ゲスト
(ka0000)
【陶曲】鉄板蜘蛛VS泥田蛇
マスター:三田村 薫

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/01/18 12:00
- リプレイ完成予定
- 2019/01/27 12:00
オープニング
●B級怪獣映画
その日、「大地の裂け目」と呼ばれる場所へ調査隊が派遣されていた。しかし、その調査隊が困り果ててオフィスに駆け込んできた。
「泥から出てきたみたいな蛇がいるんですよ。あと鉄板を組み合わせたみたいな蜘蛛」
そこで、たまたまオフィスに居合わせた司祭兼ハンターのアルトゥーロ、新米で修行中のジョンが様子見に立候補した。二人は馬に乗って現場に急行。どうにも、大きな歪虚だと聞いていたので、騎乗したままで歪虚に接近した。
全長四メートルにはなろうかと言う蛇が二体いた。おそらく、もとは一メートル五十センチ程度の蛇なのだろう。それが四メートルになることによって、スケールがそのまま拡大された。長さだけでなく太さも相応になっている。大人でも乗れそうだ。
が、問題はそれだけではなかった。現場にいた歪虚は泥田蛇だけではなかったのである。鉄板蜘蛛と聞いていたのでまさかとは思っていたが……。
「えい! この! 踏み潰してやるわ! 私が先にいたの! あっち行って!」
「キシャーッ!」
高さ三メートルはあろうかと言う、鉄板を組み合わせたような蜘蛛が、前脚を上げて泥田蛇にがっちり組み付いている。その蜘蛛の、頭と胴体の間に騎乗するように座って、手綱を引いているのは……。
「アウグスタ……」
最近同盟で事件を起こしている少女歪虚、アウグスタだったのである。着ているのはいつもの黄色いワンピースではなく、黄土色の乗馬服だ。行儀良くヘルメットまでかぶっている。
「B級怪獣対決映画か? レビューサイトで星が一つでもつけば良い方だ」
ジョンが眉を上げて呟く。
大蜘蛛の足下では、小型犬サイズの蜘蛛と陶器人形が大量に動き回っており、大蜘蛛を援護するように泥田蛇に向かっている。
「どうしますか?」
ジョンは先輩の指示を仰ごうとアルトゥーロを見た。アルトゥーロは、不思議そうな顔でアウグスタを見ている。
「司祭さん?」
アルトゥーロはそれではっと我に返った。
「え? あ、ああ、ごめん。どっかで見たことあるような気がして……」
「手配書じゃないですか? ……いや、待ってください。あなたの故郷、歪虚に滅ぼされたって言ってませんでした?」
別に盗み聞きするつもりはなかったのだが、覚醒者になるときの順番待ちの時に、アルトゥーロがオフィス職員C.J.に話しているのが聞こえてしまったのだ。
「まさか、あなたの故郷を焼いた歪虚が彼女?」
「それはないと思う。もう二十年も前の話だし。彼女が出てきたのは最近なんだろう?」
「それもそうですね……それで、どうしましょうか」
「被害が出ないなら相討ちになるのを待ってても良いと思うけど……どっちにも加勢できないし……いや、でもそれだと調査隊が困るね」
アルトゥーロも困惑している。調査隊は安全圏まで避難しているが、歪虚を排除したらすぐにでも調査に行きたいらしい。
鉄板蜘蛛の内、泥田蛇と互角に渡り合えるサイズなのは、アウグスタが乗っている大蜘蛛だけだ。残りは全て小型蜘蛛である、大蜘蛛が相手にしているのは二体の蛇の内片方、もう片方は、小型蜘蛛がたかっている。
「このっ! どっか行きなさい!」
大蜘蛛が突進した。大型歪虚同士の白熱した戦いの傍では、大型VS小型の戦いも地味に続いている。
蛇は自分にたかってくる蜘蛛や人形たちを、身体を振ったり、尻尾で叩いたりして応戦した。
しかし、やがて蛇は業を煮やしたのか口を大きく開けると、群の中に顔を突っ込んだ。漫画であれば、ばっくし、とでも擬音が書かれただろうか。敵をくわえた蛇は、そのまま丸呑みにする。
「あっ」
二人の聖導士はそれを見てぎょっとした。まさか歪虚の同士討ちが起こるとは思わなかったのである。
「きゃーっ!?」
この世の終わりのような声を上げたのはアウグスタだった。彼女は、次々と小型蜘蛛を丸呑みにする泥田蛇を見ると、手綱を握る手をわなわなと震わせた。
