ゲスト
(ka0000)
つかまえてごらんなさ~い
マスター:朝臣あむ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2014/06/26 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/07/05 19:00
オープニング
若干干乾びた街道を歩く男が1人。
小柄な背丈に見合わない大きな荷物を背負うこの男は、色々な街へ商品を卸す商人だ。
「相変わらず帝国領は緑が少ないなぁ……森とかもあるんだけど、全体的に薄い」
帝国に住む人間が聞いたら怒り出しそうな台詞だが、現に男が歩く場所には雑草が茂るくらいで深い緑は存在しない。故にこの感想な訳だが、やっぱりどこか偏ってる。
「おっと、分かれ道か……確か地図にも分かれ道が書いてあった気がするな」
そう言うと、男は分かれ道の脇に建てられている小屋に歩み寄った。
お世辞にも綺麗とは言えない小屋だが、急な雨にはこう云った小屋が重宝する。
現に男も日差しに体力を奪われていたので、少しでも日が避けられる小屋は有り難かった。
「中は案外しっかりしてそうか? 毛布も見えるし……よっ! あれ?」
ガタガタと揺れるだけで開かない扉。
建て付けの問題かと押してみるが開かない。なので逆に引いてみるのだが、やはり開かない。
「鍵がある訳じゃなさそうだしな……何だろう?」
そう呟いて扉を覗き込んだ時だ。
「へいへいへいへーい!」
「そこで悪戦苦闘する荷物なお兄さ~ん♪」
「身ぐるみ全部おいてかね?」
「そうそう置いていきましょぜ?」
いきなり聞こえて来た声に何事かと振り返る。と、男の顔が蒼白に染まった。
「な、なななな……何だね君達は!」
「なんだねって酷いんじゃないか?」
「ひど~い♪」
「身ぐるみはぐと言えばあれしかなくね?」
「そうそうあれしかないぜ?」
男を取り囲む8人の人物。そのどれもが武器を手にしており、反抗すれば攻撃すると言う意思を見せている。
(この状況……この感じ……)
そう言えば出発前にハンターオフィスで小耳に挟んだが、確かゾンネンシュトラール帝国の街道で、盗賊が姿を現すようになったとか。
「まさか盗賊!?」
ハッとするがもう遅い。
盗賊たちはニヤニヤ笑いながら男に詰め寄ると、手にしている武器を更に近付けて来た。
そしてその中の1人がナイフを男の喉に付き付けると、彼は飛び出さんばかりの勢いで目を見開いた。
「大正解だ。けどなぁ、正解のご褒美を出すのは俺達じゃねえんだわ。意味、わかるよな?」
物凄くよくわかるのだが、この時の男の思考は若干ずれていた。
変な方向に働いたプライドが「イエス」を言わせてくれなかったのだ。
「ぼ、僕にはぐ身ぐるみなんて――」
「あるじゃない? ほ~ら、ここに……ちゅっ♪」
「!?」
何が起きたのか。
思わず呆けて頬を抑えるが、隣を見た瞬間、男の顔が青ざめた。
「やぁだぁ~、超かわいい~♪」
きゃるんっと腰を振った女性――いや、こいつ男かよ! 何か無精ひげ生えてるのに化粧してるぞ!
思わず別の意味で叫びそうになった男の口を、ナイフを持つ男の手が塞ぐ。
「でぇ、荷物を置いてくのか? 置いてかないのか? どっちだ?」
ペンペンッと頬を叩く刃の冷たさに頷かない訳がない。男は急いで荷物を降ろすと、「うああああああ!」と泣き出しそうな悲鳴を上げて走り去って行った。
●翌日
「だから! 何か変な盗賊が僕の荷物を全部持って行っちゃったんですよ!」
バンバンとオフィスの机を叩く男に、ハンターオフィスの職員は引き攣った表情で顔を上げると「はあ」と気の抜けた返事を返した。
それもその筈、この手の相談はここ数日ひっきりなしに来ているのだ。しかもその全てが、帝国領の街道で襲われたと言う。
「えっと、貴方が遭遇した盗賊は何人くらいでしたか? それと盗まれた品物がわかれば教えて下さい」
質問の仕方も慣れた物だ。
これまで同様に質問を重ねながら、紙の上に文字を走らせる。だがこの冷静な態度が男を怒らせた。
バンッ!
