ゲスト
(ka0000)
煌々アンダーグラウンド
マスター:墨上古流人

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/20 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/01/29 19:00
オープニング
某所某日某時刻。
冷たい石造りの部屋に、西日が差し込み埃が細雪のようにまばらに照らし出される。
光の先では、首元を光に刺されて煩わしそうに爪で掻くリベルト=アンスリウムがいた。
「コリには温めるのがいいらしいね、神様のせめてもの労いだと思うよ」
「コリの原因を取り除いてくれるのが1番なんだがねぇ、師団長さん」
書類の山の向こうに埋もれている副師団長へ、からかうように声をかけるのは師団長のユウ=クヴァールだ。
彼等は帝国第九師団の執務室にて、ひたすらと書類へペンを走らせているところだった。
「しょうがないよ。僕らの仕事の性質上、どうしても大量の書類との縁は切れないよね。炊き出しや復興支援の場所と目的の策定レポート、実際に使用する消耗品等物資の調達、申請、予算承認、人の手配、結果報告、刃を振るう事だけが護る事じゃないって、これほど気づかされる事はないよ」
ため息をつきながら、文字がビッシリかかれた紙に大きくバツを描き、丁寧に折り畳んでいくユウ。
「どっちが楽って話でもねーけどな……そうじゃなくて、雇えばいいだろ、事務員」
「えー、ただでさえ外に出す予算でいっぱいいっぱいなんだし、それに……」
「それに?」
コツン、とユウが折り畳んでいた紙飛行機が、山なりにリベルトの頭部へと跳んで行き、床へ不時着する。
「二人だけの秘密、いっぱいあるじゃない?」
「気持ちわりー言い方すんな」
人差し指を口に当てて、リベルトの方を見ていたユウだが、リベルトは一瞥もせずに、落ちていた飛行機をくしゃくしゃに丸めてユウへと投げる。
「ま、確かに……師団長と副師団長でやっちまった方が機密も気にしないでいいし……あぶねー事に巻き込まれないでも済むしな」
彼等師団が拠点としている都市、ラオネンは平たくいえば歓楽街、夜と欲望の街だ。
一夜の甘い夢や一攫千金を求めてやってくる者もいて、それらを相手取る組織もいる。
もちろん、師団としても違法行為は認めていない、だが、師団と協力関係を結び夜の街を根城とする組織もいるのだ。
「そうだね。僕達は一部の『事務所』とは仲良くやらせてもらっているけど、そうじゃない所もあるし......」
この街は皮肉にも、そういう者達を帝国内のここに集中させておく、ラオネンという名前の檻としても機能しているのだ。
「さて、んでここに、そんな我々看守様に寄付がきた」
「どこから?」
「『穴熊』だ。大方これで前回の借りをチャラにする魂胆だろう」
『穴熊』とは、師団と協力関係を結んでいるこの街の『事務所』だ。
元々水商売等への人材の斡旋で生計を立てている組織だが、
以前、穴熊の一人が事務所に内密で人身売買を行おうとしたところを、
ハンターの活躍と師団の動きにより未然に防ぐという事があった。
「こいつの予算の使い道はどうする?とりあえず物資補填、に使うには割と桁が多いが」
「そうだね……せっかくだし、地下の開発に使わせてもらおうか」
ラオネンの地下には、夜の街の生活が馴染まずあぶれてしまった者達がひっそりと生活している区域がある。
だが、地下は依然として開発中の区域であり、下手をすれば地上のスラム街と同じぐらいうらさびれている場所がある事も否めなかった。
「そいつぁいいが……問題が二つある」
「聞かせて?」
書類の山を書き分けて、やっと顔をだしたリベルトの顔は、とても濃い目の下のクマをこしらえていた。
「ひとつ。地下には正式に居住している奴らだけでなく、夜の街で失敗した奴らやこの街に仕事を求めてきたがダメだった奴らがたむろってる。こいつらの対応が必要だ」
「そうだね……CAM関係で仕事も増えてるんじゃないかな、正式に師団として仕事の斡旋をしよう。仕事については各『事務所』にも情報提供の依頼をして」
「うし、で、二つめだ。こいつは昨日の実態調査であがってきた報告だが……どうも頑なに出ていこうとしない奴らがいるらしい」
「座り込みとか? 抗議活動なら正式に役所を通してやってほしいなぁ」
「そうじゃねぇ。仕事もねぇ、家もねぇ、金もねぇ、浮浪者同然の奴らが、衣食住付きの仕事をやるっていってんのに動かねーんだ」
黙り込むユウへのそのそと近づき、一枚の紙切れを渡すリベルト。
そこには一人の目を瞑った若い女性の裸の写真と、詳細なプロフィールのようなものが書かれていた。
「リベルトの好きそうな人だね」
「生きてりゃな」
死因、複数箇所の殴打によるショック死。
場所、地下4番区域A水路排水口、容疑者4名逮捕、およそ煌びやかな店に飾られるようなプロフィールとは掛け離れた言葉が、
ユウの目に飛び込んで来ていた。
「捕まえた4人がどうにも挙動不審だったんで体を調べた。出たぜ、薬の反応が」
「……穏やかじゃないね」
もちろんこの街であろうと薬は違法だ。
資料を机に置き、ユウがリベルトに向き直る。