「う……うわーん! ひどい! ひどいわー!!!!」
彼女は脚をじたばたさせながら、顔を覆って泣き出した。蜘蛛は主の動揺をうけて、おろおろしたようにアウグスタの周りに集まっているが、人形は相変わらずパラソルで蛇に突撃している。
「わ、私の可愛い蜘蛛を! 戦って倒すならともかく! 食べちゃうなんて! 丸呑みにするなんてひどいわー! えーんえーん! お人形だってお兄様から借りてるのよ!」
「どう言う基準なんですかね」
「歪虚の基準は理解できないね」
二人は辛辣である。相手は歪虚でこちらはエクラ教司祭と、歪虚のせいで故郷を追われたリアルブルー人なのだから当然の反応ではあるのだが。
「ちょっとあなたたち!」
アウグスタは目をつり上げて二人に呼びかけた。
「手伝って! この蛇をやっつけに来たんでしょう!?」
「お断りだ。確かにこの蛇を倒しに来たけど、それは君の為じゃない。排除するなら君もだ、オーガスタ」
「申し訳ない。君が生きているお嬢さんなら喜んで頼みを聞いたんだがね」
ジョンは顔をしかめて、アルトゥーロはウィンクをしてそれぞれにアウグスタの申し出を一蹴。アウグスタは愕然とした顔をする。
「なっ……女の子のお願いを簡単に却下するなんて、ひどいわ……」
ジョンはメイスを掲げた。シャドウブリットを撃ち込む。
「きゃーっ! こっちは何もしてないのになんてことするの!? 最低! ひどいひどい! こうしてやる!」
「何を言ってるんだ。いるだけで有害だろう」
アウグスタは蜘蛛の向きを変えさせた。その蜘蛛が、二人に向かって糸を吹きかける。しかし、糸に掛かってしまったのはアルトゥーロの方だった。ミイラの如くぐるぐる巻きにされた彼は、目をぱちぱちと瞬かせる。
「な、何故僕が……」
「ご、ごめんなさい司祭さん……一発で仕留めきれませんでした……」
アウグスタは憤然として言い放った。
「ヘルメットがなかったら即死だったわ!」
「良いことを聞いたよ。さて、これは、僕たち二人では無理そうですね。応援を呼びましょう」
そして、ハンターたちが呼ばれた、と言うわけである。
その日、「大地の裂け目」と呼ばれる場所へ調査隊が派遣されていた。しかし、その調査隊が困り果ててオフィスに駆け込んできた。
「泥から出てきたみたいな蛇がいるんですよ。あと鉄板を組み合わせたみたいな蜘蛛」
そこで、たまたまオフィスに居合わせた司祭兼ハンターのアルトゥーロ、新米で修行中のジョンが様子見に立候補した。二人は馬に乗って現場に急行。どうにも、大きな歪虚だと聞いていたので、騎乗したままで歪虚に接近した。
全長四メートルにはなろうかと言う蛇が二体いた。おそらく、もとは一メートル五十センチ程度の蛇なのだろう。それが四メートルになることによって、スケールがそのまま拡大された。長さだけでなく太さも相応になっている。大人でも乗れそうだ。
が、問題はそれだけではなかった。現場にいた歪虚は泥田蛇だけではなかったのである。鉄板蜘蛛と聞いていたのでまさかとは思っていたが……。
「えい! この! 踏み潰してやるわ! 私が先にいたの! あっち行って!」
「キシャーッ!」
高さ三メートルはあろうかと言う、鉄板を組み合わせたような蜘蛛が、前脚を上げて泥田蛇にがっちり組み付いている。その蜘蛛の、頭と胴体の間に騎乗するように座って、手綱を引いているのは……。
「アウグスタ……」
最近同盟で事件を起こしている少女歪虚、アウグスタだったのである。着ているのはいつもの黄色いワンピースではなく、黄土色の乗馬服だ。行儀良くヘルメットまでかぶっている。
「B級怪獣対決映画か? レビューサイトで星が一つでもつけば良い方だ」
ジョンが眉を上げて呟く。
大蜘蛛の足下では、小型犬サイズの蜘蛛と陶器人形が大量に動き回っており、大蜘蛛を援護するように泥田蛇に向かっている。
「どうしますか?」
ジョンは先輩の指示を仰ごうとアルトゥーロを見た。アルトゥーロは、不思議そうな顔でアウグスタを見ている。
「司祭さん?」
アルトゥーロはそれではっと我に返った。
「え? あ、ああ、ごめん。どっかで見たことあるような気がして……」
