ゲスト
(ka0000)
荒野を走るダンゴムシ
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2019/01/31 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/02/09 19:00
オープニング
●南海の向こう、南方大陸。
扇型に突き出た岬の近くに、とあるリザードマンの集落がある。
集落は高床木組みの住宅で構成されているのだが、その一角に、それらと全く雰囲気の違う家屋があった。
四角い窓、四角い入り口がついた砂色の立方体。
その中には枯れ草が一面に敷き詰められ、多数の卵が置いてある。
この箱みたいな建物は、孵化場だ。リザードマンにも色々あるが、この部族は卵から産まれてくるのである。
卵のうちの幾つかは動いていた。中から、コツコツという音が聞こえてくる。
本日の見守り担当たちは(この部族では、大人全体が交替で卵の世話をする慣習がある)気もそぞろ。
「ドウダ。モウ出テキソウカ?」
「ヒビガ大キクナッテキテイルノガ、4ツアル。アレハ今日中ニ出テクルト思ウゾ」
「オオ、ソウカ。前回ハ皆駄目ニナッテシマッタカラナ。今度ハ全部ウマクイクトイイ」
そんなこんなで集落全体がそわついているまさにその時、よその部族から使いの者がやってきた。
「ナニゴトダ。コノ忙シイ時ニ……」
と言いつつ族長『大きな山』は、応対に出る。
やってきた使いは、奥地に住むリザードマン部族からのものだった。
「一体何用デアルカ」
尋ねる族長に使者は言う。
「浜ノ部族ニ助力ヲ頼ミタク参上イタシマシタ。実ハ我ラノ部族ガ治メル地ニ、巨大ナ歪虚ガ現レマシテ」
「ナニ、ドンナ歪虚ダ」
「口ノ大キサハ、家ヲ呑ムホド。足ハ数エキレナイホド。体ハ硬ク鎧ノヨウ。目玉ハ4ツ、ソノ1ツガ潰レテイマス」
「ソレハドウイウ悪サヲスルノカ?」
「手当タリ次第ノモノヲ踏ミ付ケ、破壊シテユクノデス。我ラノ集落モ襲ワレマシタ……」
そこで言葉を切った使者は、上下から瞼を閉じ、開く。
「幸イ部族ノ者ハ全員隠レ谷ニ避難出来タノデスガ、歪虚ハマダウロツイテオリマス。完全ニ息ノ根ヲ止メテシマワネバ、我ラハ集落ニ戻レズ、再建モ出来ナイ……ドウカ、力ヲ貸シテモラエマスマイカ」
部族は違うが同じリザードマンである。そしてお隣さんである。彼らの部族に災難が起きたとすれば、それは遠からず自分たちの部族にも降りかかってくる。
異常のことを考えて長は、力を貸すことを決めた。
「ウム、分カッタ」
ちょうどその時である。以前この地にやって来て箱を置き去って行った精霊が、急に出現してきたのは。
●ユニゾン島→南方大陸
常夏の空の下。
マゴイは新しく市民になったアスカとジグに、ソルジャー必需品であるインカムを渡す。
『……市民登録おめでとう……それでは早速これを……』
「これ、何?」「パイロットインカムみたいだな」
『……これはソルジャーインカム……撹乱電波にも……高濃度の負マテリアル汚染にも耐え……クリアな通信が可能……破壊対象のスキャンも出来るし……自分の健康状態も把握出来る……脈拍や血圧や体脂肪率や……現在位置の情報も……他には……』
噛んで含めてインカムの操作説明をしたマゴイは、アスカとジグをユニゾンの見回りへと送り出す。
『……それでは……行ってらっしゃい……気をつけて……就業時間を守り……ワーカーを保護してちょうだい……』
それが済むと、ウォッチャーの上に腰掛ける。
『……マテリアル炉が出来たし……保養所も出来たし……ソルジャーも来てくれた……これでユニゾンはますます安心安全……』
満足感にしばし浸った彼女は、ふと思い出す。
『……そうだわ……リザードマンたちは……どうしているのかしら……置いて来た簡易住宅を……ちゃんと活用出来ているかしら……』
これまでユニゾンの環境整備が忙しかったが、今はそれらが一段落した。確かめにいく暇が作れそう。
『……見に行ってみましょう……座標は分かっているし……』
マゴイはいそいそと市民生産機関の転移セクションに向かった。
そして以前訪れた南方大陸の一地点、リザードマン集落がある場所へ出現する。
するとリザードマンたちが何やら色めき立っていた。手に手に槍や弓を持ち、どこかへ出掛ける様子。
『オオ、白イ精霊』
『白イ精霊ガ現レタ』
『サテハゴ助力ニ来テクダサッタカ』
何のことやら分からなかったので事情を聞いてみれば、この付近に危険な歪虚が現れたのだとのこと。
これは自分が彼らへ直に力を貸していい事案なのかどうか考えてみたマゴイは、どうも違うのではないだろうかと判断した。
なので、ハンターオフィスに救援を要請した。急を要する事態であるようなので、ユニゾン転移扉の使用を自分の監視下において認めるという旨も伝えて。
●南方大陸到着
カチャは感動していた。船酔いに悩まされる事なく海を隔てた場所に来られたことに。
「船じゃない交通手段があるっていいですよね……いつもこうだったらなあ」
