ゲスト
(ka0000)
【空蒼】長い夜
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/11/16 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/11/25 19:00
オープニング
「すまんな、無理を言って」
ムーンリーフ財団トモネ・ムーンリーフは月面基地『崑崙』の廊下をハンターと共に歩いていた。
大規模宇宙ステーション『ニダヴェリール』の管理権限を移譲されたトモネではあるが、財団としての財力や技術力は地球と共に封印されてしまった。今や、ニダヴェリールだけが財団の中枢と言っても差し支えない。
それでもトモネは悲観してはいなかった。
「落ち込んでいると思ったか? 残念ながらそのような暇はなくてな。ニダヴェリールの故障箇所を修繕すると共に反重力バリアのチェック。いつでも出撃できるように準備せねばならんのだ」
ニダヴェリールの管理権限を移譲されたという事は、ニダヴェリールを整備する権利と義務を保有する事になる。メインコンピュータがある程度は代行してくれるが、トモネが判断しなければならないケースも少なくない。
さらに有事となれば宇宙ステーションとしての機能を利用できるようにしておかなければならない。万一、崑崙が襲撃されて避難民を受け入れる事態が起こるとも限らない。
「厄介な物を寄越しおって……」
ポツリと呟くトモネ。
その横顔が、やや寂しそうにも見える。
ハンターが顔を覗き込んでいた事に気付いたトモネは、顔を左右に振って脳裏の考えを必死で振り払う。
「お、おほん。それより一緒に来て貰ったのは他でもない。あやつがこの先の部屋で待っておるのだ」
今日、ハンターがトモネと共に訪れたのは崑崙内に設けられたとある部屋だ。
それは身柄を拘束された罪人が、外部の人間と顔を合わせる事が許される唯一の部屋。
つまり、トモネがこの部屋を訪れた理由は――。
「久しぶりなのだ……ユーキと顔を合わせるのは」
ユーキ・ソリアーノ。
黙示騎士シュレディンガーの側へついてニダヴェリールを強奪した犯人であるが、実は強化人間となって昏睡状態にされた先代総帥の仇を取る為――シュレディンガーの傍へ単身潜り込んだ事が判明した。
最終的にユーキは財団を守る為、かかった嫌疑をすべて一人で引き受けて殺されようとしていたのだが――。
「結果としてユーキを説得して死のうとする事は止められたのだが……あれからユーキと何を話せば良いか分からなくてな」
少し視線を下に向けながら歩くトモネ。
ニダヴェリールを奪還した時点で身柄を拘束されたユーキ。トモネは、それ以来ユーキと会ってはいなかった。罪を裁くにも裁くべき人間は地球で一緒に封印されている。統一連合宙軍も再編中であり、ユーキへの処遇も保留とされていた。
独房で一人、ユーキは何を思っているのか。
先代への感謝か。
財団存続への願いか。
それとも――。
ユーキの身を案じるトモネだが、心配は日に日に大きくなっていく。
そんなユーキと会えない日々がトモネの背中を押したのだろうか。
気付けば、崑崙へユーキとの面会申請を行っていた。
だが、いざ会うとなればトモネの心に緊張が走る。
「一人で会うのは心配だったのだが、お前達がいれば何とかなるだろう。……頼むぞ」
●
「面会だ」
見張り役の軍人が、部屋の中にいた男に声をかける。
男が返事するよりも早く、鋼鉄の扉が開かれる。
同時に流れ込んでくる外気。密閉されている訳ではないのに、扉一枚で空気がまったく違うような錯覚。
身柄を拘束されただけで手錠はされていないが、それでもこの感覚は独特だ。
「すいません、少しだけ待ってもらえませんか?」
男は見張りにそう懇願する。
身柄を拘束したといっても裁きを受けられるかも分からない状況。それに情状酌量の余地がある事は崑崙の軍人なら誰でも知っている。見張りも男をぞんざいに扱ったりはしない。
「あまり時間はないぞ」
「はい。少しでも身嗜みを整えさせて下さい」
手早く服についた誇りを払いながら、小さな鏡で髪の乱れを手櫛ですく。
これから会うあの方にみすぼらしい姿は見せられない。
できる限りあの方と一緒に過ごした日々に外見を近付けなければならない。
そうでなければ、あの方はきっと強く落ち込むだろうから。
「いけませんね。感傷的になっては」
