ゲスト
(ka0000)
【陶曲】ヒドゥン・ガール
マスター:三田村 薫

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 3日
- プレイング締切
- 2019/03/12 07:30
- リプレイ完成予定
- 2019/03/21 07:30
オープニング
●死にかけたひとは夢を見る
ヴィルジーリオは花畑を歩いている。左手だけ妙に暖かい。
かつて自分が助祭をしていた司祭……つまりは前任者だが、彼もこれくらいの庭を造っていたなあ、と思いながら。
やがて、一つの影が見えた。
「おや、来るのが少し早すぎるのではないかな、司祭」
「何をおっしゃいますか。私はいつまでも、あなたの助祭ですよ」
「随分と痛い目に遭って来た様だね」
「ええ……滅多刺しにされましてね。預かっていた男の子を連れて行かれました」
ため息を吐く。
「どうすれば防げたのか、何をすれば最善なのか、手探りですが一つも掴めませんね」
「そう言うでないよ、司祭」
「神の御心であることは承知しておりますが、少々疲れます」
影でしかないかつての司祭の表情は見えない。
「まあ、そう言うでないよ。なに、せっかくだから、ゆっくりしなさい。誰も怪我人に鞭打ったりしないだろう。さ、帰りなさい。君を迎えに来た人がいるでしょう」
「え?」
ヴィルジーリオは振り返った。その瞬間、左手が引っ張られた。
●あなたのいない世界
いわゆる臨死体験をして目を覚ました時、彼は病院のベッドの上にいた。付き添って左手を握っていたC.J.(kz0273)が、居眠りしてこけたのが刺激になって目が覚めたらしい。
「ハンクは……」
「無事だよ! 君よりよっぽど無事だ! ていうか、至近距離ファイアーボール仕込んだの君だろ! ほんと脳筋だよね! でもおかげで彼は助かったんだけど!」
「良かった」
ほう、と息を吐く。
「君やハンターたちとの関わりが活きたみたいだ。ちょっと前向きになったよ」
「良かった……」
目を閉じて、枕に頭を沈める。無事ならそれに越したことはない。この前造り始めた庭は……まあ、サンドラがどうにかしてくれるだろう。あまり人に甘えるのも気が引けたが、この体では無理だ。正直休みたい。
「大丈夫?」
「ええ……大丈夫」
正直敬語を保つ元気がない。アウグスタの蛮行によって剥がされた外面が戻って来ない。
「先生呼んでくる?」
「いや、眠いだけ……あの、うちの聖堂は?」
「町長さんがどうにかしてるみたい。ハンクはマシューとヴィクターが預かってるよ。君が寝てる間にお見舞いに来たんだけどね。意識が戻ったって聞いたらきっと来るよ。自分のせいで刺されたって、かなり気にしてたから」
「彼のせいじゃない」
「そのとおり。だから君から言ってあげて」
●お見舞い
「いやー、毎日お見舞いが来て羨ましいですねぇ」
意識が戻ってから早々に大部屋に移された。同室患者である茶色い髪の男に言われて、ヴィルジーリオは曖昧に頷く。
「じゃあ僕があなたのお見舞いもしようか」
と、丁度司祭の見舞いにも来ていたC.J.が林檎を剥きながら言う。
「どうせしばらく毎日来るし」
「優しい弟さんですねぇ」
「……僕の方が年上なんだけど」
「おや、これは失礼。お兄さんでしたか」
そもそも血縁ですらないのである。
「いやあ、最近また歪虚事件が頻発してるじゃないですか? 危ないから子どもたちにも妻にも来るなって言ってるんですよ」
「お宅は遠いんですか?」
「いえ。この町の反対側にあります。ただ、町中に歪虚が来ないとも言い切れないし……もし家族が巻き込まれて、それが自分の見舞いに来る途中だったとしたら……」
「後悔するでしょうね」
ヴィルジーリオはそれだけ言った。司祭という職業柄、どうしても他人の話には耳を傾けてしまう。猛烈に疲労感があったとしてもだ。
「お子さんはおいくつ?」
「八歳ですよ。可愛い盛りなんですけどね」
「そうですか……」
「ヴィルジーリオどうしたの? はい、お兄ちゃんが林檎を剥いてあげましたよー」
