ゲスト
(ka0000)
【初夢】ふぁなぶらにんぽーちょー
マスター:ことね桃

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在10人 / 3~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/01/07 12:00
- リプレイ完成予定
- 2019/01/21 12:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
『……勇之介、夕凪。お前達の婚儀を許すわけにはいかん。その理由は解るな?』
時は江戸時代、ある藩の山にひっそりと広がる隠れ里。
蝋燭に照らされた薄暗い部屋で顔に無数の傷を持つ大柄な女が下手に座る男女の顔を見下ろしながら苦く言った。
「しかし御屋形様! 我々は幼き日より生涯をともに誓い合った身。それゆえ忍びの業を磨き、いずれは幕府に認められ、ともに里を栄えさせようと……」
勇之介と呼ばれた青年が声を張り、隣に座る夕凪の手に己が手を重ねる。しかしその手を黒く骨ばった手で突っぱねたのは御屋形と呼ばれた女傑だった。
『ええい、黙れ! 夕凪は数里先にある裕福な里の主との盟約にて、既に婚礼の儀の日取りまで決まっておる! 勇之介にもいずれは相応しい相手を用意し、この里の頭領を引き継いでもらうつもりだ。……互いの未来にこれ以上のものはなかろう?』
「……」
ふたりは女傑の言葉に返せるものがなかった。たしかにこの隠れ里は貧しく、幕府から預けられる諜報の任務のみでは食っていくことができない。
そこで半農という形で皆生きているが、そもそも土が貧相で食べるものに事欠く年も増えてきた。
そんな中で里の主の養女・夕凪が裕福な里に嫁ぐことで毎年十分な支援を約束されたのならば……里の者は誰もが喜ぶことだろう。
「わかりました、お義母様……私が役目を果たすことでこの地が救われるのなら……それは本望にございます。今まで育てていただいたご恩を返すことができるのですから……」
静かに三つ指をついて頭を下げる夕凪。昔から物静かで自分の意志をはっきりとは口にしない少女だが、まさかここまでとは……と勇之介は黙って瞳を潤ませる。
『すまないな、辛い思いをさせて。しかしいずれは報われる日が来る。私が……必ずそうしてやる』
女傑はかつての戦で斬り裂かれた瞼を撫でると、そのまま腕を組んで目を閉じた。
ところ変わって、ここは蛍の舞う夏の川沿い。背の高い草に囲まれたそこは勇之介と夕凪の逢引の場となっている。
「夕凪、さっきは何であのようなことを……」
戸惑いながら歩く勇之介。もしかしてこれが最後の逢引かもしれないと思うと気が気ではない。
すると先をゆく夕凪がくるりと振り返った。
「勇之介様、逃げましょう」
「え……」
「お義母様は近いうちに、きっとお相手方との交渉に数日里を離れるはずです。その間であれば護衛も去り、私達が姿を消しても……短時間かもしれませんが、気づかない可能性があります」
ふだんは夢でも見ているかのようなほんわりとした夕凪の瞳。それが鋭く周囲を見回しながら、強く言葉を放った。
「もともと私達はお義母様とは血のつながらない身。私達が消えても……それなら同じように修行してきた仲間の中から美しい者や腕のたつ者が代理となるはず。今まで育てていただいた恩義には反しますが……生涯の伴侶は貴方様だけにございます」
その言葉に勇之介は夕凪の手を取って、手の甲へ唇を当てた。突然の事に夕凪は「あ……」と顔を赤らめ、声を漏らす。
「西洋では必ず守ると誓った女性にこのような仕草をするそうだ。何があっても守る……この先がどれだけ苦しくとも、お前を幸せにできるならそれでいい……」
それから数日後、予定通り女傑は駕籠に乗り交渉先へ護衛とともに旅立った。
そして日が暮れ、時は丑三つ時。勇之介と夕凪はそれぞれ忍び装束を纏い、匕首や手裏剣といった武器を装備し、小山の麓に広がる茂みに身を隠す。
「……もう、この地に帰ることはないのですね」
「そうだな。……まずは北にある港町を目指そう。そこから船で西に行って商人になりすまし、落ち着くまで静かに暮らす。追手がいなくなったらまた別の町に……薬売りとかに化けてもいいかもしれん」
細かい計画を口にする迂闊さに夕凪が人差し指を立てる。誰かに聞かれてしまえば計画が水の泡になるだろう。
