ゲスト
(ka0000)
【幻想】新たなる怠惰王
マスター:電気石八生

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 6~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/01/26 07:30
- リプレイ完成予定
- 2019/02/09 07:30
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●出立
「これにて契約は履行された。よろしいな、女王」
怠惰ゴヴニアは、黄金にて形造られた豊麗な依代を直ぐに立てたまま言う。
「貴様の不遜、見逃してやれんな……石塊」
青木 燕太郎が愛槍の穂先をゴヴニアの鼻先へ突きつけた。
ビッグマー・ザ・ヘカトンケイルを吸収した彼にただの怠惰、ましてや本体ならぬ依代を潰すことなど造作もないことだが、しかし。
「うるさいどうでもいいちょっと黙って」
苛立った高い声音に打ち据えられ、しかめ面を退かせるよりなかった。
「もうすごく長くいっぱい待ったわ。すぐに急いで出るから」
あらんかぎりの早口で重ねたのは、毛先の乱れた長い髪の頂に小さな王冠を輝かせる少女である。
彼女を知る者が見れば驚愕したことだろう。眠たげに半ば閉ざされていたはずの眼は怒りの赤を映して煌々と輝き、細い肢体の隅々にまで圧倒的な負のマテリアルを滾らせているのだから。
――彼女こそがビッグマーより玉座を受け継ぎし新怠惰王オーロラ。
幼く未完成な心に最強の力を与えられた“暴君”である。
「女王が進むべき路、すでに用意はできておる。いつなりと出られよ」
「ビッグマーを殺したニンゲン、全部みんな殺してやる」
ゴヴニアが言い終えるのも待たず、駆け出して行こうとするオーロラ。
しかしその前を青木が塞ぎ、かぶりを振った。
「俺が道中の露払いをする。おまえへ蝿どもをたからせるわけにいかん」
「うざいキモイついてこないで」
「それだけは聞けん。言っただろう、俺はおまえを守る騎士だと」
首を傾げるオーロラと、厳しくもやさしい目で彼女を見据える青木。
なんとも報われぬ有様よな。ゴヴニアは肩をすくめ、青木へ告げる。
「路を辿らば迷うことはない。ただし、路の一部は人間によって打ち壊されておる。その他に荒らされた箇所もあろう。その間は……女王に添うを控えるのだな」
「石塊がこの俺を案じるだと?」
青木は黄金の胸元に槍の石突を突き立てた。
そしてがらりと割れ砕けるゴヴニアに冷めた目線を投げ。
「いずれ貴様の本体にもその驕慢を償わせてやる」
「ふむ。ならば入念に首を洗っておこうぞ。それまでは好きにさせてもらおうが」
苦笑を混じえて言い残し、依り代の欠片は今度こそ沈黙した。
舌打ちする青木を、不機嫌な足を踏み鳴らしてオーロラが急かす。
「――なにしてるの遊んでないでもたもたしないで!」
「すぐに行く」
●覚悟
ゲモ・ママは集まったハンターたちへ、前置きもせずに切り出した。
「新しい怠惰王オーロラが南下を開始したわ。……路の意味はこっちでも予想してたけど、まさか王様が直で歩いて来るなんてねぇ」
先にゴヴニアが辺境を貫き、敷いたコンクリートの路。
それを辿り、青木を伴っただけのオーロラが森を抜け、荒野を渡ってさらにその先にある森を目ざしている。
そして。
「生き残りの戦士とアタシの個人的な情報源からのネタ合わせたとこによれば、オーロラは確実にビッグマーの“怠惰の感染”を引き継いで、進化させてる。“怠惰の大感染”って言うしかないくらい力をね」
それは勇敢なる辺境戦士たちの命を積んで得た情報だ。
彼らの死を悼みつつ、ママはそれを振り切って言葉を継ぐ。
「ただ、生き残れた戦士の中に、不思議なこと言ってる人がいるのよ。対感染結界が壊れた後、普通に逃げおおせたって、ね。基本的に怠惰の感染はパッシブみてぇなもんなのに、死んだ人と生き延びた人がいる。これってどういうことなのかしらね……」
ママは一度言葉を切り、視線を左右へ泳がせて、覚悟を決めたように息をついた。
「今回は対青木と対オーロラ、両面作戦を展開するわ。……力の有り様が少しはわかってる青木に人数を割く形にせざるをえないんだけど」
