ゲスト
(ka0000)
【王戦】マンハント
マスター:ムジカ・トラス

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 3~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/02/28 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/03/09 19:00
オープニング
●
傲慢王イヴの宣言と同時に、王国各地に黒波の如く敵兵が押し寄せるようになった。戦禍はミュールが率いる王国西部、および歪虚と化した元"赤の隊"隊長のダンテ・バルカザールが率いるハルトフォートを中心に急速に広がっていく。
イヴ直属の部下であることを権威として数多の【傲慢】兵をまとめ王都への進軍を優先するミュール方面では、未だ大軍同士の交戦は少なく、どちらかというと交戦は同軍から遊撃的に――あるいは散逸する形で散った兵との戦闘が多い。
一方で、ダンテ・バルカザールは早期にハルトフォート攻略を目標に据え、一定の兵が集まった時点で明確にハルトフォートへと向かって進軍を開始。周囲の要衝を襲撃しながら攻略に乗り出した。
――応じる王国首脳はここに意図を見た。
歪虚としては新参のダンテは、【傲慢】の特性上、命令系統に不安が残る。故に、意図的に戦場を作ることで【傲慢】勢の兵を同地域に集結させる作戦をとったのでは、と。
ダンテの狙いがどこにあるかはさておき――事実として、戦火に包まれつつあるハルトフォートを中心に戦闘が激化していく。
こうして、王国史上でも最大量の砲弾消費を記録した防衛戦が、始まったのである。
●
「くっ、はははっ! ははははっ!! 圧倒的ではないか! 我がゴーレム部隊は!」
押し寄せてくる敵集団を、10体からなるVolcaniusの掃射で蹴散らした様をみて、貴族、アドル男爵は喝采をあげた。ハルトフォートへの帰投中に見つけた一団であったが、こちらのほうが手が長い。先手をうっての砲撃で接近をゆるすことなく撃退。わずかにうち漏らしが逃げ出したが、十二分の戦果といえよう。
「ゴブリンの歪虚でしたな……傲慢王がまさか亜人まで飼っているとは」
「王とはいえ所詮は歪虚、ということだろう。上級士官といえる存在が策に溺れたメフィストに、あのベリアル……いまとなっては残るのはミュールとかいう小娘のみだ。亜人を使わねばならぬというという事情でもあるのだろうよ。たかが知れておるなぁ」
砲撃部隊の観測手からの報告を受けた副官の言葉に、意気軒昂たるアドルは鼻を鳴らした。
――チリ、と。
殺気を感じたのは、その時のことだった。アドルは怪訝げに視線をさまよわせるが、当然、気配のもとを示すような異常は見当たらない。
「……」
調子づいてはいたが、アドルもまた戦場に立つ武人には違いなかった。腰にはいた剣を抜きながら腰だめに構える。副官もそれにならい、その背を守るように立つ。
「――何も、見当たりませんが」
「……だが……」
先程、突き刺さるように感じていた殺気は霧消していた。ただし、アドルの直観が、あれがまやかしなどではなかったのだと絶叫している。
「――――連絡だ。付近の部隊に連絡を。誰でもいい。応援もだ!」
「は……はっ!」
副官はその反応を、怯懦と取ることはなかった。理屈の上では錯覚と取るべき状況だが、傲慢王の発言を借りれば、「百万の兵」が相手となる。例えそれが小さなモノであったとしても、許されないのだから。
副官が地点の連絡をしている様を見届けながら、アドルはVolcaniusとGnomeからなるゴーレム混成部隊の指揮官を呼び寄せると、
「我々はこの地の警戒にあたる。貴様らは至急ハルトフォートへ発て。全速力でだ!」
「……閣下は、よろしいのですか?」
「無論だ」
仮に、先程の殺気の主がこの場にいたとするならば、この状況、【傲慢】の兵にほかなるまい。思い返しつつ思考するに、【傲慢王】への暴言が先程の殺気の引き金だとするならば――アドルがゴーレム部隊についていった場合、そちらに禍が及ぶこととなる。対多数戦闘においてVolcaniusとGnomeの価値は計り知れない。故に、アドル自身はこちらに残る必要があった。
――それに、こうすれば万が一のことがあったとしても、王国の対応力が完全に損なわれるわけでは、ない。
「さて」
出立するゴーレム部隊と直衛の兵士たちを見送ったアドルは、護衛に残った兵たちを振り返った。周囲を警戒し続けてはいるものの、背筋を貫く氷柱の如き恐怖は、時間が経つにつれて強くなっていく。周囲は未だ、牧歌的な光景のままなのだが……。
――どこにいる?
