●からくり屋敷
　むかしむかしのお話です。
　同盟のある所に、からくり職人がおりました。彼は、小さなからくり人形やからくり時計などを作って生計を立てておりました。
　ある日、彼は思い立ちます。
「そうだ！　全ての部屋に仕掛けのある家を作るんだ！　きっと楽しいことになるぞ」
　そして、森の中にからくり屋敷を建ててしまったのです。彼はそこで余生を過ごし、からくり職人としての人生を終えました。

　問題はその後です。
　彼が亡くなってから、からくり屋敷の処分については意見がわかれました。知的財産として残しておくべきだ、と言う声と、どこが管理費を出すんだ、と言う声。その他大人の事情が次から次へと噴き上がります。そうこうしている内に、迷い込んだ人が怪我をしたため、世論は一気に解体に傾きました。
　しかし、大工さんは難色を示します。
「解体の最中に突然からくりが動いても困る。せめてどんなからくりがあったかくらいは知っておきたい」
　そう言われたところで、皆怖くて調査なんていけないのです。そして誰かが言いました。
「そうだ、ハンターに調査してもらおう」

●ハンターオフィスにて
「と言うわけで、皆さんにはからくり屋敷の仕掛けの調査をしていただきたいんですぅ」
　オフィス職員、平坂みことはそう言って依頼書を貼り出した。
「仕掛けさえわかれば、あとは大工さんたちがそれを参考に解体してくれるそうなのでぇ、とにかくトラップ発動させてそれを報告してくださいって感じです。下手すると怪我人が出るので、ハンターさんにしか頼めないって言ってました」
「その人は何で怪我をしたんだい？　穏やかじゃないね」
　通りがかった中年職員が首を傾げる。
「なんでも、階段が落とし穴になってて、そこからずぼっと行ったらしいんですよ。引っかかって落っこちはしなかったんですけど。最終的に探しに来た人が外からドアを開けた時に一緒に出たそうです。あ、どうも、玄関ドア閉めると中から開かないらしいんですよね。仕掛けを全部解除すると開くらしいんですけどぉ」
「そんなもの、よく今まで残しておいたな……」
「そうなんですよねぇ」
　平坂はため息をつく。
「最近、歪虚の動きも激化していますし、うっかり根城にされちゃっても困るし。解体しておけば、平和になってからまた安全な形に組み立てても良いかもねって話も出ているそうです。できれば家屋は壊さないで、とは言われています。でも、ハンターさんたちが危なかったらしかたないかな、と私は思ってますぅ。気をつけて行ってきて下さいね」

●目的
からくり屋敷の仕掛けについて調査する

●判定
直感か知識を選択。宣言した能力値の難易度1で解除、看破の成否を判定する。

●仕掛け
・居間：暖炉のボタン
3つのボタンが、両側と中央上にある。このボタンを同時に押すと隣の部屋が開く。
中央のプレートには「三人寄れば文殊の知恵」と書かれている。
この部屋に限らず、窓はすべて20センチしか開かない。

・居間隣室：鏡の部屋
一面鏡張りの部屋。閉めると施錠される上に、油断するとどこがドアかわからなくなる。部屋中央床にあるスイッチを踏むと、天井が開いてクラッカーの様な細い紙の束が降りて来る。一定時間経過すると天井に収納。
この紙束の中に3本細い綱があり、それを引くとこの部屋と2階の階段側にある部屋が開く。

・階段の落とし穴
1階と2階の間の階段、全20段の内下から4段目が落とし穴になっている。小柄、細身、痩身の人は落下。標準、豊満、筋肉質、肥満の人は引っかかる。
その先の地下室から外に出られる。

・2階廊下
上がりきった所、色の違う板を踏むと天井から槍が落ちてくる。伏せると当たらない。伏せ損ねた場合は50ダメージ。一定時間で収納。

・2階手前の部屋
寝室に見える。ベッドの枕元にバレリーナの人形がついたオルゴールが固定されている。ネジを巻いて一曲終えた時にバレリーナの指先が向いている先の壁にうっすら四角い切れ込みががあり、そこを押すと隣の部屋が開く。

・2階奥の部屋
書斎に見える。机の上にしゃれこうべの置物。置物の前に「死を想え」の文字が刻まれている。しゃれこうべのある所を思い人の様に撫でたなら、玄関の解錠に加えて全ての部屋の鍵が開くマスターキーを入手。
指定箇所は1人1箇所。これに関してはプレイングの指定でOK。

ちなみに主眼は「トラップの内容とできれば解除法を知る」ことなのでトラップに一度は掛かるか作動させる必要がある。
最悪ぶち破っても良いが成功度は多少下がるものとする。

●マスターより
こんにちは三田村です。
このシナリオに限って、CS何セットすれば有利なのかわからないと言う諸氏には幸運をお勧めします。

からくりは七転八倒しながら考えたのでよろしければ思う存分RPしていってください。RP推奨です。

判定と描写は瞬発順でローテーションします。しゃれこうべで正解者複数いた場合はローテーション最初の方を描写することになりますのでご了承ください。