しかしいつまでも感動してはいられない。他ハンターと同様、歪虚退治の依頼を受けてここに来たのだ。
同行者はリザートマンの族長と、えり抜きの戦士たち15名。それと近隣部族の使者1名。
マゴイは扉の番をするからといって、同行してくれなかった。ゆらゆら手を振って見送るだけだ。
『……行ってらっしゃい……』
向かう先には、壁のような山がそびえている。その山のお陰で雲が出来、海岸一帯には緑が多いのだという。逆にそこを越えればからからに乾いているのだとか。
歪虚は荒野を驀進していた。
杭のようなものが突き刺さって潰れた目から、体液がどくどく噴き出している。
歪虚の中には痛みに対する逆上しかない。砂ぼこりを巻き上げ、乾いた大地を揺るがし、ひたすら、目茶苦茶に進んでいく。目につくもの全てに当たり散らしながら。
隠れ谷に潜んでいるリザードマン部族は、息を殺すようにして、遠方に霞むその姿を窺っている。
扇型に突き出た岬の近くに、とあるリザードマンの集落がある。
集落は高床木組みの住宅で構成されているのだが、その一角に、それらと全く雰囲気の違う家屋があった。
四角い窓、四角い入り口がついた砂色の立方体。
その中には枯れ草が一面に敷き詰められ、多数の卵が置いてある。
この箱みたいな建物は、孵化場だ。リザードマンにも色々あるが、この部族は卵から産まれてくるのである。
卵のうちの幾つかは動いていた。中から、コツコツという音が聞こえてくる。
本日の見守り担当たちは(この部族では、大人全体が交替で卵の世話をする慣習がある)気もそぞろ。
「ドウダ。モウ出テキソウカ?」
「ヒビガ大キクナッテキテイルノガ、4ツアル。アレハ今日中ニ出テクルト思ウゾ」
「オオ、ソウカ。前回ハ皆駄目ニナッテシマッタカラナ。今度ハ全部ウマクイクトイイ」
そんなこんなで集落全体がそわついているまさにその時、よその部族から使いの者がやってきた。
「ナニゴトダ。コノ忙シイ時ニ……」
と言いつつ族長『大きな山』は、応対に出る。
やってきた使いは、奥地に住むリザードマン部族からのものだった。
「一体何用デアルカ」
尋ねる族長に使者は言う。
「浜ノ部族ニ助力ヲ頼ミタク参上イタシマシタ。実ハ我ラノ部族ガ治メル地ニ、巨大ナ歪虚ガ現レマシテ」
「ナニ、ドンナ歪虚ダ」
「口ノ大キサハ、家ヲ呑ムホド。足ハ数エキレナイホド。体ハ硬ク鎧ノヨウ。目玉ハ4ツ、ソノ1ツガ潰レテイマス」
「ソレハドウイウ悪サヲスルノカ?」
「手当タリ次第ノモノヲ踏ミ付ケ、破壊シテユクノデス。我ラノ集落モ襲ワレマシタ……」
そこで言葉を切った使者は、上下から瞼を閉じ、開く。
「幸イ部族ノ者ハ全員隠レ谷ニ避難出来タノデスガ、歪虚ハマダウロツイテオリマス。完全ニ息ノ根ヲ止メテシマワネバ、我ラハ集落ニ戻レズ、再建モ出来ナイ……ドウカ、力ヲ貸シテモラエマスマイカ」
部族は違うが同じリザードマンである。そしてお隣さんである。彼らの部族に災難が起きたとすれば、それは遠からず自分たちの部族にも降りかかってくる。
異常のことを考えて長は、力を貸すことを決めた。
「ウム、分カッタ」
ちょうどその時である。以前この地にやって来て箱を置き去って行った精霊が、急に出現してきたのは。
●ユニゾン島→南方大陸
常夏の空の下。
マゴイは新しく市民になったアスカとジグに、ソルジャー必需品であるインカムを渡す。
『……市民登録おめでとう……それでは早速これを……』
「これ、何?」「パイロットインカムみたいだな」
『……これはソルジャーインカム……撹乱電波にも……高濃度の負マテリアル汚染にも耐え……クリアな通信が可能……破壊対象のスキャンも出来るし……自分の健康状態も把握出来る……脈拍や血圧や体脂肪率や……現在位置の情報も……他には……』
噛んで含めてインカムの操作説明をしたマゴイは、アスカとジグをユニゾンの見回りへと送り出す。
『……それでは……行ってらっしゃい……気をつけて……就業時間を守り……ワーカーを保護してちょうだい……』
それが済むと、ウォッチャーの上に腰掛ける。
『……マテリアル炉が出来たし……保養所も出来たし……ソルジャーも来てくれた……これでユニゾンはますます安心安全……』
満足感にしばし浸った彼女は、ふと思い出す。
『……そうだわ……リザードマンたちは……どうしているのかしら……置いて来た簡易住宅を……ちゃんと活用出来ているかしら……』
これまでユニゾンの環境整備が忙しかったが、今はそれらが一段落した。確かめにいく暇が作れそう。
『……見に行ってみましょう……座標は分かっているし……』
マゴイはいそいそと市民生産機関の転移セクションに向かった。
そして以前訪れた南方大陸の一地点、リザードマン集落がある場所へ出現する。
するとリザードマンたちが何やら色めき立っていた。手に手に槍や弓を持ち、どこかへ出掛ける様子。
『オオ、白イ精霊』
『白イ精霊ガ現レタ』
『サテハゴ助力ニ来テクダサッタカ』
何のことやら分からなかったので事情を聞いてみれば、この付近に危険な歪虚が現れたのだとのこと。