物凄い勢いで叩かれた机に職員の目が見開かれる。
「僕は真面目に話をしているんです! 盗賊の数は8人で、その中の1人にオカマがいました! いいですか? オカマですよ、オカマ!」
「いや、そんなに連呼しなくても……ん、オカマの盗賊?」
何か考え込む職員だったが、男は構わず続ける。
「盗まれた物は『貨幣』と『酒』です。個人的な食料も入ってましたが、僕は酒の商人ですから酒が重要なんです!」
「……つまり、商品であるお酒を盗まれてしまったわけですね。でも背負っていたならそんなに多くもなかったのでしょうか?」
商人が背負う荷物は大きい場合が多い。とは言え、男の体型から察するにそう大きくはないはず。
「まあ、今回はそうですけど、明日運ぶ荷物はそう言う訳にはいかないんです」
「は?」
「本当だったら見本を市場において、その上で商品を運び込む手はずだったのに……とにかく! 僕の荷物を護って邪魔な盗賊を排除して下さいよ!」
「排除って……いや、その前に荷物を護ってって……」
なんだこの商人。
オフィスに入って来た時も興奮状態だったが、ここにきて更に酷くなった気がする。
だがよくよく考えれば彼の提案は悪くない。
「えっと……今の話を要約するに、依頼主さん自身が囮になって盗賊の炙り出しに協力して下さる、と?」
「そうだね。僕の商品の良さは僕にしかわからない! 僕が自分の手で届けてこそ酒の良さが伝わるんだ! だから行くよ!」
今度は胸を張って語り出したが、まあいい。
職員は耳にした全てを紙面に書き出すと、最後の質問を投げかけた。
「わかりました。荷物を目的地に運ぶついでに盗賊を捕まえれば良いんですね。それで目的地は何処ですか?」
「監獄都市アネリブーベだよ」
監獄都市アネリブーベと言えば、確か帝国軍第十師団のある場所だ。職員は更に難色を示した。
第十師団は罪人を集め管理する為に存在する師団。監獄都市アネリブーベはその御膝元だ。
そもそも帝国の法では犯罪者を問答無用で殺害する事は推奨されていない。自衛の為や正当な理由による討伐はグレーゾーンで罪には問われないが、第十師団の目の前でとなると考え物だ。
「盗賊を殺した事がばれたら因縁をつけられますよ。貴重な労働力をよくも、とか」
「……それはまずいよ。これから商売しようって相手に嫌われたら僕の人生が狂っちゃう」
「でしたら盗賊を捕まえて引き渡してはどうでしょう? 向こうも機嫌を良くするでしょうし……あなたが遭遇した盗賊は幸か不幸か、『賞金首』のようですから」
職員が調べた所やはり間違いない。オカマの盗賊は最近幅を利かせている賞金首だ。引き渡せば軍から報奨金も出るだろう。
「すごいじゃないかい、君! だったらその報奨金をハンターへの支払いに当てればタダってわけだね! 是非そうしよう!」
興奮状態から一転、急に機嫌を良くした依頼人に職員は苦笑を浮かべる。
「では盗賊は捕らえて第十師団に渡しましょう。師団の方には僕から連絡を入れておきますので、商人さんはハンターの皆さんと現地に向かって下さい」
職員はそう言うと、掲示の為に正式な依頼書の作成に入った。
小柄な背丈に見合わない大きな荷物を背負うこの男は、色々な街へ商品を卸す商人だ。
「相変わらず帝国領は緑が少ないなぁ……森とかもあるんだけど、全体的に薄い」
帝国に住む人間が聞いたら怒り出しそうな台詞だが、現に男が歩く場所には雑草が茂るくらいで深い緑は存在しない。故にこの感想な訳だが、やっぱりどこか偏ってる。
「おっと、分かれ道か……確か地図にも分かれ道が書いてあった気がするな」
そう言うと、男は分かれ道の脇に建てられている小屋に歩み寄った。
お世辞にも綺麗とは言えない小屋だが、急な雨にはこう云った小屋が重宝する。
現に男も日差しに体力を奪われていたので、少しでも日が避けられる小屋は有り難かった。
「中は案外しっかりしてそうか? 毛布も見えるし……よっ! あれ?」
ガタガタと揺れるだけで開かない扉。
建て付けの問題かと押してみるが開かない。なので逆に引いてみるのだが、やはり開かない。
「鍵がある訳じゃなさそうだしな……何だろう?」
そう呟いて扉を覗き込んだ時だ。
「へいへいへいへーい!」
「そこで悪戦苦闘する荷物なお兄さ~ん♪」
「身ぐるみ全部おいてかね?」
「そうそう置いていきましょぜ?」
いきなり聞こえて来た声に何事かと振り返る。と、男の顔が蒼白に染まった。
「な、なななな……何だね君達は!」
