ゲスト
(ka0000)
【郷祭】宿敵! 氷の菓子職人
マスター:のどか

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/11/27 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/12/11 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●炎のクックのミス
「どどどどど、どーしたんですかそれ!?」
オフィスの相談室にルミ・ヘヴンズドア(kz0060)の困惑した声が響く。
対面に座る筋肉でパツパツのシェフコートが特徴の男――アルフォンソは、痛々しい包帯姿で恥ずかしそうに頬をかいた。
「いやはや、岩山で滑落しまして……筋肉がなければ即死でした」
「筋肉あっても即死だと思いますケド!?!?」
目を白黒させながらツッこむルミ。
「なんで岩山なんかに?」
「山頂に住むコロコロ鳥の卵が欲しかったのですが、残念ながら手に入れる前にリタイアしてしまいました。食材は育った環境からすべてこの筋肉で感じる――なんて無茶をするものじゃないですね。リストランテ・フレッドで使おうと思っていたのですが」
「ああ~、あの料理対決!」
リストランテ・フレッドというのは毎年郷祭の時期になるとジェオルジのフレッド村で開催されるライブキッチン形式の料理対決イベントだ。
選ばれた2チームで毎回テーマや課題食材に沿った料理を作成し勝敗を決める。
お祭りの客寄せイベントとして、アルフォンソはこれまで何度か出場し、対戦相手のハンター達と熱い料理バトルを繰り広げた。
「今回は私の復帰戦ということで久しぶりにオファーがありまして。ですがこんな姿になってしまいましたから、今日は依頼をしにやってきたのです」
おそらく折れているのだろう、首から吊った右腕を見ながら彼は言う。
「ハンターのみなさんに、私の代わりに『エスプロジオーネ』のスタッフとして出場してほしいのです」
エスプロジオーネはアルフォンソが1人で経営している移動馬車式の屋台料理店だ。
料理と共にたくさんの笑顔を見たいという想いから、馬車と一緒に自分がお客のもとへとはせ参じるというスタンスを求めて完成した。
「それは構わないのですけれど……そんな状態なら無理をなさらず参加を辞退された方が良いんじゃないですか?」
「それが、そうもいかないのです」
身体を気遣ったルミの提案に、アルフォンソはどこか悲し気な顔で視線を落とす。
「今回の対戦相手――ヴァリオスのカフェ『インヴェルノ』のオーナー・フラヴィアは私のかつてのお店のスタッフだったのです」
アルフォンソはかつて同じ名前でポルトワールに店を構えていた。
しかし奇しくも「リストランテ・フレッド」を通し、勝負に固執し料理の本質を見失ってしまった自分に気づかされ、これを一度閉店。
1年半の様々な地域での料理との触れ合いの旅を経て、新たに再開したのが今の移動屋台式のお店である。
閉店は同時に働いていたスタッフを解雇するということでもある。
当時の気持ちのままお店を続けていくことができないのは確かであったが、スタッフたちを突然路頭に迷わせなければならないことは経営者として心を痛めることでもあった。
「フラヴィアはとりわけ私のことを恨んでいると思います。お店が忙しいはずなのにわざわざこの対決を引き受けたのも、対戦相手が私だからでしょう」
「ええと……つかぬことを聞きますケド、お2人の関係は?」
「婚約者でした。ですが、私が旅に出ることで自然解消を……」
「あちゃー」
ルミはしかめっ面で顔を覆った。
いや、それはだめでしょ。
叱咤したいのはやまやまだったが、料理にかける彼の想いはこれまでの変遷を知る彼女も良く知っている。
それを経て美味しいゴハn――今の彼があるのなら、それは尊重すべきことなのだと思う。
「ひとまず、依頼に関しては分かりました。さっそくハンターさん達に告知して、スタッフを募集しますね」
「お願いします。こんななりですが、私も現地でみなさんのお手伝いをしますので。アドバイスくらいしかできないかと思いますが」
そう言いながら、アルフォンソはもう一度寂しそうな顔をしたまま笑ってみせた。
●氷のドルチアーリア
夜、ヴァリオスの街から人の気配が薄れてくるとカフェ「インヴェルノ」はようやくその日の営業を終える。
若い女性や貴族の婦人を中心に人気があるこのお店は、朝は持ち帰りの菓子詰め合わせ、昼はカフェタイムと人気商品のジェラート、夜は仕事上がりの優雅なひと時に――と1日を通して暇な時間がないという繁盛店。
