• 戦闘

強盗団のアジトを追え!

マスター:赤山優牙

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/01/13 09:00
リプレイ完成予定
2015/01/22 09:00

オープニング

●クリスマスの日、港町ガンナ・エントラータのある場所で
「金がいるが……効率良く稼げねぇかな……」
 その者は、元ハンターだった。
 今から十数年前のある出来事をきっかけに、ハンターを止めた。
 今は、身に付けた力と技術を悪用し、誘拐や強盗稼業を生業としている。
「CAM……あれが、あれば……」
 噂で聞いた、リアルブルーの対歪虚兵器。
 それさえあれば、目的が達成できる。
 しかし、その為には莫大な金がいるのだ。
 CAMは金だけでは手に入れる事はできないのは分かっている。だが、なににせよ、莫大な金がいる。
「どうするか……」
 思案しながら、街中を歩く。
 この港町は、グラズヘイム王国の中でも比較的治安が悪い方の街だ。
 小悪党が街の中に紛れても、そうそう、分かるものではない。
 彼は金になる情報を探しに、この街へ仲間と共にやってきたのだった。
 その時、彼の行く先にローブに身を包んだ人物が、忽然と現れる。
 警戒しながら、その人物の脇を通り過ぎようとした際に、声をかけられた。
「金を稼げる手段の道具を、私は用意できるぞ」
 その手の話は、いくらでも転がっている。騙し合い。詐欺。そんなもの慣れきっている。
 無視するつもりだったが、擦れ違い様に見たローブの人物の瞳を見て気が変わった。
「ガセなら、お前は死ぬぞ」
 ドスをきかせる。もちろん、本気だ。
「己に自信があるようだな」
「当たり前だ」
「なら、口で説明するより、直で身体を動かした方が分かりやすいだろう」
 大きめの壺を投げつけてきた。
 素早く剣を抜くと、壺を叩き割る。
 壺が割れたと思った瞬間、中身の液体の様な物が宙で広がる。
 だが、男は慌てる様子なく、剣を返して、切りつける。
「スライムか!」
 男は驚く。
 それでいながら、続けて斬撃を繰り返す。考えるよりも先に剣が出る。
 身体に沁み込まれた幾つもの戦闘経験の賜物だ。
 あっという間にスライムは活動を停止して、無残な残骸となる。
「お前は何者なんだ」
「そうだな……貴様の『ノゾミ』とやらを叶える者という事かな」
「つまり、効率良く金を稼げるという望みをか?」
 ローブの人物は、男の質問に答えず、踵を返すと歩き出した。
「着いてくるといい。先程の壺と、活動する為の拠点を与えよう」
 男は迷う事なく、その後を追った。

