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【CF】皆で鍋をつつこうじゃないか

マスター:KINUTA

このシナリオは3日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 3~8人
ユニット参加人数
現在4 / 0~8
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
6日
プレイング締切
2018/12/16 19:00
リプレイ完成予定
2018/12/28 19:00

オープニング


●リゼリオ


 年の終わりが迫る季節。
 カチャが最近購入した新居は一階部分が店舗になっている。
 その店舗部分はグリーク商会が借り受けている。
 現在そこでは、改装工事が行われていた。ポルトワールから直々に出張してきた次期会長のニケ・グリークが陣頭指揮を執っている。

「棚と棚の間をもう少し広げて。ああ、そこにも照明をつけてください。死角が出来ないようにね」

 カチャはといえば、その内装工事を手伝っていた。
 ちょうど依頼を受けていなかったこともあったが、新しく何かを始める手伝いをするというのが楽しく思えたので。
 床が張り直され、くすんだ壁紙も貼り直される。全体に装飾は控えめ。色は、アイボリーがかった白に統一されている。
 そこに突如、異彩を放つ人物がやってきた。
 赤い鬣の巨大な熊を軽々担いだ、背の高い女。
 カチャより少し肌の色が濃くて、瞳も髪も黒い。
 彼女は我が家にでも入るような所作で、工事中の店舗に入ってきた。棚の据え置き作業を手伝っているカチャに呼びかけた。

「ちょっとあなた、何なのこれは。家を買っただけじゃなかったの?」

 その声を聞くなりカチャは振り向いた。背筋をぴんとしゃっちょこ張らせ、手を放した。

「お、お母さん――」

 片方の支えを失った棚がカチャの足の甲目がけ落下する。

「――んぎゃー!」

 カチャはうずくまって床を叩く。
 ハンターは普通の人間よりはるかに頑丈に出来ている。並大抵のことでは死なない。しかしだからといって、痛覚がないわけではない。
 奥で陣頭指揮を執っていたニケが、彼女の声を聞き付けて出てきた。

「カチャさん、その方はお知り合いですか?」

「……私の母です……」

「ああ、なるほど。そういえば似ておられますね」

「……似てます?」

「ええ、そこそこ」


●自由都市同盟内、山間の町



 ユニゾンの保養所が――予定より少し遅れたが、ついに開設した。
 それを受けて英霊マゴイはコボルド・ワーカーたちに、念願の長期休暇を取らせることにした。

『……さて……これからあなたたちは長期休暇を取るわけだけど……その前に……ユニオン市民の合言葉を確認しましょう……』

 と言って彼女は歌いだす。コボルドたちもそれに続く。皆で合唱。


 ゆにおんしみんのあいことば
 きょうもなかよしごあいさつ
 あさはおはようございます
 おひるにあったらこんにちは
 よるにあったらこんばんは
 ねむるまえにはおやすみなさい


『……良く出来ました……それでは……楽しんでらっしゃい……何かあったらウォッチャーに連絡すること……島との行き来は……来たときと同じように……扉を使うこと……』

 千切れんばかり尻尾を振ったコボルドたちは、宿泊所へ駆けていった。
 それを見送るマゴイは、幼子を無事幼稚園に送り出した母親のような面持ちであった。本人はそういう例えを心底嫌がるだろうが。

『……やっとワーカーが……長期休暇を……』

 感無量に呟いた後彼女は、傍らに首を回した。そこには憮然とした面持ちのナルシスがいる。
 高そうな防寒着に身を包んだ彼は、マフラーを口元まで引き上げ言った。

「で、僕は何すればいいの」

『……あなたには……二カ月の間……この保養所で……外部案内所の受付係をしてもらいたい……週休二日6時間……詳細はこれに……』

 分厚いマニュアルを渡されたナルシスは、あーあと嘆息した。

「二カ月も働くとか、ほんと最悪」

『……働くことはいいこと……全ての労働は全ての幸福に通じる……ユニオン、ユニオン、いいところ みんなでおやすみたのしいな、おしごとをしてたのしいな♪』

「いや、歌わなくていいよお姉さん。それ聞いてるとなんか洗脳されそうだし」



●再びリゼリオ



「――というわけで、この店は私のものです。カチャさんは、私に場所を提供しているだけでして」

 ニケの説明を聞いたケチャは、眉を開いた。

「ああ、そういうこと。それならよかったわ。カチャが商売でも始めた日には、絶対うまくいくはずないからね――あなたも近況について、逐一ちゃんと報告してきなさい。驚くじゃないの」