胸の小さなポケットから懐中時計を取り出した。
没収されなくてよかった。
先代からの大切な贈り物。今も元気に時を刻み続けている。
男――ユーキ・ソリアーノは、胸を張って扉を潜る。
あの先にある扉の向こうでトモネが待っている事を予感しながら。
ムーンリーフ財団トモネ・ムーンリーフは月面基地『崑崙』の廊下をハンターと共に歩いていた。
大規模宇宙ステーション『ニダヴェリール』の管理権限を移譲されたトモネではあるが、財団としての財力や技術力は地球と共に封印されてしまった。今や、ニダヴェリールだけが財団の中枢と言っても差し支えない。
それでもトモネは悲観してはいなかった。
「落ち込んでいると思ったか? 残念ながらそのような暇はなくてな。ニダヴェリールの故障箇所を修繕すると共に反重力バリアのチェック。いつでも出撃できるように準備せねばならんのだ」
ニダヴェリールの管理権限を移譲されたという事は、ニダヴェリールを整備する権利と義務を保有する事になる。メインコンピュータがある程度は代行してくれるが、トモネが判断しなければならないケースも少なくない。
さらに有事となれば宇宙ステーションとしての機能を利用できるようにしておかなければならない。万一、崑崙が襲撃されて避難民を受け入れる事態が起こるとも限らない。
「厄介な物を寄越しおって……」
ポツリと呟くトモネ。
その横顔が、やや寂しそうにも見える。
ハンターが顔を覗き込んでいた事に気付いたトモネは、顔を左右に振って脳裏の考えを必死で振り払う。
「お、おほん。それより一緒に来て貰ったのは他でもない。あやつがこの先の部屋で待っておるのだ」
今日、ハンターがトモネと共に訪れたのは崑崙内に設けられたとある部屋だ。
それは身柄を拘束された罪人が、外部の人間と顔を合わせる事が許される唯一の部屋。
つまり、トモネがこの部屋を訪れた理由は――。
「久しぶりなのだ……ユーキと顔を合わせるのは」
ユーキ・ソリアーノ。
黙示騎士シュレディンガーの側へついてニダヴェリールを強奪した犯人であるが、実は強化人間となって昏睡状態にされた先代総帥の仇を取る為――シュレディンガーの傍へ単身潜り込んだ事が判明した。
最終的にユーキは財団を守る為、かかった嫌疑をすべて一人で引き受けて殺されようとしていたのだが――。
「結果としてユーキを説得して死のうとする事は止められたのだが……あれからユーキと何を話せば良いか分からなくてな」
少し視線を下に向けながら歩くトモネ。
ニダヴェリールを奪還した時点で身柄を拘束されたユーキ。トモネは、それ以来ユーキと会ってはいなかった。罪を裁くにも裁くべき人間は地球で一緒に封印されている。統一連合宙軍も再編中であり、ユーキへの処遇も保留とされていた。
独房で一人、ユーキは何を思っているのか。
先代への感謝か。
財団存続への願いか。
それとも――。
ユーキの身を案じるトモネだが、心配は日に日に大きくなっていく。
そんなユーキと会えない日々がトモネの背中を押したのだろうか。
気付けば、崑崙へユーキとの面会申請を行っていた。
だが、いざ会うとなればトモネの心に緊張が走る。
「一人で会うのは心配だったのだが、お前達がいれば何とかなるだろう。……頼むぞ」
●
「面会だ」
見張り役の軍人が、部屋の中にいた男に声をかける。
男が返事するよりも早く、鋼鉄の扉が開かれる。
同時に流れ込んでくる外気。密閉されている訳ではないのに、扉一枚で空気がまったく違うような錯覚。
身柄を拘束されただけで手錠はされていないが、それでもこの感覚は独特だ。
「すいません、少しだけ待ってもらえませんか?」
男は見張りにそう懇願する。
身柄を拘束したといっても裁きを受けられるかも分からない状況。それに情状酌量の余地がある事は崑崙の軍人なら誰でも知っている。見張りも男をぞんざいに扱ったりはしない。
「あまり時間はないぞ」
「はい。少しでも身嗜みを整えさせて下さい」
手早く服についた誇りを払いながら、小さな鏡で髪の乱れを手櫛ですく。
これから会うあの方にみすぼらしい姿は見せられない。
できる限りあの方と一緒に過ごした日々に外見を近付けなければならない。
そうでなければ、あの方はきっと強く落ち込むだろうから。
「いけませんね。感傷的になっては」
胸の小さなポケットから懐中時計を取り出した。
没収されなくてよかった。