付近で連絡が取れたハンター部隊がこちらに到達するまで最短で一〇分ほど。その間を、どうにか耐えねばならない。
同時に、予感は強まっていくばかりだ。
おそらくアドルは罠に掛けられた。しかし、その種はなんだ……?
「……エクラよ。光の加護を、私どもに」
アドルは祈りとともに、周囲を警戒し――、
――勿論、アドルの願いは光の元には届かなかった。
そのわずか10数秒後にアドルの右腕が弾け飛び、アカイロを飛び散らすこととなる。応戦しようとした八名の兵士たちは頭部を落とされ絶命。どぼりと血液と肢体が地に落ちる。
「ひ、あ、イ……っ!」
窮迫した呼吸のなかで、最後にアドルが目にしたものは……。
傲慢王イヴの宣言と同時に、王国各地に黒波の如く敵兵が押し寄せるようになった。戦禍はミュールが率いる王国西部、および歪虚と化した元"赤の隊"隊長のダンテ・バルカザールが率いるハルトフォートを中心に急速に広がっていく。
イヴ直属の部下であることを権威として数多の【傲慢】兵をまとめ王都への進軍を優先するミュール方面では、未だ大軍同士の交戦は少なく、どちらかというと交戦は同軍から遊撃的に――あるいは散逸する形で散った兵との戦闘が多い。
一方で、ダンテ・バルカザールは早期にハルトフォート攻略を目標に据え、一定の兵が集まった時点で明確にハルトフォートへと向かって進軍を開始。周囲の要衝を襲撃しながら攻略に乗り出した。
――応じる王国首脳はここに意図を見た。
歪虚としては新参のダンテは、【傲慢】の特性上、命令系統に不安が残る。故に、意図的に戦場を作ることで【傲慢】勢の兵を同地域に集結させる作戦をとったのでは、と。
ダンテの狙いがどこにあるかはさておき――事実として、戦火に包まれつつあるハルトフォートを中心に戦闘が激化していく。
こうして、王国史上でも最大量の砲弾消費を記録した防衛戦が、始まったのである。
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「くっ、はははっ! ははははっ!! 圧倒的ではないか! 我がゴーレム部隊は!」
押し寄せてくる敵集団を、10体からなるVolcaniusの掃射で蹴散らした様をみて、貴族、アドル男爵は喝采をあげた。ハルトフォートへの帰投中に見つけた一団であったが、こちらのほうが手が長い。先手をうっての砲撃で接近をゆるすことなく撃退。わずかにうち漏らしが逃げ出したが、十二分の戦果といえよう。
「ゴブリンの歪虚でしたな……傲慢王がまさか亜人まで飼っているとは」
「王とはいえ所詮は歪虚、ということだろう。上級士官といえる存在が策に溺れたメフィストに、あのベリアル……いまとなっては残るのはミュールとかいう小娘のみだ。亜人を使わねばならぬというという事情でもあるのだろうよ。たかが知れておるなぁ」
砲撃部隊の観測手からの報告を受けた副官の言葉に、意気軒昂たるアドルは鼻を鳴らした。
――チリ、と。
殺気を感じたのは、その時のことだった。アドルは怪訝げに視線をさまよわせるが、当然、気配のもとを示すような異常は見当たらない。
「……」
調子づいてはいたが、アドルもまた戦場に立つ武人には違いなかった。腰にはいた剣を抜きながら腰だめに構える。副官もそれにならい、その背を守るように立つ。
「――何も、見当たりませんが」
「……だが……」
先程、突き刺さるように感じていた殺気は霧消していた。ただし、アドルの直観が、あれがまやかしなどではなかったのだと絶叫している。
「――――連絡だ。付近の部隊に連絡を。誰でもいい。応援もだ!」
「は……はっ!」
副官はその反応を、怯懦と取ることはなかった。理屈の上では錯覚と取るべき状況だが、傲慢王の発言を借りれば、「百万の兵」が相手となる。例えそれが小さなモノであったとしても、許されないのだから。