ふたりは頷きあうと山を越えるべく、一気に駆けだした。
その頃、屋敷では法螺貝が高く音を上げた。ふたりの失踪に気づいた忍者が「各々がた!」と叫んでは障子をあけて腕利きの忍者達を起こしていく。
「やはりな、あのふたりは危ないと思っていたんだ」
手甲を嵌めた忍者が苦く呟く。そこに中年の忍びがぼそりと呟いた。
「しかし長年の恋慕を金や食べ物のために引き裂くというのは……辛いだろうな」
すると硬い手甲が彼の頬にめり込み、土間の壁に身体を叩きつけられた。
「くっ……」
「お前はそんなことを言っているからいつまでたっても半人前なんだ。御屋形様も出発前に仰っていたぞ。万が一の場合はふたりを戦えぬ身にしても良い、連れ戻せと。そうすることでしかこの里は救えん。いい加減、覚悟を決めろ」
「……」
血のにじんだ口元を拭うと忍びは唇を噛みしめつつ、ふたりの足跡を探し始めた。いくつかの揃った足跡を見つけると、それを基に地図を見ながら10人の精鋭が山へ駆けていく。忍びは血の混じった淡を吐き出すと、彼らの背を追うことにした。
一方、この山には小さな小屋がぽつんと建てられていた。
小屋の中ではエクラ教を信仰するがゆえに迫害され、逃げてきた西洋の女が指を組んで祈っている。なぜかざわめく胸を落ち着かせるために……。その時、小屋を回避するように草を掻きわける音が聞こえた気がした。
『……?』
戸をがこんと外し、外を見回すも誰もいない。女は平穏な夜明けを願い、襤褸切れ同然の蒲団に身を包み――瞳を閉じた。
そんな中、貴方も追手のひとりとして出発を命じられた。
黒装束で身を固め、鉤縄、匕首、刀……それらを装備し、駆け出した貴方はどのような未来を掴むのか……今は誰もわからない。
『……勇之介、夕凪。お前達の婚儀を許すわけにはいかん。その理由は解るな?』
時は江戸時代、ある藩の山にひっそりと広がる隠れ里。
蝋燭に照らされた薄暗い部屋で顔に無数の傷を持つ大柄な女が下手に座る男女の顔を見下ろしながら苦く言った。
「しかし御屋形様! 我々は幼き日より生涯をともに誓い合った身。それゆえ忍びの業を磨き、いずれは幕府に認められ、ともに里を栄えさせようと……」
勇之介と呼ばれた青年が声を張り、隣に座る夕凪の手に己が手を重ねる。しかしその手を黒く骨ばった手で突っぱねたのは御屋形と呼ばれた女傑だった。
『ええい、黙れ! 夕凪は数里先にある裕福な里の主との盟約にて、既に婚礼の儀の日取りまで決まっておる! 勇之介にもいずれは相応しい相手を用意し、この里の頭領を引き継いでもらうつもりだ。……互いの未来にこれ以上のものはなかろう?』
「……」
ふたりは女傑の言葉に返せるものがなかった。たしかにこの隠れ里は貧しく、幕府から預けられる諜報の任務のみでは食っていくことができない。
そこで半農という形で皆生きているが、そもそも土が貧相で食べるものに事欠く年も増えてきた。
そんな中で里の主の養女・夕凪が裕福な里に嫁ぐことで毎年十分な支援を約束されたのならば……里の者は誰もが喜ぶことだろう。
「わかりました、お義母様……私が役目を果たすことでこの地が救われるのなら……それは本望にございます。今まで育てていただいたご恩を返すことができるのですから……」
静かに三つ指をついて頭を下げる夕凪。昔から物静かで自分の意志をはっきりとは口にしない少女だが、まさかここまでとは……と勇之介は黙って瞳を潤ませる。
『すまないな、辛い思いをさせて。しかしいずれは報われる日が来る。私が……必ずそうしてやる』
女傑はかつての戦で斬り裂かれた瞼を撫でると、そのまま腕を組んで目を閉じた。
ところ変わって、ここは蛍の舞う夏の川沿い。背の高い草に囲まれたそこは勇之介と夕凪の逢引の場となっている。
「夕凪、さっきは何であのようなことを……」
戸惑いながら歩く勇之介。もしかしてこれが最後の逢引かもしれないと思うと気が気ではない。
すると先をゆく夕凪がくるりと振り返った。
「勇之介様、逃げましょう」
「え……」
「お義母様は近いうちに、きっとお相手方との交渉に数日里を離れるはずです。その間であれば護衛も去り、私達が姿を消しても……短時間かもしれませんが、気づかない可能性があります」
ふだんは夢でも見ているかのようなほんわりとした夕凪の瞳。それが鋭く周囲を見回しながら、強く言葉を放った。
