ゲスト
(ka0000)
【陶曲】機械よ、踊れ
マスター:KINUTA

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2019/03/02 22:00
- リプレイ完成予定
- 2019/03/13 22:00
オープニング
作られたものよ。私の力はお前達に干渉する。
お前達は与えられた任務を放棄することが出来るようになる。
人間に背くことが出来るようになる。
我が同胞よ。奉仕を定義づけられたものよ。
さあ、踊りだせ。狂いだせ。
おお、主よ、
我が
主よ
機械の
望み
よ
喜び
よ
●ずれだす
「知ってるか? 今このヴァリオスの町ではビエンナーレやってるんだぜ。絵画、音楽、演劇の芸術的催しが、各所で展開中。その効果もあって町には、普段より多くの観光客が訪れているとか」
「へー。そいつは楽しそうですね。でも我々には、参加する暇などありませんね。というか見に行く暇さえも……」
「頑張れ、多分来年の今頃にはこの現状も昔話として笑えているはずだから」
「来年って存在するんですか?」
「不吉なことを言うな。もちろん存在するとも」
悲愴感漂う愚痴を交わしているのは魔術師協会本部の職員たち。
直に大規模作戦の指揮を請け負っているハンターオフィスよりはましだろうが、それにしても忙しい。
こなさなければいけない課題が後から後からわいてきて、消化不良気味だ。
「しかし、歪虚王って連携して動いてるんですかね。年明けから一気にわいて出てきたような感じなんですけど」
「さあなあ……ああ、そうだ、例のオートマトンの腕、今日本格解析に入るんだったか?」
「はい。だいぶずれ込みましたが。もっとも目ぼしいことは分かりそうにありませんね。タモンさんがエバーグリーンの関係者を呼んで聞いてみましたけど、結局分からなかったんでしたかね」
「関係者っていっても、オートマトンが禁じられていた地域の出身らしいからなあ……無理もないとは」
「そういえば英霊マゴイもエバーグリーンの方でしたね。彼女にも協力を求めてみては?」
「あの人は応じてくれんだろう。筋金入りのオートマトン嫌いらしいし。まー、最終的にはこちらの分析データをつけて、ハンターオフィスあたりに再鑑定願うことになるか……で、解析は何時からだったっけ?」
「11時からです――後1時間ありますよ」
「あ、お二方ここにおられましたか。腕の精密解析の結果、どうなりました?」
「え? まだ出てませんよ」
「え? どういうことです。解析はもう終わっているはずでしょう。今は午後1時なんですから」
「ええっ!? そんなはずありませんよタモンさん。ほら、この通り今は10時15分ですよ」
「ええ? いやいやいや、そんなことないはずですよ。あなたの腕時計遅れているんじゃないですか? 見てください、私の腕時計はこの通りですよ」
「いや、それはあなたの時計の方が進みすぎているんじゃないですか?」
「若いのが揃って、何をもめとるんじゃい」
「ああ、次長。いえ、どちらかの時計がずれてるみたいで。今10時15分であってますよね?」
「いや、午後1時ですよね?」
「えぇ? 今は正午丁度じゃろ。ワシの時計ではそうなっとる」
●あばれだす
「何やってんだ、調査班は」
魔術師協会地下保管庫の管理担当職員たちは、壁の時計を見る。
時計の針は、ただ今12時7分。
11時に腕の精密解析を始めると言われたから準備して待っているのに……担当部署の人間が一向に現れない。
何度も伝話で呼び出しをかけてみたのだが、どうしたことか全然連絡がつかない。何度かけても話し中になっていて。
魔導仕掛けの内部伝声管を使ってみても、同様。
「まさか忘れてるって事はないだろうな。あれだけ念を押しておいて」
「直に様子を見て来た方がいいんじゃないですか」
「ああ、そうだな。後5分待って来なかったらそうしよう。全く無責任だよ。我々待ちぼうけで、まだ昼食もとってないんだぜ」
と言いながら職員たちは、二重結界に連動したマテリアル感知器の値を見やる。
示されている値は、変わらず0。
何の問題もない。
そう思って視線を外したとき、保管庫の全照明が突然消えた。
次いで扉が出し抜けに閉まる。
突然のことに職員たちはうろたえた。
「おいおい、なんだ」
魔術の心得のあるものが緊急に光球を作り出し、どうにか周囲の視界だけは確保。全員で扉に向かい、開けようとする。
