ゲスト
(ka0000)
【研キ】予兆【落葉】
マスター:石田まきば

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(新規)
関連ユニオン
APV- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/11/22 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/12/06 19:00
オープニング
●香りの行方
エルフハイムの思想には恭順派と維新派がある。歪虚病に怯えるもののしきたりを重視し、衰退も自然の姿だとして受け入れる前者と、現状を打破するために手段を模索し続ける後者は今もエルフハイムの中に混在している。
ただ現在優勢なのは維新派であった。長老会のトップであるユレイテル・エルフハイム(kz0085)は維新派の思想を掲げており、いくつかの事件を経たことで長老としての権力も増している。エルフハイム全体としては、維新派の思想を優先した動きが表に出ることとなっていた。
ナデルハイムでハンター達との懇親会を終えたユレイテルは、オプストハイムに戻り、今後の展望を踏まえた方策を練っていた。
自身だけに関する行動ならその場で決めることはできる。しかし今の立場は長老で、軽いものではない。何だかんだと年配の同胞たちへの配慮も必要で……重い腰、のはずなのだが。
(新しい情報が出たと思えば……また忙しなくなるのだろうな)
長年の謎だったとある事件に、ついに進展が見えた。見えてしまった。
だから彼はまた森から出ることになる。最初に伝えるべきはどこだろうと考えるまでもなく、彼の足はマーフェルスへと向いていた。
「懇親会で、特に話題にあがったのはエルフハイム産の林檎でな」
「やけに唐突だな?」
片眉をあげて向かいに座るユレイテルを見るのは第三師団シュラーフドルンの師団長、カミラ・ゲーベル(kz0053)。事前の連絡もそこそこに訪れた彼の様子に、急ぎと感じた彼女は少しだけ嫌味に聞こえる言葉を向けた。無駄な話ではないと分かっているので、ただの冗談である。そうでもしなければ聞きにくい話の予感がしたからだ。
「エルフハイムでは……近年に限らず、昔から……少しずつ、森を壊さぬ範囲で、林檎の樹を増やしていたのだ」
我らにとっても林檎は大事な作物なのだ。
「それだけ慎重な手順を重ね、生育にも不備はないはずだが……なぜか、結果は予想ほど芳しくなかった。それが……毎年のことだ」
「は?」
おかしくないか、それ。
流石に表情を隠さなかったカミラに、ユレイテルも頷く。
「だが、それを調査できる状態じゃなかったのだ……ここ最近まではな」
一枚岩だなんて全くもって言えなかったエルフハイムである。疑問に思った同胞は確かに過去に居たのだが、必ずどこかで答えが得られぬようになっていた。
しかし、ユレイテルの権力が強まったこと、そして今回の再調査。やっとその片鱗を掴めたということになる。
「……まあ、予想はつくが」
で、と続きを促すカミラに、一度大きくため息をはくユレイテル。
「そうだ、横流しだ」
そしてカミラの方へ視線を向ける。それは鋭いものではなかった。ただ、同病相憐れむとも言うべきか……同類よ、と呼びかけるかのようなもの。
「ブラットハイムを経由していた」
「急に聞きたくなくなったな、その続き」
ブラットハイムは、エルフハイムの区画の中でも一番マーフェルスに近いのだ。そう、今二人が居るこの都市である。カミラが治めている師団都市、ともいう。
その立地は勿論だが、第三師団シュラーフドルンの主な任務は、エルフハイムとピースホライズンの監視である。そのお膝元で、それが行われていたのである。
「その罪人達が言うには。納入先の者の名は……ヴォールだそうだ」
「……いつまでたっても量が増えないとは思っていたが」
目を見開いてカミラは立ち上がる。
「私が好むシードルを減らしていたのはお前かぁあああ!」
正直、叫ばなければやっていられない心境だったのだ。
●追尾作戦
罪人たちは皆、ブラットハイムで林檎産業に携わる者達だった。全員ではないが、かなりの数が内在していたのである。
彼等は維新派の中でも「歪虚親和」の思想を持っていた。彼等はかつてのヴォールが研究者として名高かった頃を知っており、彼の「今の姿のまま森の外に出ることができるようになる」という言葉を信じ、彼の偉業を称え、信奉していた。だからこそヴォールが契約者となっても、下僕と呼ばれようと協力し……求められるまま、林檎を届けていた。