「すぐに問題因子の掃討を。薬に依存して動けない人達がそのままいれば……薬を手に入れるお金の為に、今後何をするかわからない。こんなことが続く前に、根を断ち切ろう」
「うちの部隊で動くか?」
「いや、可及的速やかに行いたいな……流れ者に紛れて、売人を引き寄せよう。だからハンターにお願いした方が怪しまれなくて自然かも知れない。そこから先は、リベルトに任せるよ」
「了解だ。早速ハンターズオフィスいってくるぜ」
「待って」
ばさっ、と翻して羽織った外套の裾を、宙で捕まえてユウが引っ張る。
「……書類終えてからね」
「……可及的速やかとはなんだったんだ?」
地面に落ちた外套、その裏に既にリベルトの姿はなかったのを確認して、
ユウは頬を膨らませた。
冷たい石造りの部屋に、西日が差し込み埃が細雪のようにまばらに照らし出される。
光の先では、首元を光に刺されて煩わしそうに爪で掻くリベルト=アンスリウムがいた。
「コリには温めるのがいいらしいね、神様のせめてもの労いだと思うよ」
「コリの原因を取り除いてくれるのが1番なんだがねぇ、師団長さん」
書類の山の向こうに埋もれている副師団長へ、からかうように声をかけるのは師団長のユウ=クヴァールだ。
彼等は帝国第九師団の執務室にて、ひたすらと書類へペンを走らせているところだった。
「しょうがないよ。僕らの仕事の性質上、どうしても大量の書類との縁は切れないよね。炊き出しや復興支援の場所と目的の策定レポート、実際に使用する消耗品等物資の調達、申請、予算承認、人の手配、結果報告、刃を振るう事だけが護る事じゃないって、これほど気づかされる事はないよ」
ため息をつきながら、文字がビッシリかかれた紙に大きくバツを描き、丁寧に折り畳んでいくユウ。
「どっちが楽って話でもねーけどな……そうじゃなくて、雇えばいいだろ、事務員」
「えー、ただでさえ外に出す予算でいっぱいいっぱいなんだし、それに……」
「それに?」
コツン、とユウが折り畳んでいた紙飛行機が、山なりにリベルトの頭部へと跳んで行き、床へ不時着する。
「二人だけの秘密、いっぱいあるじゃない?」
「気持ちわりー言い方すんな」
人差し指を口に当てて、リベルトの方を見ていたユウだが、リベルトは一瞥もせずに、落ちていた飛行機をくしゃくしゃに丸めてユウへと投げる。
「ま、確かに……師団長と副師団長でやっちまった方が機密も気にしないでいいし……あぶねー事に巻き込まれないでも済むしな」
彼等師団が拠点としている都市、ラオネンは平たくいえば歓楽街、夜と欲望の街だ。
一夜の甘い夢や一攫千金を求めてやってくる者もいて、それらを相手取る組織もいる。
もちろん、師団としても違法行為は認めていない、だが、師団と協力関係を結び夜の街を根城とする組織もいるのだ。
「そうだね。僕達は一部の『事務所』とは仲良くやらせてもらっているけど、そうじゃない所もあるし......」
この街は皮肉にも、そういう者達を帝国内のここに集中させておく、ラオネンという名前の檻としても機能しているのだ。
「さて、んでここに、そんな我々看守様に寄付がきた」
「どこから?」
「『穴熊』だ。大方これで前回の借りをチャラにする魂胆だろう」
『穴熊』とは、師団と協力関係を結んでいるこの街の『事務所』だ。
元々水商売等への人材の斡旋で生計を立てている組織だが、
以前、穴熊の一人が事務所に内密で人身売買を行おうとしたところを、
ハンターの活躍と師団の動きにより未然に防ぐという事があった。
「こいつの予算の使い道はどうする?とりあえず物資補填、に使うには割と桁が多いが」
「そうだね……せっかくだし、地下の開発に使わせてもらおうか」
ラオネンの地下には、夜の街の生活が馴染まずあぶれてしまった者達がひっそりと生活している区域がある。
だが、地下は依然として開発中の区域であり、下手をすれば地上のスラム街と同じぐらいうらさびれている場所がある事も否めなかった。
「そいつぁいいが……問題が二つある」
「聞かせて?」
書類の山を書き分けて、やっと顔をだしたリベルトの顔は、とても濃い目の下のクマをこしらえていた。
「ひとつ。地下には正式に居住している奴らだけでなく、夜の街で失敗した奴らやこの街に仕事を求めてきたがダメだった奴らがたむろってる。こいつらの対応が必要だ」
「そうだね……CAM関係で仕事も増えてるんじゃないかな、正式に師団として仕事の斡旋をしよう。仕事については各『事務所』にも情報提供の依頼をして」
「うし、で、二つめだ。こいつは昨日の実態調査であがってきた報告だが……どうも頑なに出ていこうとしない奴らがいるらしい」
「座り込みとか? 抗議活動なら正式に役所を通してやってほしいなぁ」
「そうじゃねぇ。仕事もねぇ、家もねぇ、金もねぇ、浮浪者同然の奴らが、衣食住付きの仕事をやるっていってんのに動かねーんだ」
黙り込むユウへのそのそと近づき、一枚の紙切れを渡すリベルト。
そこには一人の目を瞑った若い女性の裸の写真と、詳細なプロフィールのようなものが書かれていた。
「リベルトの好きそうな人だね」
「生きてりゃな」
死因、複数箇所の殴打によるショック死。
