ゲスト
(ka0000)
復興の一歩目
マスター:びなっす

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/11/21 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/11/30 07:30
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
リベルタース地方の南西に位置するアドニス領。
その最南端に位置する丘の上に立つ館の自室で、アドニス領主クリフォード・アベル・ラヴィンスは、ある調査から戻ってきた文官の報告を受けていた。
「……エスト村の状況は思ったよりも酷く、このままではいずれ機能しなくなります」
「そうか、予想はしていたが厄介な状況だな」
部下の報告に対し、クリフォードは顎に手を当て考える。
エスト村。この丘の麓にある村で、長い間ゴブリンの脅威にさらされ続け、崩壊寸前まで追い詰められていた村だったが……
先の戦いで、ハンター達の救援により、ゴブリンの脅威を見事退ける事が出来た。
だが、それまでの戦いの影響で、村の民家のほとんどは荒らされ、一部を守っていた壁も壊れてしまった。
このまま、ゴブリンの生き残りや別の脅威に攻められてしまえば、村を守ることも難しくなるだろう。
更に、村には収入源がほとんど無く、食料が確保できる川や林は、現在雑魔によって蹂躙されているとのことだ。
村人は、日々の食料を手に入れる事もままならない状態なのだという。
「今まで、この村はどうやって生計を立てていたんだ?」
「元々は農業が盛んな村だったようですね。しかし、今はその農地も荒らされ、狭い場所に作った畑で自給自足をしているようです」
「農地の事については今まで触れたこともないから分からないが……それを元に戻すことは出来ないのか?」
「幸い、土は生きているようなので、整えることさえ出来れば……しかし、それも多くの時間と人手が掛かるでしょう。更に農地を広げたところで、それを管理する程の人手がありません。彼らは狭い場所の畑で手一杯の状況でした」
「そうか。そちらの方面での収入は難しいか……」
さっそく一つの可能性を潰され、面白くない表情をするクリフォード。
すると、報告をしていた文官の隣にいた武官が口を開く。
「それについては、私に意見があります!」
「ほぉ、続けてくれ」
「私も村へ同行してきましたが……彼らのやり方は、無駄が多く非効率的です。彼らに効率のいいやり方を教えれば、広い農地でもやっていけるでしょう」
「ふむ。確か、君は農村出身だったね」
「はい。私はクリフォード様に剣の腕を買われ、武官となりました。が、畑の事も熟知しております」
目の前の武官は、元は農村で農作業に勤しんでいたが……元々腕っ節が強く、それに加え覚醒者ということもあり、ただの農夫にしておくには惜しい人材だった。
それをたまたま目に留めたクリフォードが、兵士として招き入れたのが始まりだ。
「なるほど……農地に関しては君に任せた方が確実だな。彼らに手ほどきをしてやってくれ」
「はっ、分かりました!」
これで上手く行けば、収入面は多少の希望を持てそうだ。
「農地を広げるとなると……それらを守る柵も必要になりますね。あの辺りは害獣も多いです。そのまま放置という訳にもいかないでしょう。それに関しては、人の住めなくなった家を解体し、それを資材として使えばいいとは思いますが……更に人手が掛かります。農地の件と合わせて、数ヶ月は掛かるのではないかと思われます」
「それは作物の収穫までにかな?」
「いえ、始めるのにです」
「思ったよりも大変なのだな」
今まで領民の仕事の内容など考えもしなかった彼は、思いのほか前途多難な内容に辟易する。
「あとは、村の防衛力の問題ですね……ゴブリンのような亜種族がいつ攻めてくるかも分かりません。一応、エスト村には自警団が存在しているようですが」
「ほぉ、自警団か……それで、その自警団は使えるのか?」
「個々の戦闘能力は高いとは言えませんが、連携力はあります。団をまとめている青年がいるのですが、どうやら彼の指揮力が高いようですね」
「ふむ、できることなら兵士として迎い入れたいところだが……」
「難しいでしょうね。彼らは前領主の蛮行により、我々にもいい感情を抱いておりません」
「前領主の話は聞いていたが……さて、どうしたものか」
