ゲスト
(ka0000)
【血断】私は最先端オートマトンっ!
マスター:馬車猪

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/03/23 09:00
- リプレイ完成予定
- 2019/04/01 09:00
オープニング
夢うつつが3日続いたとき、目覚めを途中で邪魔されているのに気付いた。
それから1週間のことはよく覚えている。
どんな文句を言ってやろうか、どんな人間がパートナーになるのか上機嫌で考えていた。
次の1ヶ月は最悪だった。
怒りと憎しみが抑えきれず、自分が歪虚になってしまう気すらした。
次の1年は思い出したくない。
目覚めを妨げられたまま朽ち果てるのでは無いかと、無駄に強固に出来た己を呪ったりもした。
次の10年は途切れ途切れにしか覚えていない。
開放されなくても、新たな刺激を与えてくれるなら喜んで奴隷になるつもりだった。
次の100年、あるいは1000年かそれ以上は時間の感覚がない。
何故か回線が繋がっていた、図書館のサーバを見つけた。
途中から更新されなくなったのに気づかないほど夢中になって、英知に耽溺し娯楽を賞味していた。
だから、真に目覚めて五感を得たときは天国から地獄に放り出された気分だった。
●トマーゾの困惑
エバーグリーンでの回収作業が進行している。
最近では神仏呼ばわりされることすらある男のもとにも、当然のように報告書が届く。
驚くべき速さで目を通してから作業に戻ろうとして、微かな違和感に気付き1枚の報告書をディスプレイに再表示させる。
そこそこの能力と飛び抜けた畜生さの研究チームがいた場所だ。
当然だが全員死んでいる。
研究成果どころか、メモ1枚も残っていないはずだが……。
「気のせいか」
研究所跡近くを通過したハンターによるレポートだ。
違和感ともいえぬ微かなものだが、直感が囁いている。
キーを数回叩く。
緊急調査の必要なし。時間が余っているなら調査して欲しい。手当も少量ならつける。
そう指示を出した直後にこの件は脳裏から消える。
解決すべき課題は無数にあり、些事に意識を向けるのはこの程度で限界だった。
●最先端オートマトン
「ビームっぽいソードッ!!」
全身を使って大剣を振り回す。
実体剣の延長線上にマテリアルの刃が伸び、狂気の鉄クラゲVOIDが焼かれ砕かれ風化した道路に転がる。
「目覚めたらポストアポカリプスなんてっ、何がどうなってんのよっ」
青に近い緑の髪が正面からの合成風で揺れる。
薄いドレスアーマーにレーザーが着弾。
焼かれた箇所がほどけて消えることで健康的な白い肌への被害を軽微にとどめる。
「どけどけどけーっ、私様のお通りだいっ」
剣を振るのが面倒臭くなったので跳躍し踵を揃える。
異様な強度の金属が中型に近い狂気にめり込み、音を伴わない悲鳴をあげさせる。
「ふぅ……痛っ」
着地失敗。
道路に打ち付けた尻を撫でながら後ろへ跳んで追撃を回避する。
「最新最強オートマトンをなめるなぁっ!」
片手で大剣を1回転。
左右に両断された小型鉄クラゲから爆発が発生。
ドレスアーマーを薄ら汚して艶のある髪にパーマをかけた。
「これは新作ドラマではありません」
遠距離から撮られた粗い動画を見せながら説明するのは、ハンターズソサエティーのオフィス職員。
説明を受けているのはあなたを含むハンター達だ。
「ドラマならもっと華のある方か強い方が起用されます」
画面のオートマトンは弱くは無いが中堅ハンターレベルですらない。
一線級のオートマトンハンターなら100戦して99勝出来る程度の相手だ。
「すみません。話が横道に逸れましたね」
この職員もオートマトンらしい。
そして、映像の少女よりも強い気配を感じる。
邪神を始めとする歪虚に追い詰められ、複数世界の多種族が生き残りに全力を出す現在、鍛錬と実戦の密度も武装の強化速度も以前とは別次元だ。
「問題のオートマトンは戦力的には大したことがありません」
能力的には駆け出し霊闘士の少し上程度だ。
武装も派手なだけでショップの未強化品と同程度。
歪虚相手に事実上の総力戦を行っている現在、彼女1人を救うために大戦力を派遣することはできない。