場所、地下4番区域A水路排水口、容疑者4名逮捕、およそ煌びやかな店に飾られるようなプロフィールとは掛け離れた言葉が、
ユウの目に飛び込んで来ていた。
「捕まえた4人がどうにも挙動不審だったんで体を調べた。出たぜ、薬の反応が」
「……穏やかじゃないね」
もちろんこの街であろうと薬は違法だ。
資料を机に置き、ユウがリベルトに向き直る。
「すぐに問題因子の掃討を。薬に依存して動けない人達がそのままいれば……薬を手に入れるお金の為に、今後何をするかわからない。こんなことが続く前に、根を断ち切ろう」
「うちの部隊で動くか?」
「いや、可及的速やかに行いたいな……流れ者に紛れて、売人を引き寄せよう。だからハンターにお願いした方が怪しまれなくて自然かも知れない。そこから先は、リベルトに任せるよ」
「了解だ。早速ハンターズオフィスいってくるぜ」
「待って」
ばさっ、と翻して羽織った外套の裾を、宙で捕まえてユウが引っ張る。
「……書類終えてからね」
「……可及的速やかとはなんだったんだ?」
地面に落ちた外套、その裏に既にリベルトの姿はなかったのを確認して、
ユウは頬を膨らませた。
解説
麻薬売買を行っている組織を突き止める。
地下居住区にて浮浪者相手に麻薬を売買している者がいるとの情報が入りました。
浮浪者に紛れて売人を締め上げて黒幕を吐かせ、居場所を突き止めるというのが師団からの基本的な提案プランですが、
本作戦は現場ハンターに一任されており、
突き止める方法に他案がある場合の行動等、行程については任せます。
但し、黒幕の詳細を突き止めるところまで、を仕事範囲とし、
判明した際は速やかに副師団長のリベルトへ報告を行うこと。
予想敵対因子については、
3人組で動いているとの情報があります。
『少なくとも』1名については覚醒者であるとの事です。
(支払いを渋る相手に炎をちらつかせたとの情報アリ)
地下区域についてですが、
地上と比べた約半分程の開発が師団によって行われており、
普通の居住区や商店等もあり、中心に寄る程整備されています。
地上よりも蜘蛛の巣のように細かく道があり、水路も走っていたりします。
質問卓が用意された場合は師団長のユウが回答致します。
ユウ及びリベルトは本作戦の実働には出向きません。
現場での師団側からの支援は無いと心得てください。
地下居住区にて浮浪者相手に麻薬を売買している者がいるとの情報が入りました。
浮浪者に紛れて売人を締め上げて黒幕を吐かせ、居場所を突き止めるというのが師団からの基本的な提案プランですが、
本作戦は現場ハンターに一任されており、
突き止める方法に他案がある場合の行動等、行程については任せます。
但し、黒幕の詳細を突き止めるところまで、を仕事範囲とし、
判明した際は速やかに副師団長のリベルトへ報告を行うこと。
予想敵対因子については、
3人組で動いているとの情報があります。
『少なくとも』1名については覚醒者であるとの事です。
(支払いを渋る相手に炎をちらつかせたとの情報アリ)
地下区域についてですが、
地上と比べた約半分程の開発が師団によって行われており、
普通の居住区や商店等もあり、中心に寄る程整備されています。
地上よりも蜘蛛の巣のように細かく道があり、水路も走っていたりします。
質問卓が用意された場合は師団長のユウが回答致します。
ユウ及びリベルトは本作戦の実働には出向きません。
現場での師団側からの支援は無いと心得てください。
マスターより
一任している、という言い方についてですが、
これは私的に、あんまり『こうしなさい』って道を示したらWTRPGの自由さが損なわれるかなーという、
ただの心配性から来ているものですので、
別に基本案を取らないからといってペナルティーがあるわけではありません。
もちろん、代案の内容によっては、その内容に則った判定を致します。
これは私的に、あんまり『こうしなさい』って道を示したらWTRPGの自由さが損なわれるかなーという、
ただの心配性から来ているものですので、
別に基本案を取らないからといってペナルティーがあるわけではありません。
もちろん、代案の内容によっては、その内容に則った判定を致します。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/28 00:32
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質疑応答場所 音桐 奏(ka2951) 人間(リアルブルー)|26才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/01/19 20:32:03 |
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作戦相談所 音桐 奏(ka2951) 人間(リアルブルー)|26才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/01/20 18:48:24 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/16 11:14:10 |