そもそもブラットハイムは恭順派の中でも穏健なタイプと維新派が混在しやすい区画であった。その環境で維新派のエルフ達はエルフハイム産の品を外に売り出すことを考え、実際に行商に出るものが多かった。その行商の為の商材を育てたり、加工する者も多かった。そして彼らは第三師団の駐留するマーフェルスを間口にしていた。
そんな「外」への関心が強いエルフ達を隠れ蓑にして、罪人達はヴォールとの連絡を取り合っていたのである。
そんな罪人達への取り調べは早急に行われ、彼等が次に林檎を届ける日時や手順を聞き出すことに成功し……今、ハンター達はこの場に居た。
視線の先には囮役とも言えるエルフと、林檎の詰まった、しかし林檎とは見えない様に偽装された大荷物。もうすぐ現れるという取引相手の、その後を尾行し潜伏先を突き止めようという作戦なのである。
稀にだが、ヴォール当人が来ることもあるらしいとの話にハンターの一部は血の気も高く参加表明をしていたくらいだが……今回は、あくまでも尾行作戦なのだ。
●煽る声
『取引はもう終わったのであるな』
現れた歪虚……輸送のためらしいアラクネ型歪虚の一体には、鴉型の歪虚が一羽、留まっていた。その鴉の嘴がぱかりとあいて、ヴォールの声が届けられる。
「「「ッ!!!」」」
まだ様子を見るべきだと懸命に気配を殺すハンターの方へ、鴉型の嘴が向けられた。
『下僕達が捉われたことくらい承知なのである。だがこうして遣いをやったのは、我の機が満ちる時が近づいていることを教えてもいいと考えたからである。我の気紛れに感謝してほしいくらいであるな』
「何を!」
ひとりが飛び出そうとするのも気に留めず、鴉型からは声が続く。どうも録音されたものであるらしい。
歪虚達は構えこそとっているものの、攻撃の様子はない。この声が終わるまでは動かない、そういうことなのだろうか。
『この下僕達……新たなるアラクネ型は、本来であれば既に旧型である。が、餞別として汝等への検体として提供してやるのである。精々我の研究成果、その最高傑作に怯えるとよいのである!』
エルフハイムの思想には恭順派と維新派がある。歪虚病に怯えるもののしきたりを重視し、衰退も自然の姿だとして受け入れる前者と、現状を打破するために手段を模索し続ける後者は今もエルフハイムの中に混在している。
ただ現在優勢なのは維新派であった。長老会のトップであるユレイテル・エルフハイム(kz0085)は維新派の思想を掲げており、いくつかの事件を経たことで長老としての権力も増している。エルフハイム全体としては、維新派の思想を優先した動きが表に出ることとなっていた。
ナデルハイムでハンター達との懇親会を終えたユレイテルは、オプストハイムに戻り、今後の展望を踏まえた方策を練っていた。
自身だけに関する行動ならその場で決めることはできる。しかし今の立場は長老で、軽いものではない。何だかんだと年配の同胞たちへの配慮も必要で……重い腰、のはずなのだが。
(新しい情報が出たと思えば……また忙しなくなるのだろうな)
長年の謎だったとある事件に、ついに進展が見えた。見えてしまった。
だから彼はまた森から出ることになる。最初に伝えるべきはどこだろうと考えるまでもなく、彼の足はマーフェルスへと向いていた。
「懇親会で、特に話題にあがったのはエルフハイム産の林檎でな」
「やけに唐突だな?」
片眉をあげて向かいに座るユレイテルを見るのは第三師団シュラーフドルンの師団長、カミラ・ゲーベル(kz0053)。事前の連絡もそこそこに訪れた彼の様子に、急ぎと感じた彼女は少しだけ嫌味に聞こえる言葉を向けた。無駄な話ではないと分かっているので、ただの冗談である。そうでもしなければ聞きにくい話の予感がしたからだ。
「エルフハイムでは……近年に限らず、昔から……少しずつ、森を壊さぬ範囲で、林檎の樹を増やしていたのだ」
我らにとっても林檎は大事な作物なのだ。
「それだけ慎重な手順を重ね、生育にも不備はないはずだが……なぜか、結果は予想ほど芳しくなかった。それが……毎年のことだ」
「は?」
おかしくないか、それ。
流石に表情を隠さなかったカミラに、ユレイテルも頷く。
「だが、それを調査できる状態じゃなかったのだ……ここ最近まではな」
一枚岩だなんて全くもって言えなかったエルフハイムである。疑問に思った同胞は確かに過去に居たのだが、必ずどこかで答えが得られぬようになっていた。
しかし、ユレイテルの権力が強まったこと、そして今回の再調査。やっとその片鱗を掴めたということになる。
「……まあ、予想はつくが」
で、と続きを促すカミラに、一度大きくため息をはくユレイテル。
「そうだ、横流しだ」
そしてカミラの方へ視線を向ける。それは鋭いものではなかった。ただ、同病相憐れむとも言うべきか……同類よ、と呼びかけるかのようなもの。