クリフォードは少しの間考えるそぶりを見せ、何かを思いついたのか、側にいた青髪の騎士の方を見る。
「スティーユ、君が行って彼らに戦い方を指導して来てくれないか? 個々の能力が上がれば、ゴブリン共に遅れは取られまい」
それを聞いた文官が、驚愕しクリフォードに言う。
「……本気ですか? 彼らが大人しく指導を受けるとは思えませんが……」
「情けないことだが、今の我々では村の防衛にそこまでの力を割くことは出来ない。当面は自分達の身は自分達で守ってもらう」
領地を統べる領主として、その発言は自らの力不足を意味しているのだが……本当に戦力が不足しているのだからどうしようもない。
彼らが考えなければならないのは、この村のことだけではない。
この領地には、まだまだ対処しなければならない問題が山ほどあるのだから。
結果、ひとまず村の状況の改善を目的に、先程の二人と青髪の騎士を含めた三人がエトナ村へ向かうことになった。
三人を見送ったクリフォードは、何かを思い付き呟く。
「ハンターズソサエティにも依頼を出しておこうか。普通の人間なら数ヶ月は掛かる作業でも、彼等なら上手く事を進められるかもしれない」
「……ハンターを頼るのは結構ですが、あの三人にもそれを伝えた方が良かったのでは?」
館に残っていた赤い羽織の文官は、クリフォードの思い付きの言葉に苦い顔をする。
「いやなに、彼らなら上手くやってくれるさ」
それは信頼ゆえのものなのか、ただ適当なだけなのか……
赤い羽織りの文官は判断に困り、村へ向かった三人に同情した。
エスト村では、突然現れた新領主に対し希望を持っている者、不安を持っている者がそれぞれいた。
「新領主か……胡散臭いな。復興とは言っているが、一体何が目的なんだ?」
青年グレンは渋い顔をしながら、緑髪の青年ことナクトに言う。
ナクトはグレンと同じく、疑いを持った表情をしながら口を開いた。
「税に関しては、当面は納めなくていいって言われたけど……怪しいね」
「そんな上手い話があるわけ無い。何かがあるはずだ」
グレン達は領主を無条件に信じる事はできなかった。
以前、散々重い税を搾取され、厳しい生活を強いり、領地に危険が及ぶとすぐさま逃げ出した前領主を思い出す。
冷静に考えれば、こんな見捨てられた地に真っ当な領主が来るはずがない。
何か良くない企みがあるに決まっている。
そう、グレン達は領主に対し警戒心を剥き出しにした。
そこに、メンバーの一人がグレンの元へと駆け寄る。
「グレン、また丘の館から領主の使いが来たぞ」
「またか……連中の動きに注意しろ。何があるのか分からないぞ」
グレンは仲間にそう言い、丘の上から来る使いに目を光らせた。
リベルタース地方の南西に位置するアドニス領。
その最南端に位置する丘の上に立つ館の自室で、アドニス領主クリフォード・アベル・ラヴィンスは、ある調査から戻ってきた文官の報告を受けていた。
「……エスト村の状況は思ったよりも酷く、このままではいずれ機能しなくなります」
「そうか、予想はしていたが厄介な状況だな」
部下の報告に対し、クリフォードは顎に手を当て考える。
エスト村。この丘の麓にある村で、長い間ゴブリンの脅威にさらされ続け、崩壊寸前まで追い詰められていた村だったが……
先の戦いで、ハンター達の救援により、ゴブリンの脅威を見事退ける事が出来た。
だが、それまでの戦いの影響で、村の民家のほとんどは荒らされ、一部を守っていた壁も壊れてしまった。
このまま、ゴブリンの生き残りや別の脅威に攻められてしまえば、村を守ることも難しくなるだろう。
更に、村には収入源がほとんど無く、食料が確保できる川や林は、現在雑魔によって蹂躙されているとのことだ。
村人は、日々の食料を手に入れる事もままならない状態なのだという。
「今まで、この村はどうやって生計を立てていたんだ?」
「元々は農業が盛んな村だったようですね。しかし、今はその農地も荒らされ、狭い場所に作った畑で自給自足をしているようです」
「農地の事については今まで触れたこともないから分からないが……それを元に戻すことは出来ないのか?」
「幸い、土は生きているようなので、整えることさえ出来れば……しかし、それも多くの時間と人手が掛かるでしょう。更に農地を広げたところで、それを管理する程の人手がありません。彼らは狭い場所の畑で手一杯の状況でした」
「そうか。そちらの方面での収入は難しいか……」
さっそく一つの可能性を潰され、面白くない表情をするクリフォード。
