ゲスト
(ka0000)
【幻想】輪郭の無い幻想へ、乞う
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~5人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/03/23 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/04/01 19:00
オープニング
遊牧民族ズヴォー族は基本的に「来るもの拒まず、去る者追わず」だ。
迷い彼らの者へたどり着いたものが望むならば受け入れ、生まれ育ったものであろうがここを出て別の暮らしがしたいと言われば見送る。
来訪は、新しき風を生むだろう。去る者もまた、新たな風に吹かれたのだ。
そう、彼らにとって別れとは惜しむものでは無く祝福すべき門出だ。貴方を動かす大きな風に出会えたことに、はなむけを。
チィ=ズヴォーもそうして、幾度も部族の者が別の世界へと去るのを見送ってきた。自身も見送られて本格的にハンターとなった。一抹の寂しさはあった。だけど彼らの、己の語る展望に胸を躍らせ、笑って別れを迎えてきた。
だから。
いずれ帰ることになるのだから、といって距離を保とうとする戦友の態度をチィは理解できなかった。いずれ離れるならばなおの事、可能な限り共に居るべきだとしか思わなかった。
いつしかそうして、互いの間に距離を感じることは無くなって。
──そうして、どうして、相手の言葉の意味を今更思い知ることになるのだろう。
部族としての生き方、誇りが無意識に押さえつけていた考え方をニガヨモギによって暴かれて。
厄介なのは、自覚したところで望む形が定まらないことだった。
だって。望めるわけが無いのだ。彼が、ずっと戦い続けなければならなければいいのに、とか。ましてや、リアルブルーに帰れなくなったら、など。そんなことになって、喜べるはずがない。想いを自覚してしまった今、むしろそうなれば一層の後味の悪さしかないだろう。
だから、そう。
どうなればいいかは、分かってるのだ。ただまた、今を。今だけでも。何事もなかったかのように共に在れれば。
そのために。自然に笑うために自然に在るために、この心の隙をどうすればいいのかが分からない。
自分は今、ここに何を願い、満たせばいいのか。
●
「くそっ……数が多い……!」
「凌ぎきれ! 敵をこれ以上遺跡に突入させるな!」
ベスタハ遺跡の周辺では、辺境部族たちと、動きを察知した歪虚の軍が交戦を開始していた。
今、チィ=ズヴォーと、今回の依頼を受けたハンターたちの前に居るのは、数にものを言わせた雑魔の兵だった。
怠惰の歪虚の力で巨大化した蟻やカマキリ、バッタと言った昆虫の群れ。
……いや、ただ数だけでもない、のか。
「わあああぁ!?」
部族戦士の一人が悲鳴を上げる。見れば周辺を完全に蟻に囲まれ身動きが取れなくなっている。戦士を取り囲む蟻は眼前のそれだけではなく、周辺の蟻たちも身を寄せ合い近寄るものを牽制し、意識して一人の戦士を孤立させているようだった。そうした敵の密集を、カマキリやバッタはというとものともせずに自在に跳ね回って移動し、鋭い鎌で、背に負った砲台で一撃離脱を仕掛け戦士を追い詰めていく。
「っ……! 今、援護するでさあ!」
チィが地を踏みしめて前に出る。強い踏み込みで力づくで蟻がふさぐ道をこじ開け戦士の元へたどり着くと、そのまま援護しつつ、味方の支援を受けてどうにか敵の包囲からともに脱出する。……もはや戦士は深手を負って後退を余儀なくされていたが。
「突出するな! 孤立させられるぞ! 付近の者とカバーし合え!」
戦士を指揮する一人が声を上げる。チィも全く同感で……それでも一瞬言い遅れたのは。
誰かと、カバーし合う。
そんなことは彼においてこれまで大体、意識するまでも無いことだった。
本来だったら、大群相手。まず真っ先に己が、範囲攻撃で斬り込んでいこうかと考えて、実行していただろうか。……何も言わずともその後をフォローしてくれるだろう相手が、そこに居れば。
考えずともどう動くか何となく分かる相手がそばに居れば、自分がどう動くべきかも立てやすい。
(……別に今までだって、常にずっと一緒だったわけでもねえだろうに……)
共に行動しないことくらいこれまでにも割とあった。そもそも、彼と会う前から己はずっと戦士だったのだ。知己の者が居なくてもどう戦えばいいかくらい、知っている。分かっている。
……ただ今はちょっと居ないことが余計に染みるだけ。
けど、そんなのは錯覚だ。感傷だ。普通にできる。普通に戦える。ここに居る者たちは実力で言えば、彼より頼りになるもの立っているだろう。
──ああそうだ、それに。
つまりもうすぐ、それが当たり前になるという事なのだから。
これもまた、己が望むべきことなのかもしれない。思い出せばいい。一人で戦っていた頃のことを。
それが普通にできるのだと、当たり前のことだと認められれば。
……そうしたら?
