• 戦闘

トワのワルツをキミと

マスター:のどか

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,500
参加人数
現在8人 / 3~8人
ユニット参加人数
現在8 / 0~8
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2019/02/15 19:00
リプレイ完成予定
2019/03/01 19:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

○オープニング

 同盟領「霧の山」の屋敷から姿を消した災厄の十三魔ジャンヌ・ポワソン(kz0154)。
 その同行を掴んだ報がソサエティに流れ込んで来たとき、意見は大きく2つに割れた。
 1つは「すぐに追撃し討伐するべき」という意見。
 いずれ再び害をなす可能性があるのならば、今こそが討伐の絶好の機会である――というもの。
 そしてもう1つは「ただちに実害がなければ今は静観するべきである」という意見。
 今は他にもっと知恵や戦力を割くべき案件が山積みである。
 これまでの彼女の立場上、今後も自らの意思で人類の驚異となる可能性は低い。
 であるならば、みすみす逃すことにはなるが、ここは静観すべきである――というもの。
 どちらも根本は世界の行く末を憂いてのこと。
 だが彼女と、彼女を連れるアルバートの予想進路の計算結果が出たとき、静観の意見は取り下げざるをえなかった。
「グラウンド・ゼロ……かぁ」
 依頼書を書くため資料をながめていたルミ・ヘヴンズドア(kz0060)は、その単語を前に小さなため息をつく。
 1年前、あの地で沢山の出会いと別れがあった。
 ルミ自身も、大きな再会とさよならがあった。
 そして今、邪神に対抗するための重要な拠点として機能しているのがグラウンド・ゼロという場所だ。
 そして、アルバートという歪曲が封印されていたのも――
 ジャンヌらがこのままの進路を取れば、近いうちにたどり着くと予測されている。
「リグ・サンガマに目もくれないのなら、目的地は明白だよね。はぁー、なんでこう、面倒な方向に転んでいくのかなぁ」
 ぼやいたところで事態は好転しない。
 自分にできるのは送り出すハンターを最大限サポートすることだけだと理解して。


 雪のちらつく平野に、1つの影が降り立つ。
 いや、実際には2つか。
 アルバートは残された片腕でジャンヌを抱えたまま、ひと心地つけるように息をつく。
 そしてまた飛び上がろうと大きく息を吸い込んだとき、その背中を、ばたばたとジャンヌの足が蹴った。
「痛いわ……あなたの鱗、チクチクしてスリ金みたいなの」
 その言葉にハッとして、アルバートは彼女を雪原に下ろす。
 そして、恭しく膝を折った。
「失礼しましたジャンヌ。ご無礼、どうかご容赦を」
 ジャンヌはペタリと座り込んだまま、頭を下げる竜人の姿を見る。
「本当に……アルバートなのよね」
「この身心はあの時のままに」
「身、はすっかり変わってしまっているような気がするけれど……」
 大きなあくびをしながら、ジャンヌはどこまでも続く白い大地を見渡した。
「ところで、ここ、どこかしら」
 アルバートは白い息を吐きながら答える。
「この雪原を越えた先に、我々の故郷が」
「故郷――」
 その言葉に、ジャンヌはわずかに眉を下げる。
「私はずいぶんと眠っていたわ。あなたはずっと、生きていたのかしら」
「いいえ、私も――」
 言いかけて、あの赤い大地の地下を思い出す。
 なぜあんなところで魔術の鎖に繋がれていたのか……それだけが思い出せない。
 他は何もかも、この想いすらも、思い出したというのに。
「――私も、どうやら眠っていたようです」
 そう言葉を濁すしかなく、アルバートは心の中で悔しさを覚える。
 するとジャンヌがじっと、彼のことを見つめていた。
「あなた……覚えてないの?」
 その質問は心臓を丸裸にされるようなもので、アルバートは失念の後悔にうなだれた。
「申し訳ありません」
「……なら、それはきっと幸せなことだわ」
 ジャンヌはべっとりと自分の身体を濡らす血液を指先で拭い取ると、何をするでもなく、ただぼんやりと眺める。
 それ以上、彼女は記憶のことを話題に出さなかった。
「故郷まで今しばらくご辛抱を……できるだけ痛くないよう、努めます」
「なんだって、どこだっていいわ」
「え?」
「何もせず、何も必要とせず、誰からも必要とされない……そんな場所へ連れて行ってくれるのなら、それで」
「ジャンヌ……」
 アルバートはわずかにうろたえて、差し出しかけた手を引きかけた。
 だか他に選択肢がないことも確かで、彼は戸惑いながらも、彼女へ手を伸ばした。

