ゲスト
(ka0000)
アン嬢とリフレッシュ
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- ユニット参加人数
- 現在3 / 0~4
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/03/07 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/03/16 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
交代の時間、と窓口からバックオフィスに引っ込んだ一人の受付嬢は、そこにあるデスクの一つで気絶するように寝ているアン=ズヴォーの姿を認めると思わず微笑した。
ハンターが激戦続きならその仕事を支えるハンターオフィスも大わらわだ。休憩時間に寝落ちしたくなる気持ちは良く分かる──実際彼女も軽食を取ったらそうしようと思うくらいだ。
その上、彼女はこの年下の、一生懸命でムードメーカーの同僚を憎からず思っていた。故に……そう、だから、交代時間なのだ。起こさねばならない。そのことに少し、躊躇いを覚える。
「……んがっ!?」
彼女が迷ううちにアンは自分で目を覚ました。疲れすぎて荒くなりズズ、と音を立てた呼気、それに自分自身で驚いたような様だった。
ぼんやりと目を開いたアンは暫く視線をさ迷わせると、見ていた受付嬢のところで焦点を合わせ、そしてはっとした顔になる。
「いっけねぇ、交代の時間でやしたか! こいつぁ失礼しやした!」
バタバタと準備を始めるアンに、彼女は苦笑する。
「いいけど……あんまり疲れてるなら、ちゃんと休暇をとった方が後々の為よ? あなたこっち来てから定休以外とってないんじゃない?」
「大丈夫でさあ! 手前どもはハンターの先生様方のお力になるのが一番したい事でさあ!」
「そう……でも、このところ流石に激戦続きだし……あなたそれ以外にも色々やるでしょう」
「手前どもが忙しいってこたあハンターの先生様方はその何倍も大変なはずでさあ! のんびりしてる場合じゃねえでさあ!」
それだけ言って、アンはオフィスの表側、窓口の方へと向かっていった。
「そりゃ……実際ハンターは何倍も大変でしょうけど、それってつまり、何倍も能力があるってことでもあるんだけどね……」
虚空に向かって思わず呟いて、大丈夫かしら、と視線を戻す。アンが居たそのデスクに目が行くと、あまり良くないことだとは思いつつもそこにあった書き付けに意識を向けてしまう。
『今大変なハンターの先生様方の力になるために』
そう題されたその紙にはアンが激戦から心身共に疲弊して戻ってくるハンターに何が出来るかが思い付くままに書き連ねられているようだった。
……ささやか過ぎるようなものだ。
今日はロビーをいつもより頑張って掃除した。
入口から見えやすいところに花を飾ってみた。
町で『疲れが取れる香り』と言われたアロマを置いてみた。
チョコレートを置いといたら減ってた。食べてくれた人は少しでも楽になっただろうか。甘いものが苦手な人もいるかも。レモン飴とおやつジャーキーも置いておこう。
忙しくて先輩にも声をかけられなかったからバレンタインには大したことが出来なかった。ホワイトデーも難しそう、どうしよう……。
そんなことが幾つも書いてあって、効果が見られたかどうかなのだろう、丸だの三角だのメモだのでぐるぐると上書きされて。
……正直。受付嬢としての彼女は、あまり要領が良いとは言えない。辺境の遊牧民族。基礎学習が、町のそれとは違いすぎる。受付嬢の採用試験は七回目にようやく合格にこぎ着けたというそうで、実際努力のかいもあっただろうが、多少は最終的には熱意に押されたのではないかというふしがある。
だからこそ忙しい今、アンは時間的には人より余計に働かねばならない部分もあるだろう。決して組織としてマイナスにはなっていないが、傍目に心配にはなる。
「ハンターの先生様方のために……ね」
それは多分、紛れもない本音だ。アンはただただ、ハンターが大好きで、憧れていて、それだけで多忙をものともしない様子で笑顔を浮かべ続けてみせている。
「あるんじゃないの? あんただからこその、ハンターをとびきり元気付ける方法が、さ」
そうして彼女は、一計を案じることにした。
●
「現地に行って聞き取り……ですかい」
依頼の内容に不明瞭な点があるから、手紙や通信のやり取りではなく直接顔を合わせての会話で内容を精査する。その役目を今回はアンにお願いしたい。説明するとアンは特に疑問を持たずに了解して旅立っていった。覚醒者ではないアンは転移門は使えない。現地の温泉宿に着くまで三日……と言ったところだろうか。
万一の「忘れ物したんで戻ってきましたー」等が無いように、乗り合い馬車に乗り間違いなく出発したところまで見計らってから、受付嬢はその依頼を表示した。
「……というわけでハンターの皆さんは転移門で先回りして、サプライズであの子を労ってきてあげてくれませんか。休暇の手筈は整えてあります」
ハンターと共にあることがあの子の一番の喜びであるというならば。ご褒美もハンターにしてしまえばいい。
「本当に、あの子はハンターの皆さんがただ大好きですから。皆さんが普通に考えて喜ぶようなことをすれば何だって大感激すると思うので」
そう。きっと喜ぶ。部族独特の勢いあるあの喋りで。感謝と感激をやかましいくらいに浴びせてくる事だろう。
「あの子が倒れないように休ませてほしいのもあるんですけど……皆さんも楽しんできてください。それが多分、あの子の一番の喜びでしょうから」
だから出来れば。特に意識せずとも、感激するあの子の姿に和んでくれるような、癒されてくれるような、そんな人に引き受けてほしい。
実際ハンターの皆も忙しくて、疲れて……辛い想いもたくさんしているだろう。あの子は直接力にはなれないけど、この依頼の間、きっとたくさんの「大好き」をあなたたちに向けてくるだろうから。
連戦の隙間。そんなリフレッシュ計画は、いかがだろうか?
