ゲスト
(ka0000)
【王戦】海上のクワイアと鳴き声と
マスター:ムジカ・トラス

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/01/01 07:30
- リプレイ完成予定
- 2019/01/10 07:30
オープニング
●
「……おお、なんてことだろう……」
ヘクス・シャルシェレットは、王都内の屋敷の一室で嘆きに暮れていた。
その中の一枚の書類には、「嘆願書」と書かれている。ガンナ・エントラータ近郊の港町からのものであった。曰く。漁に出ようにも、騒々しい何者かがいて漁にならないのだ、とのこと。
通常であれば如何に領内の問題とはいえヘクスまで上がってくるほどの案件でもないはずだが、現実として、決裁を下すべき書類としてここにある。
「……いやはや、人材不足極まれり、だね」
ここまで、『色々なもの』をすりつぶしてきた代償であろうか。第六商会もすっかり風通しがよくなってしまったようだ。
肘をついただらしない姿勢のまま、ヘクスはすらりとサインをする。
「12月、か」
【傲慢】の王の宣告から、予定通りの6ヶ月が経った。
此処から先は未知の領域。旗色は、さて、どうだろうか。
「…………抗うさ。あの時からようやく、此処まで来たんだ」
●
さすがに、ハンター達を乗せるにが漁船というのも心もとなかったのだろう。
刻令術を動力とした二艇の小舟――というには、いささか大きく、大型のクルーザーというのがふさわしい――が海原を走る。
王国南方にはいわゆる海峡はなく、天候次第では凄まじい高波が襲ってくることもあるのだとか。本日は晴天の上、風は弱い。安全な船旅が期待できそうだった。
「ニャアアア…………ッ!」
さて。王国各地に生息するユグディラたちの中にはこの海を渡ってきたものもいるらしい。ユグディラはそれなりに器用だが、決して有能ではない。
そこで、港町ではこんな与太話が生まれた。
ユグディラたちが作れた程度の小舟で渡れたとすれば、それは奇跡の為せる業、エクラのお導き、ともいえようか。耳ざといものはユグディラの縁起の良さに目をつけたようで、魚を駄賃に船に乗せているようである。
船首で風に抗いながら、両手を掲げて銘々に声を上げているユグディラ達の心情を理解することは余人にはかなわない。
「ナアアアアアンッ……!」
しかし、まあ、なんだか楽しそうだ。
「そろそろだぜ、アンタたち!」
ユグディラたちの呑気な声を貫いた、野太い中年の声がハンター達に響く。
そう。ハンター達は牧歌的な船旅を味わいに来たのではなく、調査のために来たのだった。
『海上に響く怪音』の調査である。
この海域を見張りこそすれ、積極的に踏み込むことはなかった漁師たちであったが、ハンター達が派遣されてきたとなれば話は別だ。第六商会謹製の動力船で海域に突撃するなどわけはない。
「奴らのせいで魚が逃げやがる。おかげで漁どころじゃねェ。っつーわけで気持ち良くぶっ飛ばしてやってくれや。ゲハハ!」
中年が大口を開けて白い歯をみせて言った、その時のことであった。
「ニャ……?」「ナ……?」
ユグディラたちの合唱が、やんでいた。
海原の向こうから――怪音が、届く。
●
見るものが見れば、アニミズムを想起させる偶像群であった。合計三つ。石柱のようなフォルムに、それぞれ悟李羅、駱駝、駝鳥を模したものが掘りこまれている。それが、海上――否、空中に、浮いていた。
特徴的なのはその大きさか。数百メートルを超える位置にもかかわらず、はっきりと視認ができる。5メートル程度はあろうか。
「どうやら音はあそこかららしいが……ん?!」
船頭の中年が目を細めるや否や、前方に――光が見えた。
「ニャニャッ!?」
「うおおおおおっ!?」
船首にいるユグディラがぐるんぐるんと手を回して面舵いっぱい! ……と伝えたかったのかは定かではないが、舵を切った船は直撃を免れた。
「あの像、訳わからねえのを撃ってきやがった! めちゃくちゃだ!」
ふわふわと漂っていた石像群が加速し、接近してくる。慣性やら空気抵抗やらを置き去りにした機動は、刻礼術を動力とする船よりも速いらしく徐々に距離が詰まってくる。
幸運だったのは、超射程の射撃を撃ってくる気配がないことか。加速している間は撃てないのかもしれないが、余談は許さない。なにせ、足は向こうのほうが速いのだ。接近されるのは必至。
機影と同時に、『音』が迫る。距離の変動により音階を奇異に歪ませながら響くそれは――賛美歌。
「けったいなモン垂れ流しやがって……おい、頼むぜハンター、船はぶっ壊れてもイイがアイツらをぶっ壊さねェと俺たちゃおマンマも食えねえ!」
「ナアアアン!」
荘厳な調べも、漁師とユグディラはただの騒音と切って捨てる。それもそのはずで、彼らにとっては人類の存亡以前に明日の飯の種がかかっているのである。
「……おお、なんてことだろう……」
ヘクス・シャルシェレットは、王都内の屋敷の一室で嘆きに暮れていた。
その中の一枚の書類には、「嘆願書」と書かれている。ガンナ・エントラータ近郊の港町からのものであった。曰く。漁に出ようにも、騒々しい何者かがいて漁にならないのだ、とのこと。