副官が地点の連絡をしている様を見届けながら、アドルはVolcaniusとGnomeからなるゴーレム混成部隊の指揮官を呼び寄せると、
「我々はこの地の警戒にあたる。貴様らは至急ハルトフォートへ発て。全速力でだ!」
「……閣下は、よろしいのですか?」
「無論だ」
仮に、先程の殺気の主がこの場にいたとするならば、この状況、【傲慢】の兵にほかなるまい。思い返しつつ思考するに、【傲慢王】への暴言が先程の殺気の引き金だとするならば――アドルがゴーレム部隊についていった場合、そちらに禍が及ぶこととなる。対多数戦闘においてVolcaniusとGnomeの価値は計り知れない。故に、アドル自身はこちらに残る必要があった。
――それに、こうすれば万が一のことがあったとしても、王国の対応力が完全に損なわれるわけでは、ない。
「さて」
出立するゴーレム部隊と直衛の兵士たちを見送ったアドルは、護衛に残った兵たちを振り返った。周囲を警戒し続けてはいるものの、背筋を貫く氷柱の如き恐怖は、時間が経つにつれて強くなっていく。周囲は未だ、牧歌的な光景のままなのだが……。
――どこにいる?
付近で連絡が取れたハンター部隊がこちらに到達するまで最短で一〇分ほど。その間を、どうにか耐えねばならない。
同時に、予感は強まっていくばかりだ。
おそらくアドルは罠に掛けられた。しかし、その種はなんだ……?
「……エクラよ。光の加護を、私どもに」
アドルは祈りとともに、周囲を警戒し――、
――勿論、アドルの願いは光の元には届かなかった。
そのわずか10数秒後にアドルの右腕が弾け飛び、アカイロを飛び散らすこととなる。応戦しようとした八名の兵士たちは頭部を落とされ絶命。どぼりと血液と肢体が地に落ちる。
「ひ、あ、イ……っ!」
窮迫した呼吸のなかで、最後にアドルが目にしたものは……。
解説
●目的
・アドル部隊(ゴーレム部隊除く)の現状確認およびアドルの遺体回収
・およびその原因確認・情報収集および対処
・生存
●解説
(以下、ハルトフォート方面司令本部より)
ハルトフォート周辺地域に散在する歪虚への対応にでていたアドル男爵の部隊が、ゴブリンたちを中心とした歪虚の一団と遭遇し、これを遠距離から撃破した。しかしその後、アドル男爵から「傲慢王を罵倒した後、なんらかの異変を察知した」という知らせとともに上記情報が伝達され、その後連絡が不通となった。アドル男爵の命令で先行し帰投中のゴーレム部隊はハルトフォートへ問題なく帰投中とのこと。
おそらくアドル男爵は待ち伏せからの奇襲により死亡している可能性が高いが、「何故死んだのか」、「何が起こったのか」についての情報がなければ今後同様の事件が起こりえる。そのため、ハンター諸氏には可及的速やかにアドル男爵らの生死、および、現場で何が起こったかについての調査を求める。
アドル男爵が生存している場合は救助を。死亡している場合は遺体回収が望ましい。
また、もしアドル男爵を殺害した歪虚が付近にいる場合、これについての情報収集と殲滅も任務に含まれる。(我々がアドル男爵の死体ごとVolcaniusなどの砲撃で周囲一帯を攻撃しないのはひとえに情報収集に重きが置かれているためである)
――貴官らの生存を祈る。
●状況
・周辺地域
背の低い木々が各所に散在している丘陵地帯。街道こそないがGnomeが通路となる道を整地済。
高低差は乏しいながらもあるため、アドルたちの死体は開始後500mの地点に到達するまで不明。
(逆に言えば、その地点まではアドル側からもハンターたちは視認不能)
・他オブジェクト
ハンターたちから1kmほど先にアドルらの死体があり。付近には亜人型の歪虚が三体ほど存在していることが500m地点から目視可能。死体の数はアドル含めて9つ。