「どうも……」
●ハンドアウト
あなたたちは、C.J.に誘われたか、個人的にヴィルジーリオを知っていてお見舞いに来たハンターです。
C.J.がナースステーションで面会の手続きをしていると、看護師さんがあなたたちに近づいてきました。
「最近、八歳くらいで、長い茶髪の子が病院の周りをうろうろしている」
その看護師はそう切り出します。あなたたちは顔を見合わせました。外見年齢八歳の茶髪の少女。それはアウグスタの特徴と一致するからです。
「それでね、声を掛けたんだけど、その子、びっくりしたのかすぐ逃げて行っちゃったんです」
あなたたちの中で、アウグスタについて知っている人がいるなら首を傾げたでしょう。アウグスタなら、声を掛けた大人を話術なりなんなりで丸め込もうとするからです。
「蜘蛛はいませんでしたか? 小型犬くらいの」
誰かが尋ねました。
「いや、そんな蜘蛛がいたら流石にオフィスへ通報しますから」
それはそうです。
「最近、アウグスタでしたっけ……そんな感じの外見の歪虚がいるって言うし、今入院してる赤毛の人もその子にやられたって言うじゃないですか。もしかしてトドメを刺しに来たのかなって……でも歪虚にしては様子がおかしいし、確証がないからどうしようかなって悩んでて……」
ヴィルジーリオ含めた患者さんに知られると、不安にさせてしまう。だから、こっそり内緒で調べてください、と看護師さんは言ったのでした。
ヴィルジーリオは花畑を歩いている。左手だけ妙に暖かい。
かつて自分が助祭をしていた司祭……つまりは前任者だが、彼もこれくらいの庭を造っていたなあ、と思いながら。
やがて、一つの影が見えた。
「おや、来るのが少し早すぎるのではないかな、司祭」
「何をおっしゃいますか。私はいつまでも、あなたの助祭ですよ」
「随分と痛い目に遭って来た様だね」
「ええ……滅多刺しにされましてね。預かっていた男の子を連れて行かれました」
ため息を吐く。
「どうすれば防げたのか、何をすれば最善なのか、手探りですが一つも掴めませんね」
「そう言うでないよ、司祭」
「神の御心であることは承知しておりますが、少々疲れます」
影でしかないかつての司祭の表情は見えない。
「まあ、そう言うでないよ。なに、せっかくだから、ゆっくりしなさい。誰も怪我人に鞭打ったりしないだろう。さ、帰りなさい。君を迎えに来た人がいるでしょう」
「え?」
ヴィルジーリオは振り返った。その瞬間、左手が引っ張られた。
●あなたのいない世界
いわゆる臨死体験をして目を覚ました時、彼は病院のベッドの上にいた。付き添って左手を握っていたC.J.(kz0273)が、居眠りしてこけたのが刺激になって目が覚めたらしい。
「ハンクは……」
「無事だよ! 君よりよっぽど無事だ! ていうか、至近距離ファイアーボール仕込んだの君だろ! ほんと脳筋だよね! でもおかげで彼は助かったんだけど!」
「良かった」
ほう、と息を吐く。
「君やハンターたちとの関わりが活きたみたいだ。ちょっと前向きになったよ」
「良かった……」
目を閉じて、枕に頭を沈める。無事ならそれに越したことはない。この前造り始めた庭は……まあ、サンドラがどうにかしてくれるだろう。あまり人に甘えるのも気が引けたが、この体では無理だ。正直休みたい。
「大丈夫?」
「ええ……大丈夫」
正直敬語を保つ元気がない。アウグスタの蛮行によって剥がされた外面が戻って来ない。
「先生呼んでくる?」
「いや、眠いだけ……あの、うちの聖堂は?」
「町長さんがどうにかしてるみたい。ハンクはマシューとヴィクターが預かってるよ。君が寝てる間にお見舞いに来たんだけどね。意識が戻ったって聞いたらきっと来るよ。自分のせいで刺されたって、かなり気にしてたから」
「彼のせいじゃない」
「そのとおり。だから君から言ってあげて」
●お見舞い
「いやー、毎日お見舞いが来て羨ましいですねぇ」
意識が戻ってから早々に大部屋に移された。同室患者である茶色い髪の男に言われて、ヴィルジーリオは曖昧に頷く。
