ゲスト
(ka0000)
【幻想】振り返らずに歩けるように
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/01/26 07:30
- リプレイ完成予定
- 2019/02/04 07:30
オープニング
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)が準備を進めていた策を実現する。
その為にパシュパティ砦を出たのは、部族会議首長バタルトゥ・オイマト(kz0023)の出立よりも少し遅れての事だった。
事前に策を準備していたものの、斥候からもたらされる情報に戦士達が混乱したのが大きな原因であった。それでもヴェルナーは怯える一部の戦士達を鼓舞して馬車で進路を北へ取る。
目指す場所は聖地リタ・ティトより北の地点。
ここである存在と待ち合わせをしている。
その存在は、この策にとって必須と言っても過言ではない。ハンターからの情報を得てヴェルナーなりに終末の正体に辿り着き、その上で考えに考えて練った策である。
――いや、あれを『策』と言っても良いのかは今も悩んでいるのだが。
「バタルトゥさん達がどこまで持ちこたえてくれるか。あまり待たせる訳にはいきません」
ヴェルナーは、馬車を急がせる。
既にハンターの調査で終末の正体は強力な怠惰の感染だと判明している。さらに斥候の情報では対怠惰の感染用結界もすぐに破られる程との報告もある。答えが判明していても、それに対抗する策が見つからなければ無力にも等しい。
そのギリギリの最前線でバタルトゥやハンター達が戦い続けている。
表情は平穏のままであるが、ヴェルナーは内心不安を抱いていた。
「あとどれくらいかかりそうですか?」
「巨龍の背骨が見えてきます。もうちょっとでさぁ」
巨龍の背骨――聖地リタ・ティトを擁するビャスラグ山の別名である。
そこまで到達しているのであれば、それ程時間はかからない。
バタルトゥ達の奮戦に応える意味もあるが、それ以上に『あの存在』はちょっとした事でヘソを曲げる。何とか予定通り話を進めたい所だが……。
「うわっ!」
突然、悲鳴の声を上げる行者。
馬車の手綱を引き、荷台を引く馬が嘶く。
ヴェルナーの前に姿を見せたのは、ある歪虚であった。
「お待ちしておりました、反逆の天使。あなたは必ず動くと知っていましたよ」
ブラッドリー。
神父のような姿であるが、その内実は独自路線を行く狂信的な高位歪虚である。
この辺境に終末をもたらし、信者を楽園『フロンティア』へ誘おうとしているようだが――。
「やはり来ましたか」
「終末を前に抗うのは無駄です。何を企んでいるかは分かりませんが、ここは通しませんよ」
ブラッドリーの背後から姿を現すのは、歪虚へ墜ちたジャイアントの群れ。
2メートルを超える巨躯で棍棒を武器に戦う亜人であるが、一体当たりの戦力はそれ程高くはない。それでも後方から次々と現れるジャイアントが壁になれば馬車の進路を塞ぐ事ができるだろう。
「妨害は想定済みです」
ヴェルナーの合図で護衛のハンター達が荷台から飛び出した。
その様子にブラッドリーは、思わず鼻で笑う。
「それで私達を撃退した後でその馬車を通り抜けるのですか? 試してみなさい。神はすべてご覧になっています」
ブラッドリーの余裕。
それはヴェルナーの馬車を足止めすれば、ヴェルナーの策が成功しない事を直感的に理解していたのだ。いざとなれば馬車に戦力を集めればいい。ブラッドリーにとって、それはあまりにも有利な戦いのはずだった。
だが、ヴェルナーはブラッドリーの言葉をあっさり否定する。
「いいえ」
「!」
「ハンターの皆さん、馬車はこのまま前進します。馬車の行く手を開けて下さい。その為に、ドワーフへ依頼して馬車の防御力を上げたのですから」
ヴェルナーは馬車の強行突破を試みる。
馬車を破壊されれば、怠惰王と戦うバタルトゥへの負担は一気に増大する。
その負担を少しでも軽くする為、無茶であっても馬車の進路を確保して先に進む決断をしたのだ。出発を遅らせてまで馬車の防御を底上げした理由もここにある。
「時間がありません。無茶なお願いは承知しています。少しの間、敵の攻撃を押さえ込んで下さい」
●
「うーん、ちゃんと来るといいのだけど……帰りたいなぁ」
聖地の少し北の地点でイクタサ(kz0246)は、一人空を見上げていた。