「ブラットハイムを経由していた」
「急に聞きたくなくなったな、その続き」
ブラットハイムは、エルフハイムの区画の中でも一番マーフェルスに近いのだ。そう、今二人が居るこの都市である。カミラが治めている師団都市、ともいう。
その立地は勿論だが、第三師団シュラーフドルンの主な任務は、エルフハイムとピースホライズンの監視である。そのお膝元で、それが行われていたのである。
「その罪人達が言うには。納入先の者の名は……ヴォールだそうだ」
「……いつまでたっても量が増えないとは思っていたが」
目を見開いてカミラは立ち上がる。
「私が好むシードルを減らしていたのはお前かぁあああ!」
正直、叫ばなければやっていられない心境だったのだ。
●追尾作戦
罪人たちは皆、ブラットハイムで林檎産業に携わる者達だった。全員ではないが、かなりの数が内在していたのである。
彼等は維新派の中でも「歪虚親和」の思想を持っていた。彼等はかつてのヴォールが研究者として名高かった頃を知っており、彼の「今の姿のまま森の外に出ることができるようになる」という言葉を信じ、彼の偉業を称え、信奉していた。だからこそヴォールが契約者となっても、下僕と呼ばれようと協力し……求められるまま、林檎を届けていた。
そもそもブラットハイムは恭順派の中でも穏健なタイプと維新派が混在しやすい区画であった。その環境で維新派のエルフ達はエルフハイム産の品を外に売り出すことを考え、実際に行商に出るものが多かった。その行商の為の商材を育てたり、加工する者も多かった。そして彼らは第三師団の駐留するマーフェルスを間口にしていた。
そんな「外」への関心が強いエルフ達を隠れ蓑にして、罪人達はヴォールとの連絡を取り合っていたのである。
そんな罪人達への取り調べは早急に行われ、彼等が次に林檎を届ける日時や手順を聞き出すことに成功し……今、ハンター達はこの場に居た。
視線の先には囮役とも言えるエルフと、林檎の詰まった、しかし林檎とは見えない様に偽装された大荷物。もうすぐ現れるという取引相手の、その後を尾行し潜伏先を突き止めようという作戦なのである。
稀にだが、ヴォール当人が来ることもあるらしいとの話にハンターの一部は血の気も高く参加表明をしていたくらいだが……今回は、あくまでも尾行作戦なのだ。
●煽る声
『取引はもう終わったのであるな』
現れた歪虚……輸送のためらしいアラクネ型歪虚の一体には、鴉型の歪虚が一羽、留まっていた。その鴉の嘴がぱかりとあいて、ヴォールの声が届けられる。
「「「ッ!!!」」」
まだ様子を見るべきだと懸命に気配を殺すハンターの方へ、鴉型の嘴が向けられた。
『下僕達が捉われたことくらい承知なのである。だがこうして遣いをやったのは、我の機が満ちる時が近づいていることを教えてもいいと考えたからである。我の気紛れに感謝してほしいくらいであるな』
「何を!」
ひとりが飛び出そうとするのも気に留めず、鴉型からは声が続く。どうも録音されたものであるらしい。
歪虚達は構えこそとっているものの、攻撃の様子はない。この声が終わるまでは動かない、そういうことなのだろうか。
『この下僕達……新たなるアラクネ型は、本来であれば既に旧型である。が、餞別として汝等への検体として提供してやるのである。精々我の研究成果、その最高傑作に怯えるとよいのである!』
解説
*目的
アラクネB型を殲滅せよ
*状況
ヴォールの拠点を突き止めようと集められたハンター達は、ハズレを引かされました
その怒気を敵への攻撃に籠めましょう
*場所
ブラットハイムから、大峡谷のある方角へ進んで行った先、エルフハイムを示す意味での森の外縁部
(木々に隠れることが可能です)
*敵勢力
アラクネB型(リプレイではアラクネと表記)
サイズ2 6体
過去リプレイ「はじまりの土地」で対峙したA型より強力になった剣機型歪虚
しかし時勢の変化に伴い旧式扱いをされ、今は輸送担当という雑用係
大型の蜘蛛を素体にした剣機
身体部分が肥大しており、全体的に機械パーツで補強されている
肥大した部分は、内部に物を格納するためらしき扉が付けられている
射出口はないようだが、内部は見通せない為中に何かが入っている可能性は否定できない
鋭い脚先:剣などの近接攻撃と同等の扱い。2~4回攻撃可能(回数がランダム。スキル扱いの為、攻撃判定時に命中値は下がらない)
格納されている楔:汚染結界、もしくは汚染弾頭と呼ばれていた代物
6体の内2体に格納されているが、視認での判別は不可能
2体に挟まれた状態になった場合のみ効果が発揮されるため、戦闘中に気付くこととなる
効果は「行動阻害」(抵抗不可能)と、「移動不能」(抵抗に成功すればそのラウンドは付与されない。範囲内に居る限り毎ラウンドのはじめに抵抗判定が必要になる)