交代の時間、と窓口からバックオフィスに引っ込んだ一人の受付嬢は、そこにあるデスクの一つで気絶するように寝ているアン=ズヴォーの姿を認めると思わず微笑した。
ハンターが激戦続きならその仕事を支えるハンターオフィスも大わらわだ。休憩時間に寝落ちしたくなる気持ちは良く分かる──実際彼女も軽食を取ったらそうしようと思うくらいだ。
その上、彼女はこの年下の、一生懸命でムードメーカーの同僚を憎からず思っていた。故に……そう、だから、交代時間なのだ。起こさねばならない。そのことに少し、躊躇いを覚える。
「……んがっ!?」
彼女が迷ううちにアンは自分で目を覚ました。疲れすぎて荒くなりズズ、と音を立てた呼気、それに自分自身で驚いたような様だった。
ぼんやりと目を開いたアンは暫く視線をさ迷わせると、見ていた受付嬢のところで焦点を合わせ、そしてはっとした顔になる。
「いっけねぇ、交代の時間でやしたか! こいつぁ失礼しやした!」
バタバタと準備を始めるアンに、彼女は苦笑する。
「いいけど……あんまり疲れてるなら、ちゃんと休暇をとった方が後々の為よ? あなたこっち来てから定休以外とってないんじゃない?」
「大丈夫でさあ! 手前どもはハンターの先生様方のお力になるのが一番したい事でさあ!」
「そう……でも、このところ流石に激戦続きだし……あなたそれ以外にも色々やるでしょう」
「手前どもが忙しいってこたあハンターの先生様方はその何倍も大変なはずでさあ! のんびりしてる場合じゃねえでさあ!」
それだけ言って、アンはオフィスの表側、窓口の方へと向かっていった。
「そりゃ……実際ハンターは何倍も大変でしょうけど、それってつまり、何倍も能力があるってことでもあるんだけどね……」
虚空に向かって思わず呟いて、大丈夫かしら、と視線を戻す。アンが居たそのデスクに目が行くと、あまり良くないことだとは思いつつもそこにあった書き付けに意識を向けてしまう。
『今大変なハンターの先生様方の力になるために』
そう題されたその紙にはアンが激戦から心身共に疲弊して戻ってくるハンターに何が出来るかが思い付くままに書き連ねられているようだった。
……ささやか過ぎるようなものだ。
今日はロビーをいつもより頑張って掃除した。
入口から見えやすいところに花を飾ってみた。
町で『疲れが取れる香り』と言われたアロマを置いてみた。
チョコレートを置いといたら減ってた。食べてくれた人は少しでも楽になっただろうか。甘いものが苦手な人もいるかも。レモン飴とおやつジャーキーも置いておこう。
忙しくて先輩にも声をかけられなかったからバレンタインには大したことが出来なかった。ホワイトデーも難しそう、どうしよう……。
そんなことが幾つも書いてあって、効果が見られたかどうかなのだろう、丸だの三角だのメモだのでぐるぐると上書きされて。
……正直。受付嬢としての彼女は、あまり要領が良いとは言えない。辺境の遊牧民族。基礎学習が、町のそれとは違いすぎる。受付嬢の採用試験は七回目にようやく合格にこぎ着けたというそうで、実際努力のかいもあっただろうが、多少は最終的には熱意に押されたのではないかというふしがある。
だからこそ忙しい今、アンは時間的には人より余計に働かねばならない部分もあるだろう。決して組織としてマイナスにはなっていないが、傍目に心配にはなる。
「ハンターの先生様方のために……ね」
それは多分、紛れもない本音だ。アンはただただ、ハンターが大好きで、憧れていて、それだけで多忙をものともしない様子で笑顔を浮かべ続けてみせている。
「あるんじゃないの? あんただからこその、ハンターをとびきり元気付ける方法が、さ」
そうして彼女は、一計を案じることにした。
●
「現地に行って聞き取り……ですかい」
依頼の内容に不明瞭な点があるから、手紙や通信のやり取りではなく直接顔を合わせての会話で内容を精査する。その役目を今回はアンにお願いしたい。説明するとアンは特に疑問を持たずに了解して旅立っていった。覚醒者ではないアンは転移門は使えない。現地の温泉宿に着くまで三日……と言ったところだろうか。
万一の「忘れ物したんで戻ってきましたー」等が無いように、乗り合い馬車に乗り間違いなく出発したところまで見計らってから、受付嬢はその依頼を表示した。
