ゲスト
(ka0000)
鉄格子の中
マスター:江口梨奈

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 6~8人
- サポート
- 現在1人 / 0~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/16 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/01/25 22:00
オープニング
いまや使われることのほとんどない、古い狭い街道を、大小2台の馬車が進んでいた。
「この辺も、潮時だな。官憲の連中が勘付き始めてる」
「まあいいさ、けっこうな収穫があった」
先を走る馬車は小さく、繋がる箱車の中には3人の少女が乗っているだけだ……そして彼女たちには、手枷と猿ぐつわが嵌められている。後を走る馬車は大きく、中に乗る7人の少女達の手足は自由だった。代わりに、窓や扉に鉄格子があるのだけれど。
彼女たちは見知らぬ者同士だ。敢えて共通点を上げるとするならば皆、歳は13、4歳ほどで、なかなか見目が良く、健康的な体つきをしている。つまり、『高く売れそうな』娘だ。
馬車を御している男たちは、人さらいだった。
馬車は静かに進む。乗っている娘達は、泣くことすら諦め呆然としている。ざわざわとした、冬の冷たい風の音だけが聞こえていた。
けれど、その音が一際騒がしくなった。
「? なんだァ……」
と、前を走る男が気付いたときだ。街道の脇からぬっと、黒い塊が飛び出してきた。
「うわっ、熊か!」
いや、違う。熊がこんなに大きいわけがない。熊より二回りほど大きいものが立ちはだかったかと思うと、ぱっくりと口を開けた。体の半分もが開き、赤黒い口腔内をこちらに見せて飛びかかってきたのだ。
「う、うわあああ!!」
前の小さい馬車は、何とかそれを避けることが出来た。けれど、後の馬車は避けきれず、御者と馬とそれぞれの上半身が分断され、唾液と一緒に飲み込まれてしまった。制御を失った馬車は横転し、無言だった7人の少女達も、この時ばかりは悲鳴をあげずにはいられなかった。
「ぎゃあああ、ヴォイドだあああッ!」
小さい馬車は逃げ出した。歪虚はそのまま、残った大きい馬車にむしゃぶりついていた。大口の歪虚は、馬も人も木も革も、構わず噛み砕く。皮肉なことに、少女達を守っているのは忌々しい鉄格子であった。
「はあ、はあ……ここまでくれば……」
獲物の半分以上を失ったのは痛手だが、ゼロよりはましだろう。小さい馬車の男は街道を抜け、目的の引き渡し場所を目指そうとした、が。
「そこの馬車、止まれ。中を改めさせて貰う!」
待ち受けていたのは、2人の騎士だった。悪辣な誘拐組織の調査をしており、有益な情報を元にここで張り込んでいたのだった。拘束された少女たちは、何よりの証拠となった。この時点で騎士たちは知らなかったが、男は組織の幹部に繋がる人物だった。この逮捕により、組織は壊滅されることになるだろう。
「……ずいぶん、少ないな? 聞いた話では、もっといるはずだが」
「俺は知らねぇな」
「ヴォイドよ、ヴォイドが出たの!」
猿ぐつわから解放された少女の一人が訴えた。3人の少女が口々に伝えてくれる情報に、騎士たちは青くなった。まだ7人もの少女が取り残されているとは!
