ゲスト
(ka0000)
嵐の一日航海実習
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2019/02/20 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/03/01 19:00
オープニング
港湾都市ポルトワール。
港には今日も多数の船が停泊し、港湾作業員や船員が忙しく立ち働いている。船から降ろされた荷を別の場所に運ぶため、荷馬車や魔導トラックもひっきりなしに行き交っている。
活気にあふれたその界隈を過ぎると、商会や商社の本店が軒を連ねる通りに入る。
身なりのいい1人の少年がそこを歩いていた。
白地に青十字の旗が掲げられた建物の前で足を止め、石壁に打ち込まれた真鍮の表札を見上げる
『グリーク商会』
少年はきゅっとネクタイを締め直した。
それから扉を開け中に入って行く。
●学生とその後見人
グリーク商会の会長室。
革張りの椅子に座っているのはスーツに身を固めた若い女性、ニケ・グリーク。
いかにも賢そうで、抜け目が無さそう。
その前に立っているのはブレザー姿の少年、マルコ・ニッティ。
こちらも賢そうだが、ニケほど抜け目のなさが前面に出ていない。
「ニケさん。会長就任おめでとうございます」
「おや、ありがとうございます。貴重な休日なのに、わざわざお祝いを述べに来てくれるとはうれしいですね。冬休みも終わりましたが学院生活はどうですか、マルコさん?」
「まあまあ、といった所です」
「クラスの中でうまいことやっていますか?」
「ええ」
「ルイさんとは、その後仲良くしています?」
「もちろん。仲良くさせています」
ニケはマルコの回答が気に入ったらしい。銀縁眼鏡の鼻当てを押し上げ、小さく笑った。
「そうですか。それはいいことですね」
「ニケ会長、4月から学院で帆船操作の授業が始まるんですが、それをご存じですか?」
「ええ、もちろん知ってますよ。何しろ私の弟が通っていましたから。私自身もあの全寮制商船学校の卒業生ですし」
「それなら、実習に使う小型帆船は各自の持ち込みということも知っていますね? なるべく早く都合してくださるとうれしいんですが」
「これはこれは、随分気ぜわしいことですね」
「学校での授業が始まる前に予習しておきたいんです。俺はこれまで船を動かしたことないですし」
ニケが不敵な眼差しをマルコに向ける。
「大丈夫、実習船は用意はしてありますよ。もっともあなたに贈呈するのではありません。貸与です。損壊させたりした場合、修理費を払ってもらうことになります。将来あなたが稼ぐ分から。そのことは分かっていますね?」
マルコもまた、挑戦的な目をニケに向ける。
「もちろん分かっています」
「なら結構。ついでですから、コーチをつけますよ。基本が覚えられるまでね」
●姉と弟
職業ヒモ(最近はちょっとバイトもしている)美少年ナルシス・グリークは休日にいきなり姉から呼び出され、不愉快至極である。
「な・ん・で・僕が貴重な休日を潰されなきゃならないのかな姉さん? 僕さあ、働いてるんだよ。だから休みの日にはのんびりしたいんだよ」
「は? あんたの仕事なんて6時間労働で、しかも週休2日でしょう。1日休みが潰れたくらいでグズグズ言わないで」
「うっわ、何そのブラックな言い草。姉さんみたいなのパワハラ経営者って言うんじゃないのリアルブルーでは」
「ここはリアルブルーじゃなくてクリムゾンよ。とにかくあんた、操船の腕だけは一流でしょう。いろはのいだけでいいから、マルコに飲み込ませて」
「やだよめんどくさい。別の人雇ってよ」
「あっそう。じゃあマゴイさんに言ってあげるわ。弟は今の職場が気に入ったみたいだから、この先も正規雇用してくださいって。場合によっては市民にしてくれてもいいって」
「ほんっと姉さん汚いよね。僕姉さんのそういう所が大嫌いだよ」
「あら気が合うわね。私もあんたのヒモ体質が大嫌い」
何のかんのと言いながら、結局ナルシスは負ける。マルコの教育係を引き受けることになってしまう。会長になったことで、姉の権威はさらに増したのだ。
「で、船ってどこの奴使うのさ」
「ユニゾンから来た奴があるでしょう」
「……へーえ、姉さん随分マルコに肩入れしてるね。口八丁でもぎ取ってきた戦利品使わせてやるなんて」
「そりゃ、あの子にはそうするだけの価値があるもの。あんたがうちの商会で働くっていうなら、あんたにも使わせてあげるけど?」
「死んでもやりたくないね――ああ、そうだ姉さん。ついでだからハンターを手配してくれる? そのほうが手っ取り早く教えられそうだから」
●コーチと初心者
その小型帆船はごくごく普通、いや普通よりもシンプルであった。
形はいわゆるスクーナー船。前後の長さ8メートル。帆は2つ。模様も飾りもない。船体は白、帆も白。帆柱も白。すべてが白。