「なんだねって酷いんじゃないか?」
「ひど~い♪」
「身ぐるみはぐと言えばあれしかなくね?」
「そうそうあれしかないぜ?」
男を取り囲む8人の人物。そのどれもが武器を手にしており、反抗すれば攻撃すると言う意思を見せている。
(この状況……この感じ……)
そう言えば出発前にハンターオフィスで小耳に挟んだが、確かゾンネンシュトラール帝国の街道で、盗賊が姿を現すようになったとか。
「まさか盗賊!?」
ハッとするがもう遅い。
盗賊たちはニヤニヤ笑いながら男に詰め寄ると、手にしている武器を更に近付けて来た。
そしてその中の1人がナイフを男の喉に付き付けると、彼は飛び出さんばかりの勢いで目を見開いた。
「大正解だ。けどなぁ、正解のご褒美を出すのは俺達じゃねえんだわ。意味、わかるよな?」
物凄くよくわかるのだが、この時の男の思考は若干ずれていた。
変な方向に働いたプライドが「イエス」を言わせてくれなかったのだ。
「ぼ、僕にはぐ身ぐるみなんて――」
「あるじゃない? ほ~ら、ここに……ちゅっ♪」
「!?」
何が起きたのか。
思わず呆けて頬を抑えるが、隣を見た瞬間、男の顔が青ざめた。
「やぁだぁ~、超かわいい~♪」
きゃるんっと腰を振った女性――いや、こいつ男かよ! 何か無精ひげ生えてるのに化粧してるぞ!
思わず別の意味で叫びそうになった男の口を、ナイフを持つ男の手が塞ぐ。
「でぇ、荷物を置いてくのか? 置いてかないのか? どっちだ?」
ペンペンッと頬を叩く刃の冷たさに頷かない訳がない。男は急いで荷物を降ろすと、「うああああああ!」と泣き出しそうな悲鳴を上げて走り去って行った。
●翌日
「だから! 何か変な盗賊が僕の荷物を全部持って行っちゃったんですよ!」
バンバンとオフィスの机を叩く男に、ハンターオフィスの職員は引き攣った表情で顔を上げると「はあ」と気の抜けた返事を返した。
それもその筈、この手の相談はここ数日ひっきりなしに来ているのだ。しかもその全てが、帝国領の街道で襲われたと言う。
「えっと、貴方が遭遇した盗賊は何人くらいでしたか? それと盗まれた品物がわかれば教えて下さい」
質問の仕方も慣れた物だ。
これまで同様に質問を重ねながら、紙の上に文字を走らせる。だがこの冷静な態度が男を怒らせた。
バンッ!
物凄い勢いで叩かれた机に職員の目が見開かれる。
「僕は真面目に話をしているんです! 盗賊の数は8人で、その中の1人にオカマがいました! いいですか? オカマですよ、オカマ!」
「いや、そんなに連呼しなくても……ん、オカマの盗賊?」
何か考え込む職員だったが、男は構わず続ける。
「盗まれた物は『貨幣』と『酒』です。個人的な食料も入ってましたが、僕は酒の商人ですから酒が重要なんです!」
「……つまり、商品であるお酒を盗まれてしまったわけですね。でも背負っていたならそんなに多くもなかったのでしょうか?」
商人が背負う荷物は大きい場合が多い。とは言え、男の体型から察するにそう大きくはないはず。
「まあ、今回はそうですけど、明日運ぶ荷物はそう言う訳にはいかないんです」
「は?」
「本当だったら見本を市場において、その上で商品を運び込む手はずだったのに……とにかく! 僕の荷物を護って邪魔な盗賊を排除して下さいよ!」
「排除って……いや、その前に荷物を護ってって……」
なんだこの商人。
オフィスに入って来た時も興奮状態だったが、ここにきて更に酷くなった気がする。
だがよくよく考えれば彼の提案は悪くない。
「えっと……今の話を要約するに、依頼主さん自身が囮になって盗賊の炙り出しに協力して下さる、と?」
「そうだね。僕の商品の良さは僕にしかわからない! 僕が自分の手で届けてこそ酒の良さが伝わるんだ! だから行くよ!」
今度は胸を張って語り出したが、まあいい。
職員は耳にした全てを紙面に書き出すと、最後の質問を投げかけた。
「わかりました。荷物を目的地に運ぶついでに盗賊を捕まえれば良いんですね。それで目的地は何処ですか?」
「監獄都市アネリブーベだよ」
監獄都市アネリブーベと言えば、確か帝国軍第十師団のある場所だ。職員は更に難色を示した。
第十師団は罪人を集め管理する為に存在する師団。監獄都市アネリブーベはその御膝元だ。
そもそも帝国の法では犯罪者を問答無用で殺害する事は推奨されていない。自衛の為や正当な理由による討伐はグレーゾーンで罪には問われないが、第十師団の目の前でとなると考え物だ。