「もともと私達はお義母様とは血のつながらない身。私達が消えても……それなら同じように修行してきた仲間の中から美しい者や腕のたつ者が代理となるはず。今まで育てていただいた恩義には反しますが……生涯の伴侶は貴方様だけにございます」
その言葉に勇之介は夕凪の手を取って、手の甲へ唇を当てた。突然の事に夕凪は「あ……」と顔を赤らめ、声を漏らす。
「西洋では必ず守ると誓った女性にこのような仕草をするそうだ。何があっても守る……この先がどれだけ苦しくとも、お前を幸せにできるならそれでいい……」
それから数日後、予定通り女傑は駕籠に乗り交渉先へ護衛とともに旅立った。
そして日が暮れ、時は丑三つ時。勇之介と夕凪はそれぞれ忍び装束を纏い、匕首や手裏剣といった武器を装備し、小山の麓に広がる茂みに身を隠す。
「……もう、この地に帰ることはないのですね」
「そうだな。……まずは北にある港町を目指そう。そこから船で西に行って商人になりすまし、落ち着くまで静かに暮らす。追手がいなくなったらまた別の町に……薬売りとかに化けてもいいかもしれん」
細かい計画を口にする迂闊さに夕凪が人差し指を立てる。誰かに聞かれてしまえば計画が水の泡になるだろう。
ふたりは頷きあうと山を越えるべく、一気に駆けだした。
その頃、屋敷では法螺貝が高く音を上げた。ふたりの失踪に気づいた忍者が「各々がた!」と叫んでは障子をあけて腕利きの忍者達を起こしていく。
「やはりな、あのふたりは危ないと思っていたんだ」
手甲を嵌めた忍者が苦く呟く。そこに中年の忍びがぼそりと呟いた。
「しかし長年の恋慕を金や食べ物のために引き裂くというのは……辛いだろうな」
すると硬い手甲が彼の頬にめり込み、土間の壁に身体を叩きつけられた。
「くっ……」
「お前はそんなことを言っているからいつまでたっても半人前なんだ。御屋形様も出発前に仰っていたぞ。万が一の場合はふたりを戦えぬ身にしても良い、連れ戻せと。そうすることでしかこの里は救えん。いい加減、覚悟を決めろ」
「……」
血のにじんだ口元を拭うと忍びは唇を噛みしめつつ、ふたりの足跡を探し始めた。いくつかの揃った足跡を見つけると、それを基に地図を見ながら10人の精鋭が山へ駆けていく。忍びは血の混じった淡を吐き出すと、彼らの背を追うことにした。
一方、この山には小さな小屋がぽつんと建てられていた。
小屋の中ではエクラ教を信仰するがゆえに迫害され、逃げてきた西洋の女が指を組んで祈っている。なぜかざわめく胸を落ち着かせるために……。その時、小屋を回避するように草を掻きわける音が聞こえた気がした。
『……?』
戸をがこんと外し、外を見回すも誰もいない。女は平穏な夜明けを願い、襤褸切れ同然の蒲団に身を包み――瞳を閉じた。
そんな中、貴方も追手のひとりとして出発を命じられた。
黒装束で身を固め、鉤縄、匕首、刀……それらを装備し、駆け出した貴方はどのような未来を掴むのか……今は誰もわからない。
解説
●目的
現在駆け落ち中の忍びふたりを無力化して捕まえるか、抜け忍となること覚悟のうえでふたりを逃がし追手を殲滅する。
●戦場
恐ろしいほど静かな山。獣の気配はなく、風も吹いていない。それゆえに気配を掴まれやすく、危険。
ただし巨岩や高木の陰など隠れられる場所はいくつも存在する。
北方100スクエア先の街までふたりがたどり着いたら自動的に逃亡成功となる。
●敵情報
【駆け落ち中の忍び】
〇勇之介
闘狩人と同レベルの戦闘能力を持つ。恋愛脳な癖にぶっちゃけ強い。
スキルは二刀流、刺突一閃、ガウスジェイル、カウンターバーストを使用する。
〇夕凪
聖導士と同レベルの戦闘能力を持つ。恋愛脳な癖に無駄に強い。
スキルはプルガトリオ、フルリカバリー、アンチボディ、ホーリーヴェールを使用する。
【追手の忍び(10名)】
いずれも名前は不明。1人1人異なるクラスの能力を所有している。レベルは50程度相当。
頭目の秘蔵っ子達らしく、使用するスキルは不明。
●こっそりと……
このシナリオは某時代小説が根っこにあります。
その影響につき必ずしも全員が一致した行動をとる必要はありません。
例えば駆け落ち忍びを逃がそうとしている仲間を裏切って不意打ちするヒール役とか、
逆に駆け落ち忍者ふたりを捕まえる流れでこっそりと見過ごしてやるなど、色々可能です。
要はフリーアタックシナリオって最高ですね!