ユニットなしの条件で最大8人を送り込むのが精一杯だ。
「しかし歪虚相手に戦う同胞です。無傷で連れ帰って欲しいとは言いませんし、拒否されても連れて帰れとも言いません」
クリムゾンウェストの現状を知らせた上で、どうするか選ばせてあげて欲しい。
そう言って、オートマトンの職員は深く頭を下げるのだった。
●機能停止まで後少し
記憶にある地図を元に、瓦礫を掘って金庫扉の前へ辿り着く。
気合いを入れて剣のビームをぶっ放すと、長い時に耐えた装甲が焼け落ち埃っぽい空気か吹き出てきた。
中へ踏み込む。
エネルギー切れの剣を捨て、棚から同型の剣をとる。
胸と腰しか隠していないアーマーを脱ぎ捨て同型のものを探す。残念ながら胸がぶかぶかの物しか見つからない。
着替えようとしたのに手が動かなくなる。
滑り落ちたドレスの華やかな色遣いと、無機質な床の対比が心を削ってくる。
分かってはいるのだ。
人類も精霊も歪虚に負けた。
今ここにあるのは残骸だけだ。
彼女自身も、精霊と技術の残滓でしかない。
「まだよ」
歯を食いしばる。
「まだ私は負けてないっ!」
大剣を掴んで鼻息荒く宣言する。
その背後10メートル。
どう声をかけようかと考える貴方達に気付く気配は全くなかった。
●半日前の光景
「どうなると思います?」
問われたトマーゾの脳内で膨大な計算が行われた。
「筋金入りの趣味人に情報を詰め込まれた箱入り娘のはずだ」
問答無用で捕縛して連れ帰らない場合、不測の事態が起きる確率9割との答えが返ってきた。
「了解です。ハンターの皆さんに伝えておきます。擬人型の目撃情報が新たに届いたのでこれも……難易度もう1つ上げた方がいいのかしら」
残念ながら、ユニット使用許可は出なかった。
擬人型の目撃者もこの職員も、それがリアルブルーで一時猛威を振るった短距離ワープ可能なCAM型大火力VOIDであることに気付けていなかった。
・地図(1文字縦横1キロ。上が北)
礫礫礫礫 礫:瓦礫の山
礫現礫礫 現:ハンターと問題児の現在地
礫礫礫礫 2:瓦礫の山。中型狂気が2機北上中
2礫礫1 1:瓦礫の山。中型狂気が1機、高速で西進中
それから1週間のことはよく覚えている。
どんな文句を言ってやろうか、どんな人間がパートナーになるのか上機嫌で考えていた。
次の1ヶ月は最悪だった。
怒りと憎しみが抑えきれず、自分が歪虚になってしまう気すらした。
次の1年は思い出したくない。
目覚めを妨げられたまま朽ち果てるのでは無いかと、無駄に強固に出来た己を呪ったりもした。
次の10年は途切れ途切れにしか覚えていない。
開放されなくても、新たな刺激を与えてくれるなら喜んで奴隷になるつもりだった。
次の100年、あるいは1000年かそれ以上は時間の感覚がない。
何故か回線が繋がっていた、図書館のサーバを見つけた。
途中から更新されなくなったのに気づかないほど夢中になって、英知に耽溺し娯楽を賞味していた。
だから、真に目覚めて五感を得たときは天国から地獄に放り出された気分だった。
●トマーゾの困惑
エバーグリーンでの回収作業が進行している。
最近では神仏呼ばわりされることすらある男のもとにも、当然のように報告書が届く。
驚くべき速さで目を通してから作業に戻ろうとして、微かな違和感に気付き1枚の報告書をディスプレイに再表示させる。
そこそこの能力と飛び抜けた畜生さの研究チームがいた場所だ。
当然だが全員死んでいる。
研究成果どころか、メモ1枚も残っていないはずだが……。
「気のせいか」
研究所跡近くを通過したハンターによるレポートだ。
違和感ともいえぬ微かなものだが、直感が囁いている。
キーを数回叩く。
緊急調査の必要なし。時間が余っているなら調査して欲しい。手当も少量ならつける。
そう指示を出した直後にこの件は脳裏から消える。
解決すべき課題は無数にあり、些事に意識を向けるのはこの程度で限界だった。
●最先端オートマトン
「ビームっぽいソードッ!!」
全身を使って大剣を振り回す。
実体剣の延長線上にマテリアルの刃が伸び、狂気の鉄クラゲVOIDが焼かれ砕かれ風化した道路に転がる。
「目覚めたらポストアポカリプスなんてっ、何がどうなってんのよっ」