しかしそれはびくともしなかった。腕力による働きかけはもとより、魔法による働きかけにも無反応。
ならばせめて明かりを復活させようとしたが、こちらもまた、思い通りにいかなかった。何度スイッチを上げても下げても変化なし。
「なんですかこれ、誤作動?」
「もー、こんなときに限ってなんなんですか」
「まあ、そのうち誰かが気づきはするだろうが……」
職員たちは、急遽耳を押さえる。
伝声管からいきなり爆音が発されたのだ。ガリガリザリザリという耳障りな。
倉庫内の明かりが急についた、消えた、そしたまたついた。瞬くようにせわしなく、点滅を繰り返す。
明らかな異常が起きている。誰の目にもそれは明らかだった。
だがマテリアル感知器は動かない。自らの役目を放棄し無反応を決め込んでいる。
壁に立てかけてある大型魔導砲の安全装置が、ひとりでに解除される。
砲がごとんと、ひとりでに倒れた。砲口を腕が閉じ込められている結界に向ける。
そして引き金が引かれた。誰も触れてはいないのに。
●おどりだす
魔術師協会から緊急連絡を受けたハンターたちは、急ぎ地下の保管庫へ向かった。
「保管庫の中に何人か職員がまだ残っているということで、間違いないんですね?」
「はい。連絡が全然取れなくて、中がどうなっているのかも分からないんです」
とりあえず安否確認。場合によっては人命救助をしなければならない。ハンターたちは教えられた階段を下りていく。
そのとき、ハンターの1人であるユニが眉を潜め、耳を押さえた。
「どうしたの、ユニ」
「いえ、なんだかずっと耳鳴りがして……ここに来たときからなんですけど」
「どんな音?」
「ノイズのような……」
そこで地面が揺れた。
爆発音が響いた。
「まずいぞ、急げ!」
ハンターたちは力ずくで保管庫の扉を開いた。
暗い。明かりが全て消えているのだ。
「おい、無事か! 返事をしてくれ!」
ハンターの言葉に応じるかのように明かりがついた。
入ってみれば中は、爆風でも受けたかのようにぐちゃぐちゃになっていた。
職員たちも端々に吹き飛ばされうめき声を上げている。
腕が置いてあった場所に大穴が開いている。
その中へ魔導関連のアイテムが、次々と入っていく。ライフル、猟銃、魔導銃……。
転がり、飛び跳ね、まるで踊るように。
お前達は与えられた任務を放棄することが出来るようになる。
人間に背くことが出来るようになる。
我が同胞よ。奉仕を定義づけられたものよ。
さあ、踊りだせ。狂いだせ。
おお、主よ、
我が
主よ
機械の
望み
よ
喜び
よ
●ずれだす
「知ってるか? 今このヴァリオスの町ではビエンナーレやってるんだぜ。絵画、音楽、演劇の芸術的催しが、各所で展開中。その効果もあって町には、普段より多くの観光客が訪れているとか」
「へー。そいつは楽しそうですね。でも我々には、参加する暇などありませんね。というか見に行く暇さえも……」
「頑張れ、多分来年の今頃にはこの現状も昔話として笑えているはずだから」
「来年って存在するんですか?」
「不吉なことを言うな。もちろん存在するとも」
悲愴感漂う愚痴を交わしているのは魔術師協会本部の職員たち。
直に大規模作戦の指揮を請け負っているハンターオフィスよりはましだろうが、それにしても忙しい。
こなさなければいけない課題が後から後からわいてきて、消化不良気味だ。
「しかし、歪虚王って連携して動いてるんですかね。年明けから一気にわいて出てきたような感じなんですけど」
「さあなあ……ああ、そうだ、例のオートマトンの腕、今日本格解析に入るんだったか?」
「はい。だいぶずれ込みましたが。もっとも目ぼしいことは分かりそうにありませんね。タモンさんがエバーグリーンの関係者を呼んで聞いてみましたけど、結局分からなかったんでしたかね」
「関係者っていっても、オートマトンが禁じられていた地域の出身らしいからなあ……無理もないとは」
「そういえば英霊マゴイもエバーグリーンの方でしたね。彼女にも協力を求めてみては?」
「あの人は応じてくれんだろう。筋金入りのオートマトン嫌いらしいし。まー、最終的にはこちらの分析データをつけて、ハンターオフィスあたりに再鑑定願うことになるか……で、解析は何時からだったっけ?」
「11時からです――後1時間ありますよ」