「……というわけでハンターの皆さんは転移門で先回りして、サプライズであの子を労ってきてあげてくれませんか。休暇の手筈は整えてあります」
ハンターと共にあることがあの子の一番の喜びであるというならば。ご褒美もハンターにしてしまえばいい。
「本当に、あの子はハンターの皆さんがただ大好きですから。皆さんが普通に考えて喜ぶようなことをすれば何だって大感激すると思うので」
そう。きっと喜ぶ。部族独特の勢いあるあの喋りで。感謝と感激をやかましいくらいに浴びせてくる事だろう。
「あの子が倒れないように休ませてほしいのもあるんですけど……皆さんも楽しんできてください。それが多分、あの子の一番の喜びでしょうから」
だから出来れば。特に意識せずとも、感激するあの子の姿に和んでくれるような、癒されてくれるような、そんな人に引き受けてほしい。
実際ハンターの皆も忙しくて、疲れて……辛い想いもたくさんしているだろう。あの子は直接力にはなれないけど、この依頼の間、きっとたくさんの「大好き」をあなたたちに向けてくるだろうから。
連戦の隙間。そんなリフレッシュ計画は、いかがだろうか?
解説
●目的
とある温泉町にて、受付嬢アン=ズヴォーへのサプライズ慰安旅行
彼女は一泊二日の予定です
あなた方はアンより二日ほど先回って現着可能です。
「依頼の聞き取り先」と聞かされてアンが向かっている温泉宿にも話は通っています。
どの段階でネタバラシするかから、計画は皆さんに完全にお任せします。
温泉です。海沿いです。ユニットは館内に入るのは無理ですが、連れたり動き回ったりできる平原が近くにあるとか、あまり非常識な内容で無ければ何かユニット使って思い浮かぶ内容があればやれるもんと思ってもらって構いません。
完全にアン嬢の接待に回るというよりあなた方自身も目一杯楽しむ方が多分成功度高めです。
大体何をやっても煩いくらい感激しますので、うざがらずそれを受け取ってもらえる方推奨です。
とある温泉町にて、受付嬢アン=ズヴォーへのサプライズ慰安旅行
彼女は一泊二日の予定です
あなた方はアンより二日ほど先回って現着可能です。
「依頼の聞き取り先」と聞かされてアンが向かっている温泉宿にも話は通っています。
どの段階でネタバラシするかから、計画は皆さんに完全にお任せします。
温泉です。海沿いです。ユニットは館内に入るのは無理ですが、連れたり動き回ったりできる平原が近くにあるとか、あまり非常識な内容で無ければ何かユニット使って思い浮かぶ内容があればやれるもんと思ってもらって構いません。
完全にアン嬢の接待に回るというよりあなた方自身も目一杯楽しむ方が多分成功度高めです。
大体何をやっても煩いくらい感激しますので、うざがらずそれを受け取ってもらえる方推奨です。
マスターより
凪池です。ほのぼのしたい。
あとバレンタインね。バレンタイン開催できなくてごめんなさいなのです。色々スケジュール的に無理がありまして……。
ちょっとホワイトデーも日程的に苦しそうです。
というわけで穴埋め的にこうしてみました。リフレッシュ……に、なるかなあ。なるといいなあ。宜しくお願いします。
あとバレンタインね。バレンタイン開催できなくてごめんなさいなのです。色々スケジュール的に無理がありまして……。
ちょっとホワイトデーも日程的に苦しそうです。
というわけで穴埋め的にこうしてみました。リフレッシュ……に、なるかなあ。なるといいなあ。宜しくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/03/15 15:19
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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サプライズ相談卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/03/07 07:42:49 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/03/03 12:46:45 |