「手配書じゃないですか? ……いや、待ってください。あなたの故郷、歪虚に滅ぼされたって言ってませんでした?」
別に盗み聞きするつもりはなかったのだが、覚醒者になるときの順番待ちの時に、アルトゥーロがオフィス職員C.J.に話しているのが聞こえてしまったのだ。
「まさか、あなたの故郷を焼いた歪虚が彼女?」
「それはないと思う。もう二十年も前の話だし。彼女が出てきたのは最近なんだろう?」
「それもそうですね……それで、どうしましょうか」
「被害が出ないなら相討ちになるのを待ってても良いと思うけど……どっちにも加勢できないし……いや、でもそれだと調査隊が困るね」
アルトゥーロも困惑している。調査隊は安全圏まで避難しているが、歪虚を排除したらすぐにでも調査に行きたいらしい。
鉄板蜘蛛の内、泥田蛇と互角に渡り合えるサイズなのは、アウグスタが乗っている大蜘蛛だけだ。残りは全て小型蜘蛛である、大蜘蛛が相手にしているのは二体の蛇の内片方、もう片方は、小型蜘蛛がたかっている。
「このっ! どっか行きなさい!」
大蜘蛛が突進した。大型歪虚同士の白熱した戦いの傍では、大型VS小型の戦いも地味に続いている。
蛇は自分にたかってくる蜘蛛や人形たちを、身体を振ったり、尻尾で叩いたりして応戦した。
しかし、やがて蛇は業を煮やしたのか口を大きく開けると、群の中に顔を突っ込んだ。漫画であれば、ばっくし、とでも擬音が書かれただろうか。敵をくわえた蛇は、そのまま丸呑みにする。
「あっ」
二人の聖導士はそれを見てぎょっとした。まさか歪虚の同士討ちが起こるとは思わなかったのである。
「きゃーっ!?」
この世の終わりのような声を上げたのはアウグスタだった。彼女は、次々と小型蜘蛛を丸呑みにする泥田蛇を見ると、手綱を握る手をわなわなと震わせた。
「う……うわーん! ひどい! ひどいわー!!!!」
彼女は脚をじたばたさせながら、顔を覆って泣き出した。蜘蛛は主の動揺をうけて、おろおろしたようにアウグスタの周りに集まっているが、人形は相変わらずパラソルで蛇に突撃している。
「わ、私の可愛い蜘蛛を! 戦って倒すならともかく! 食べちゃうなんて! 丸呑みにするなんてひどいわー! えーんえーん! お人形だってお兄様から借りてるのよ!」
「どう言う基準なんですかね」
「歪虚の基準は理解できないね」
二人は辛辣である。相手は歪虚でこちらはエクラ教司祭と、歪虚のせいで故郷を追われたリアルブルー人なのだから当然の反応ではあるのだが。
「ちょっとあなたたち!」
アウグスタは目をつり上げて二人に呼びかけた。
「手伝って! この蛇をやっつけに来たんでしょう!?」
「お断りだ。確かにこの蛇を倒しに来たけど、それは君の為じゃない。排除するなら君もだ、オーガスタ」
「申し訳ない。君が生きているお嬢さんなら喜んで頼みを聞いたんだがね」
ジョンは顔をしかめて、アルトゥーロはウィンクをしてそれぞれにアウグスタの申し出を一蹴。アウグスタは愕然とした顔をする。
「なっ……女の子のお願いを簡単に却下するなんて、ひどいわ……」
ジョンはメイスを掲げた。シャドウブリットを撃ち込む。
「きゃーっ! こっちは何もしてないのになんてことするの!? 最低! ひどいひどい! こうしてやる!」
「何を言ってるんだ。いるだけで有害だろう」
アウグスタは蜘蛛の向きを変えさせた。その蜘蛛が、二人に向かって糸を吹きかける。しかし、糸に掛かってしまったのはアルトゥーロの方だった。ミイラの如くぐるぐる巻きにされた彼は、目をぱちぱちと瞬かせる。
「な、何故僕が……」
「ご、ごめんなさい司祭さん……一発で仕留めきれませんでした……」
アウグスタは憤然として言い放った。
「ヘルメットがなかったら即死だったわ!」
「良いことを聞いたよ。さて、これは、僕たち二人では無理そうですね。応援を呼びましょう」
そして、ハンターたちが呼ばれた、と言うわけである。
解説
●目的
1.泥田蛇の討伐
2.アウグスタを撤退に追い込む
●泥田蛇について
2体出現。
泥でできたようなサイズ2の歪虚。もともと1.5m程度の蛇がそのまま4mのスケールまで大きくなった感じです。