それほどの人気もひとえに「氷の菓子職人」の異名を持つオーナー・フラヴィアの力によるものだ。
「店長、お先に失礼します!」
明るい印象の女性店員が、厨房で大量の食材とにらめっこをするフラヴィアにぺこりと元気よくお辞儀をする。
「お疲れ様。来週は私がいないから無理なシフトで申し訳ないけれど、お願いね」
フラヴィアは彼女のことを見ないまま抑揚の少ない声でそう言うと、レモンに似た果実の皮をピール状に削ぎ始めた。
氷の名をほしいままにする通り、その表情はひややかで、淡々と作業に没頭している。
「今日も試作ですか?」
「ええ……まだ納得のできる皿ができあがっていないから」
「店長って料理もできたんですね――あっ! 別にできないって思ってたわけじゃないですよ!」
女性店員は失言に感じたのか慌てて取りつくろったが、フラヴィアはそもそも聞こえていない様子でたくさんのピールを作っていく。
どうやら大きさや細さなど、いろんな形を試しているようだった。
「昔、働いていたから」
「へ?」
「料理店よ」
「……ああ!」
自分の失言に対する返事だと気づいて、彼女はポンと手を合わせる。
「確かポルトワールの……ええと、何でしたっけ。今回の対戦相手ですよね。炎の料理人・アルフォンソさんの――」
口にして、不意に胸元につららを突き立てられたかのような、鋭利で冷たい感覚が彼女を襲う。
それまで調理に集中していたフラヴィアが、短く揃えた黒髪の間から同じように鋭く冷たい視線で自分を見ているのに気づいて、慌ててその口を覆う。
「そ、それじゃ、お先で~す……」
いたたまれなくなって、店員は逃げ出すようにお店を後にする。
その背中が見えなくなってから、フラヴィアは手に持った銀のペティナイフに視線を落とした。
刀身に掘られた銘のようなものが、ガリガリと乱暴に削り落とされた特徴的なナイフ。
憎悪にかられた瞳でそれを見つめて彼女はぽつりとつぶやく。
「負けられない……絶対に」
決戦の日は近い。
●炎のクックのミス
「どどどどど、どーしたんですかそれ!?」
オフィスの相談室にルミ・ヘヴンズドア(kz0060)の困惑した声が響く。
対面に座る筋肉でパツパツのシェフコートが特徴の男――アルフォンソは、痛々しい包帯姿で恥ずかしそうに頬をかいた。
「いやはや、岩山で滑落しまして……筋肉がなければ即死でした」
「筋肉あっても即死だと思いますケド!?!?」
目を白黒させながらツッこむルミ。
「なんで岩山なんかに?」
「山頂に住むコロコロ鳥の卵が欲しかったのですが、残念ながら手に入れる前にリタイアしてしまいました。食材は育った環境からすべてこの筋肉で感じる――なんて無茶をするものじゃないですね。リストランテ・フレッドで使おうと思っていたのですが」
「ああ~、あの料理対決!」
リストランテ・フレッドというのは毎年郷祭の時期になるとジェオルジのフレッド村で開催されるライブキッチン形式の料理対決イベントだ。
選ばれた2チームで毎回テーマや課題食材に沿った料理を作成し勝敗を決める。
お祭りの客寄せイベントとして、アルフォンソはこれまで何度か出場し、対戦相手のハンター達と熱い料理バトルを繰り広げた。
「今回は私の復帰戦ということで久しぶりにオファーがありまして。ですがこんな姿になってしまいましたから、今日は依頼をしにやってきたのです」
おそらく折れているのだろう、首から吊った右腕を見ながら彼は言う。
「ハンターのみなさんに、私の代わりに『エスプロジオーネ』のスタッフとして出場してほしいのです」
エスプロジオーネはアルフォンソが1人で経営している移動馬車式の屋台料理店だ。
料理と共にたくさんの笑顔を見たいという想いから、馬車と一緒に自分がお客のもとへとはせ参じるというスタンスを求めて完成した。
「それは構わないのですけれど……そんな状態なら無理をなさらず参加を辞退された方が良いんじゃないですか?」
「それが、そうもいかないのです」
身体を気遣ったルミの提案に、アルフォンソはどこか悲し気な顔で視線を落とす。
「今回の対戦相手――ヴァリオスのカフェ『インヴェルノ』のオーナー・フラヴィアは私のかつてのお店のスタッフだったのです」
アルフォンソはかつて同じ名前でポルトワールに店を構えていた。
しかし奇しくも「リストランテ・フレッド」を通し、勝負に固執し料理の本質を見失ってしまった自分に気づかされ、これを一度閉店。
