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奴の名は魔法少女 その恋を祝福編

マスター:瀬川綱彦

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
サポート
現在0人 / 0~2人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
4日
プレイング締切
2015/01/12 22:00
リプレイ完成予定
2015/01/21 22:00

オープニング

●奴の名は魔法少女
「ううん、どうしよう、大丈夫かな……」
「そう心配するなって、きっと上手く行くさ。これまでだって仲良くやれてたじゃないか」
 陽も落ち、辺りに暗く夜の帳が落ちた頃、公園のベンチに座った二人組の青年が何事かを話し合っていた。
 一方は人の良さそうな、悪く言えば弱気そうな青年である。線の細い彼は、隣にいるもうひとりに何事かを打ち明けている様子だった。
 相談を受けている青年の方は、不安そうな相談相手を必死に勇気づけようとしていた。
「お前なら上手く行くさ、ショーン。告白のためにわざわざ指輪まで買ったんだろ?」
 ショーンと呼ばれた青年は懐から小箱を取り出す。そこの中には指輪が収められていた。近いうちに彼は、長いこと交際をしていた相手に結婚を申し出ようとしていたのだ。どのように切り出すかも考えて意気揚々と指輪は買ったは良いものの、いざ言い出そうという場面で彼は尻込みしてしまったのである。
「そうだけど、これだけで本当に大丈夫か不安なんだ」
「かといって、もうお前が勇気を出す以外に出来ることなんてないぞ。あとはせいぜい神頼みくらいだ」
「勇気か……」
 指輪の入った小箱を掌で包みながら、ぽつりとショーンはつぶやく。
「あのお守りがあったら、もしかしたら――」

「その悩み、ちょーーーと待ったあああああ――ッ!!!」

 瞬間、鋭い声が闇夜を切り裂いた。
 はっ、とふたりの青年が頭を上げる。その視線がむかう先は、あたりでひときわ高い木の上、月をバックにたつ少女。
 二条に結われた桃色の髪が尾を引いて、白いリボンが風に揺れる。花のように開いたスカートはためいて、チェーンソーが月明かりにきらめいた。
 その姿はまごうことなき魔法少女。
「恋のお悩み、この魔法少女マジカル☆エリカがすぱっと解決してあげちゃうわ!」
「え、だれ……」
 だが悲しいかな、青年ふたりの目に映るのは、まごうことなき不審者である。
 そんな冷たい視線も、旗持・エリカ(kz0068)は気にしない。何故なら彼女は魔法少女、最初は理解を得られないのがお約束だからだ。
「待っててね、その恋、このマジカル☆エリカがしっかり成就させてあげる!」
 ――そうして、この日も彼女は地道な営業活動で依頼を手に入れてくるのであった。

●その恋をかなえろ
「えっほー☆ エリカだよ! そういうわけでみんなには彼を勇気づけるためのお守りを手に入れてもらいます!」
 ハンターオフィスのカウンターでポーズを決めてそう言い放ったのは、その場に集まった者たちと同じくハンターの旗持・エリカだった。
 依頼の内容を説明しているエリカの姿に、ハンターたちの反応は様々である。ただ全体的な雰囲気の総括を述べるなら、なんとも形容しがたい微妙な空気がただよっている。いかにも不自然に作り物めいた、俗っぽくリアルブルーの世界の言葉でいうならコスプレのような服装は、どう見ても周りからは浮いている。
 しかしそんな視線にエリカは気づかない。何故なら魔法少女だからだ。感覚が麻痺しているだけかもしれないが。
「というわけで、みんなには依頼人の彼を勇気づけるためのお守りを取ってきてもらいます。ある渓谷にあるクローバーね」
「……なるほど、いかにも人が好みそうなものですね」
 エリカの説明に口を挟んだのは、このオフィスにいた受付嬢だった。エリカの異様さで目立っていなかった無愛想な受付嬢は、眼鏡を中指で押し上げる。
「そうだよ、そこにたくさんクローバーがあるからみんなに採ってきてもらいたいの」
「四つ葉のクローバーというやつですね」
「いや、五つ葉」
 五つ葉。
「葉もたくさんあった方がいいよね!」
 それはそれでどうかと思う。
 と、誰かにツッコミをいれられる前にエリカは手早く資料を取り出した。どうやら彼女がまとめたものであるらしい。
「えーと、これから行ってもらう渓谷は日差しが強い場所で、そこにあるクローバーは突然変異したもので五つ葉なんだって。たくさん生えてるから、それを採ってきてほしいの。ただ、そこはワイバーンの巣になってて、倒さないと手に入れられないんだ」
 よく見ると、彼女の衣装は所々が破れて、腕にも生傷が残っていた。どうやら自分で調査におもむいて返り討ちにあったようだった。足をつかっての探索をおこなっていたのは、けなげというかイメージにあわないというべきか。
「そのワイバーンは渓谷付近を通る旅行者を襲うってことで話にあがってたものだから、遠慮無く倒しちゃってね!」
 こほん、と咳払いをしてエリカの言葉を眼鏡の受付嬢が継いだ。
「事の導入はともかく、相手は近隣への被害が報告されている幻獣です。気を付けて退治してきてください」
「あ、依頼人のショーンさんからはばっちり報酬も受け取れるように話はつけてあるから、安心して行ってきてね!」
 はあ、と受付嬢はため息をひとつ。
「……それでは、よろしくお願いします」