通常であれば如何に領内の問題とはいえヘクスまで上がってくるほどの案件でもないはずだが、現実として、決裁を下すべき書類としてここにある。
「……いやはや、人材不足極まれり、だね」
ここまで、『色々なもの』をすりつぶしてきた代償であろうか。第六商会もすっかり風通しがよくなってしまったようだ。
肘をついただらしない姿勢のまま、ヘクスはすらりとサインをする。
「12月、か」
【傲慢】の王の宣告から、予定通りの6ヶ月が経った。
此処から先は未知の領域。旗色は、さて、どうだろうか。
「…………抗うさ。あの時からようやく、此処まで来たんだ」
●
さすがに、ハンター達を乗せるにが漁船というのも心もとなかったのだろう。
刻令術を動力とした二艇の小舟――というには、いささか大きく、大型のクルーザーというのがふさわしい――が海原を走る。
王国南方にはいわゆる海峡はなく、天候次第では凄まじい高波が襲ってくることもあるのだとか。本日は晴天の上、風は弱い。安全な船旅が期待できそうだった。
「ニャアアア…………ッ!」
さて。王国各地に生息するユグディラたちの中にはこの海を渡ってきたものもいるらしい。ユグディラはそれなりに器用だが、決して有能ではない。
そこで、港町ではこんな与太話が生まれた。
ユグディラたちが作れた程度の小舟で渡れたとすれば、それは奇跡の為せる業、エクラのお導き、ともいえようか。耳ざといものはユグディラの縁起の良さに目をつけたようで、魚を駄賃に船に乗せているようである。
船首で風に抗いながら、両手を掲げて銘々に声を上げているユグディラ達の心情を理解することは余人にはかなわない。
「ナアアアアアンッ……!」
しかし、まあ、なんだか楽しそうだ。
「そろそろだぜ、アンタたち!」
ユグディラたちの呑気な声を貫いた、野太い中年の声がハンター達に響く。
そう。ハンター達は牧歌的な船旅を味わいに来たのではなく、調査のために来たのだった。
『海上に響く怪音』の調査である。
この海域を見張りこそすれ、積極的に踏み込むことはなかった漁師たちであったが、ハンター達が派遣されてきたとなれば話は別だ。第六商会謹製の動力船で海域に突撃するなどわけはない。
「奴らのせいで魚が逃げやがる。おかげで漁どころじゃねェ。っつーわけで気持ち良くぶっ飛ばしてやってくれや。ゲハハ!」
中年が大口を開けて白い歯をみせて言った、その時のことであった。
「ニャ……?」「ナ……?」
ユグディラたちの合唱が、やんでいた。
海原の向こうから――怪音が、届く。
●
見るものが見れば、アニミズムを想起させる偶像群であった。合計三つ。石柱のようなフォルムに、それぞれ悟李羅、駱駝、駝鳥を模したものが掘りこまれている。それが、海上――否、空中に、浮いていた。
特徴的なのはその大きさか。数百メートルを超える位置にもかかわらず、はっきりと視認ができる。5メートル程度はあろうか。
「どうやら音はあそこかららしいが……ん?!」
船頭の中年が目を細めるや否や、前方に――光が見えた。
「ニャニャッ!?」
「うおおおおおっ!?」
船首にいるユグディラがぐるんぐるんと手を回して面舵いっぱい! ……と伝えたかったのかは定かではないが、舵を切った船は直撃を免れた。
「あの像、訳わからねえのを撃ってきやがった! めちゃくちゃだ!」
ふわふわと漂っていた石像群が加速し、接近してくる。慣性やら空気抵抗やらを置き去りにした機動は、刻礼術を動力とする船よりも速いらしく徐々に距離が詰まってくる。
幸運だったのは、超射程の射撃を撃ってくる気配がないことか。加速している間は撃てないのかもしれないが、余談は許さない。なにせ、足は向こうのほうが速いのだ。接近されるのは必至。
機影と同時に、『音』が迫る。距離の変動により音階を奇異に歪ませながら響くそれは――賛美歌。
「けったいなモン垂れ流しやがって……おい、頼むぜハンター、船はぶっ壊れてもイイがアイツらをぶっ壊さねェと俺たちゃおマンマも食えねえ!」
「ナアアアン!」
荘厳な調べも、漁師とユグディラはただの騒音と切って捨てる。それもそのはずで、彼らにとっては人類の存亡以前に明日の飯の種がかかっているのである。
解説
●目的
悟李羅、駱駝、駝鳥、それぞれの像の破壊
●解説
海上にあらわれた不可解な像――円柱にそれぞれ悟李羅、駱駝、駝鳥の紋様が刻まれた像を――破壊してください。
日時は昼。戦場は海上。航海日和。
敵は海面すぐを浮遊しているため、接近すれば近接攻撃は届くものとします。
彫像の判明しているスペックは下記の通りです。
▽空飛ぶ像
・出自は謎
・空気力学を無視しての飛行スキル持ち。どうやって飛んでいるかは謎だが、UFOめいたカクカク飛行をする。機動力は高く、
・像に描かれている模様にとくに意味はない模様
・攻撃方法
:長距離射撃 数百メートル規模での狙撃も可能。威力は高いが精度は低いよう。
:ファランクスビーム 接近時使用。PL情報ですが近距離攻撃自体は想定はOK
:マニピュレートアーム 接近時使用。PL情報ですが、側面から石製の腕が生えるだけで防御などに使用されます。
:賛美歌 常時垂れ流し。歌詞は判別不能。スピーカーは内部にあるよう。うるさい。
●味方戦力?