青に近い緑の髪が正面からの合成風で揺れる。
薄いドレスアーマーにレーザーが着弾。
焼かれた箇所がほどけて消えることで健康的な白い肌への被害を軽微にとどめる。
「どけどけどけーっ、私様のお通りだいっ」
剣を振るのが面倒臭くなったので跳躍し踵を揃える。
異様な強度の金属が中型に近い狂気にめり込み、音を伴わない悲鳴をあげさせる。
「ふぅ……痛っ」
着地失敗。
道路に打ち付けた尻を撫でながら後ろへ跳んで追撃を回避する。
「最新最強オートマトンをなめるなぁっ!」
片手で大剣を1回転。
左右に両断された小型鉄クラゲから爆発が発生。
ドレスアーマーを薄ら汚して艶のある髪にパーマをかけた。
「これは新作ドラマではありません」
遠距離から撮られた粗い動画を見せながら説明するのは、ハンターズソサエティーのオフィス職員。
説明を受けているのはあなたを含むハンター達だ。
「ドラマならもっと華のある方か強い方が起用されます」
画面のオートマトンは弱くは無いが中堅ハンターレベルですらない。
一線級のオートマトンハンターなら100戦して99勝出来る程度の相手だ。
「すみません。話が横道に逸れましたね」
この職員もオートマトンらしい。
そして、映像の少女よりも強い気配を感じる。
邪神を始めとする歪虚に追い詰められ、複数世界の多種族が生き残りに全力を出す現在、鍛錬と実戦の密度も武装の強化速度も以前とは別次元だ。
「問題のオートマトンは戦力的には大したことがありません」
能力的には駆け出し霊闘士の少し上程度だ。
武装も派手なだけでショップの未強化品と同程度。
歪虚相手に事実上の総力戦を行っている現在、彼女1人を救うために大戦力を派遣することはできない。
ユニットなしの条件で最大8人を送り込むのが精一杯だ。
「しかし歪虚相手に戦う同胞です。無傷で連れ帰って欲しいとは言いませんし、拒否されても連れて帰れとも言いません」
クリムゾンウェストの現状を知らせた上で、どうするか選ばせてあげて欲しい。
そう言って、オートマトンの職員は深く頭を下げるのだった。
●機能停止まで後少し
記憶にある地図を元に、瓦礫を掘って金庫扉の前へ辿り着く。
気合いを入れて剣のビームをぶっ放すと、長い時に耐えた装甲が焼け落ち埃っぽい空気か吹き出てきた。
中へ踏み込む。
エネルギー切れの剣を捨て、棚から同型の剣をとる。
胸と腰しか隠していないアーマーを脱ぎ捨て同型のものを探す。残念ながら胸がぶかぶかの物しか見つからない。
着替えようとしたのに手が動かなくなる。
滑り落ちたドレスの華やかな色遣いと、無機質な床の対比が心を削ってくる。
分かってはいるのだ。
人類も精霊も歪虚に負けた。
今ここにあるのは残骸だけだ。
彼女自身も、精霊と技術の残滓でしかない。
「まだよ」
歯を食いしばる。
「まだ私は負けてないっ!」
大剣を掴んで鼻息荒く宣言する。
その背後10メートル。
どう声をかけようかと考える貴方達に気付く気配は全くなかった。
●半日前の光景
「どうなると思います?」
問われたトマーゾの脳内で膨大な計算が行われた。
「筋金入りの趣味人に情報を詰め込まれた箱入り娘のはずだ」
問答無用で捕縛して連れ帰らない場合、不測の事態が起きる確率9割との答えが返ってきた。
「了解です。ハンターの皆さんに伝えておきます。擬人型の目撃情報が新たに届いたのでこれも……難易度もう1つ上げた方がいいのかしら」
残念ながら、ユニット使用許可は出なかった。
擬人型の目撃者もこの職員も、それがリアルブルーで一時猛威を振るった短距離ワープ可能なCAM型大火力VOIDであることに気付けていなかった。
・地図(1文字縦横1キロ。上が北)
礫礫礫礫 礫:瓦礫の山
礫現礫礫 現:ハンターと問題児の現在地
礫礫礫礫 2:瓦礫の山。中型狂気が2機北上中
2礫礫1 1:瓦礫の山。中型狂気が1機、高速で西進中
解説
オートマトン1人を救助する依頼です
・今回登場する歪虚
中型狂気(擬人型)。多数の鉄の触手がCAMの形をとったサイズ3狂気VOID
最大20スクエアの短距離ワープを行えます。一度使用すると次の次のラウンドにならないと再使用できません
全体的に高い能力を持ちますが回避は最大で30です。回避の代わりに短距離ワープ可能