マルコはつい聞いてしまった。
「……これ、まだ製作途中なんじゃ」
ナルシスは肩をすくめて答えた。
「完成してるんだよ、これで」
彼は軽い身ごなしで、桟橋から船に飛び乗る。マルコがそれに続く。
操舵室はごくありふれた作り。しかしハッチの下には、全く普通でないものがあった――外側から見えている大きさの20倍、いや30倍、いやもっともっとあろうかという真四角の空間。まるで、巨大な倉庫のよう。
「――こ、これは?」
面食らうマルコにナルシスは、重ねて言った。
「説明は後。操舵室に戻りなよ。今日一日で大体のところマスターしてもらわないとね。そうじゃなきゃ僕、明日に休めないから」
船は沖に出て行く。風を一杯に受けて。
●演出する人々
沖合。小船に乗ったハンターたちの視界に、白い帆船が見えた。軽快に波をけたて、近づいてくる。
船酔い癖のあるカチャはやや浮かない顔をしながら、仲間の方を振り返る。
「来ましたよ」
「よし。じゃあ始めるか。当たらないように攻撃したらいいんだったな?」
本日彼らに課せられた任務はその持てる能力を使い、人為的な嵐を作り出すことである。
「しかし嵐の中を突っ切らせる訓練とか、初心者に対して相当スパルタだよな」
「大丈夫なんでしょうかね。沈んだら元も子もなさそうですけど」
港には今日も多数の船が停泊し、港湾作業員や船員が忙しく立ち働いている。船から降ろされた荷を別の場所に運ぶため、荷馬車や魔導トラックもひっきりなしに行き交っている。
活気にあふれたその界隈を過ぎると、商会や商社の本店が軒を連ねる通りに入る。
身なりのいい1人の少年がそこを歩いていた。
白地に青十字の旗が掲げられた建物の前で足を止め、石壁に打ち込まれた真鍮の表札を見上げる
『グリーク商会』
少年はきゅっとネクタイを締め直した。
それから扉を開け中に入って行く。
●学生とその後見人
グリーク商会の会長室。
革張りの椅子に座っているのはスーツに身を固めた若い女性、ニケ・グリーク。
いかにも賢そうで、抜け目が無さそう。
その前に立っているのはブレザー姿の少年、マルコ・ニッティ。
こちらも賢そうだが、ニケほど抜け目のなさが前面に出ていない。
「ニケさん。会長就任おめでとうございます」
「おや、ありがとうございます。貴重な休日なのに、わざわざお祝いを述べに来てくれるとはうれしいですね。冬休みも終わりましたが学院生活はどうですか、マルコさん?」
「まあまあ、といった所です」
「クラスの中でうまいことやっていますか?」
「ええ」
「ルイさんとは、その後仲良くしています?」
「もちろん。仲良くさせています」
ニケはマルコの回答が気に入ったらしい。銀縁眼鏡の鼻当てを押し上げ、小さく笑った。
「そうですか。それはいいことですね」
「ニケ会長、4月から学院で帆船操作の授業が始まるんですが、それをご存じですか?」
「ええ、もちろん知ってますよ。何しろ私の弟が通っていましたから。私自身もあの全寮制商船学校の卒業生ですし」
「それなら、実習に使う小型帆船は各自の持ち込みということも知っていますね? なるべく早く都合してくださるとうれしいんですが」
「これはこれは、随分気ぜわしいことですね」
「学校での授業が始まる前に予習しておきたいんです。俺はこれまで船を動かしたことないですし」
ニケが不敵な眼差しをマルコに向ける。
「大丈夫、実習船は用意はしてありますよ。もっともあなたに贈呈するのではありません。貸与です。損壊させたりした場合、修理費を払ってもらうことになります。将来あなたが稼ぐ分から。そのことは分かっていますね?」
マルコもまた、挑戦的な目をニケに向ける。
「もちろん分かっています」
「なら結構。ついでですから、コーチをつけますよ。基本が覚えられるまでね」
●姉と弟
職業ヒモ(最近はちょっとバイトもしている)美少年ナルシス・グリークは休日にいきなり姉から呼び出され、不愉快至極である。
「な・ん・で・僕が貴重な休日を潰されなきゃならないのかな姉さん? 僕さあ、働いてるんだよ。だから休みの日にはのんびりしたいんだよ」
「は? あんたの仕事なんて6時間労働で、しかも週休2日でしょう。1日休みが潰れたくらいでグズグズ言わないで」
「うっわ、何そのブラックな言い草。姉さんみたいなのパワハラ経営者って言うんじゃないのリアルブルーでは」
「ここはリアルブルーじゃなくてクリムゾンよ。とにかくあんた、操船の腕だけは一流でしょう。いろはのいだけでいいから、マルコに飲み込ませて」
「やだよめんどくさい。別の人雇ってよ」
「あっそう。じゃあマゴイさんに言ってあげるわ。弟は今の職場が気に入ったみたいだから、この先も正規雇用してくださいって。場合によっては市民にしてくれてもいいって」
「ほんっと姉さん汚いよね。僕姉さんのそういう所が大嫌いだよ」