「いや、もうちょっとあれこれ落ち着いてから連絡をと思って――というかお母さんも来るときは逐一事前報告する必要がっ」

 カチャは喋っている途中で額を弾かれる。
 乾いた小気味よい音がした。額を押さえた指の間から煙が噴き出してくる。

「親が子を訪ねるのにどうしていちいち連絡がいるの。はい、これ。新居祝い。狩りたてよ」

「あ、ありがとう――でも、狩りたてはいいけど、一匹まるごと尾頭付きはちょっと、多すぎ……」

「ご近所におすそ分けするのに丁度いいでしょう」

「ここのご近所の人、こんなもの食べないから!」

 辺境と自由都市同盟のカルチャーギャップが語られている最中、一人の少年と一人の少女が店内に入ってくる。

「ここ……でいいのか? 何か店みたいなんだけど」

「いいんじゃないの。ほら、いるじゃない。あの時の人」

 カチャは顔を上げる。
 そこにいたのは、今年の秋郷祭で知り合った強化人間たちだった。

「あれ、ジグさんに――アスカさん?」

 ケチャが彼女に聞く。

「カチャ、あなたの知り合い?」

「はい。お二人ともリアルブルーから来られた、強化人間という人たちで」

 カチャが説明をしたところ、ジグが訂正を加える。やや照れ臭そうに。

「いや、違う。『元』強化人間だ、俺たち」

 どうやら無事ハンター登録を終えたらしい。
 カチャは彼ら自身のために、そのことを言祝いだ。

「あ、そうなんですか。おめでとうございます」

 カチャはジグたちのため、何かお祝いした方がいいのではないかと考えた。
 聞けば今年の聖輝節、ケーキの売上を競うイベントが各地で盛大に催されたそうである。ちょうどこんなにたくさんの熊肉が手に入ったことだし、どこかで座敷を借りて鍋イベントをしてみてはどうだろう。
 毎年この時期には飲み会しているわけだし、それと絡めて。



 というわけで数日後。



 東方式焼肉屋『黄金の味』。
 二階座敷では鍋パーティーが開かれていた。

「アレックスさん、ジュアンさんとの新居はもう決まりましたか?」

「おー。あいつ手回しいいからな。しかしなんだな、今年で独身も最後かと思うと、一抹の寂しさがあるなー」

「まーたそんなこと言って。浮気はもう止めといてくださいよ。今度こそジュアンさんから蜂の巣にされますからね」

 グツグツ煮える大鍋を前に、カチャとアレックスが飲み交わす。

「にく、にくにく、にーくぅ」

 コボルドコボちゃんはチャンチキ小皿を叩いて拍子取り。
 アスカはそのコボちゃんの小皿に、煮えた肉を入れてやる。
 ジグはニケと話をしている。ウーロン茶を飲みながら。

「へー、あんたんとこユニゾン島と取引があるのか?」

「ええ。愚弟も貸し出してましてね。今寄生宅からあそこの保養所へ通勤中です」


解説

補足説明

これはクリスマスにかこつけ、どんちゃん騒ぎを楽しむ事を目的とするシナリオです。
行動は自由。
現在鍋パーティーの席にはカチャ、アレックス、アスカ、ジグ、ニケ、コボちゃんがいますが、他のNPCも呼べば来ます。というか来させます。ご指名がある方は、プレイングの中にその旨明記してくださいませ。
 ちなみにユニット参加可能です。ユニットにも鍋を味あわせてあげたいと思う方、遠慮なく同行させてあげてください。ユニットの店内同伴は可能です。大きさが2メートル以内なら。

マスターより

KINUTAです。
時期がちょっと早いですが、忘年会みたいなものと思っていただければ。
熊肉はとてもおいしいらしいですよ。


関連NPC

  • 荷を運ぶ者
    カチャ・タホ(kz0150
    人間(クリムゾンウェスト)|13才|女性|聖導士(クルセイダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/12/24 02:22

参加者一覧

  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • ジルボ伝道師
    マルカ・アニチキン(ka2542
    人間(紅)|20才|女性|魔術師
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • また、あなたと
    リナリス・リーカノア(ka5126
    人間(紅)|14才|女性|魔術師
  • アウレールの太陽
    ツィスカ・V・A=ブラオラント(ka5835
    人間(紅)|20才|女性|機導師
  • 我が辞書に躊躇の文字なし
    ルベーノ・バルバライン(ka6752
    人間(紅)|26才|男性|格闘士
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/12/14 19:19:58
アイコン 質問卓だよ
天竜寺 詩(ka0396
人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2018/12/14 21:57:09
アイコン 相談卓だよ
天竜寺 詩(ka0396
人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2018/12/16 11:09:42