両腕の掌にある鉄製眼球から、射程1~10スクエア、攻撃回数2回のレーザーを撃ってきます
弱そうな生き物を狙うので、自称最新鋭最強オートマトンを狙う可能性大です
・NPC
自称最新鋭最強オートマトン。実際の強さは本文参照。未命名
すごく長期間、技術情報と娯楽作品に浸っていたため性格が独特です。特に後者の影響が強いです
スキルは既に使い切り、精神的にも追い詰められているため突拍子もないことをやりかねません
本人に自覚はありませんが欲望に素直で欲望に弱いです
封印(?)されていた場所は、本人が雑に探索という名の破壊活動を行ったため完全に崩壊しています
ボディの設計思想は歌姫で姫騎士
食べ物を与えればその食べ物に夢中になり、創作物を提供すればその創作物に染まる等、ハンターの行動から非常に強い影響を受けます
・説得
戦闘よりも困難かもしれません
ハンターのことを人間のふりをした高位歪虚と勘違いしたり、やけになって無謀な突撃を試みたり、クリムゾンウェストの技術情報を捨てて新たな世界に向かおうとしたりと、放って置くと問題行動を繰り返します
・転送手段
ハンターズソサエティーから貸し出された注連縄風ロープでぐるぐる巻きにすると、問題児オートマトンが自動でクリムゾンウェストのハンターオフィスに跳ばされます
問題児が抵抗すると王国の超ド田舎とかに跳ばされます。その場合捜索と回収に月単位の時間が必要です。ある程度説得をしておくことをお勧めします
・今回登場する歪虚
中型狂気(擬人型)。多数の鉄の触手がCAMの形をとったサイズ3狂気VOID
最大20スクエアの短距離ワープを行えます。一度使用すると次の次のラウンドにならないと再使用できません
全体的に高い能力を持ちますが回避は最大で30です。回避の代わりに短距離ワープ可能
両腕の掌にある鉄製眼球から、射程1~10スクエア、攻撃回数2回のレーザーを撃ってきます
弱そうな生き物を狙うので、自称最新鋭最強オートマトンを狙う可能性大です
・NPC
自称最新鋭最強オートマトン。実際の強さは本文参照。未命名
すごく長期間、技術情報と娯楽作品に浸っていたため性格が独特です。特に後者の影響が強いです
スキルは既に使い切り、精神的にも追い詰められているため突拍子もないことをやりかねません
本人に自覚はありませんが欲望に素直で欲望に弱いです
封印(?)されていた場所は、本人が雑に探索という名の破壊活動を行ったため完全に崩壊しています
ボディの設計思想は歌姫で姫騎士
食べ物を与えればその食べ物に夢中になり、創作物を提供すればその創作物に染まる等、ハンターの行動から非常に強い影響を受けます
・説得
戦闘よりも困難かもしれません
ハンターのことを人間のふりをした高位歪虚と勘違いしたり、やけになって無謀な突撃を試みたり、クリムゾンウェストの技術情報を捨てて新たな世界に向かおうとしたりと、放って置くと問題行動を繰り返します
・転送手段
ハンターズソサエティーから貸し出された注連縄風ロープでぐるぐる巻きにすると、問題児オートマトンが自動でクリムゾンウェストのハンターオフィスに跳ばされます
問題児が抵抗すると王国の超ド田舎とかに跳ばされます。その場合捜索と回収に月単位の時間が必要です。ある程度説得をしておくことをお勧めします
マスターより
プレイング次第でシリアスにもコメディにもなる依頼です
説得に専念する行動も有効かもしれません
説得に専念する行動も有効かもしれません
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/03/29 08:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談 ツィスカ・V・A=ブラオラント(ka5835) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2019/03/22 17:17:14 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/03/21 20:38:53 |