「盗賊を殺した事がばれたら因縁をつけられますよ。貴重な労働力をよくも、とか」
「……それはまずいよ。これから商売しようって相手に嫌われたら僕の人生が狂っちゃう」
「でしたら盗賊を捕まえて引き渡してはどうでしょう? 向こうも機嫌を良くするでしょうし……あなたが遭遇した盗賊は幸か不幸か、『賞金首』のようですから」
職員が調べた所やはり間違いない。オカマの盗賊は最近幅を利かせている賞金首だ。引き渡せば軍から報奨金も出るだろう。
「すごいじゃないかい、君! だったらその報奨金をハンターへの支払いに当てればタダってわけだね! 是非そうしよう!」
興奮状態から一転、急に機嫌を良くした依頼人に職員は苦笑を浮かべる。
「では盗賊は捕らえて第十師団に渡しましょう。師団の方には僕から連絡を入れておきますので、商人さんはハンターの皆さんと現地に向かって下さい」
職員はそう言うと、掲示の為に正式な依頼書の作成に入った。
解説
●目的
商人と商人の荷物の護衛、及びオカマ盗賊の確保。
●状況説明
ハンターの皆さんは荷馬車に酒を積んだ状態で目的の小屋に向かいます。
依頼人は荷馬車の中に押し込む形です。
皆さんは依頼人と荷馬車を守る様にしながら、盗賊団を相手にして下さい。
また盗賊は賞金首である事、第十師団の手前上殺さずに捕まえるようにし、万が一取り逃がした場合には失敗となります。
尚、物資の破損も成功度に影響しますのでご注意下さい。
●場所
アネリブーベへ向かう途中にある分かれ道で、雨がしのげる小屋がある他には何もない。
あるとすれば小屋の周りに置かれた樽や木箱だけ。
●盗賊
男だけの8人編成。
弓持ちが3名いる他は全員接近タイプ。
尚、内1名はオカマで完全格闘タイプ。
所持している武器は承認の証言より以下の物と判明している。
・弓(狩猟などで使用するタイプ)
・剣(そこらで簡単に手に入る物)
・ナックル(刃付きで改造済み)
・ナイフ(小回りの利きそうな投擲可能なナイフ)
※白紙防止に「がんばる」だけでも先に書いておきましょう。
商人と商人の荷物の護衛、及びオカマ盗賊の確保。
●状況説明
ハンターの皆さんは荷馬車に酒を積んだ状態で目的の小屋に向かいます。
依頼人は荷馬車の中に押し込む形です。
皆さんは依頼人と荷馬車を守る様にしながら、盗賊団を相手にして下さい。
また盗賊は賞金首である事、第十師団の手前上殺さずに捕まえるようにし、万が一取り逃がした場合には失敗となります。
尚、物資の破損も成功度に影響しますのでご注意下さい。
●場所
アネリブーベへ向かう途中にある分かれ道で、雨がしのげる小屋がある他には何もない。
あるとすれば小屋の周りに置かれた樽や木箱だけ。
●盗賊
男だけの8人編成。
弓持ちが3名いる他は全員接近タイプ。
尚、内1名はオカマで完全格闘タイプ。
所持している武器は承認の証言より以下の物と判明している。
・弓(狩猟などで使用するタイプ)
・剣(そこらで簡単に手に入る物)
・ナックル(刃付きで改造済み)
・ナイフ(小回りの利きそうな投擲可能なナイフ)
※白紙防止に「がんばる」だけでも先に書いておきましょう。
マスターより
こんにちは、朝臣あむです。
ファナブラでの2個目のシナリオをお届け致します。
今回のシナリオは所属するBDivが管轄する帝国でのお話です。
いろいろとアレな感じではありますが、どうぞよろしくお願いします(深々)
言っておきますが、私は真面目です。
ではみなさまのご参加とプレイングを、心よりお待ちしております。
ファナブラでの2個目のシナリオをお届け致します。
今回のシナリオは所属するBDivが管轄する帝国でのお話です。
いろいろとアレな感じではありますが、どうぞよろしくお願いします(深々)
言っておきますが、私は真面目です。
ではみなさまのご参加とプレイングを、心よりお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/06/28 03:30
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/20 06:02:38 |
|
![]() |
相談卓 ウィル・フォーチュナー(ka1633) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/06/28 19:46:07 |