青木とオーロラ、2体が共連れている状況は、こちらにとって都合が悪いどころではない。できることならばどちらかだけでも討ちとりたいのだ。だからこそ、判明している情報量の多い青木を優先する。まったくもって当然のことなのだが……。
「森の中じゃ対青木班が展開しづらくなるから、隙間の荒野で攻撃しかけるわ。ちょうどこの前ゴヴニアとやりあったあたりだけど。……ああ、今回はアンタたちの体ひとつで行ってもらうわ。CAMも幻獣も、置いてくることになったら困るからね」
ママはハンターたちへ思いを押し詰めた視線を送り、言った。
「アンタたちの仕事はオーロラが青木と合流しないように抑えて、生きて帰ってくること。それができるだけで次の手が考えられるわ。だから、とち狂って命賭けんじゃないわよ!」
ハンターたちは、ここに集められた人数が意外なほど少ない理由を悟る。対オーロラ班は、対青木班とは別の意味で決死隊なのだと。
「ハナシが飲み込めたんなら1回解散。再集合までにやりたいことしときなさいよ」
怠惰の大感染という不可避の絶望が音もなく世界を侵しつつあることを、誰もが感じずにいられなかった。
●白百合
青木の先導でゴヴニアの敷いた路を行くオーロラ。
怒りで尖った彼女の眼は思い出したように濁り、その都度凄絶な“絶望”を撒き散らしたが――彼女にとっては不本意なことだ。なぜなら、その間はビッグマーを思い出すことも忘れ果ててしまうから。
私はビッグマーを忘れない。
絶対。絶対。絶対。もう忘れちゃった昔みたいに、忘れないんだ。
かくて彼女は手にしたものを濁り始めた眼前にかざす。
それはいつかビッグマーがくれた白百合。
怠惰の大感染のただ中にあっても朽ちぬよう、ゴヴニアに金剛石でコーティングを施させた、たったひとつの形見。
見ててビッグマー。あいつらにあなたの力、思い知らせてやるから。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●出立
「これにて契約は履行された。よろしいな、女王」
怠惰ゴヴニアは、黄金にて形造られた豊麗な依代を直ぐに立てたまま言う。
「貴様の不遜、見逃してやれんな……石塊」
青木 燕太郎が愛槍の穂先をゴヴニアの鼻先へ突きつけた。
ビッグマー・ザ・ヘカトンケイルを吸収した彼にただの怠惰、ましてや本体ならぬ依代を潰すことなど造作もないことだが、しかし。
「うるさいどうでもいいちょっと黙って」
苛立った高い声音に打ち据えられ、しかめ面を退かせるよりなかった。
「もうすごく長くいっぱい待ったわ。すぐに急いで出るから」
あらんかぎりの早口で重ねたのは、毛先の乱れた長い髪の頂に小さな王冠を輝かせる少女である。
彼女を知る者が見れば驚愕したことだろう。眠たげに半ば閉ざされていたはずの眼は怒りの赤を映して煌々と輝き、細い肢体の隅々にまで圧倒的な負のマテリアルを滾らせているのだから。
――彼女こそがビッグマーより玉座を受け継ぎし新怠惰王オーロラ。
幼く未完成な心に最強の力を与えられた“暴君”である。
「女王が進むべき路、すでに用意はできておる。いつなりと出られよ」
「ビッグマーを殺したニンゲン、全部みんな殺してやる」
ゴヴニアが言い終えるのも待たず、駆け出して行こうとするオーロラ。
しかしその前を青木が塞ぎ、かぶりを振った。
「俺が道中の露払いをする。おまえへ蝿どもをたからせるわけにいかん」
「うざいキモイついてこないで」
「それだけは聞けん。言っただろう、俺はおまえを守る騎士だと」
首を傾げるオーロラと、厳しくもやさしい目で彼女を見据える青木。
なんとも報われぬ有様よな。ゴヴニアは肩をすくめ、青木へ告げる。
「路を辿らば迷うことはない。ただし、路の一部は人間によって打ち壊されておる。その他に荒らされた箇所もあろう。その間は……女王に添うを控えるのだな」
「石塊がこの俺を案じるだと?」
青木は黄金の胸元に槍の石突を突き立てた。
そしてがらりと割れ砕けるゴヴニアに冷めた目線を投げ。
「いずれ貴様の本体にもその驕慢を償わせてやる」
「ふむ。ならば入念に首を洗っておこうぞ。それまでは好きにさせてもらおうが」
苦笑を混じえて言い残し、依り代の欠片は今度こそ沈黙した。
舌打ちする青木を、不機嫌な足を踏み鳴らしてオーロラが急かす。