人手が足りない。急遽、ハンター達へ応援が要請された。
「この辺も、潮時だな。官憲の連中が勘付き始めてる」
「まあいいさ、けっこうな収穫があった」
先を走る馬車は小さく、繋がる箱車の中には3人の少女が乗っているだけだ……そして彼女たちには、手枷と猿ぐつわが嵌められている。後を走る馬車は大きく、中に乗る7人の少女達の手足は自由だった。代わりに、窓や扉に鉄格子があるのだけれど。
彼女たちは見知らぬ者同士だ。敢えて共通点を上げるとするならば皆、歳は13、4歳ほどで、なかなか見目が良く、健康的な体つきをしている。つまり、『高く売れそうな』娘だ。
馬車を御している男たちは、人さらいだった。
馬車は静かに進む。乗っている娘達は、泣くことすら諦め呆然としている。ざわざわとした、冬の冷たい風の音だけが聞こえていた。
けれど、その音が一際騒がしくなった。
「? なんだァ……」
と、前を走る男が気付いたときだ。街道の脇からぬっと、黒い塊が飛び出してきた。
「うわっ、熊か!」
いや、違う。熊がこんなに大きいわけがない。熊より二回りほど大きいものが立ちはだかったかと思うと、ぱっくりと口を開けた。体の半分もが開き、赤黒い口腔内をこちらに見せて飛びかかってきたのだ。
「う、うわあああ!!」
前の小さい馬車は、何とかそれを避けることが出来た。けれど、後の馬車は避けきれず、御者と馬とそれぞれの上半身が分断され、唾液と一緒に飲み込まれてしまった。制御を失った馬車は横転し、無言だった7人の少女達も、この時ばかりは悲鳴をあげずにはいられなかった。
「ぎゃあああ、ヴォイドだあああッ!」
小さい馬車は逃げ出した。歪虚はそのまま、残った大きい馬車にむしゃぶりついていた。大口の歪虚は、馬も人も木も革も、構わず噛み砕く。皮肉なことに、少女達を守っているのは忌々しい鉄格子であった。
「はあ、はあ……ここまでくれば……」
獲物の半分以上を失ったのは痛手だが、ゼロよりはましだろう。小さい馬車の男は街道を抜け、目的の引き渡し場所を目指そうとした、が。
「そこの馬車、止まれ。中を改めさせて貰う!」
待ち受けていたのは、2人の騎士だった。悪辣な誘拐組織の調査をしており、有益な情報を元にここで張り込んでいたのだった。拘束された少女たちは、何よりの証拠となった。この時点で騎士たちは知らなかったが、男は組織の幹部に繋がる人物だった。この逮捕により、組織は壊滅されることになるだろう。
「……ずいぶん、少ないな? 聞いた話では、もっといるはずだが」
「俺は知らねぇな」
「ヴォイドよ、ヴォイドが出たの!」
猿ぐつわから解放された少女の一人が訴えた。3人の少女が口々に伝えてくれる情報に、騎士たちは青くなった。まだ7人もの少女が取り残されているとは!
人手が足りない。急遽、ハンター達へ応援が要請された。
解説
歪虚の襲撃に遭っている少女達を保護して下さい。
今のところ歪虚は1体。熊よりも二回りほど大きく、何でも食べる大きな口を持っています。現時点で少女達は鉄格子付きの箱車で守られていますが、安全な状況とは言い難いです。
街道は、現在はほとんど使われない古い狭いもので、他の人通りはまず無いと思われます。
先に逮捕された誘拐犯の処置と、少女達の保護は2人の騎士が行いますので、皆さんは残された少女達の保護に専念して下さい。
今のところ歪虚は1体。熊よりも二回りほど大きく、何でも食べる大きな口を持っています。現時点で少女達は鉄格子付きの箱車で守られていますが、安全な状況とは言い難いです。
街道は、現在はほとんど使われない古い狭いもので、他の人通りはまず無いと思われます。
先に逮捕された誘拐犯の処置と、少女達の保護は2人の騎士が行いますので、皆さんは残された少女達の保護に専念して下さい。
マスターより
あけましておめでとうございます。まだ松の内だからセーフ。今年もよろしくお願い致します。
えー。都合のいいことに、皆さんが到着するまで少女達は無事です。誘拐犯は無事じゃありませんが。馬も。
それでは、頑張って下さい。
えー。都合のいいことに、皆さんが到着するまで少女達は無事です。誘拐犯は無事じゃありませんが。馬も。
それでは、頑張って下さい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/24 09:57
参加者一覧
サポート一覧
- Uisca=S=Amhran(ka0754)
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/14 20:58:48 |
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相談用 星輝 Amhran(ka0724) エルフ|10才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/01/16 04:14:44 |