「あら気が合うわね。私もあんたのヒモ体質が大嫌い」
何のかんのと言いながら、結局ナルシスは負ける。マルコの教育係を引き受けることになってしまう。会長になったことで、姉の権威はさらに増したのだ。
「で、船ってどこの奴使うのさ」
「ユニゾンから来た奴があるでしょう」
「……へーえ、姉さん随分マルコに肩入れしてるね。口八丁でもぎ取ってきた戦利品使わせてやるなんて」
「そりゃ、あの子にはそうするだけの価値があるもの。あんたがうちの商会で働くっていうなら、あんたにも使わせてあげるけど?」
「死んでもやりたくないね――ああ、そうだ姉さん。ついでだからハンターを手配してくれる? そのほうが手っ取り早く教えられそうだから」
●コーチと初心者
その小型帆船はごくごく普通、いや普通よりもシンプルであった。
形はいわゆるスクーナー船。前後の長さ8メートル。帆は2つ。模様も飾りもない。船体は白、帆も白。帆柱も白。すべてが白。
マルコはつい聞いてしまった。
「……これ、まだ製作途中なんじゃ」
ナルシスは肩をすくめて答えた。
「完成してるんだよ、これで」
彼は軽い身ごなしで、桟橋から船に飛び乗る。マルコがそれに続く。
操舵室はごくありふれた作り。しかしハッチの下には、全く普通でないものがあった――外側から見えている大きさの20倍、いや30倍、いやもっともっとあろうかという真四角の空間。まるで、巨大な倉庫のよう。
「――こ、これは?」
面食らうマルコにナルシスは、重ねて言った。
「説明は後。操舵室に戻りなよ。今日一日で大体のところマスターしてもらわないとね。そうじゃなきゃ僕、明日に休めないから」
船は沖に出て行く。風を一杯に受けて。
●演出する人々
沖合。小船に乗ったハンターたちの視界に、白い帆船が見えた。軽快に波をけたて、近づいてくる。
船酔い癖のあるカチャはやや浮かない顔をしながら、仲間の方を振り返る。
「来ましたよ」
「よし。じゃあ始めるか。当たらないように攻撃したらいいんだったな?」
本日彼らに課せられた任務はその持てる能力を使い、人為的な嵐を作り出すことである。
「しかし嵐の中を突っ切らせる訓練とか、初心者に対して相当スパルタだよな」
「大丈夫なんでしょうかね。沈んだら元も子もなさそうですけど」
解説
補足説明
これは航海術訓練のお手伝いをすることを目的とするシナリオです。
ハンター各位におかれましては、持てるスキルを使用して風を吹かせ波を起こし、嵐を再現してください。雷撃など使うのも雰囲気が出ていいかも知れません。
爆発を起こすのも結構です。航海している最中戦いに巻き込まれた際の回避訓練として有効かと思いますので。
この船はとても丈夫で復元性もすこぶる高いので、多少乱暴なことをしても大丈夫です。攻撃が直撃したらさすがにちょっとまずいですけど。
訓練が行われている場所は沖合であり、商船航路から外れた場所です。邪魔は入ってきません。
ナルシス教官は今日一日でマルコに操舵術の初歩を覚えさせ、さっさと任を降りたい。そして帰ってのんべんだらりしたいと思っています。
訓練は朝に始まり、夕方に終わる手筈です。
NPCに絡みたい方は、お好きにどうぞ。
これは航海術訓練のお手伝いをすることを目的とするシナリオです。
ハンター各位におかれましては、持てるスキルを使用して風を吹かせ波を起こし、嵐を再現してください。雷撃など使うのも雰囲気が出ていいかも知れません。
爆発を起こすのも結構です。航海している最中戦いに巻き込まれた際の回避訓練として有効かと思いますので。
この船はとても丈夫で復元性もすこぶる高いので、多少乱暴なことをしても大丈夫です。攻撃が直撃したらさすがにちょっとまずいですけど。
訓練が行われている場所は沖合であり、商船航路から外れた場所です。邪魔は入ってきません。
ナルシス教官は今日一日でマルコに操舵術の初歩を覚えさせ、さっさと任を降りたい。そして帰ってのんべんだらりしたいと思っています。
訓練は朝に始まり、夕方に終わる手筈です。
NPCに絡みたい方は、お好きにどうぞ。
マスターより
KINUTAです。
戦いの最中の、息抜き的な依頼です。
マルコくんは頑張っています。
ナルシスもたまには役に立つことをしなくては。
戦いの最中の、息抜き的な依頼です。
マルコくんは頑張っています。
ナルシスもたまには役に立つことをしなくては。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/02/26 01:57
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/02/20 18:21:11 |
|
![]() |
相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2019/02/19 13:40:17 |