●運命の針と縁の糸

 縁とは不思議なもの。
 偶然なのか、必然なのか、再び重なろうとしている縁の糸に、新しい糸が交わる……。

 ソルラは、港町ガンナ・エントラータにある母方の実家に、1人で帰省する事が毎年の恒例であった。
「そういえば、言付け先の方は見つかったのかな?」
 祖父の質問にソルラは頷いた。
 この港町に来る前に、ゴブリンの一団に襲われていた馬車を助けたのだが、その時、犠牲者から言付けを頼まれていたのだ。
「ずっと不在でしたが、なんとか」
「それは良かった。最近は、この辺も物騒でな。商売にも響くのじゃ」
 母方の実家は、この街である商会を営んでいる。
 さすがに、第六商会程、規模は大きくはないが、主に、同盟の商人達と取引していた。
 ソルラの家は、保守派であるが、財政的な意味で、母方の家は、貴族との繋がりを持つ事で商売を有利にするという意味で、お互いの利害の一致が生んだ繋がりだ。
「長期の休みと聞いたぞ」
「所属していた隊が壊滅状態ですから」
 王都を襲った歪虚の追撃戦で、彼女の所属する隊は、半数以上が戦死し、生き残った者もまだ治療中で、事実上の壊滅状態になった。
 そういう事なので、隊は活動を休止になり、唯一、無傷だった彼女は長期の休暇というわけだ。
 ソルラ自身は復興作業を手伝いたかったのだが……。
「そこでだ。どうだ、儂の手伝いをしてくれんかの?」
「私にできる事であれば」
 少し不安そうに返事をするソルラ。
 性格的な問題なのか、それとも、経験や知識が足りないだけなのか、どうも、商売は苦手なのだ。
「安心しなさい。商売じゃない。『鉄壁の騎士』に相応しい仕事だ」
「なんでしょうか?」
「ある御方から頼まれての。年明けから金貨や宝石等の強盗が数件あるのだが、その調査じゃ」
 資料をソルラは受け取った。
 一枚一枚、丁寧に確認しながら読み込む。
「……同一犯の可能性が高いですね」
「手口はいずれも一緒だ。貴金属を扱う商店で、突然、スライムが発生。混乱する店内から、金貨や宝石類が奪われおる」
 火事場泥棒というより、スライムを使った強盗というべきだろうか。
 しかし、人間が、スライムを自在に扱えるという話を、ソルラは聞いた事がなかった。
「どういう手段でスライムを扱っているかわからん。だが、それは、犯人を捕まえればわかる事だ」
「つまり、私に犯人を探せという事ですね」
「その通り。近いうちに、囮の店を用意する。出現したスライムを討伐。同時に、犯人を追跡し、根城の場所を確認するまでが仕事だ」
 祖父はそう言いながら、ハンターオフィスに出す依頼書をソルラに手渡した。
「根城の場所を確認するだけでいいのですね?」
「それが、ある御方からの意向であるからな。これは厳命じゃ。決して、踏み込んではならぬ」
 なにか意図があるという事なのだろうが、ソルラには考えても、その理由が思いつかなかった。
 祖父がそこまで言うのだ、きっと、重大な意味があるのだろう。
「私は、追跡は苦手なんですけどね」
「役割はハンター達と決めてくれ。保守派の中でも、ハンター寄りだと、お前の父が嘆いておったぞ」
 その祖父の言葉にソルラは苦笑を浮かべるしかできなかったのであった。

解説

●目的
強盗団の根城を突き止める。

●作成内容
1 囮の店に現れたスライムの討伐。
2 強盗を追跡し、根城の位置を突き止める。

●囮の店
強盗に囮だと見破られない様に、普通に営業しています。
客や用心棒、スタッフ等としてスライムの襲撃に備えて下さい。
武器に関しては、戸棚やテーブルの下等に隠す事は可能です。

●追跡
追跡成功判定は、基礎能力に±の修正(スキルやプレイング等)にて行います。
判定回数と場所は以下の通りになっています。
追跡者が別々に行動する場合、判定は別々に行われます。
1 店前  2 人混む大通り  3 路地  4 通用門(警備なし)  5 街の外(森)
なお、1以外は『待ち伏せ』できません(固定ルートではない為)

●スライム
店の混み具合に応じて1~3体のスライムが出現します。
覆いかぶさってきたり、酸を飛ばしてくる程度です。

●注意事項
シナリオに失敗する条件のいくつかを明示しておきます(全てではありません)。
1 囮の店が、強盗団に警戒され、襲撃されなかった場合。
2 追跡成功判定に全員が失敗し、追跡が不可能になった場合。
3 追跡されている方が、追跡に気がついた場合。
4 強盗団の根城に踏み込んだ時。
5 なにかの都合で、追跡が不可能になった場合。

●ソルラ
それなりに経験を積んだハンターと同等位の実力はあります。闘狩人です。
今回は、休暇中ですので金属鎧は身につけて仕事はしません。
年齢23歳。生真面目な性格。金髪金眼の引き締まった身体、整った顔立ちという美女です。

●強盗
強盗の下っ端です。そこそこ訓練した衛兵より少し強い程度です。3人います。

マスターより

●ご挨拶
 おはようございます。赤山です。運命の赤い糸は信じません! ちくしょ!!

●攻略のヒント
 シナリオが失敗しない様にするには、なにに注意して行動するか。それが大事だと思います。

●その他
 リプレイで、オープニングに出てきた男とローブの人物は出てきません。
 ローブの人物は……色々皆さんで想像してお楽しみ下さい。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/01/19 02:10

参加者一覧

  • 【ⅩⅧ】また"あした"へ
    十色・T・ エニア(ka0370
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • 聖なる焔預かりし者
    瀬織 怜皇(ka0684
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 縁を紡ぐ者
    シエラ・ヒース(ka1543
    エルフ|20才|女性|霊闘士
  • 紫煙の守護翼
    シガレット=ウナギパイ(ka2884
    人間(紅)|32才|男性|聖導士
  • 角折の銀瞳
    クローディア(ka3392
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 【相談卓】調査は得意ですか?
十色・T・ エニア(ka0370
人間(リアルブルー)|15才|男性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/01/12 23:37:03
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/01/08 20:31:05