ゲスト
(ka0000)
【幻想】─華に沈む、未来
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~5人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 3日
- プレイング締切
- 2019/01/24 09:00
- リプレイ完成予定
- 2019/02/02 09:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
──それは『楽園』だと、歪虚は言った。
死が、広がっていく。
死の腕は逃げる者の背を掴み取るのではなく、包み込むように迫ってくる。
そこにいた者たちを撫でていくその腕は──冷たいものではなく、暖かかった。
……もう、頑張らなくても良いじゃない、と。
苦しいことなどやめて、全て投げ出してしまえばいい。逆らって、戻って、その先に何があるの? どうでも良いものばかり……。
(違う)
囁く声に、抗う意志、一つ。
だがそんな彼にも怠惰は伸びる。白い霧がかかるように、思考を鈍らせていく。
どうでもいい。何もかも面倒だ。
支配されそうになる意識を振りほどくように、帰る理由を思い出す。
共に駆け抜けた戦場があった。
笑いあった日々があった。
鮮やかな光景を見た。
救ってくれた言葉があった。
それらが。
──それらすら。
(……でも、身体が、怠い……何だかもう……面倒くさい……)
それはもはや。
外から囁きかける声ではなく、内より浮かぶ思いとなって……──
「う、う、うああああああああああっ!?」
叫びを上げた。
戦士として幾度と戦場を駆けてきて初めて、本気の恐怖を覚えた。
生きたい思い──大切なもの。
それを、己自身が取るに足らないものとして、白く霞む意識の向こうへと追いやろうとしている。
嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!?
心で喚きながら彼は──チィ=ズヴォーはしかし不意に、その場に膝を折った。
崩れ落ちる身体に、怠惰が舞い降りる。まるで優しく布団を掛けるように。抗う意志を、蕩ろかしていく。
倦怠が塗りつぶしていく。思い出すら。憧れすら。怒りすら。恐怖でさえも……──!
これが──真なる怠惰王の、『怠惰の大感染』。
(嫌……でさあ。手前どもは……)
意識が白くぼやけていく中、それでも抗おうとする。きっと、助けは向かっているはずだと。
……そんなに頑張らなくても良いじゃない、と、声がした気がした。
否、と、指先だけでも力を込める──ああ何て面倒くさいんだ、という心と身体の不平を聞きながら。
……もう我慢しなくても良いじゃない、と、声がした気がした。
(……我慢?)
その単語に、薄れかかる思考が反応した。我慢? 自分が? 何を我慢しているというのだ?
……それは。
彼自身が知らなかった心の奥。錆び付いたかのように固く閉ざされた扉の向こうにあった。
怠惰の手は、そこに伸びて。
容赦なく、抉じ開けて。
(そん……な。手前どもは……手前どもが……そん、な、こと)
そこにあった、想いに。
──指先に込めていた力が、抜けた。
もう……どうでも、良いのかもしれない。
自分の命など助からなくても──助からない方が。
頭が、重い。
面倒だ。面倒になった。
……何も、考えたく、ない。
──それは『楽園』だと、歪虚は言った。
あらゆる苦悩、罪悪から解き放ってくれる楽園。
眠る戦士たちの顔を見てみると良い。とても安らかな表情をしているだろう?