噛みついたり体当たりしてきたり尻尾で叩いて来たりします。毒はありません。
●アウグスタについて
サイズ2の蜘蛛に騎乗しています。蜘蛛による突進、脚での殴打、噛みつきの攻撃を行ないます。また、攻撃された際にBS付与による反撃も行ないますが詳細は後述。一定量のダメージを与えると撤退します……が、最近知恵を付けてきたのでハンターとのやりとりによってはそれより前に撤退する可能性もあります。
噛みつくことで強度3の毒を与えます。
小型蜘蛛も50体います。攻撃方法は大型と同じで毒の強度は1です。
クラーレ・クラーラの陶製人形は30体。赤黄二色パラソル所持。殴打が基本的な攻撃です。
泥田蛇がいる間はそちらに攻撃を行ないます。泥田蛇がいなくなると攻撃はPCへ。
別にヘルメットがなくてもシャドウブリット一発くらいならしのぎます。
●大型蜘蛛の行動阻害について
泥田蛇が生存している状態でアウグスタに攻撃を仕掛けると、糸を吐くことによる行動阻害BSの反撃を行ないます。
対象者はダイスによるランダム。1~6をIDの番号順に振り分けます。
強度3です。
泥田蛇討伐後は攻撃者に反撃します。
●NPC
支援に回ります。
アルトゥーロ、ジョン共にキュアによるBS解除、ヒールによる回復。
馬に乗っているので状況に応じて駆けつけます。
1.泥田蛇の討伐
2.アウグスタを撤退に追い込む
●泥田蛇について
2体出現。
泥でできたようなサイズ2の歪虚。もともと1.5m程度の蛇がそのまま4mのスケールまで大きくなった感じです。
噛みついたり体当たりしてきたり尻尾で叩いて来たりします。毒はありません。
●アウグスタについて
サイズ2の蜘蛛に騎乗しています。蜘蛛による突進、脚での殴打、噛みつきの攻撃を行ないます。また、攻撃された際にBS付与による反撃も行ないますが詳細は後述。一定量のダメージを与えると撤退します……が、最近知恵を付けてきたのでハンターとのやりとりによってはそれより前に撤退する可能性もあります。
噛みつくことで強度3の毒を与えます。
小型蜘蛛も50体います。攻撃方法は大型と同じで毒の強度は1です。
クラーレ・クラーラの陶製人形は30体。赤黄二色パラソル所持。殴打が基本的な攻撃です。
泥田蛇がいる間はそちらに攻撃を行ないます。泥田蛇がいなくなると攻撃はPCへ。
別にヘルメットがなくてもシャドウブリット一発くらいならしのぎます。
●大型蜘蛛の行動阻害について
泥田蛇が生存している状態でアウグスタに攻撃を仕掛けると、糸を吐くことによる行動阻害BSの反撃を行ないます。
対象者はダイスによるランダム。1~6をIDの番号順に振り分けます。
強度3です。
泥田蛇討伐後は攻撃者に反撃します。
●NPC
支援に回ります。
アルトゥーロ、ジョン共にキュアによるBS解除、ヒールによる回復。
馬に乗っているので状況に応じて駆けつけます。
マスターより
こんにちは三田村です。
今回のリリースではこちらでアウグスタとの戦闘、もう一本でエドとハンクの修羅場をやります。ご縁のあった方はもちろん、興味を持った頂けたらお初の方も是非。ご参加お待ちしています。
今回のリリースではこちらでアウグスタとの戦闘、もう一本でエドとハンクの修羅場をやります。ご縁のあった方はもちろん、興味を持った頂けたらお初の方も是非。ご参加お待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/01/25 01:05
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
【相談卓】歪虚と鋏は使いよう。 コーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561) 人間(リアルブルー)|25才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2019/01/17 23:07:10 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/15 02:17:21 |