先代からの大切な贈り物。今も元気に時を刻み続けている。
男――ユーキ・ソリアーノは、胸を張って扉を潜る。
あの先にある扉の向こうでトモネが待っている事を予感しながら。
解説
目的:トモネとユーキの席巻に同席して二人の関係を取り持つ
概要:崑崙内にある収監された人間との面会ルーム。強化アクリル板で仕切れた部屋であり、お互いの顔は見えるが、声はマイク越しで聞く事になる。トモネもニダヴェリールが奪還されてからは落ち着いていたのですが、いざとなるとうまく話せない様子です。ハンターがうまく話を引き出してユーキと話しやすい空気を作ってあげて下さい。
備考:
ユーキに対して食品やお茶などの差し入れは禁止されていますが、それ以外であれば差し入れは可能です。ユーキは身柄は拘束されいますが、事情を鑑みてそれなりに自由は認められているようです。独房でよく本を読んでいます。
またユーキやトモネに質問や提案なども可能です。半ばフリーアタックシナリオとなっています。
二人の今後を考えてどうあるべきかをこの場で提案してみては如何でしょうか。
ちなみにユーキもトモネもクリムゾンウェストへ転移した事は理解していますが、それ以外の状況は「地球が凍結された事」「それによって財団も今は無力化状態である事」程度です。
※注意
面会ルームで破壊活動などを行うと見張りの軍人や飛んできてユーキとの、面会中止だけではなく、暴れたハンターはユーキの隣の独房へ身柄を拘束される可能性があります。
質問がある場合は出発24時間前までにお願いします。回答はキュジィが行います。
概要:崑崙内にある収監された人間との面会ルーム。強化アクリル板で仕切れた部屋であり、お互いの顔は見えるが、声はマイク越しで聞く事になる。トモネもニダヴェリールが奪還されてからは落ち着いていたのですが、いざとなるとうまく話せない様子です。ハンターがうまく話を引き出してユーキと話しやすい空気を作ってあげて下さい。
備考:
ユーキに対して食品やお茶などの差し入れは禁止されていますが、それ以外であれば差し入れは可能です。ユーキは身柄は拘束されいますが、事情を鑑みてそれなりに自由は認められているようです。独房でよく本を読んでいます。
またユーキやトモネに質問や提案なども可能です。半ばフリーアタックシナリオとなっています。
二人の今後を考えてどうあるべきかをこの場で提案してみては如何でしょうか。
ちなみにユーキもトモネもクリムゾンウェストへ転移した事は理解していますが、それ以外の状況は「地球が凍結された事」「それによって財団も今は無力化状態である事」程度です。
※注意
面会ルームで破壊活動などを行うと見張りの軍人や飛んできてユーキとの、面会中止だけではなく、暴れたハンターはユーキの隣の独房へ身柄を拘束される可能性があります。
質問がある場合は出発24時間前までにお願いします。回答はキュジィが行います。
マスターより
近藤豊です。
ニダヴェリールが奪還された後のトモネとユーキに関わるシナリオです。事実上のフリーアタックシナリオですが、危険な行為をすれば軍人がすっ飛んで来ます。二人の間を取り持ちながら、ニダヴェリールの運用方針や兵装見直し、もしくはユーキも処遇などを提案してみては如何でしょうか。もしかすると……。
それでは、じゃがバターを肴にお待ちしています。
ニダヴェリールが奪還された後のトモネとユーキに関わるシナリオです。事実上のフリーアタックシナリオですが、危険な行為をすれば軍人がすっ飛んで来ます。二人の間を取り持ちながら、ニダヴェリールの運用方針や兵装見直し、もしくはユーキも処遇などを提案してみては如何でしょうか。もしかすると……。
それでは、じゃがバターを肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/11/18 17:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 マリナ アルフェウス(ka6934) オートマトン|17才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2018/11/13 22:20:31 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/13 22:18:07 |