もうしばらくで。全ての抵抗が終われば。彼だって、きっと。
●
緊急依頼。
怠惰王の出現により、怠惰の大感染の影響下にある者たちで、まだ助かる可能性のあるものの救出。
対怠惰の感染用結界を支給して現場に向かってもらうが、長くは持たないことが分かっている。また、怠惰の大感染を受けた者はただ動けないのみならずやがて自発呼吸すらやめてしまうという。故に可能な限り早く現場に急行し、救助対象を保護して戻る必要がある……──。
そんな依頼を受けて、幾つかのチームが決死の覚悟で現場の森へと突入していく。
……だがもちろんそれを、黙って見ていてくれる怠惰軍ではない。
森の奥から現れる気配、三つ。ジャイアントがそれぞれ別の方向から迫ってくる。全員、弓と、それから剣と盾を携えている。
その動きは緩慢だった。だが、明確な殺意と悪意を持って立ちはだかってくる。時間をかけさえすれば勝利だと、理解しているのだろう。
「邪魔を……するなッ……!」
伊佐美 透(kz0243)の声はかつてないほどに重く、震えていた。
いつもは防御寄りに構えていた刀が、冷えた光を放っている。怒りで全てを切り裂こうとするばかりに。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
──それは『楽園』だと、歪虚は言った。
死が、広がっていく。
死の腕は逃げる者の背を掴み取るのではなく、包み込むように迫ってくる。
そこにいた者たちを撫でていくその腕は──冷たいものではなく、暖かかった。
……もう、頑張らなくても良いじゃない、と。
苦しいことなどやめて、全て投げ出してしまえばいい。逆らって、戻って、その先に何があるの? どうでも良いものばかり……。
(違う)
囁く声に、抗う意志、一つ。
だがそんな彼にも怠惰は伸びる。白い霧がかかるように、思考を鈍らせていく。
どうでもいい。何もかも面倒だ。
支配されそうになる意識を振りほどくように、帰る理由を思い出す。
共に駆け抜けた戦場があった。
笑いあった日々があった。
鮮やかな光景を見た。
救ってくれた言葉があった。
それらが。
──それらすら。
(……でも、身体が、怠い……何だかもう……面倒くさい……)
それはもはや。
外から囁きかける声ではなく、内より浮かぶ思いとなって……──
「う、う、うああああああああああっ!?」
叫びを上げた。
戦士として幾度と戦場を駆けてきて初めて、本気の恐怖を覚えた。
生きたい思い──大切なもの。
それを、己自身が取るに足らないものとして、白く霞む意識の向こうへと追いやろうとしている。
嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!?
心で喚きながら彼は──チィ=ズヴォーはしかし不意に、その場に膝を折った。
崩れ落ちる身体に、怠惰が舞い降りる。まるで優しく布団を掛けるように。抗う意志を、蕩ろかしていく。
倦怠が塗りつぶしていく。思い出すら。憧れすら。怒りすら。恐怖でさえも……──!
これが──真なる怠惰王の、『怠惰の大感染』。
(嫌……でさあ。手前どもは……)
意識が白くぼやけていく中、それでも抗おうとする。きっと、助けは向かっているはずだと。
……そんなに頑張らなくても良いじゃない、と、声がした気がした。
否、と、指先だけでも力を込める──ああ何て面倒くさいんだ、という心と身体の不平を聞きながら。
……もう我慢しなくても良いじゃない、と、声がした気がした。
(……我慢?)
その単語に、薄れかかる思考が反応した。我慢? 自分が? 何を我慢しているというのだ?
……それは。
彼自身が知らなかった心の奥。錆び付いたかのように固く閉ざされた扉の向こうにあった。
怠惰の手は、そこに伸びて。
容赦なく、抉じ開けて。
(そん……な。手前どもは……手前どもが……そん、な、こと)
そこにあった、想いに。
──指先に込めていた力が、抜けた。
もう……どうでも、良いのかもしれない。
自分の命など助からなくても──助からない方が。
頭が、重い。
面倒だ。面倒になった。
……何も、考えたく、ない。
──それは『楽園』だと、歪虚は言った。
あらゆる苦悩、罪悪から解き放ってくれる楽園。
眠る戦士たちの顔を見てみると良い。とても安らかな表情をしているだろう?