すると、報告をしていた文官の隣にいた武官が口を開く。
「それについては、私に意見があります!」
「ほぉ、続けてくれ」
「私も村へ同行してきましたが……彼らのやり方は、無駄が多く非効率的です。彼らに効率のいいやり方を教えれば、広い農地でもやっていけるでしょう」
「ふむ。確か、君は農村出身だったね」
「はい。私はクリフォード様に剣の腕を買われ、武官となりました。が、畑の事も熟知しております」
目の前の武官は、元は農村で農作業に勤しんでいたが……元々腕っ節が強く、それに加え覚醒者ということもあり、ただの農夫にしておくには惜しい人材だった。
それをたまたま目に留めたクリフォードが、兵士として招き入れたのが始まりだ。
「なるほど……農地に関しては君に任せた方が確実だな。彼らに手ほどきをしてやってくれ」
「はっ、分かりました!」
これで上手く行けば、収入面は多少の希望を持てそうだ。
「農地を広げるとなると……それらを守る柵も必要になりますね。あの辺りは害獣も多いです。そのまま放置という訳にもいかないでしょう。それに関しては、人の住めなくなった家を解体し、それを資材として使えばいいとは思いますが……更に人手が掛かります。農地の件と合わせて、数ヶ月は掛かるのではないかと思われます」
「それは作物の収穫までにかな?」
「いえ、始めるのにです」
「思ったよりも大変なのだな」
今まで領民の仕事の内容など考えもしなかった彼は、思いのほか前途多難な内容に辟易する。
「あとは、村の防衛力の問題ですね……ゴブリンのような亜種族がいつ攻めてくるかも分かりません。一応、エスト村には自警団が存在しているようですが」
「ほぉ、自警団か……それで、その自警団は使えるのか?」
「個々の戦闘能力は高いとは言えませんが、連携力はあります。団をまとめている青年がいるのですが、どうやら彼の指揮力が高いようですね」
「ふむ、できることなら兵士として迎い入れたいところだが……」
「難しいでしょうね。彼らは前領主の蛮行により、我々にもいい感情を抱いておりません」
「前領主の話は聞いていたが……さて、どうしたものか」
クリフォードは少しの間考えるそぶりを見せ、何かを思いついたのか、側にいた青髪の騎士の方を見る。
「スティーユ、君が行って彼らに戦い方を指導して来てくれないか? 個々の能力が上がれば、ゴブリン共に遅れは取られまい」
それを聞いた文官が、驚愕しクリフォードに言う。
「……本気ですか? 彼らが大人しく指導を受けるとは思えませんが……」
「情けないことだが、今の我々では村の防衛にそこまでの力を割くことは出来ない。当面は自分達の身は自分達で守ってもらう」
領地を統べる領主として、その発言は自らの力不足を意味しているのだが……本当に戦力が不足しているのだからどうしようもない。
彼らが考えなければならないのは、この村のことだけではない。
この領地には、まだまだ対処しなければならない問題が山ほどあるのだから。
結果、ひとまず村の状況の改善を目的に、先程の二人と青髪の騎士を含めた三人がエトナ村へ向かうことになった。
三人を見送ったクリフォードは、何かを思い付き呟く。
「ハンターズソサエティにも依頼を出しておこうか。普通の人間なら数ヶ月は掛かる作業でも、彼等なら上手く事を進められるかもしれない」
「……ハンターを頼るのは結構ですが、あの三人にもそれを伝えた方が良かったのでは?」
館に残っていた赤い羽織の文官は、クリフォードの思い付きの言葉に苦い顔をする。
「いやなに、彼らなら上手くやってくれるさ」
それは信頼ゆえのものなのか、ただ適当なだけなのか……
赤い羽織りの文官は判断に困り、村へ向かった三人に同情した。
エスト村では、突然現れた新領主に対し希望を持っている者、不安を持っている者がそれぞれいた。
「新領主か……胡散臭いな。復興とは言っているが、一体何が目的なんだ?」
青年グレンは渋い顔をしながら、緑髪の青年ことナクトに言う。
ナクトはグレンと同じく、疑いを持った表情をしながら口を開いた。
「税に関しては、当面は納めなくていいって言われたけど……怪しいね」
「そんな上手い話があるわけ無い。何かがあるはずだ」
グレン達は領主を無条件に信じる事はできなかった。
以前、散々重い税を搾取され、厳しい生活を強いり、領地に危険が及ぶとすぐさま逃げ出した前領主を思い出す。
冷静に考えれば、こんな見捨てられた地に真っ当な領主が来るはずがない。
何か良くない企みがあるに決まっている。