これは自分が彼らへ直に力を貸していい事案なのかどうか考えてみたマゴイは、どうも違うのではないだろうかと判断した。
なので、ハンターオフィスに救援を要請した。急を要する事態であるようなので、ユニゾン転移扉の使用を自分の監視下において認めるという旨も伝えて。
●南方大陸到着
カチャは感動していた。船酔いに悩まされる事なく海を隔てた場所に来られたことに。
「船じゃない交通手段があるっていいですよね……いつもこうだったらなあ」
しかしいつまでも感動してはいられない。他ハンターと同様、歪虚退治の依頼を受けてここに来たのだ。
同行者はリザートマンの族長と、えり抜きの戦士たち15名。それと近隣部族の使者1名。
マゴイは扉の番をするからといって、同行してくれなかった。ゆらゆら手を振って見送るだけだ。
『……行ってらっしゃい……』
向かう先には、壁のような山がそびえている。その山のお陰で雲が出来、海岸一帯には緑が多いのだという。逆にそこを越えればからからに乾いているのだとか。
歪虚は荒野を驀進していた。
杭のようなものが突き刺さって潰れた目から、体液がどくどく噴き出している。
歪虚の中には痛みに対する逆上しかない。砂ぼこりを巻き上げ、乾いた大地を揺るがし、ひたすら、目茶苦茶に進んでいく。目につくもの全てに当たり散らしながら。
隠れ谷に潜んでいるリザードマン部族は、息を殺すようにして、遠方に霞むその姿を窺っている。
解説
補足説明
これはリザードマン集落に出てきた歪虚を退治することを、目的とするシナリオです。
歪虚情報
大きさ:8メートル
形:ドーム型の目が4つついたダンゴムシ。
戦闘方法:踏む。噛む。
知能:虫
弱点:目。一つ潰すごとに回避力が大幅低下する。
同行者情報
リザードマン(浜の部族)族長1名(武器:槍)+えり抜きの戦士たち15名。(槍の使い手10名、弓の使い手5名)
リザードマン(奥地の部族)族長1名(武器:大刀)+生え抜きの戦士たち20名。(太刀の使い手15名、弓の使い手5名)
マゴイさんが送ってくれるのは海浜の集落まで。奥地の集落へは徒歩で向かいます。
乗り物がある人は使ってもいいですが、道中は車道も歩道も全く整備されていません。
奥地のリザードマン集落へは、屈強なリザードマンとハンターたちなら、半日でたどり着けるほどの距離にあります。
これはリプレイ「扉の向こうへ」に続く話です。
が、その前段を知らなくてもプレイングに支障はありません。
これはリザードマン集落に出てきた歪虚を退治することを、目的とするシナリオです。
歪虚情報
大きさ:8メートル
形:ドーム型の目が4つついたダンゴムシ。
戦闘方法:踏む。噛む。
知能:虫
弱点:目。一つ潰すごとに回避力が大幅低下する。
同行者情報
リザードマン(浜の部族)族長1名(武器:槍)+えり抜きの戦士たち15名。(槍の使い手10名、弓の使い手5名)
リザードマン(奥地の部族)族長1名(武器:大刀)+生え抜きの戦士たち20名。(太刀の使い手15名、弓の使い手5名)
マゴイさんが送ってくれるのは海浜の集落まで。奥地の集落へは徒歩で向かいます。
乗り物がある人は使ってもいいですが、道中は車道も歩道も全く整備されていません。
奥地のリザードマン集落へは、屈強なリザードマンとハンターたちなら、半日でたどり着けるほどの距離にあります。
これはリプレイ「扉の向こうへ」に続く話です。
が、その前段を知らなくてもプレイングに支障はありません。
マスターより
KINUTAです。
今回は正当派、というか分かりやすい歪虚退治です。
歪虚は大物ですが知能は低いですし、戦闘に際して協力者も大勢いますので、うまく連携を取ればすぐ片付けられるでしょう。
運が良ければ赤ちゃんリザードマンが見られるかも知れません。
今回は正当派、というか分かりやすい歪虚退治です。
歪虚は大物ですが知能は低いですし、戦闘に際して協力者も大勢いますので、うまく連携を取ればすぐ片付けられるでしょう。
運が良ければ赤ちゃんリザードマンが見られるかも知れません。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/02/07 01:38
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 マルカ・アニチキン(ka2542) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/01/31 18:22:56 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/30 16:14:25 |
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相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2019/01/31 18:31:02 |