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【東幕】退かぬ戦い

マスター:電気石八生

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在7人 / 5~7人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2019/02/03 09:00
リプレイ完成予定
2019/02/17 09:00

オープニング

●転移門
「ささ、各々方! そろりそろりと運ばれよ! 声を合わせ、心を合わせ、たとえ雨が降ろうと槍が降ろうと運び抜き、もののふの一分を立てようぞぉ!!」
 ふがー!!
 いかめしい甲冑姿の武者たちが勢いよく「ふがふが」言いつつ、転移門の子基を為す機械部品を恵土城へと運び込んでいく。
「ちょっとぉ! ソレすっげぇ繊細なんだから! “ふがふが”じゃなくって“ふかふか”ってカンジで運びなさいよぉ! つかアンタら、城主(仮)に影響されすぎでしょお」
 ハンターズソサエティの係員たちを引き連れた元ウェルター級ボクサーで現オネェなゲモ・ママが、キーっと甲高い声をあげた。
 そして、空にでっかく描かれた恵土城主(仮)、大平正頼がなにかをふがふが言っている――多分、けっこういい勘じのこと――のを完全無視、ママは抱え込んだ植木鉢を見下ろした。
「……ま、コレがあれば、ほかはなんとかなるんだけどねぇ」
 植木鉢からひょろりと伸びた苗木は、神霊樹の分樹である。
 この苗木を据えてあれこれし、転移門が開通できれば、恵土城は今後二度と孤立することはなくなるわけだ。
「ふぉふぉふぉ」
 と、足元から声がして、ママの裾をくいくい引いた。
「ああ、大丈夫よぉ。苗木はちゃ~んとアタシが植えたげるからねぇ」
 ママを呼んだものは、この苗木の司書となるらしいパルムの成体だった。どれほどの期間を生きてきた個体なのか、よいよいとして頼りなさげである。
「それにしても、ふがふがとふぉふぉふぉのコラボじゃなぁい。大丈夫なのかしらねぇ、このお城」
 とりあえず苗木は、司書の希望によって日当たりがいい、それでいて湿り気の多い日陰まで完備という中庭へ植えられることになっている。樹木には日ざしが必要で、茸には日陰が必要ということなんだろう。
 ちなみにせっかくの庭の景観が台無しになることを、庭師や武士たちは大層無念に思っているらしい。
「緊急事態ってことで、ガマンしてもらうしかねぇわよね」
 先の虎口防衛戦を凌ぎきったことで、挟撃や内からの呼応を受けることはなくなった。しかし長江より攻め上ってきた敵の大群が南の大門前へ展開し、今もゆるやかに増殖を続けながらそこに在る。
 恵土城側も、兵を置いて厳戒体制を敷いている南大門、先の戦いで馬出を破壊されたことから今は塞がれている東門以外の、北の虎口より物資や人員の受け入れを行い、南に展開した歪虚群がいつ襲い来てもいいよう身構えているのだが。
 にらみ合いで消耗すんのは人間ばっかりだからねぇ。さっさと片づけて、士気落とさねぇようにしなくちゃ。
 あちらこちらから降り落ちては頭の底に積もり始めた懸念を無理矢理に追い出して、ママは前を見据えて声を張る。
「ゆっくり急いで正確によぉ! 今歪虚に来られたら超やべぇんだからねぇ!」

●大門前
 ゆるゆると恵土城の南大門を押し包む歪虚群、その陣奥。
「敵は北門から例のブツを持ち込みましたぜぇ」
 無数の足を生やした蜘蛛さながらの下体と猿さながらの上体を備えた憤怒が、器用にその足々を折り畳んで一礼。すぐにちらりと猿面を上げて。
「持ち込ませちまいましたけど、よかったんですかい?」
「そいつがよいのだ」
 伝法になりきれない、品を捨てきれない言葉で応えたものもまた憤怒である。
「こいつは遊戯だ。すべてを分捕るかやり込められるか、ふたつにひとつのな」
 瓜実の優美な鬼面に薄笑みを浮かべた憤怒は、眼前で控える憤怒――クモザルへ告げた。
「てめぇもやり込められた怒りを晴らしに行きたいだろう」
 クモザルは口の端を歪めて肩をすくめ。
「ナメてかかりゃあっさり返り討ちくらいますけどねぇ」
「ならば気ぃ引き締めてけ。僕は手を出さないからよ」
「そいつぁありがてぇ」
 クモザルはざわりと立ち上がり、その身を翻した。
「じゃ、ハデに行かしてもらいますわ」

