼ね、人が心を込めて選んで贈ったものなのよ、嬉しいに決まってるじゃない」
フォニケとアルフェッカが軽口を叩きながら先を歩く。
紙巻き煙草を指先で弄んでいたシェダルの視線はフォニケのリストバンドへ向けられていた。
アルフェッカ達の密会をした数日後、部族なき部族のリーダーであるテトが要塞管理補佐官としてのアルフェッカの執務室に現れた。
「どうしたんだ?」
呼ばれたアルフェッカがテトに問う。
「しくじりましたにゃ……仲間が今追われてますにゃ」
テトの報告は急を要するものだった。
部族なき部族が偵察部隊に出したのは赤翡翠と飯綱のコードネームを持つ二人組。
目的の賊が競売をする街で飯綱が敵に怪しまれ、逃げ出そうとしたが、賊が街から逃げ出せないように手を打っているという。
「なんでまたそんなドジを踏んだんだ?」
「今回の競売には頭目もいたようですにゃ」
どうやら、規模の大きい競売をしようとしていたようであり、頭目は部下やら情婦やら引き連れて自ら出るほどだった。
「何を焦ったのかはわからないが、人命が第一だ。ハンターオフィスに連絡し、救出させよう。ただし、名目は歪虚の討伐だ」
「にゃ?」
アルフェッカの言葉にテトが驚いた表情となる。
「以前の報告で、あの街には歪虚アクベンスがいたという話があったし、盗賊団との繋がりがある可能性があるだろう。それの捜索をお題目にし、いたら討伐の振りをして陽動をかけ、二人を逃がそう。スコール族長が来たとか吹聴したら出てくるんじゃないのか? それは冗談だとして、手段は任せる」
最後は能天気な口調のアルフェッカにテトは「まさか……」と思ったが、アクベンスなのでわからない。
「……了解しましたにゃ」
こくりと頷いたテトはハンターオフィスへと向かった。
解説
依頼内容
表向き:歪虚の捜索(詳細在り、受付へ)
裏向き:部族なき部族の救出
成功条件:部族なき部族のメンバーの救出
失敗条件:メンバーの死亡
この依頼を受けました皆様は受付員より裏向きの依頼内容を聞いてます。
表向きは当該の街で歪虚アクベンスの捜索。
本来の目的は部族なき部族の救出。
盗賊団の頭目や幹部クラスは競売を中止、商品持って町を出てます。
町中にいる盗賊の殆どが下っ端ですが、大仰な捕り物は目立ちます。
拘束して物陰に放置だと追手の数が減ります。
◆町について
『火輪の照光』というシナリオに出てきた街。
そこで登場した飲み屋は健在。
治安が悪い。
旅人も多く出入りしているので、旅人を装えば大抵は何事もないです。
プレイングとダイス次第では対人戦(賊との戦闘)が起きます。
街並みは岩山や崖の麓にあるので、建物がひしめき合う小さな町。
大衆酒場も多く、風俗街な感じ。
飲み屋兼宿泊施設も存在。
下図のマスは町の大体の配置。
右123456
1□□□□□●
2□★□□□□
3□□□□□□
大通り
左123456
1□□□□□◎
2□□□□□□
3□★□□□□
●と★マークは飯綱と赤翡翠が拠点にしていた廃屋。
●:右1、6。ここの拠点はバレており、盗賊団の下っ端を纏める団員が常駐。人数不明。ここに救助対象は戻りません。
★:右2、2と左3、2。元宿屋。浮浪者がどこかの部屋にいる。ここはまだ判明されてない。救助対象が来るかも。
◎:左1、6。町の元締めがいる店。
救出対象
赤翡翠:ルックスです。姿隠して調査してました。
飯綱:性別女、年齢は二十歳。負傷中。薄茶の髪に青の目。
敵
アクベンス:兎耳のついたシルクハットと燕尾服姿。
芝居がかった口調と物腰の美しい少年の姿。
盗賊団:十代から三十代までの厳つい男たち。中には覚醒者がいる。
同行NPC
テト:部族なき部族のリーダー。腕っぷしはそこそこ、隠密行動に長ける。街の外で皆さんが脱出する際のフォローに入ります。
表向き:歪虚の捜索(詳細在り、受付へ)
裏向き:部族なき部族の救出
成功条件:部族なき部族のメンバーの救出
失敗条件:メンバーの死亡
この依頼を受けました皆様は受付員より裏向きの依頼内容を聞いてます。
表向きは当該の街で歪虚アクベンスの捜索。
本来の目的は部族なき部族の救出。
盗賊団の頭目や幹部クラスは競売を中止、商品持って町を出てます。
町中にいる盗賊の殆どが下っ端ですが、大仰な捕り物は目立ちます。
拘束して物陰に放置だと追手の数が減ります。
◆町について
『火輪の照光』というシナリオに出てきた街。
そこで登場した飲み屋は健在。
治安が悪い。
旅人も多く出入りしているので、旅人を装えば大抵は何事もないです。
プレイングとダイス次第では対人戦(賊との戦闘)が起きます。
街並みは岩山や崖の麓にあるので、建物がひしめき合う小さな町。
大衆酒場も多く、風俗街な感じ。
飲み屋兼宿泊施設も存在。
下図のマスは町の大体の配置。
右123456
1□□□□□●
2□★□□□□
3□□□□□□
大通り
左123456
1□□□□□◎
2□□□□□□
3□★□□□□
●と★マークは飯綱と赤翡翠が拠点にしていた廃屋。
●:右1、6。ここの拠点はバレており、盗賊団の下っ端を纏める団員が常駐。人数不明。ここに救助対象は戻りません。
★:右2、2と左3、2。元宿屋。浮浪者がどこかの部屋にいる。ここはまだ判明されてない。救助対象が来るかも。
◎:左1、6。町の元締めがいる店。
救出対象
赤翡翠:ルックスです。姿隠して調査してました。
飯綱:性別女、年齢は二十歳。負傷中。薄茶の髪に青の目。
敵
アクベンス:兎耳のついたシルクハットと燕尾服姿。
芝居がかった口調と物腰の美しい少年の姿。
盗賊団:十代から三十代までの厳つい男たち。中には覚醒者がいる。
同行NPC
テト:部族なき部族のリーダー。腕っぷしはそこそこ、隠密行動に長ける。街の外で皆さんが脱出する際のフォローに入ります。
マスターより
お世話になっております。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)です。
このシナリオは『忍び寄る虧影』の続きシナリオとなりますが、様々なところに繋がりがあったりするので、気兼ねなく入っても大丈夫です。
ただ、今回は低レベルのハンターさんは戦闘になった場合、HP削る可能性がありますので、気を付けてください。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)です。
このシナリオは『忍び寄る虧影』の続きシナリオとなりますが、様々なところに繋がりがあったりするので、気兼ねなく入っても大丈夫です。
ただ、今回は低レベルのハンターさんは戦闘になった場合、HP削る可能性がありますので、気を付けてください。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/11/18 15:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 オウガ(ka2124) 人間(クリムゾンウェスト)|14才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2018/11/12 21:42:12 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/12 07:58:27 |