鴉型歪虚
頭部にカメラ、嘴はスピーカー
戦闘能力は雑魚レベル
*NPC
ユレイテル
依頼人
同行しませんが質問等への返答役、出発24時間前までにお願いいたします
ヴォール
現地に居ないにっくきアイツ
鴉型歪虚に録音データをのせて、本人は拠点に居ます
囮役のエルフと林檎
警備隊の若手、自分の身を護る(退避する)ことは可能
*注意
白紙はリプレイに描写することができません
参加したらとりあえず『アラクネ型を斃す』とでも送信しておきましょう
アラクネB型を殲滅せよ
*状況
ヴォールの拠点を突き止めようと集められたハンター達は、ハズレを引かされました
その怒気を敵への攻撃に籠めましょう
*場所
ブラットハイムから、大峡谷のある方角へ進んで行った先、エルフハイムを示す意味での森の外縁部
(木々に隠れることが可能です)
*敵勢力
アラクネB型(リプレイではアラクネと表記)
サイズ2 6体
過去リプレイ「はじまりの土地」で対峙したA型より強力になった剣機型歪虚
しかし時勢の変化に伴い旧式扱いをされ、今は輸送担当という雑用係
大型の蜘蛛を素体にした剣機
身体部分が肥大しており、全体的に機械パーツで補強されている
肥大した部分は、内部に物を格納するためらしき扉が付けられている
射出口はないようだが、内部は見通せない為中に何かが入っている可能性は否定できない
鋭い脚先:剣などの近接攻撃と同等の扱い。2~4回攻撃可能(回数がランダム。スキル扱いの為、攻撃判定時に命中値は下がらない)
格納されている楔:汚染結界、もしくは汚染弾頭と呼ばれていた代物
6体の内2体に格納されているが、視認での判別は不可能
2体に挟まれた状態になった場合のみ効果が発揮されるため、戦闘中に気付くこととなる
効果は「行動阻害」(抵抗不可能)と、「移動不能」(抵抗に成功すればそのラウンドは付与されない。範囲内に居る限り毎ラウンドのはじめに抵抗判定が必要になる)
鴉型歪虚
頭部にカメラ、嘴はスピーカー
戦闘能力は雑魚レベル
*NPC
ユレイテル
依頼人
同行しませんが質問等への返答役、出発24時間前までにお願いいたします
ヴォール
現地に居ないにっくきアイツ
鴉型歪虚に録音データをのせて、本人は拠点に居ます
囮役のエルフと林檎
警備隊の若手、自分の身を護る(退避する)ことは可能
*注意
白紙はリプレイに描写することができません
参加したらとりあえず『アラクネ型を斃す』とでも送信しておきましょう
マスターより
こんにちは、それともこんばんは、石田まきばです。
長らく潜伏していた存在の気配を察知することとなりました。
今回はヴォール当人と会う事は出来ませんが、ヴォールはやはりヴォールである、とお伝えしておきます。
最終的にはアラクネ型ではない歪虚を連れてくることになるのですが……あくまでも予兆ということで。
カミラは悔しがりつつも兵を出せませんでした、ラズビルナム関連で巫女達と共に忙しいのです、無念!
シャイネは単純に近隣に居ませんでした、帝国各地で詩っていますのでね!
スケジュール調整の都合でリプレイの納期を延長しています、申し訳ありませんがご了承くださいませ。
それでは、よろしくお願いします。
長らく潜伏していた存在の気配を察知することとなりました。
今回はヴォール当人と会う事は出来ませんが、ヴォールはやはりヴォールである、とお伝えしておきます。
最終的にはアラクネ型ではない歪虚を連れてくることになるのですが……あくまでも予兆ということで。
カミラは悔しがりつつも兵を出せませんでした、ラズビルナム関連で巫女達と共に忙しいのです、無念!
シャイネは単純に近隣に居ませんでした、帝国各地で詩っていますのでね!
スケジュール調整の都合でリプレイの納期を延長しています、申し訳ありませんがご了承くださいませ。
それでは、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/11/29 10:57
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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アラクネ殲滅 シルヴェイラ(ka0726) エルフ|21才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/11/21 22:15:17 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/19 20:04:57 |