そう、グレン達は領主に対し警戒心を剥き出しにした。
そこに、メンバーの一人がグレンの元へと駆け寄る。
「グレン、また丘の館から領主の使いが来たぞ」
「またか……連中の動きに注意しろ。何があるのか分からないぞ」
グレンは仲間にそう言い、丘の上から来る使いに目を光らせた。
解説
●目的
エスト村の状況を良くする。
●やること
農地の整備。村を守る柵作り。自警団の説得。
一人が複数の作業に手を付ける事が可能ですが、その分効率は落ちてしまいます。
一つの作業に集中するか、複数の作業に手を付けるか……そこは各々の判断でお願いします。
●農地の整備。
更地、荒地を耕し整地する。
広範囲の土地を整えるため、多くの人手と時間がかかります。
どうにか工夫をして、なるべく広い範囲を耕してください。
●村を守る柵作り。
廃屋を解体して、その資材を使い、村の周りに柵を作ってください。
村全体を囲う程の柵があれば言うこと無しですが……特別な方法を使わない限り、圧倒的に資材と時間が足りません。
なので、ひとまず農地の周りを優先させてください。(農地だけなら、村の中の資材だけで事足ります)
近くに林もあるので、そこで資材の調達も可能です。
資材とやり方によって、柵の質も変わってきます。
●自警団の説得。
青髪の騎士が、自警団のメンバーに戦い方を指導しようとしますが……自警団のメンバーは、それを認めません。
青髪の騎士は領主の配下であるため、強く疑い介入を拒みます。
ただし、ハンターに対しては村を救ってもらった恩があるので、多少話は通じるかもしれません。
どうにか青髪に騎士と自警団のメンバーの仲介をお願いします。
エスト村の状況を良くする。
●やること
農地の整備。村を守る柵作り。自警団の説得。
一人が複数の作業に手を付ける事が可能ですが、その分効率は落ちてしまいます。
一つの作業に集中するか、複数の作業に手を付けるか……そこは各々の判断でお願いします。
●農地の整備。
更地、荒地を耕し整地する。
広範囲の土地を整えるため、多くの人手と時間がかかります。
どうにか工夫をして、なるべく広い範囲を耕してください。
●村を守る柵作り。
廃屋を解体して、その資材を使い、村の周りに柵を作ってください。
村全体を囲う程の柵があれば言うこと無しですが……特別な方法を使わない限り、圧倒的に資材と時間が足りません。
なので、ひとまず農地の周りを優先させてください。(農地だけなら、村の中の資材だけで事足ります)
近くに林もあるので、そこで資材の調達も可能です。
資材とやり方によって、柵の質も変わってきます。
●自警団の説得。
青髪の騎士が、自警団のメンバーに戦い方を指導しようとしますが……自警団のメンバーは、それを認めません。
青髪の騎士は領主の配下であるため、強く疑い介入を拒みます。
ただし、ハンターに対しては村を救ってもらった恩があるので、多少話は通じるかもしれません。
どうにか青髪に騎士と自警団のメンバーの仲介をお願いします。
マスターより
こんにちは。駆け出しマスターのびなっすです。
今回は、長い間放置され荒らされた土地をどうにか整えようというシナリオです。
今回のシナリオの結果次第で、今後のシナリオに大きく影響していきます。
理想は全てを満遍なく整えることですが……重要と思った場所だけを重点的に整えていくのもありです。
どうかこの地の復興に、皆様の力を貸してください!
今回は、長い間放置され荒らされた土地をどうにか整えようというシナリオです。
今回のシナリオの結果次第で、今後のシナリオに大きく影響していきます。
理想は全てを満遍なく整えることですが……重要と思った場所だけを重点的に整えていくのもありです。
どうかこの地の復興に、皆様の力を貸してください!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/11/29 23:19
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談卓 エルバッハ・リオン(ka2434) エルフ|12才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/11/20 22:26:54 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/18 12:32:55 |