・アドル部隊(ゴーレム部隊除く)の現状確認およびアドルの遺体回収
・およびその原因確認・情報収集および対処
・生存
●解説
(以下、ハルトフォート方面司令本部より)
ハルトフォート周辺地域に散在する歪虚への対応にでていたアドル男爵の部隊が、ゴブリンたちを中心とした歪虚の一団と遭遇し、これを遠距離から撃破した。しかしその後、アドル男爵から「傲慢王を罵倒した後、なんらかの異変を察知した」という知らせとともに上記情報が伝達され、その後連絡が不通となった。アドル男爵の命令で先行し帰投中のゴーレム部隊はハルトフォートへ問題なく帰投中とのこと。
おそらくアドル男爵は待ち伏せからの奇襲により死亡している可能性が高いが、「何故死んだのか」、「何が起こったのか」についての情報がなければ今後同様の事件が起こりえる。そのため、ハンター諸氏には可及的速やかにアドル男爵らの生死、および、現場で何が起こったかについての調査を求める。
アドル男爵が生存している場合は救助を。死亡している場合は遺体回収が望ましい。
また、もしアドル男爵を殺害した歪虚が付近にいる場合、これについての情報収集と殲滅も任務に含まれる。(我々がアドル男爵の死体ごとVolcaniusなどの砲撃で周囲一帯を攻撃しないのはひとえに情報収集に重きが置かれているためである)
――貴官らの生存を祈る。
●状況
・周辺地域
背の低い木々が各所に散在している丘陵地帯。街道こそないがGnomeが通路となる道を整地済。
高低差は乏しいながらもあるため、アドルたちの死体は開始後500mの地点に到達するまで不明。
(逆に言えば、その地点まではアドル側からもハンターたちは視認不能)
・他オブジェクト
ハンターたちから1kmほど先にアドルらの死体があり。付近には亜人型の歪虚が三体ほど存在していることが500m地点から目視可能。死体の数はアドル含めて9つ。
マスターより
ムジカ自身はこのOPを書きながら「押すなよ……絶対に……押すなよ……!!!」と念じながらOPを書いてました。
そんな、絶対にシャッと薙ぎ払わないでネvという熱い思いとともにリリースさせていただきます。絶対だぞ。本当に絶対だ。良い子のみんな絶対だぞ!!
なお、OPの概略を考えて、一行目を書いた瞬間に「あ、コイツ死ぬな」って確信できました。アドル男爵は本当に良い子だ。
さておき……【王戦】ハルトフォート攻防編、スタートでございます。
何やら大仰なハントシナリオと合わせて、先の展開を占うフェイズです。よろしくお楽しみください!
そんな、絶対にシャッと薙ぎ払わないでネvという熱い思いとともにリリースさせていただきます。絶対だぞ。本当に絶対だ。良い子のみんな絶対だぞ!!
なお、OPの概略を考えて、一行目を書いた瞬間に「あ、コイツ死ぬな」って確信できました。アドル男爵は本当に良い子だ。
さておき……【王戦】ハルトフォート攻防編、スタートでございます。
何やら大仰なハントシナリオと合わせて、先の展開を占うフェイズです。よろしくお楽しみください!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/04/18 19:40
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 アシェ-ル(ka2983) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/02/28 01:11:08 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/02/23 21:23:16 |