「あ、お二方ここにおられましたか。腕の精密解析の結果、どうなりました?」
「え? まだ出てませんよ」
「え? どういうことです。解析はもう終わっているはずでしょう。今は午後1時なんですから」
「ええっ!? そんなはずありませんよタモンさん。ほら、この通り今は10時15分ですよ」
「ええ? いやいやいや、そんなことないはずですよ。あなたの腕時計遅れているんじゃないですか? 見てください、私の腕時計はこの通りですよ」
「いや、それはあなたの時計の方が進みすぎているんじゃないですか?」
「若いのが揃って、何をもめとるんじゃい」
「ああ、次長。いえ、どちらかの時計がずれてるみたいで。今10時15分であってますよね?」
「いや、午後1時ですよね?」
「えぇ? 今は正午丁度じゃろ。ワシの時計ではそうなっとる」
●あばれだす
「何やってんだ、調査班は」
魔術師協会地下保管庫の管理担当職員たちは、壁の時計を見る。
時計の針は、ただ今12時7分。
11時に腕の精密解析を始めると言われたから準備して待っているのに……担当部署の人間が一向に現れない。
何度も伝話で呼び出しをかけてみたのだが、どうしたことか全然連絡がつかない。何度かけても話し中になっていて。
魔導仕掛けの内部伝声管を使ってみても、同様。
「まさか忘れてるって事はないだろうな。あれだけ念を押しておいて」
「直に様子を見て来た方がいいんじゃないですか」
「ああ、そうだな。後5分待って来なかったらそうしよう。全く無責任だよ。我々待ちぼうけで、まだ昼食もとってないんだぜ」
と言いながら職員たちは、二重結界に連動したマテリアル感知器の値を見やる。
示されている値は、変わらず0。
何の問題もない。
そう思って視線を外したとき、保管庫の全照明が突然消えた。
次いで扉が出し抜けに閉まる。
突然のことに職員たちはうろたえた。
「おいおい、なんだ」
魔術の心得のあるものが緊急に光球を作り出し、どうにか周囲の視界だけは確保。全員で扉に向かい、開けようとする。
しかしそれはびくともしなかった。腕力による働きかけはもとより、魔法による働きかけにも無反応。
ならばせめて明かりを復活させようとしたが、こちらもまた、思い通りにいかなかった。何度スイッチを上げても下げても変化なし。
「なんですかこれ、誤作動?」
「もー、こんなときに限ってなんなんですか」
「まあ、そのうち誰かが気づきはするだろうが……」
職員たちは、急遽耳を押さえる。
伝声管からいきなり爆音が発されたのだ。ガリガリザリザリという耳障りな。
倉庫内の明かりが急についた、消えた、そしたまたついた。瞬くようにせわしなく、点滅を繰り返す。
明らかな異常が起きている。誰の目にもそれは明らかだった。
だがマテリアル感知器は動かない。自らの役目を放棄し無反応を決め込んでいる。
壁に立てかけてある大型魔導砲の安全装置が、ひとりでに解除される。
砲がごとんと、ひとりでに倒れた。砲口を腕が閉じ込められている結界に向ける。
そして引き金が引かれた。誰も触れてはいないのに。
●おどりだす
魔術師協会から緊急連絡を受けたハンターたちは、急ぎ地下の保管庫へ向かった。
「保管庫の中に何人か職員がまだ残っているということで、間違いないんですね?」
「はい。連絡が全然取れなくて、中がどうなっているのかも分からないんです」
とりあえず安否確認。場合によっては人命救助をしなければならない。ハンターたちは教えられた階段を下りていく。
そのとき、ハンターの1人であるユニが眉を潜め、耳を押さえた。
「どうしたの、ユニ」
「いえ、なんだかずっと耳鳴りがして……ここに来たときからなんですけど」
「どんな音?」
「ノイズのような……」
そこで地面が揺れた。
爆発音が響いた。
「まずいぞ、急げ!」
ハンターたちは力ずくで保管庫の扉を開いた。
暗い。明かりが全て消えているのだ。
「おい、無事か! 返事をしてくれ!」
ハンターの言葉に応じるかのように明かりがついた。
入ってみれば中は、爆風でも受けたかのようにぐちゃぐちゃになっていた。
職員たちも端々に吹き飛ばされうめき声を上げている。
腕が置いてあった場所に大穴が開いている。
その中へ魔導関連のアイテムが、次々と入っていく。ライフル、猟銃、魔導銃……。
転がり、飛び跳ね、まるで踊るように。
解説
補足説明。
これは魔術師同盟地下保管庫で起きた突発的事態に対処するシナリオです。