ヴェルナーから大事なお願いがあると何度も念押しされて来てみたのだが、ヴェルナーは未だに現れない。
だが、イクタサは分かっている。
北からやってくる不穏な空気。
無理矢理ヴェルナーに連れ出される形となったイクタサにも、それが如何に厄介な物か――。
「きっとあれの対応かな。まったく、気が進まないなぁ。
でも、今回は仕方ないか。あれは人の手に余るから」
その為にパシュパティ砦を出たのは、部族会議首長バタルトゥ・オイマト(kz0023)の出立よりも少し遅れての事だった。
事前に策を準備していたものの、斥候からもたらされる情報に戦士達が混乱したのが大きな原因であった。それでもヴェルナーは怯える一部の戦士達を鼓舞して馬車で進路を北へ取る。
目指す場所は聖地リタ・ティトより北の地点。
ここである存在と待ち合わせをしている。
その存在は、この策にとって必須と言っても過言ではない。ハンターからの情報を得てヴェルナーなりに終末の正体に辿り着き、その上で考えに考えて練った策である。
――いや、あれを『策』と言っても良いのかは今も悩んでいるのだが。
「バタルトゥさん達がどこまで持ちこたえてくれるか。あまり待たせる訳にはいきません」
ヴェルナーは、馬車を急がせる。
既にハンターの調査で終末の正体は強力な怠惰の感染だと判明している。さらに斥候の情報では対怠惰の感染用結界もすぐに破られる程との報告もある。答えが判明していても、それに対抗する策が見つからなければ無力にも等しい。
そのギリギリの最前線でバタルトゥやハンター達が戦い続けている。
表情は平穏のままであるが、ヴェルナーは内心不安を抱いていた。
「あとどれくらいかかりそうですか?」
「巨龍の背骨が見えてきます。もうちょっとでさぁ」
巨龍の背骨――聖地リタ・ティトを擁するビャスラグ山の別名である。
そこまで到達しているのであれば、それ程時間はかからない。
バタルトゥ達の奮戦に応える意味もあるが、それ以上に『あの存在』はちょっとした事でヘソを曲げる。何とか予定通り話を進めたい所だが……。
「うわっ!」
突然、悲鳴の声を上げる行者。
馬車の手綱を引き、荷台を引く馬が嘶く。
ヴェルナーの前に姿を見せたのは、ある歪虚であった。
「お待ちしておりました、反逆の天使。あなたは必ず動くと知っていましたよ」
ブラッドリー。
神父のような姿であるが、その内実は独自路線を行く狂信的な高位歪虚である。
この辺境に終末をもたらし、信者を楽園『フロンティア』へ誘おうとしているようだが――。
「やはり来ましたか」
「終末を前に抗うのは無駄です。何を企んでいるかは分かりませんが、ここは通しませんよ」
ブラッドリーの背後から姿を現すのは、歪虚へ墜ちたジャイアントの群れ。
2メートルを超える巨躯で棍棒を武器に戦う亜人であるが、一体当たりの戦力はそれ程高くはない。それでも後方から次々と現れるジャイアントが壁になれば馬車の進路を塞ぐ事ができるだろう。
「妨害は想定済みです」
ヴェルナーの合図で護衛のハンター達が荷台から飛び出した。
その様子にブラッドリーは、思わず鼻で笑う。
「それで私達を撃退した後でその馬車を通り抜けるのですか? 試してみなさい。神はすべてご覧になっています」
ブラッドリーの余裕。
それはヴェルナーの馬車を足止めすれば、ヴェルナーの策が成功しない事を直感的に理解していたのだ。いざとなれば馬車に戦力を集めればいい。ブラッドリーにとって、それはあまりにも有利な戦いのはずだった。
だが、ヴェルナーはブラッドリーの言葉をあっさり否定する。
「いいえ」
「!」
「ハンターの皆さん、馬車はこのまま前進します。馬車の行く手を開けて下さい。その為に、ドワーフへ依頼して馬車の防御力を上げたのですから」
ヴェルナーは馬車の強行突破を試みる。
馬車を破壊されれば、怠惰王と戦うバタルトゥへの負担は一気に増大する。
その負担を少しでも軽くする為、無茶であっても馬車の進路を確保して先に進む決断をしたのだ。出発を遅らせてまで馬車の防御を底上げした理由もここにある。
「時間がありません。無茶なお願いは承知しています。少しの間、敵の攻撃を押さえ込んで下さい」
●
「うーん、ちゃんと来るといいのだけど……帰りたいなぁ」
聖地の少し北の地点でイクタサ(kz0246)は、一人空を見上げていた。