「――なにしてるの遊んでないでもたもたしないで!」
「すぐに行く」
●覚悟
ゲモ・ママは集まったハンターたちへ、前置きもせずに切り出した。
「新しい怠惰王オーロラが南下を開始したわ。……路の意味はこっちでも予想してたけど、まさか王様が直で歩いて来るなんてねぇ」
先にゴヴニアが辺境を貫き、敷いたコンクリートの路。
それを辿り、青木を伴っただけのオーロラが森を抜け、荒野を渡ってさらにその先にある森を目ざしている。
そして。
「生き残りの戦士とアタシの個人的な情報源からのネタ合わせたとこによれば、オーロラは確実にビッグマーの“怠惰の感染”を引き継いで、進化させてる。“怠惰の大感染”って言うしかないくらい力をね」
それは勇敢なる辺境戦士たちの命を積んで得た情報だ。
彼らの死を悼みつつ、ママはそれを振り切って言葉を継ぐ。
「ただ、生き残れた戦士の中に、不思議なこと言ってる人がいるのよ。対感染結界が壊れた後、普通に逃げおおせたって、ね。基本的に怠惰の感染はパッシブみてぇなもんなのに、死んだ人と生き延びた人がいる。これってどういうことなのかしらね……」
ママは一度言葉を切り、視線を左右へ泳がせて、覚悟を決めたように息をついた。
「今回は対青木と対オーロラ、両面作戦を展開するわ。……力の有り様が少しはわかってる青木に人数を割く形にせざるをえないんだけど」
青木とオーロラ、2体が共連れている状況は、こちらにとって都合が悪いどころではない。できることならばどちらかだけでも討ちとりたいのだ。だからこそ、判明している情報量の多い青木を優先する。まったくもって当然のことなのだが……。
「森の中じゃ対青木班が展開しづらくなるから、隙間の荒野で攻撃しかけるわ。ちょうどこの前ゴヴニアとやりあったあたりだけど。……ああ、今回はアンタたちの体ひとつで行ってもらうわ。CAMも幻獣も、置いてくることになったら困るからね」
ママはハンターたちへ思いを押し詰めた視線を送り、言った。
「アンタたちの仕事はオーロラが青木と合流しないように抑えて、生きて帰ってくること。それができるだけで次の手が考えられるわ。だから、とち狂って命賭けんじゃないわよ!」
ハンターたちは、ここに集められた人数が意外なほど少ない理由を悟る。対オーロラ班は、対青木班とは別の意味で決死隊なのだと。
「ハナシが飲み込めたんなら1回解散。再集合までにやりたいことしときなさいよ」
怠惰の大感染という不可避の絶望が音もなく世界を侵しつつあることを、誰もが感じずにいられなかった。
●白百合
青木の先導でゴヴニアの敷いた路を行くオーロラ。
怒りで尖った彼女の眼は思い出したように濁り、その都度凄絶な“絶望”を撒き散らしたが――彼女にとっては不本意なことだ。なぜなら、その間はビッグマーを思い出すことも忘れ果ててしまうから。
私はビッグマーを忘れない。
絶対。絶対。絶対。もう忘れちゃった昔みたいに、忘れないんだ。
かくて彼女は手にしたものを濁り始めた眼前にかざす。
それはいつかビッグマーがくれた白百合。
怠惰の大感染のただ中にあっても朽ちぬよう、ゴヴニアに金剛石でコーティングを施させた、たったひとつの形見。
見ててビッグマー。あいつらにあなたの力、思い知らせてやるから。
解説
●依頼
・青木からオーロラを引き剥がし、再合流しないよう足止めをしてください。
・なるべく多くの未確認情報を確定させてください。
●地形
・森と森との間にある荒野です。
・基本的な地形については先の調査で判明しています。
・先の調査で壊れた路や雑魔の残骸が落ちています。
・身を隠せる岩陰が少々あります。
●オーロラ
・直接的な戦闘能力は持っていません。
・ハンターの接近に伴い、ゴヴニアの指示で雑魔(後述を参照)が出現、オーロラを護衛します。
・現状、ビッグマーを殺したハンターへの激しい怒りに駆られています。
・(PL情報)怒りに駆られた状態のオーロラは、ハンターの“副能力”のひとつをゼロにする「澄まされた怠惰(白百合)」を毎ラウンド発動します。
・(PL情報)11ラウンドめにオーロラの怒りは濁り、「怠惰の大感染(ニガヨモギ)」を発動させます。これは“路が壊されている”ことによります(そのことから理由を推察するのは問題ありません)。
●雑魔×?