「じゃあ僕があなたのお見舞いもしようか」
と、丁度司祭の見舞いにも来ていたC.J.が林檎を剥きながら言う。
「どうせしばらく毎日来るし」
「優しい弟さんですねぇ」
「……僕の方が年上なんだけど」
「おや、これは失礼。お兄さんでしたか」
そもそも血縁ですらないのである。
「いやあ、最近また歪虚事件が頻発してるじゃないですか? 危ないから子どもたちにも妻にも来るなって言ってるんですよ」
「お宅は遠いんですか?」
「いえ。この町の反対側にあります。ただ、町中に歪虚が来ないとも言い切れないし……もし家族が巻き込まれて、それが自分の見舞いに来る途中だったとしたら……」
「後悔するでしょうね」
ヴィルジーリオはそれだけ言った。司祭という職業柄、どうしても他人の話には耳を傾けてしまう。猛烈に疲労感があったとしてもだ。
「お子さんはおいくつ?」
「八歳ですよ。可愛い盛りなんですけどね」
「そうですか……」
「ヴィルジーリオどうしたの? はい、お兄ちゃんが林檎を剥いてあげましたよー」
「どうも……」
●ハンドアウト
あなたたちは、C.J.に誘われたか、個人的にヴィルジーリオを知っていてお見舞いに来たハンターです。
C.J.がナースステーションで面会の手続きをしていると、看護師さんがあなたたちに近づいてきました。
「最近、八歳くらいで、長い茶髪の子が病院の周りをうろうろしている」
その看護師はそう切り出します。あなたたちは顔を見合わせました。外見年齢八歳の茶髪の少女。それはアウグスタの特徴と一致するからです。
「それでね、声を掛けたんだけど、その子、びっくりしたのかすぐ逃げて行っちゃったんです」
あなたたちの中で、アウグスタについて知っている人がいるなら首を傾げたでしょう。アウグスタなら、声を掛けた大人を話術なりなんなりで丸め込もうとするからです。
「蜘蛛はいませんでしたか? 小型犬くらいの」
誰かが尋ねました。
「いや、そんな蜘蛛がいたら流石にオフィスへ通報しますから」
それはそうです。
「最近、アウグスタでしたっけ……そんな感じの外見の歪虚がいるって言うし、今入院してる赤毛の人もその子にやられたって言うじゃないですか。もしかしてトドメを刺しに来たのかなって……でも歪虚にしては様子がおかしいし、確証がないからどうしようかなって悩んでて……」
ヴィルジーリオ含めた患者さんに知られると、不安にさせてしまう。だから、こっそり内緒で調べてください、と看護師さんは言ったのでした。
解説
※ご注意!※
諸般の事情で相談期間が短めです。白紙にご注意下さい。
●目的
謎の少女について調べる
●情報
目撃者の看護師によると、茶色い髪にワンピース(色は思い出せない)の女の子が病院周辺をうろうろしていた。
看護師が声を掛けたところ、恥ずかしがったのか驚いたのか逃げていってしまった。
追い掛けたが、土地勘があるのかすぐに見失ってしまった。
たまに目撃されるがやはり声を掛けると逃げてしまう。
目撃時間は昼過ぎ~夕方に掛けて。午前、夜間には目撃されていない。
周辺でブリキの蜘蛛は目撃されていない。
●NPC
ヴィルジーリオ(魔術師)
外見年齢29歳。実年齢27歳。
入院中。傷そのものは大分良くなっているし退院も近い。
疲労感がやばくて喋るのが正直だるい。敬語を維持するエネルギーもないのでしゃべり続けると敬語がログアウトする。
放っておくと眠り出す。
元々一人称が俺だったし普通に男のしゃべり方する。
「いつの間に俺……私に兄が……?」
同室の男(一般人)
足の骨折で入院中。ヴィルジーリオとC.J.を兄弟だと思っている。
とっても家族思い。
「お兄さん、毎日来てあげるなんて優しいですね」
C.J.(一般人)
外見年齢29歳、実年齢32歳。常に年下に見られ続けていたのでお兄さん扱いされて嬉しいらしい。
「お兄さん? 僕? 年相応に見られるようになったなぁ」
●ヒント
アウグスタが何故怪しまれずに数人の人間に取り入ったかを思い出して下さい。
陶器のお肌さえごまかせれば普通の女の子です。
逆に言うと……?