1年半の様々な地域での料理との触れ合いの旅を経て、新たに再開したのが今の移動屋台式のお店である。
閉店は同時に働いていたスタッフを解雇するということでもある。
当時の気持ちのままお店を続けていくことができないのは確かであったが、スタッフたちを突然路頭に迷わせなければならないことは経営者として心を痛めることでもあった。
「フラヴィアはとりわけ私のことを恨んでいると思います。お店が忙しいはずなのにわざわざこの対決を引き受けたのも、対戦相手が私だからでしょう」
「ええと……つかぬことを聞きますケド、お2人の関係は?」
「婚約者でした。ですが、私が旅に出ることで自然解消を……」
「あちゃー」
ルミはしかめっ面で顔を覆った。
いや、それはだめでしょ。
叱咤したいのはやまやまだったが、料理にかける彼の想いはこれまでの変遷を知る彼女も良く知っている。
それを経て美味しいゴハn――今の彼があるのなら、それは尊重すべきことなのだと思う。
「ひとまず、依頼に関しては分かりました。さっそくハンターさん達に告知して、スタッフを募集しますね」
「お願いします。こんななりですが、私も現地でみなさんのお手伝いをしますので。アドバイスくらいしかできないかと思いますが」
そう言いながら、アルフォンソはもう一度寂しそうな顔をしたまま笑ってみせた。
●氷のドルチアーリア
夜、ヴァリオスの街から人の気配が薄れてくるとカフェ「インヴェルノ」はようやくその日の営業を終える。
若い女性や貴族の婦人を中心に人気があるこのお店は、朝は持ち帰りの菓子詰め合わせ、昼はカフェタイムと人気商品のジェラート、夜は仕事上がりの優雅なひと時に――と1日を通して暇な時間がないという繁盛店。
それほどの人気もひとえに「氷の菓子職人」の異名を持つオーナー・フラヴィアの力によるものだ。
「店長、お先に失礼します!」
明るい印象の女性店員が、厨房で大量の食材とにらめっこをするフラヴィアにぺこりと元気よくお辞儀をする。
「お疲れ様。来週は私がいないから無理なシフトで申し訳ないけれど、お願いね」
フラヴィアは彼女のことを見ないまま抑揚の少ない声でそう言うと、レモンに似た果実の皮をピール状に削ぎ始めた。
氷の名をほしいままにする通り、その表情はひややかで、淡々と作業に没頭している。
「今日も試作ですか?」
「ええ……まだ納得のできる皿ができあがっていないから」
「店長って料理もできたんですね――あっ! 別にできないって思ってたわけじゃないですよ!」
女性店員は失言に感じたのか慌てて取りつくろったが、フラヴィアはそもそも聞こえていない様子でたくさんのピールを作っていく。
どうやら大きさや細さなど、いろんな形を試しているようだった。
「昔、働いていたから」
「へ?」
「料理店よ」
「……ああ!」
自分の失言に対する返事だと気づいて、彼女はポンと手を合わせる。
「確かポルトワールの……ええと、何でしたっけ。今回の対戦相手ですよね。炎の料理人・アルフォンソさんの――」
口にして、不意に胸元につららを突き立てられたかのような、鋭利で冷たい感覚が彼女を襲う。
それまで調理に集中していたフラヴィアが、短く揃えた黒髪の間から同じように鋭く冷たい視線で自分を見ているのに気づいて、慌ててその口を覆う。
「そ、それじゃ、お先で~す……」
いたたまれなくなって、店員は逃げ出すようにお店を後にする。
その背中が見えなくなってから、フラヴィアは手に持った銀のペティナイフに視線を落とした。
刀身に掘られた銘のようなものが、ガリガリと乱暴に削り落とされた特徴的なナイフ。
憎悪にかられた瞳でそれを見つめて彼女はぽつりとつぶやく。
「負けられない……絶対に」
決戦の日は近い。
解説
▼目的
イベントに参加し料理対決を盛り上げる
▼概要
フレッド村の郷祭恒例の料理対決イベント「リストランテ・フレッド」。
怪我をした料理人アルフォンソの代わりに移動屋台式トラットリア「エスプロジオーネ」の代表として出場し、イベント盛り上げにひと役買ってください。
今回のお題食材はレモンに似た柑橘系の果実である「シシ」。
レモンほど強烈ではありませんが酸味の強い果実で、果汁からほのかに花のような甘い香りがするのが特徴です。
各料理に必ずこれを使用するのを条件に「前菜」「メイン」「デザート」の3皿からなる「コース料理」を作成してください。
調理はライブキッチン形式で観客に披露されます。
キッチンでのパフォーマンスもポイントを稼ぐための要素となるでしょう。
料理の内容と調理はハンターのみなさんで好きに行っていただいて構いません。