 その時、アルバートが雪原を振り向く。
 ジャンヌを自らの背に隠すようにして、迫るマテリアルの感覚に鼻先をチリチリと焦がした。
「必ずあなたを護ります。騎士として。そして私という――俺という存在のすべてをかけて、あなたへもう一度、故郷の景色を」
 失った記憶を欲し。
 失った彼女を欲し。
 失った故郷を欲す。

 求めよ。
 求めよ。
 求めよ。
 この旅路は、すべてを取り戻すためにある。

 その先にこそ、真に求めるものを――その衝動の名は‘“強欲”なり。

解説

▼目的
敵性歪虚の撃破

▼戦場
雪原。
遮蔽物はなく、雪のちらつく中だが視界は良好。
数十キロ離れたところにリグ・サンガマ近隣の遺跡地帯があるが、それらには目もくれずひたすら北を目指している。
目的地を計算したところ、グラウンド・ゼロへ向かおうとしているものと思われる。

▼敵勢力
「アルバート」
全身を鋼の鱗で覆われた“強欲”の竜人型歪虚。サイズ1。
かろうじて人間の姿をしているのは頭部だけであり、それ以外は竜そのもの。
先の戦いの負傷で片腕を失っていて、他も傷だらけ。
翼も片方だけになったが、短時間なら飛行もできる。
傷口からは生々しい液体が滴っている。
この機を逃せば再び回復されてしまう恐れがある。

負のマテリアルを様々な形状の武器に変化させ使用する。
血液に似た液体は汚染物質であり、浴びてしまった装備は腐食させステータスを低下させてしまう。

意識はしっかりしており、何よりもジャンヌを護ることを優先し行動する。
背水の心持ちのためこれまでより攻撃力が上昇しており、半面、防御力は減少している。


「ジャンヌ・ポワソン」
“怠惰”の眷属である災厄の十三魔。サイズ1。
アルバートに連れられここまでやってきており、戦闘にもそれほど関心がない。
基本的に気だるげに座って戦況を眺めているだけだが、本人の意思と関係なく〈虚霧姫の憂鬱〉だけは戦場に常に展開されている。

〈虚霧姫の憂鬱〉
効果範囲の存在(ジャンヌ含む)に BS「行動不能」「行動阻害」「移動不能」を与える。
それぞれの効果強度はジャンヌ自身が感じる憂鬱・倦怠の度合いと、彼女からの距離に比例して増減する。
出会った直後の状況では、少なくとも「行動阻害」の他は意識しなくていいレベル。


▼PL情報
アルバートに完全竜化を行う力は残っていないため、刃の竜と戦う懸念はプレイングに盛り込む必要はありません。

マスターより

おはようございます、のどかです。
旅路の果てに終着点がやってまいりました。
成功すればアルバートとは正真正銘の決着です。
ジャンヌに関してもみな様の行動次第ではここでの決着も可能です。
心してお望みください。

質問がありましたら、別途卓を立ててご用命くださいませ。
ご参加をお待ちしております。

関連NPC

  • 陽だまりの女王
    ジャンヌ・ポワソン(kz0154
    歪虚|22才|女性|歪虚(ヴォイド)
  • HEAVENS DOOR
    朱鷺戸るみ(kz0060
    人間(リアルブルー)|17才|女性|魔術師(マギステル)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/03/02 00:43

参加者一覧

  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • よき羊飼い
    リアリュール(ka2003
    エルフ|17才|女性|猟撃士
  • 大工房
    ソフィア =リリィホルム(ka2383
    ドワーフ|14才|女性|機導師
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士
  • ヒーローを目指す炎娘
    百鬼 一夏(ka7308
    鬼|17才|女性|格闘士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ジャック・エルギン(ka1522
人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2019/02/15 07:38:57
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/02/11 13:41:42