愛し合うふたりを倒して里の新しい頭領になるのも一興、または彼らを見過ごして追われつつも悔いなく生きるのも良いでしょう。
それとも激戦の中で果てるのか……(元ネタ的には非常に美味しいので死亡展開希望の方はプレイングにお願いします)
なお、全体の成功や失敗は「参加した登場人物が望んだ結末を迎えたか、の割合」で判断します。
つまりは全員死亡でもやりきった感さえあれば成功となりますし、その逆も然り。後悔のない選択をお願いします。
現在駆け落ち中の忍びふたりを無力化して捕まえるか、抜け忍となること覚悟のうえでふたりを逃がし追手を殲滅する。
●戦場
恐ろしいほど静かな山。獣の気配はなく、風も吹いていない。それゆえに気配を掴まれやすく、危険。
ただし巨岩や高木の陰など隠れられる場所はいくつも存在する。
北方100スクエア先の街までふたりがたどり着いたら自動的に逃亡成功となる。
●敵情報
【駆け落ち中の忍び】
〇勇之介
闘狩人と同レベルの戦闘能力を持つ。恋愛脳な癖にぶっちゃけ強い。
スキルは二刀流、刺突一閃、ガウスジェイル、カウンターバーストを使用する。
〇夕凪
聖導士と同レベルの戦闘能力を持つ。恋愛脳な癖に無駄に強い。
スキルはプルガトリオ、フルリカバリー、アンチボディ、ホーリーヴェールを使用する。
【追手の忍び(10名)】
いずれも名前は不明。1人1人異なるクラスの能力を所有している。レベルは50程度相当。
頭目の秘蔵っ子達らしく、使用するスキルは不明。
●こっそりと……
このシナリオは某時代小説が根っこにあります。
その影響につき必ずしも全員が一致した行動をとる必要はありません。
例えば駆け落ち忍びを逃がそうとしている仲間を裏切って不意打ちするヒール役とか、
逆に駆け落ち忍者ふたりを捕まえる流れでこっそりと見過ごしてやるなど、色々可能です。
要はフリーアタックシナリオって最高ですね!
愛し合うふたりを倒して里の新しい頭領になるのも一興、または彼らを見過ごして追われつつも悔いなく生きるのも良いでしょう。
それとも激戦の中で果てるのか……(元ネタ的には非常に美味しいので死亡展開希望の方はプレイングにお願いします)
なお、全体の成功や失敗は「参加した登場人物が望んだ結末を迎えたか、の割合」で判断します。
つまりは全員死亡でもやりきった感さえあれば成功となりますし、その逆も然り。後悔のない選択をお願いします。
マスターより
こんにちは、ことねです。
はい、やって参りました【初夢】シナリオー。
なんだか無駄に恋愛脳な忍者カッポーの物語……どうなるんでしょうか。
あ、ちなみに装備やスキルは通常のもので結構です。リプレイで和風っぽく演出します。
また、ご確認したいことがありましたら質問卓を立てていただければ、
同行NPCのどちらかが内容に応じてお答えします。
ちなみに御屋形がフリーデ、山小屋の主がローザリンデ、
勇之介達をフォローしようとして殴られたのが只埜という扱いになっております……。
忍びとなった皆様のひとりひとりの生きざまを楽しみにお待ちしております。
はい、やって参りました【初夢】シナリオー。
なんだか無駄に恋愛脳な忍者カッポーの物語……どうなるんでしょうか。
あ、ちなみに装備やスキルは通常のもので結構です。リプレイで和風っぽく演出します。
また、ご確認したいことがありましたら質問卓を立てていただければ、
同行NPCのどちらかが内容に応じてお答えします。
ちなみに御屋形がフリーデ、山小屋の主がローザリンデ、
勇之介達をフォローしようとして殴られたのが只埜という扱いになっております……。
忍びとなった皆様のひとりひとりの生きざまを楽しみにお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/01/20 18:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 アルマ・A・エインズワース(ka4901) エルフ|26才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2019/01/03 16:38:51 |
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悔いなき忍生の為に【相談卓】 アルマ・A・エインズワース(ka4901) エルフ|26才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2019/01/06 12:12:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/06 09:10:39 |