アルフォンソも監修という形で傍にいますので、適宜アドバイスを貰いながら完成度を高めることが可能です。
▼敵勢力
「フラヴィア」
氷の菓子職人と呼ばれる氷菓のスペシャリスト。
もともと旧トラットリア・エスプロジオーネで働いていましたが、アルフォンソが店を畳んだ影響で実質上の解雇。
独立してヴァリオスにジェラートが人気のカフェ「インヴェルノ」を構え、その実力でたちまち繁盛店へと成長させました。
かつてはアルフォンソとは婚約関係にありましたが当然白紙に。
解雇と併せて捨てられたものと認識しており相当の憎悪を抱いています。
▼味方情報
「アルフォンソ」
移動屋台式トラットリア「エスプロジオーネ」のオーナーで、熱い料理パフォーマンス(と暑苦しいムキムキの見た目)から炎の料理人の名で知れています。
今回は久しぶりの参戦ということで意気込んでいたところ、不慮の事故で大けがを負ってしまいました。
イベントに参加し料理対決を盛り上げる
▼概要
フレッド村の郷祭恒例の料理対決イベント「リストランテ・フレッド」。
怪我をした料理人アルフォンソの代わりに移動屋台式トラットリア「エスプロジオーネ」の代表として出場し、イベント盛り上げにひと役買ってください。
今回のお題食材はレモンに似た柑橘系の果実である「シシ」。
レモンほど強烈ではありませんが酸味の強い果実で、果汁からほのかに花のような甘い香りがするのが特徴です。
各料理に必ずこれを使用するのを条件に「前菜」「メイン」「デザート」の3皿からなる「コース料理」を作成してください。
調理はライブキッチン形式で観客に披露されます。
キッチンでのパフォーマンスもポイントを稼ぐための要素となるでしょう。
料理の内容と調理はハンターのみなさんで好きに行っていただいて構いません。
アルフォンソも監修という形で傍にいますので、適宜アドバイスを貰いながら完成度を高めることが可能です。
▼敵勢力
「フラヴィア」
氷の菓子職人と呼ばれる氷菓のスペシャリスト。
もともと旧トラットリア・エスプロジオーネで働いていましたが、アルフォンソが店を畳んだ影響で実質上の解雇。
独立してヴァリオスにジェラートが人気のカフェ「インヴェルノ」を構え、その実力でたちまち繁盛店へと成長させました。
かつてはアルフォンソとは婚約関係にありましたが当然白紙に。
解雇と併せて捨てられたものと認識しており相当の憎悪を抱いています。
▼味方情報
「アルフォンソ」
移動屋台式トラットリア「エスプロジオーネ」のオーナーで、熱い料理パフォーマンス(と暑苦しいムキムキの見た目)から炎の料理人の名で知れています。
今回は久しぶりの参戦ということで意気込んでいたところ、不慮の事故で大けがを負ってしまいました。
マスターより
おはようございます、のどかです。
【郷祭】2018の2作目は恒例?の炎の料理人・アルフォンソの登場です。
シナリオは久しぶりのリストランテ・フレッドでの料理対決。
レモンっぽい果実をどう使うのか腕の見せどころです。
さらには菓子職人とのちょっぴりビターな愛憎劇も加わって――という内容としては盛沢山。
私はリプレイでジスー・セイゲーン氏と対決を繰り広げます。。。
質問がありましたら別途卓を立ててルミちゃんまでご用命ください。
みな様の参加をお待ちしております!
【郷祭】2018の2作目は恒例?の炎の料理人・アルフォンソの登場です。
シナリオは久しぶりのリストランテ・フレッドでの料理対決。
レモンっぽい果実をどう使うのか腕の見せどころです。
さらには菓子職人とのちょっぴりビターな愛憎劇も加わって――という内容としては盛沢山。
私はリプレイでジスー・セイゲーン氏と対決を繰り広げます。。。
質問がありましたら別途卓を立ててルミちゃんまでご用命ください。
みな様の参加をお待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/12/06 19:51
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
料理対決イベント控室(相談卓) 天王寺茜(ka4080) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/11/27 21:52:21 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/11/27 20:16:56 |