ヴェルナーから大事なお願いがあると何度も念押しされて来てみたのだが、ヴェルナーは未だに現れない。
だが、イクタサは分かっている。
北からやってくる不穏な空気。
無理矢理ヴェルナーに連れ出される形となったイクタサにも、それが如何に厄介な物か――。
「きっとあれの対応かな。まったく、気が進まないなぁ。
でも、今回は仕方ないか。あれは人の手に余るから」
解説
目的:聖地への道を阻む歪虚包囲網をこじ開けて馬車の行く手を確保する。
概要:聖地への道は草原で遮蔽物は特にありません。ですが、行く手をブラッドリーとジャイアントの群れが塞いでいます。ハンター達は壁となっている敵陣を崩して馬車の進路を確保します。そのまま動き出す馬車を守りながら、目的地を目指します。馬車が戦域を脱出するまで10分程度で、馬車が脱出しさえすればハンターは歪虚と戦い続けても問題ありません。
敵:
ブラッドリー
『神の御遣い』を自称する歪虚。神父姿で手に聖書を携えている。周囲に複数の光球を浮遊させているのが特徴で、この光球で攻撃や防御を行っている事が判明している。
注意すべきは物理攻撃を防ぐ「光の盾」、光球からの雷攻撃。また特定対象への怠惰の感染やパワーアップも可能という情報もあります。光球は光の盾を破壊、もしくは特定攻撃で消えますが、ジャイアントを感電死させる事で新たに供給します。
ジャイアント ×多数
歪虚墜ちした亜人で2メートルの身長を持ちます。武器は棍棒とそれを振るう怪力で、熟練したハンターでなければ囲まれると厄介な相手です。一体だけではそれ程強い相手ではありません。
※注意
本シナリオは如何に早く馬車を通過させるかがポイントです。障害物が進路にあれば馬車は停止します。
概要:聖地への道は草原で遮蔽物は特にありません。ですが、行く手をブラッドリーとジャイアントの群れが塞いでいます。ハンター達は壁となっている敵陣を崩して馬車の進路を確保します。そのまま動き出す馬車を守りながら、目的地を目指します。馬車が戦域を脱出するまで10分程度で、馬車が脱出しさえすればハンターは歪虚と戦い続けても問題ありません。
敵:
ブラッドリー
『神の御遣い』を自称する歪虚。神父姿で手に聖書を携えている。周囲に複数の光球を浮遊させているのが特徴で、この光球で攻撃や防御を行っている事が判明している。
注意すべきは物理攻撃を防ぐ「光の盾」、光球からの雷攻撃。また特定対象への怠惰の感染やパワーアップも可能という情報もあります。光球は光の盾を破壊、もしくは特定攻撃で消えますが、ジャイアントを感電死させる事で新たに供給します。
ジャイアント ×多数
歪虚墜ちした亜人で2メートルの身長を持ちます。武器は棍棒とそれを振るう怪力で、熟練したハンターでなければ囲まれると厄介な相手です。一体だけではそれ程強い相手ではありません。
※注意
本シナリオは如何に早く馬車を通過させるかがポイントです。障害物が進路にあれば馬車は停止します。
マスターより
近藤豊です。
辺境を舞台にした連動『幻想』がスタートしました。何かする怠惰王の前に、ヴェルナーは策を講じますが、ブラッドリーはその策を阻みます。時間をかければ、本シナリオの結果が他のシナリオにも影響します。スピードで一気に仕掛け、馬車を通過させるのが大成功への道となります。
それでは、モツ鍋を肴にお待ちしています。
辺境を舞台にした連動『幻想』がスタートしました。何かする怠惰王の前に、ヴェルナーは策を講じますが、ブラッドリーはその策を阻みます。時間をかければ、本シナリオの結果が他のシナリオにも影響します。スピードで一気に仕掛け、馬車を通過させるのが大成功への道となります。
それでは、モツ鍋を肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/01/28 06:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 雨を告げる鳥(ka6258) エルフ|14才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/01/26 03:35:13 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/24 15:57:05 |