もうしばらくで。全ての抵抗が終われば。彼だって、きっと。
●
緊急依頼。
怠惰王の出現により、怠惰の大感染の影響下にある者たちで、まだ助かる可能性のあるものの救出。
対怠惰の感染用結界を支給して現場に向かってもらうが、長くは持たないことが分かっている。また、怠惰の大感染を受けた者はただ動けないのみならずやがて自発呼吸すらやめてしまうという。故に可能な限り早く現場に急行し、救助対象を保護して戻る必要がある……──。
そんな依頼を受けて、幾つかのチームが決死の覚悟で現場の森へと突入していく。
……だがもちろんそれを、黙って見ていてくれる怠惰軍ではない。
森の奥から現れる気配、三つ。ジャイアントがそれぞれ別の方向から迫ってくる。全員、弓と、それから剣と盾を携えている。
その動きは緩慢だった。だが、明確な殺意と悪意を持って立ちはだかってくる。時間をかけさえすれば勝利だと、理解しているのだろう。
「邪魔を……するなッ……!」
伊佐美 透(kz0243)の声はかつてないほどに重く、震えていた。
いつもは防御寄りに構えていた刀が、冷えた光を放っている。怒りで全てを切り裂こうとするばかりに。
解説
●目的
ニガヨモギ影響下にあり生命の危機にある辺境戦士の救出
●状況
森の中
シナリオ開始はジャイアントに遭遇した時点からのものとする
ジャイアントはPCたちが突入してきた経路に対しそれぞれ別の三方向から迫ってきており、それぞれと10sqほど離れた状態から開始
弓、剣、盾を用い、特筆すべき固有能力は存在しない
携帯用怠惰の感染用結界は一人一つ所持しており、PCの別行動は可能である
ただし救出対象の結界はもう完全に破損しており、救出後はニガヨモギの影響が無くなる場所に出るまでは救出者と同一または隣接sqに居る必要がある
シナリオ中、これ以上のジャイアントが障害として出現することは無い
倒すことは必須ではないが、やり過ごして救出に向かった場合、再び立ちはだかる可能性はある
NPCとして伊佐美 透(kz0243)が同行している
そこそこの戦歴の闘狩人。ただし相棒の命の危機であるため、落ち着けと言っても無理だと思うが、いい大人なのでそこまで見境無くなっているわけでもない。会話や相談は可能。PCで十分な作戦が取れていれば、放置でもいいだろう
纏めると、「なる早でジャイアントをどうにかして救助対象の元へと向かえ」
ニガヨモギ影響下にあり生命の危機にある辺境戦士の救出
●状況
森の中
シナリオ開始はジャイアントに遭遇した時点からのものとする
ジャイアントはPCたちが突入してきた経路に対しそれぞれ別の三方向から迫ってきており、それぞれと10sqほど離れた状態から開始
弓、剣、盾を用い、特筆すべき固有能力は存在しない
携帯用怠惰の感染用結界は一人一つ所持しており、PCの別行動は可能である
ただし救出対象の結界はもう完全に破損しており、救出後はニガヨモギの影響が無くなる場所に出るまでは救出者と同一または隣接sqに居る必要がある
シナリオ中、これ以上のジャイアントが障害として出現することは無い
倒すことは必須ではないが、やり過ごして救出に向かった場合、再び立ちはだかる可能性はある
NPCとして伊佐美 透(kz0243)が同行している
そこそこの戦歴の闘狩人。ただし相棒の命の危機であるため、落ち着けと言っても無理だと思うが、いい大人なのでそこまで見境無くなっているわけでもない。会話や相談は可能。PCで十分な作戦が取れていれば、放置でもいいだろう
纏めると、「なる早でジャイアントをどうにかして救助対象の元へと向かえ」
マスターより
お正月は楽しかったですね。どうも。抉る方の凪池です。
このために年末思い出したようにコンビで戦わせたり仲良く餅食わせたりしときました。
いや、状況的には同じ連動の他の皆さんの依頼と比べると全然大したことないんですけどね。
強敵とかを扱うのはどうにも得意でないので、せめて凪池なりのやり方で怠惰のヤバさをお伝えしてみようと頑張ってみた結果です。少しくらいは伝わってると幸いです。
この危険フラグは……あれです。敵は大したことないですが皆さん怠惰の大感染に突っ込んでるってことは忘れないでください。ネタやロールプレイのつもりで軽率なことはお控えください。死にます。(
緊急事態の為相談期間が短いです。ご注意ください
このために年末思い出したようにコンビで戦わせたり仲良く餅食わせたりしときました。
いや、状況的には同じ連動の他の皆さんの依頼と比べると全然大したことないんですけどね。
強敵とかを扱うのはどうにも得意でないので、せめて凪池なりのやり方で怠惰のヤバさをお伝えしてみようと頑張ってみた結果です。少しくらいは伝わってると幸いです。
この危険フラグは……あれです。敵は大したことないですが皆さん怠惰の大感染に突っ込んでるってことは忘れないでください。ネタやロールプレイのつもりで軽率なことはお控えください。死にます。(
緊急事態の為相談期間が短いです。ご注意ください
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/01/28 06:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/01/23 08:21:58 |
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![]() |
質問卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/01/21 20:15:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/21 11:14:55 |