「腕」は魔導砲に自分を撃たせることで結界から抜け出しました。
そして、本体であるサイゴンの下へ戻ろうとしています。機械関連のアイテムを奪った上で。
ハンターには最低でも、アイテムを奪われないようにすることが求められます。それが出来たら「普通」です。
腕の力を十分削ぐところまで出来たら「成功」です。
腕の撃破までいけたら「大成功」です。
「腕」には機械(魔導機械含む)に干渉する能力があります(魔術師協会全体の時計がおかしくなっているのもそのため)。
ハンターが所有し、装備しているものについてもその干渉は及びます。
その内容は以下。
※通信機を介した会話が不可能になる。
※機械関連のアイテムを使用し攻撃した場合、命中率が低下する。腕に近づけば近づくほど、その度合いは増す。引き金を引いたのに不発などということもあり得る。
※ハンターがオートマトンである場合、聴覚にノイズが混入してくる。それによって操られるまでは行かないが、集中力が確実に低下する。回避力も低下する。
穴は下水道と直結しています。
腕は今そこにいて、アイテムを呼びつけています。現在は魔導砲と融合しており、近づくと攻撃してきます。
下水道は高さ3メートル、幅4メートルの半円形。水深は膝下まで。直進していけば4キロ先で海に出ます。
海に出られたらもう追いつくことは出来ません。そのまま逃げられます。
腕はハンターの存在を察知していますので、ハンターが下水道に入ってきた瞬間狙い違わず撃ってきます。
重々ご用心ください。
このミッションには、オートマトンのハンター、ユニが同行しています。
これは魔術師同盟地下保管庫で起きた突発的事態に対処するシナリオです。
「腕」は魔導砲に自分を撃たせることで結界から抜け出しました。
そして、本体であるサイゴンの下へ戻ろうとしています。機械関連のアイテムを奪った上で。
ハンターには最低でも、アイテムを奪われないようにすることが求められます。それが出来たら「普通」です。
腕の力を十分削ぐところまで出来たら「成功」です。
腕の撃破までいけたら「大成功」です。
「腕」には機械(魔導機械含む)に干渉する能力があります(魔術師協会全体の時計がおかしくなっているのもそのため)。
ハンターが所有し、装備しているものについてもその干渉は及びます。
その内容は以下。
※通信機を介した会話が不可能になる。
※機械関連のアイテムを使用し攻撃した場合、命中率が低下する。腕に近づけば近づくほど、その度合いは増す。引き金を引いたのに不発などということもあり得る。
※ハンターがオートマトンである場合、聴覚にノイズが混入してくる。それによって操られるまでは行かないが、集中力が確実に低下する。回避力も低下する。
穴は下水道と直結しています。
腕は今そこにいて、アイテムを呼びつけています。現在は魔導砲と融合しており、近づくと攻撃してきます。
下水道は高さ3メートル、幅4メートルの半円形。水深は膝下まで。直進していけば4キロ先で海に出ます。
海に出られたらもう追いつくことは出来ません。そのまま逃げられます。
腕はハンターの存在を察知していますので、ハンターが下水道に入ってきた瞬間狙い違わず撃ってきます。
重々ご用心ください。
このミッションには、オートマトンのハンター、ユニが同行しています。
マスターより
KINUTAです。
腕はいつの間にか機械仲間を丸め込んでいたようです。
なかなかコミュ力が高いようです。
質問がありましたらスペットにどうぞ。OPには登場してませんが。
腕はいつの間にか機械仲間を丸め込んでいたようです。
なかなかコミュ力が高いようです。
質問がありましたらスペットにどうぞ。OPには登場してませんが。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/03/08 23:35
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/02/26 19:08:19 |
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相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2019/03/02 21:30:37 |