※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

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　それは彼が幼いころの話。
　――実は俺はね、リアルブルーの出身なんだよ。
　その日、彼の部族に、そう言って笑う青年がやってきていた。
　――リアルブルー！？　すごい、ほんとうにあるんだ！
　彼は顔を紅潮させながら、その青年の話を聞く。
　――うん。こことは似ているけど、やっぱり違う世界だなって、そう思うよ。ときどき、無性に故郷の料理が食べたくなったりね。
　青年は遠い目をしていた。
　――ああ……カレーとか、何年くらい食べていないんだろう……。

　カレー。
　その単語は、彼の心を妙に掴んで離さなかった。

　それから何年か後、サルヴァトーレ・ロッソの登場で、クリムゾンウェストはにわかに活気付く――。

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「この間からリアルブルー人が増えてるんだってな」
　その話はここしばらく世間で持ちきりになっている話題だ。
　幼かった彼も今は立派に成長し、一部族を率いる族長として、若いながらも忙しい毎日を送っている。
　キジャン族族長、ユーリィ・キジャン。
　しかし彼は同時に、若いがゆえの好奇心もたっぷりと持ち合わせていた。
「一度、リアルブルーのハンターをもてなしてみたいな……いや、リアルブルーの話を聞いてみたいな」
　彼の所属するキジャン族は、かのスコール族ともそれなりに親密な関係を保っている。あちらの族長とは年齢が比較的近いことも相まって、懇意にさせてもらっているのだ。その影響もあってか、リアルブルーにはなみなみならぬ興味を抱いていた。
　もっとも、彼が幼いときに出会ったあのハンターの影響も当然ながら否定出来ない。
　どちらにしろ、リアルブルーの話を聞いてみたい。
　そんな思いが、彼の中には存在していた。
（そういえば……）
　かつて聞いた、リアルブルーの食品の名前。
　彼は当時カレーを知らなかったから、想像するだけしかできなかった。
　当時から食べてみたいと思っていたが、周囲にはその作り方を知るものは生憎いない。都市部に行けば食べられるかもしれないが、族長という立場上、あまり部族から離れるわけにもいかない。
「……そっか。それなら、こちらに来てもらえばいいんじゃないか」
　そして同時にリアルブルーの話を聞くことができれば、それはどんなに楽しいだろう。
　よし、決めた。
　彼は馬に乗ると、さっそくハンターズソサエティの支部へと向かった。
　カレーパーティという名目で、ハンターたちと交流する機会を設けるために。

依頼人：ユーリィ・キジャン（キジャン族族長）

依頼内容：カレー（？）パーティをしましょう！

とは言っても、ユーリィはカレーを詳しく知りません。見たこともありません。
キジャン族の民も同様です。
つまり、カレー的な何かを皆で作って、それを食べながら交流しよう！　という企画なのです。
ノリはキャンプの夕食です。
ちなみに結果としてそれが肉じゃがになった！　とか、そういうオチでも歓迎します。

依頼人は『カレー』を知りません。
クリムゾンウェストにおいて塩や砂糖等は普通にありますが、香辛料はやや高値で取引される商品です。一般人からすると少し贅沢品となります。
結果、香辛料も比較的入手しやすいものを使うことになるでしょう。最終的にカレーになるか、それとも別の料理になるかは、皆さんの腕の見せどころです。

当然ですが、作り方もユーリィたちは当然知りません。
ハンターの皆さんは持っている知識でカレーを作ったり、調理も具材を切ったり、皿に盛り付けたり、また好奇心旺盛な依頼人らの話し相手などをすることになるかと思います。

食器や調理道具、それに羊肉は依頼人側で用意してくれています。野菜は部族側で用意はできませんが、ハンターたちが必要な物を持ち込んだという形で、標準的な具材は揃っていると思ってください。
また、主食になる米ですが、ハンターズソサエティの方から用意してくれるそうです。気になる人はパンなどの持ち込みも歓迎です。
楽しいひと時になるように、皆で頑張りましょう。

勿論クリムゾンウェストのハンターも参加歓迎です。
ユーリィだけでなく子ども達も、ハンター全般に興味を持っていますので。
なお本依頼ではお酒は出ません。ご注意下さい。

今回のＮＰＣ：ユーリィ・キジャン…２１歳男性。茶色い髪に黒い瞳のキジャン族族長。性格はさっぱりした感じ。中性的な雰囲気のそこそこイケメン。未婚。
ハンターやリアルブルーの話題に興味津々。

こんにちは、四月朔日です。
そろそろ夏、カレーの美味しい季節ですね。
というわけでカレー（？）パーティです。
幸か不幸か依頼人たちはカレーを知りませんので、ぜひ色々と教えてあげてください。
なお、誤った知識を植え付けても構いませんが、程々にしてくださいね？
面白いことをしてくださる方も、歓迎いたします。

皆様のご参加、楽しみにしています。