・刻令術式クルーザー x2
・移動力5
・最低限の装甲はあるが基本的にはただの船
・二挺とも漁師が運転中。基本的にはアシとして問題ありません。
・ユグディラ x2
・何も手伝えません。一生懸命ニャアノアと鳴いてます。やったね!
▽付記
・ユニット参加はOK
・ただし海上/船上につき船に乗れないCAMやゴーレム、大型種の参加はNGです(現場への移動&戦闘期間中飛行できればOKです)
・ご注意のほど、よろしくおねがいします。
悟李羅、駱駝、駝鳥、それぞれの像の破壊
●解説
海上にあらわれた不可解な像――円柱にそれぞれ悟李羅、駱駝、駝鳥の紋様が刻まれた像を――破壊してください。
日時は昼。戦場は海上。航海日和。
敵は海面すぐを浮遊しているため、接近すれば近接攻撃は届くものとします。
彫像の判明しているスペックは下記の通りです。
▽空飛ぶ像
・出自は謎
・空気力学を無視しての飛行スキル持ち。どうやって飛んでいるかは謎だが、UFOめいたカクカク飛行をする。機動力は高く、
・像に描かれている模様にとくに意味はない模様
・攻撃方法
:長距離射撃 数百メートル規模での狙撃も可能。威力は高いが精度は低いよう。
:ファランクスビーム 接近時使用。PL情報ですが近距離攻撃自体は想定はOK
:マニピュレートアーム 接近時使用。PL情報ですが、側面から石製の腕が生えるだけで防御などに使用されます。
:賛美歌 常時垂れ流し。歌詞は判別不能。スピーカーは内部にあるよう。うるさい。
●味方戦力?
・刻令術式クルーザー x2
・移動力5
・最低限の装甲はあるが基本的にはただの船
・二挺とも漁師が運転中。基本的にはアシとして問題ありません。
・ユグディラ x2
・何も手伝えません。一生懸命ニャアノアと鳴いてます。やったね!
▽付記
・ユニット参加はOK
・ただし海上/船上につき船に乗れないCAMやゴーレム、大型種の参加はNGです(現場への移動&戦闘期間中飛行できればOKです)
・ご注意のほど、よろしくおねがいします。
マスターより
こんにちは! ムジカ・トラスです。
すっかり寒くなりましたね。こんな時こそ海ですわ海。
ファンタジー×海といえば、そう、歌!
海×歌の定番ではキレイどころの人魚かセイレーンか……というところですが、ほら、こんなに寒いですしね!
だから像だゾー、なんちゃって。
………はい!
そういうわけで、【王戦】事前連動、始まりました。
これから始まる最終決戦、皆様とともに歩んでいけたら、と思います。
最初は軽く、ふんわりと。よろしくおねがいします!
すっかり寒くなりましたね。こんな時こそ海ですわ海。
ファンタジー×海といえば、そう、歌!
海×歌の定番ではキレイどころの人魚かセイレーンか……というところですが、ほら、こんなに寒いですしね!
だから像だゾー、なんちゃって。
………はい!
そういうわけで、【王戦】事前連動、始まりました。
これから始まる最終決戦、皆様とともに歩んでいけたら、と思います。
最初は軽く、ふんわりと。よろしくおねがいします!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/01/09 15:19
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/01 03:57:47 |
|
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相談卓 シガレット=ウナギパイ(ka2884) 人間(クリムゾンウェスト)|32才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/12/31 20:50:42 |