迷い彼らの者へたどり着いたものが望むならば受け入れ、生まれ育ったものであろうがここを出て別の暮らしがしたいと言われば見送る。
来訪は、新しき風を生むだろう。去る者もまた、新たな風に吹かれたのだ。
そう、彼らにとって別れとは惜しむものでは無く祝福すべき門出だ。貴方を動かす大きな風に出会えたことに、はなむけを。
チィ=ズヴォーもそうして、幾度も部族の者が別の世界へと去るのを見送ってきた。自身も見送られて本格的にハンターとなった。一抹の寂しさはあった。だけど彼らの、己の語る展望に胸を躍らせ、笑って別れを迎えてきた。
だから。
いずれ帰ることになるのだから、といって距離を保とうとする戦友の態度をチィは理解できなかった。いずれ離れるならばなおの事、可能な限り共に居るべきだとしか思わなかった。
いつしかそうして、互いの間に距離を感じることは無くなって。
──そうして、どうして、相手の言葉の意味を今更思い知ることになるのだろう。
部族としての生き方、誇りが無意識に押さえつけていた考え方をニガヨモギによって暴かれて。
厄介なのは、自覚したところで望む形が定まらないことだった。
だって。望めるわけが無いのだ。彼が、ずっと戦い続けなければならなければいいのに、とか。ましてや、リアルブルーに帰れなくなったら、など。そんなことになって、喜べるはずがない。想いを自覚してしまった今、むしろそうなれば一層の後味の悪さしかないだろう。
だから、そう。
どうなればいいかは、分かってるのだ。ただまた、今を。今だけでも。何事もなかったかのように共に在れれば。
そのために。自然に笑うために自然に在るために、この心の隙をどうすればいいのかが分からない。
自分は今、ここに何を願い、満たせばいいのか。
●
「くそっ……数が多い……!」
「凌ぎきれ! 敵をこれ以上遺跡に突入させるな!」
ベスタハ遺跡の周辺では、辺境部族たちと、動きを察知した歪虚の軍が交戦を開始していた。
今、チィ=ズヴォーと、今回の依頼を受けたハンターたちの前に居るのは、数にものを言わせた雑魔の兵だった。
怠惰の歪虚の力で巨大化した蟻やカマキリ、バッタと言った昆虫の群れ。
……いや、ただ数だけでもない、のか。
「わあああぁ!?」
部族戦士の一人が悲鳴を上げる。見れば周辺を完全に蟻に囲まれ身動きが取れなくなっている。戦士を取り囲む蟻は眼前のそれだけではなく、周辺の蟻たちも身を寄せ合い近寄るものを牽制し、意識して一人の戦士を孤立させているようだった。そうした敵の密集を、カマキリやバッタはというとものともせずに自在に跳ね回って移動し、鋭い鎌で、背に負った砲台で一撃離脱を仕掛け戦士を追い詰めていく。
「っ……! 今、援護するでさあ!」
チィが地を踏みしめて前に出る。強い踏み込みで力づくで蟻がふさぐ道をこじ開け戦士の元へたどり着くと、そのまま援護しつつ、味方の支援を受けてどうにか敵の包囲からともに脱出する。……もはや戦士は深手を負って後退を余儀なくされていたが。
「突出するな! 孤立させられるぞ! 付近の者とカバーし合え!」
戦士を指揮する一人が声を上げる。チィも全く同感で……それでも一瞬言い遅れたのは。
誰かと、カバーし合う。
そんなことは彼においてこれまで大体、意識するまでも無いことだった。
本来だったら、大群相手。まず真っ先に己が、範囲攻撃で斬り込んでいこうかと考えて、実行していただろうか。……何も言わずともその後をフォローしてくれるだろう相手が、そこに居れば。
考えずともどう動くか何となく分かる相手がそばに居れば、自分がどう動くべきかも立てやすい。
(……別に今までだって、常にずっと一緒だったわけでもねえだろうに……)
共に行動しないことくらいこれまでにも割とあった。そもそも、彼と会う前から己はずっと戦士だったのだ。知己の者が居なくてもどう戦えばいいかくらい、知っている。分かっている。
……ただ今はちょっと居ないことが余計に染みるだけ。
けど、そんなのは錯覚だ。感傷だ。普通にできる。普通に戦える。ここに居る者たちは実力で言えば、彼より頼りになるもの立っているだろう。
──ああそうだ、それに。
つまりもうすぐ、それが当たり前になるという事なのだから。
これもまた、己が望むべきことなのかもしれない。思い出せばいい。一人で戦っていた頃のことを。
それが普通にできるのだと、当たり前のことだと認められれば。
……そうしたら?