●判断
「西虎口より歪虚群侵入! 土井尻――中級の武士が住まう町――を抜け、外堀へ迫りつつありもうす!」
「ふが!? ふがふがふがふがふがふがふ――ふが、ふがふがふがふが」
 西!? 塞いだはずではなかったか――いや、仕込まれていたか。
 正頼は上下の歯茎をきりきり噛み締め、膝を打った。
「ご城主(仮)殿、敵の首領は忍であるようにござる。奇策にてこちらの転移門の設置を阻むが狙いかと」
 補佐役の言葉に「ふが」、うなずいて、正頼はすぐに指示を継いだ。
「ふが――」
 主力は大門から動かせぬ。そしてうぬらに敵の忍を討つ技はない。うぬらは外堀の際を固めて壁を成し、客人方を遊軍として土井尻へ向かっていただくのじゃ。
「承知!」

●挨拶
 要請を受けたソサエティ側は、ママの判断で植樹と歪虚迎撃に別れて事へ当たることとなった。
「ふぉふぉふぉ」
「えっと、分樹を守ってくれって言ってるんだと思うわぁ」
 ママの言葉に続き、パルムはぺこりと頭を下げた。
「アタシたち植樹班は分樹を植え終わり次第合流する――もう少しってとこだからね。アンタたちは歪虚を土井尻で迎え討って時間稼ぎしてちょうだい」
 そして迎撃班に地図を示し、説明を加える。
「土井尻、地形的には屋敷と路が入り組んでるカンジよ。向こうの主力は路なりに進んでる。こないだのクモザル――ニンジャってのはまちがいないわよねぇ――ってのが出張ってきてるから、多分だけど誘いでしょうね。位置取り的に屋敷まで考えなくて大丈夫だけど、とりあえず塀とかは使われそうだから注意して」

 かくて土井尻へ向かった迎撃班を待ち受けていたのは、ニヤニヤと口の端を歪めた猿面である。
「お出迎えご苦労、ってなぁ。こないだの借り、熨斗つけて返してやんぜぇ」

解説

●依頼
 クモザルを撃破、もしくは40ラウンド凌いで援軍を迎え入れてください。

●状況と地形
・時刻は深夜ですが、月明かりで視界は確保されています。
・路は迷路状に入り組んでいます。
・路は踏み固められた土で、幅2スクエア。
・路の左右は塀(縦1スクエア)で縁取られています。
・路上と塀上、さらに塀の裏に雑魔がいます。
・クモザルは路を進んでいますが、ハンターと出逢った瞬間から対ハンターをメインにします。
・ハンターがなにもしなかった場合、雑魔は12ラウンド、クモザルは15ラウンドで外堀に到達します。
・雑魔の一部はクモザルの支援を受け、外堀へ向かいます。

●雑魔×30
・忍者タイプの妖魔。5体で1チームを組んでおり、それぞれが連携してダメージが少ないチームを先へ行かせようとします。
・それほどの強さはありません。移動力は5。
・刀(射程1)と手裏剣(射程10)、毒霧(射程3)で攻撃。

●クモザル
・忍者型憤怒(回避力特化型)。
・1ラウンド1~3回行動。
・雑魔を攻撃するハンターを優先的に狙います。
・塀を利用した立体的な動きでの占有スクエアを無視しての移動可。
・爪牙による攻撃(射程1)、含み針(射程2)、毒霧(射程4)、空蝉(近くの雑魔を身代わりに攻撃を回避する)、そしてひとつの隠し能力を使います。

●備考
・今回は地形的、状況的な問題から、ユニットの参戦が不可となります。
・クモザルの能力の多くを支えているものが、クモザルの体のどこかにあります。
・援軍が到着した場合、かならずクモザルは撃破されます。
・雑魔4体以上、もしくはクモザルが外堀に到着した場合は依頼失敗となります。

マスターより

 お疲れさまです。電気石八生と申します。
 こちら、恵土城に転移門を設置するための防衛戦となっております。ここで勝利できればこの後の戦いがかなり優勢に進められる可能性がありますので、よろしくお願いいたします。

関連NPC

  • 黒ママ
    ゲモ・ママ(kz0256
    人間(リアルブルー)|30才|男性|格闘士(マスターアームズ)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/02/07 17:10

参加者一覧

  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • ヒースの黒猫
    南條 真水(ka2377
    人間(蒼)|22才|女性|機導師
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • 想いと記憶を護りし旅巫女
    夜桜 奏音(ka5754
    エルフ|19才|女性|符術師
  • 変わらぬ変わり者
    ハンス・ラインフェルト(ka6750
    人間(蒼)|21才|男性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン 相談場所
南條 真水(ka2377
人間(リアルブルー)|22才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2019/02/03 00:16:48
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/02/03 00:08:14