●その他
病院でしちゃいけないことはしないでください。鬼師長やドクターストップと言う名のマスタリングが入ります。
ナースのことはリプレイ中では一律「看護師」と表記しますのでご了承下さい。
諸般の事情で相談期間が短めです。白紙にご注意下さい。
●目的
謎の少女について調べる
●情報
目撃者の看護師によると、茶色い髪にワンピース(色は思い出せない)の女の子が病院周辺をうろうろしていた。
看護師が声を掛けたところ、恥ずかしがったのか驚いたのか逃げていってしまった。
追い掛けたが、土地勘があるのかすぐに見失ってしまった。
たまに目撃されるがやはり声を掛けると逃げてしまう。
目撃時間は昼過ぎ~夕方に掛けて。午前、夜間には目撃されていない。
周辺でブリキの蜘蛛は目撃されていない。
●NPC
ヴィルジーリオ(魔術師)
外見年齢29歳。実年齢27歳。
入院中。傷そのものは大分良くなっているし退院も近い。
疲労感がやばくて喋るのが正直だるい。敬語を維持するエネルギーもないのでしゃべり続けると敬語がログアウトする。
放っておくと眠り出す。
元々一人称が俺だったし普通に男のしゃべり方する。
「いつの間に俺……私に兄が……?」
同室の男(一般人)
足の骨折で入院中。ヴィルジーリオとC.J.を兄弟だと思っている。
とっても家族思い。
「お兄さん、毎日来てあげるなんて優しいですね」
C.J.(一般人)
外見年齢29歳、実年齢32歳。常に年下に見られ続けていたのでお兄さん扱いされて嬉しいらしい。
「お兄さん? 僕? 年相応に見られるようになったなぁ」
●ヒント
アウグスタが何故怪しまれずに数人の人間に取り入ったかを思い出して下さい。
陶器のお肌さえごまかせれば普通の女の子です。
逆に言うと……?
●その他
病院でしちゃいけないことはしないでください。鬼師長やドクターストップと言う名のマスタリングが入ります。
ナースのことはリプレイ中では一律「看護師」と表記しますのでご了承下さい。
マスターより
こんにちは三田村です。
主目的はすぐに終わると思いますのでご希望があればNPCと遊んでくださっても構いません。
アウグスタについて心情を吐露するもよし。同行者と絆を深めるもよし。情報交換するもよし。比較的自由度の高いシナリオとなっております。
主目的はすぐに終わると思いますのでご希望があればNPCと遊んでくださっても構いません。
アウグスタについて心情を吐露するもよし。同行者と絆を深めるもよし。情報交換するもよし。比較的自由度の高いシナリオとなっております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/03/20 01:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/03/10 23:02:49 |
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よく考えたら鬼ごっこだった 星野 ハナ(ka5852) 人間(リアルブルー)|24才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2019/03/12 07:57:17 |