解説
●目的
ベスタハ遺跡周辺での戦いの一角
眼前の敵を殲滅し歪虚軍の遺跡への侵入を防ぐこと
●敵情報
・ガードアント×20
防御力の高い巨大蟻。孤立したものを狙って取り囲もうとする。また、蟻同士で積極的にスクエアの占有を行う。
特殊能力【防御陣形】
3ターン、自分自身、及び同一、隣接スクエアに居るガードアントの防御力を上昇させる
同一、隣接スクエアに居るガードアントが多いほど防御力が上昇する
・ブラッドマンティス×3
攻撃力、機動力、回避力の高い巨大カマキリ。ガードアントを壁にして一撃離脱攻撃を仕掛けてくる。占有スクエアを無視して移動する。
特殊能力【ブラッドサイズ】
強力な近接物理攻撃。ダメージの一部を吸収し、回復する効果がある
・カノンホッパー×3
砲台を背負った巨大バッタ。ガードアントを壁にして中~遠距離から砲撃を仕掛けてくるが、好機とみると以下の【近接砲撃】を仕掛けてくる。占有スクエアを無視して移動する。
通常攻撃の射程は12
特殊能力【近接砲撃】
射程2スクエア超高威力攻撃。ファーストタイミングで使用が分かり、射撃までに攻撃を食らうと命中に大きくマイナス補正がかかる
味方戦力としてチィ=ズヴォーが同行。そこそこの実力の闘狩人。特に指示は無くともPCの方針に上手く合わせて戦うものとする。
他の、周辺の部族戦士については意識しなくてよい。適宜戦闘、退却をしており、その状況を鑑みた上でPCがこの数の敵を倒す必要があるものと考えればよい。つまり、指定の敵を全て倒せばそれだけで彼らは守られるし、逆に援護を期待することも出来ないものとする。
ベスタハ遺跡周辺での戦いの一角
眼前の敵を殲滅し歪虚軍の遺跡への侵入を防ぐこと
●敵情報
・ガードアント×20
防御力の高い巨大蟻。孤立したものを狙って取り囲もうとする。また、蟻同士で積極的にスクエアの占有を行う。
特殊能力【防御陣形】
3ターン、自分自身、及び同一、隣接スクエアに居るガードアントの防御力を上昇させる
同一、隣接スクエアに居るガードアントが多いほど防御力が上昇する
・ブラッドマンティス×3
攻撃力、機動力、回避力の高い巨大カマキリ。ガードアントを壁にして一撃離脱攻撃を仕掛けてくる。占有スクエアを無視して移動する。
特殊能力【ブラッドサイズ】
強力な近接物理攻撃。ダメージの一部を吸収し、回復する効果がある
・カノンホッパー×3
砲台を背負った巨大バッタ。ガードアントを壁にして中~遠距離から砲撃を仕掛けてくるが、好機とみると以下の【近接砲撃】を仕掛けてくる。占有スクエアを無視して移動する。
通常攻撃の射程は12
特殊能力【近接砲撃】
射程2スクエア超高威力攻撃。ファーストタイミングで使用が分かり、射撃までに攻撃を食らうと命中に大きくマイナス補正がかかる
味方戦力としてチィ=ズヴォーが同行。そこそこの実力の闘狩人。特に指示は無くともPCの方針に上手く合わせて戦うものとする。
他の、周辺の部族戦士については意識しなくてよい。適宜戦闘、退却をしており、その状況を鑑みた上でPCがこの数の敵を倒す必要があるものと考えればよい。つまり、指定の敵を全て倒せばそれだけで彼らは守られるし、逆に援護を期待することも出来ないものとする。
マスターより
凪池です。幻想連動お届けします
血断、幻想とこう、凪池拗らせ男子選手権みたいになってますがまあ気にしないで敵をぶちのめしてくれればそれでいいです。はい。
まあ拗らせ度で言ったら次に今一番面倒くさい奴が控えておりますが。多分ですがご期待(?)にたがわず面倒くさいことになりそうです(
匙加減……大丈夫かなあ……?
まあその。よろしくお願いします。
ネタは前々から考えてたんだけどここで占有スクエア突破できるスキルが一気に増えたなおい!?
逆にそのためだよと開き直ることにしましたので新しくなったスキルを良くチェックしてみると良いですよ!(
血断、幻想とこう、凪池拗らせ男子選手権みたいになってますがまあ気にしないで敵をぶちのめしてくれればそれでいいです。はい。
まあ拗らせ度で言ったら次に今一番面倒くさい奴が控えておりますが。多分ですがご期待(?)にたがわず面倒くさいことになりそうです(
匙加減……大丈夫かなあ……?
まあその。よろしくお願いします。
ネタは前々から考えてたんだけどここで占有スクエア突破できるスキルが一気に増えたなおい!?
逆にそのためだよと開き直ることにしましたので新しくなったスキルを良くチェックしてみると良いですよ!(
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/03/31 06:42
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/03/22 22:56:04 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/03/18 22:36:05 |