解説

勝利条件:ワイバーンの撃破
敗北条件:上記の条件を満たせなくなった場合
補足:(丸っこい字で書き足されている)クローバーも手に入れてきてくれないとやだよー! 数は少ないよりたくさんあった方がいいかな!

■敵について
・ワイバーン×1
 4メートルほどの巨体を誇る幻獣です。飛行することが可能で、爪と尾を織り交ぜた攻撃をおこなってくるため攻撃回数も多い強敵です。
 昼頃は巣で日光浴をしている様子が確認されています。巨体ゆえ背後は死角になっていますし、その時間帯ならうまく行けば気づかれずに接近し、不意打ちをすることが可能です。その場合は、身軽であったり動きが素早い人がむいているでしょう。

■周辺状況
・渓谷地帯
 木々や岩場などが散見される渓谷。高台からは街道が見える場所にあるため、ここからワイバーンが飛び立ち人を襲うという問題が発生していました。

・ワイバーンの巣
 渓谷地帯の高台で、だいたい30メートル四方の広さがあり、片側だけ崖に面しています。高台には足首まで埋まる緑が茂っている程度で、戦闘での障害となるものはありません。ワイバーンは高台の端、崖に面した所で寝転がっています。

■クローバーについて(丸っこい字で書き足されている)
・五つ葉のクローバーはワイバーンの周り3~4メートルのところまでにしか群生してないから、採るときは近づかなきゃダメだよ!
 戦闘するときはワイバーンを移動させるか、それとも戦闘前に採っちゃう、とかしないと傷のついてないクローバーはほとんど採れなくなっちゃうから、気を付けてね!

 以上です。
 それでは、ご健闘を祈ります。
 ――無愛想な眼鏡の受付嬢より。

マスターより

鳥だ! 変人だ! いや、魔法少女だ!
なんだか頭のネジの飛んだような子がでている気がしますが、基本的にはワイバーンの討伐任務です。ワイバーンを倒すだけでも成功なので、どのように攻略するかをお楽しみください。
なお、旗持・エリカは怪我をしているため道案内程度は頼めばおこなってくれますが、基本的に戦闘への参加はありません。

関連NPC


  • 旗持・エリカ(kz0068
    人間(リアルブルー)|16才|女性|機導師(アルケミスト)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/01/15 22:56

参加者一覧

  • 歪虚滅ぶべし
    セリス・アルマーズ(ka1079
    人間(紅)|20才|女性|聖導士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師

  • 水雲 エルザ(ka1831
    人間(蒼)|18才|女性|霊闘士

  • シエラ・R・スパーダ(ka3139
    エルフ|26才|女性|魔術師

  • ユニ=アウロラ(ka3329
    エルフ|10才|女性|魔術師
  • 飴玉お姉さん
    テトラ・ティーニストラ(ka3565
    エルフ|14才|女性|疾影士

  • 青峰 らずり(ka3616
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 笛の音が奏でるハーモニー
    エティ・メルヴィル(ka3732
    エルフ|12才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/01/09 22:28:44
アイコン そうだん!
セリス・アルマーズ(ka1079
人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2015/01/12 11:43:42