・残骸が寄り集まってできた雑魔。
・構造的に脆く、壊すのは難しくありません。
・金属棍(射程1)を両手に持ち、コンクリート片を吐き出します(射程10)。
・基本的には無限再生。どこからでも沸いてきます。
・オーロラのカバーを最優先します。
・オーロラのニガヨモギ発動時には崩壊します。
・(PL情報)コンクリートの路を材料に造られており、その発生はかならずオーロラの後方(すでに通り過ぎてきたところ)からとなります。
●備考
・あらゆる撮影、録音機材はニガヨモギによって破壊されます。
・現状、ニガヨモギの有効範囲は不明です。
・ニガヨモギの範囲内にあっては、たとえハンターであれ命は保てません(1ラウンドで即死はありませんが、かなり深刻な継続ダメージが生じます)。
・青木からオーロラを引き剥がし、再合流しないよう足止めをしてください。
・なるべく多くの未確認情報を確定させてください。
●地形
・森と森との間にある荒野です。
・基本的な地形については先の調査で判明しています。
・先の調査で壊れた路や雑魔の残骸が落ちています。
・身を隠せる岩陰が少々あります。
●オーロラ
・直接的な戦闘能力は持っていません。
・ハンターの接近に伴い、ゴヴニアの指示で雑魔(後述を参照)が出現、オーロラを護衛します。
・現状、ビッグマーを殺したハンターへの激しい怒りに駆られています。
・(PL情報)怒りに駆られた状態のオーロラは、ハンターの“副能力”のひとつをゼロにする「澄まされた怠惰(白百合)」を毎ラウンド発動します。
・(PL情報)11ラウンドめにオーロラの怒りは濁り、「怠惰の大感染(ニガヨモギ)」を発動させます。これは“路が壊されている”ことによります(そのことから理由を推察するのは問題ありません)。
●雑魔×?
・残骸が寄り集まってできた雑魔。
・構造的に脆く、壊すのは難しくありません。
・金属棍(射程1)を両手に持ち、コンクリート片を吐き出します(射程10)。
・基本的には無限再生。どこからでも沸いてきます。
・オーロラのカバーを最優先します。
・オーロラのニガヨモギ発動時には崩壊します。
・(PL情報)コンクリートの路を材料に造られており、その発生はかならずオーロラの後方(すでに通り過ぎてきたところ)からとなります。
●備考
・あらゆる撮影、録音機材はニガヨモギによって破壊されます。
・現状、ニガヨモギの有効範囲は不明です。
・ニガヨモギの範囲内にあっては、たとえハンターであれ命は保てません(1ラウンドで即死はありませんが、かなり深刻な継続ダメージが生じます)。
マスターより
みなさまお疲れさまです、電気石八生と申します。
ついにその姿を露わとしました辺境の異変、そのひとつがこちらとなります。
情報は持ち帰って始めて次へ続くもの。それを合い言葉に、できうる限り新怠惰王の情報を持ち帰っていただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
ついにその姿を露わとしました辺境の異変、そのひとつがこちらとなります。
情報は持ち帰って始めて次へ続くもの。それを合い言葉に、できうる限り新怠惰王の情報を持ち帰っていただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/01/30 11:03
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【質問卓】教えてゲモママ! ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2019/01/23 22:25:16 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/24 06:53:13 |
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【相談卓】怠惰王との対峙 百鬼 一夏(ka7308) 鬼|17才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2019/01/25 22:36:46 |